こんにちは。土曜の牛の文学です。
『近代短歌論争史明治大正編』の論争の⑥は、論争好きの伊藤左千夫が、アララギの新旧交代の旧側に立って、斎藤茂吉、島木赤彦、古泉千樫、中村憲吉、土屋文明らの新人層と対立し、一年半ほど論争をしながら、敗北しつつ受け入れてゆく流れとなる。
ここでの論点は現在ではやや実感しにくい。左千夫側は「実感を消化した上での写実」を短歌の本流としているのに対して、一方の茂吉を筆頭にする新人層は「表現主義の予感をはらんだリアリズム」に取り組もうとしているのだが、左千夫にはそれが作り物にみえて、どうも納得できなかったようにもみえる。ただこの論争によって、茂吉ら新人は素材や連作について、ブラッシュアップしていくことになるし、左千夫も自分の表現について完成に向かうようである。
左千夫は先生にあたる立場だが、茂吉らが新人とはいえ論詰してくるのは、こわいよね。
七首連作「倍速の舞」
歳時記をひらけば不意に寒卵、ないよね寒卵の記憶など
にっぽんのむかしのくらしクラシカル クラシアン要らぬぽっとん便所
能楽をネットの動画で流しつつ、時間がないので倍速の舞
和ロックの四字熟語百花繚乱にキャロルのカタカナ英語なつかし
通勤は11世紀のヒルデガルトの聖歌を耳に 手に古今集
駅に着きあなたと何を食べようか オレひとりならエサでよい夜
レイヤーを一枚めくれば貧しさがめくるめく街 きみのて つなぐ
1月も終わりますねー。この土曜の牛の日も、月4回を12回もやればもう一年なんだから、そう考えると早いよね。まあできない日もあるらん。(急に新かな文語!