照屋沙流堂・・・沙流
野原豆・・・豆
袴田朱夏・・・朱夏
くらげただよう・・・洋
寿々多実果・・・多実果
小澤ほのか・・・ほのか
石川聡・・・聡
おふうちゃん・・・ふう
珈琲と俳句・・・珈俳
野原豆・・・豆
袴田朱夏・・・朱夏
くらげただよう・・・洋
寿々多実果・・・多実果
小澤ほのか・・・ほのか
石川聡・・・聡
おふうちゃん・・・ふう
珈琲と俳句・・・珈俳
1 おぼろなり今宵は雨に散るさくら
沙流
2 涙を拭い踏み出す一歩
豆
3 帽子は忘れたけどくれてやる
沙流
4 しゃらしゃらと葉を揺らす雨嫋やかに
豆
5 また来年も春に逢いたい
豆
6 狼は丘に立ちて、のち去る
沙流
7 蝙蝠の群れて一家は夕焼けに
朱夏
8 シチューのような窓の明るさ
沙流
9 回さずにじっと眺める月球儀
洋
10 あなたの見ているほうが裏です
朱夏
11 着るときに表にしろと畳む服
多実果
12 雨ふるまえの部屋のしずけさ
沙流
13 夏燕飛びゆく空に雲はなく
ほのか
14 アスファルトより黒々と影
洋
15 すりむいたひざの分だけ少年は
朱夏
16 濤乱刃なる小刀かくす
聡
17 「おいそこの顔を見せない配送員!」
沙流
18 「これが素顔」とのっぺらぼうは
洋
19 ペッパー君が甲高い声であやまって
沙流
20 繰り返されるオンライン飲み
洋
21 白いマスクにU字への字の口を書き
多実果
22 同僚の死を占っている
朱夏
23 77度の焼酎売りだされ春暖
聡
24 チューリップらは首を失う
洋
25 拾うのは薔薇の援軍赤母衣衆
聡
26 足りぬ足りぬと九尾の狐
洋
27 心臓がいくつあっても死は一度
沙流
28 銀の弾丸込めてかまえる
洋
29 座禅する師匠の背中壁のごとく
沙流
30 崩されるのは無実の豆腐
洋
31 祖母山も切羽も詰まる頃なれど
聡
32 実家暮らしの姫の退屈
沙流
33 手すさびにレースなんかを編んでみる
ほのか
34 終焉までの橙の日々
朱夏
35 もうリンゴ食べ飽きたなとアダム、エヴァ
洋
36 あばら骨から矢じりをつくる
聡
37 マンモスの倒れた時の地の響き
沙流
38 かき消してゆくヒトの雄叫び
洋
39 本日も正義の感染者が増えて
沙流
40 日が沈んでくインカ帝国
洋
41 ものうげなアルパカの耳が笛を聞き
沙流
42 長いまつげが微かに揺れる
多実果
43 五月雨の檻に囲まれ夜が来る
洋
44 置き時計には横顔の月
沙流
45 豆苗の二度萌え激し月眠る
聡
46 白南風の尾を掴めぬままで
洋
47 狐には化かされまくりのお爺さん
ほのか
48 宇宙に向かってひとりにこにこ
沙流
49 素麺が流れ続ける天の川
洋
50 誰にも見えぬむらさきの糸
朱夏
51 ひっぱってくれたらついていきたいよ
沙流
52 くじ引き引いて残念賞を
洋
53 虚しさは仕舞い忘れた夜に降る
豆
54 ひきだしの奥にわずかな希望
沙流
55 ドラえもん色につま先染めて
洋
56 サンダル買いにスキップでいく
多実果
57 ひとめぼれこれはおそらく両想い
沙流
58 米を買うならコシヒカリだな
洋
59 握り飯なかへひとつぶ愛をうめ
聡
60 交わす言葉に花がほころぶ
洋
61 あちこちで蛙合戦
ふう
🐸始まりぬ
62 つはものどもが水掻きの跡
聡
63 空っぽになったカレー皿をどけ
洋
64 福神様がお出ましになる
ふう
65 珍客を喫茶店主は能くいなし
珈俳
66 河岸につきたる宝船から
洋
67 焼肉かカレーか迷う餅あわい
ふう
68 体重計がお乗りなさいと
洋
69 罪悪感洗い流してくれ珈琲
珈俳
70 そう言うわりにフレッシュ入れる
朱夏
71 ミディアムのレアーを切れば薔薇色の
聡
72 花咲くことのエロティシズムは
沙流
73 はつ夏の珈琲店のささめごと
珈俳
74 座敷童も見て見ぬふりで
朱夏
75 物置でこそこそ話し声がする
沙流
76 雛の包みは開けられぬまま
ふう
77 床の間で埃かぶったお目出度さ
沙流
78 この掛け軸の裏から逃げて
沙流
79 雪舟の山水の河くだる漁夫
聡
80 お日さま浴びて鼻唄混じり
ほのか
81 パラソルだ、ほんとに白いパラソルだ
沙流
82 太陽に怒られている夏
朱夏
83 朝顔としょんぼり顔でご挨拶
洋
84 おねしょのこども、二日酔いのパパ
多実果
85 水難の相があるよと占い師
洋
86 私もですと付け加えおり
朱夏
87 大型のキャットフィッシュが生あくび
沙流
88 やがて鳴門の大渦になり
朱夏
89 泉には鯰のごとき我が顔が
聡
90 怒りを選べとささやいてくる
沙流
91 革命は天変地異の赤い花
沙流
92 花粉のせいで自転が止まる
朱夏
93 骨董の壺から飛び出す大魔王
洋
94 マスクはとてもとても小さい
朱夏
95 君の目と眉が本音のかたちして
沙流
96 弁舌よりも爽やかであり
ほのか
97 てのひらでフタを開けたり梅酒瓶
沙流
98 ハンドパワーが流行らなくなり
朱夏
99 手を洗うなぜか反省する心地
沙流
100 湯気を立ててる白飯うまし
洋