2020年9月12日土曜日

2017年06月の74首と、その他もろもろ。

本にして世に問うこともなき言葉、大波くれば瓦礫にもならむ

言うほどに悪くはないと道脇のツツジが咲けり、そう悪くない

ここはそういう言葉は何もありません言葉にならない声のみどうぞ

お徳用サイズのサツマイモ天を大人になってもわれに勧める

心によって心は心になるであろ、やさしさはきみをみちびくであろ

自由とか不自由じゃなく言うならば復興律を唱うリーダー

先のことが分からぬ鳥が愛しくて、(その理屈だとオレも愛しい)

ほっぺたが少したるんだわが妻よこれからも妻でいてくれますか

我慢して人間50年、以上、無限のごとき後悔夢幻

忘れられた詩歌句は第四倉庫、零時を越えたらひらく扉の

酒呑んでポジティブ上戸、昼頃に希望も喉も渇いて起きる

やがて卒業そして忘れてゆく歌がたくさんあってこれでよいのだ

人間は笑った時に言うなれば骨を見せちゃう生き物である

形あるものでなくても壊れるしガラスのような音も聞こえる

ポケベルのような使い方であるよ空メール送る母に電話す

精神の健康はついに得られずき顔を洗ったまま顔を覆う

ネズミ色のクレヨンでこの耳大き動物は象かそれともネズミ

ZIMAみたいな香りの女といるけれど帰りたいけどネタになるけど

ファウストはオレファーストの物語と言えなくもない水無月湿る

文学の権化みたいな顔してさ、遅刻もしたことない人なのに

マツコやせてマツコスラックスなどと言いたいだけの昼休みなり

怖い話ネットで深夜楽しんで歯を磨くときのつくづく鏡

少年をきみは貴方と表記する女は三世をどっかと座る

スヌーピーの乳首透けT着ていると少し気まずい(全員男)

悲しみが極まるときに巨大なる球はブルンとふるえにけりな

さよならは引き止められずわっはっは、わっはっはぼくは笑っているの?

友人に玉をたやすく追い込まれ負けず嫌いの「ず」までが憎い

ぼくはきみを生まれる前から知っているけどきもいので知らないそぶり

断崖は前でも後ろでもなくて横にあることを見ているあなた

なにか人のためにならねばならないと思う夜道を疲れておれば

ドッグフードが一個先にもまた一個、これは、犬用の罠ではないか

ストレージにその情報を詰めたまま彼も一つの情報となる

ハードディスクがたぶんいくつか死んでいるそこにいるのにもう動かない

物語ひと山いくら高いのと安いのどちらを君に贈ろう

一貫性ある人生のたとうならジャベルの見たるセーヌの流れ

短歌最後の日、の一首われは読むあたわずそんなに優れた歌にあらざらむ

これでもかこれでもかってこの人の内よりきたる悲しみを吸う

不死がまだうらやましい世を眠らせてある時は羊飼いなる男

人間をわしづかみして貪り食う神のつかいの神々しいか

涙ながれるほど正義なる君といて熱き血潮がやや冷めるなり

ひそやかでダメな願いでありましょう伴食大臣おけぬ時代に

親指を進化させ笹を掴まねば生きられなかった地獄をおもう

どうしようもない夜を座るひとつ心をそのままにして寝るのも大人

手続きで負けてしまった正しさが呪いの蛇になってうごめく

ぼくたちは年老いてきっと閉じてゆくそしたら今日のことを話そう

15歳でメディアをひとつ与えられ5次元人のようなまなざし

実存と虚無と無意味と不合理のさわやかな青空の真下

方言の説明は歯切れ悪くして同語反復するばかりなり

やや上を眺めてスピーチするきみの、未来はそういう見方がよろし

日本語は抵抗もせず滅びるかgrandchildはyouと話せず

6月に年越しそばを食べている今年もいろんなことがあったな

魂が可算名詞になるまえのオレタチに幸も不幸もないよ

親権がとれず女に戻るのを喜ぶ一瞬を子と父は見る

溜飲を下げる娯楽に神々の渇きは続く、次はお前だ

フェイゲンの曲が流れたCMのThinkPadが欲しい今でも

種に貴賎ありせば今日もナマケモノ賎なる者の「怠け」をなせり

つくだ煮は好きだけれどもつくだ煮の匂いの君を好きになれない

ギザギザの歯でにんまりと笑ってたさっちゃん、転校してそれっきり

給湯室で歯を磨きいるおっさんが人生はつらいなあとつぶやく

健診で異常がなくて安堵する範囲内ならちがってていい

ぼくたちは星にてあればここからは異なる軌跡、楽しかったと

闘争が終わったらまるで何事もなかったように一句をひねる

フロッギー(カエル星人)と名付けたあとで肌の色で差別をしない法律が成る

淡水湖のややなまぐさき香りして海に還らぬ男女抱き合う

ツチノコはいるしツチノオヤもいる命の母をよく飲んでいる

この人は指をひらひらさせながら目を凝らしたる仕事で生きる

ウイルスに君のOSはむしばまれ泣く泣く君をリカバリーする

将棋には性別を示す駒がなくて命拾いだね再ブーム

夜になると銅像がうごく七不思議どこにでもあるという不可思議の

使命感なければただの野次馬を担いでるのはまあ、鹿だよな

おばさんになったのだなあ、おばあさんになってもぼくは驚くだろう

ノスタルジーを右に左に動かして魔王を倒せば現実がくる

今回も失敗だった、ぼくの詩でその心臓をひと突きならず

大変なことになったと思いつつトップ記事にはならなかったか


俳句
役割のひとつ終わって夏の風邪

罪いくつかぞえたとして鴉の子

実梅摘む天職に遇える人わずか

梅雨鯰呆れられても大あくび

一発アウトのトラップありて夏至なかば

忘れすぎてくれてもうれし柿の花

正念場ここで去年の藺座布団

君にうたう、君は知らない藺座布団

白日傘小学校が投票所

花南瓜あとはまわりが決めてくれ

憂いひとつ五月雨にも濡れさせず

葛切やマイナスからの一歩です

何に似て麦藁帽を漏るひかり

梅天や握るゼリーの味均一

飲み込めぬサイズにしてよマイ鵜匠


パロディ俳句
◯♬や〓⌘は遠くなりにけり

ひりあくも おろじてばけみ まじねえて
IBM→HAL変換編

去年今年啜れるそばの如きもの


パロディ自由律俳句
ちねいっぺろぴねみっけろまないたわ


#うんの日風
採用をがまんしているまひるまのとんがりコーン指から食べる




































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