外は30度を超えているのに、みな、よく外へ出るなあと思う。人間のエネルギーはすごい。よく日本人はそのエネルギーを三十一文字に入れようとしたね。いや、出来ないから外へ出るのか。それとも、平安時代は、あんまり元気なかったのか。光らない君へ。
2017年11月の短歌など。
1年は10月で終わり今はだから来年までのひらひら踊り
広大な自由な未来目指しつつ決められたレール走れ鈍行
外は30度を超えているのに、みな、よく外へ出るなあと思う。人間のエネルギーはすごい。よく日本人はそのエネルギーを三十一文字に入れようとしたね。いや、出来ないから外へ出るのか。それとも、平安時代は、あんまり元気なかったのか。光らない君へ。
2017年11月の短歌など。
1年は10月で終わり今はだから来年までのひらひら踊り
広大な自由な未来目指しつつ決められたレール走れ鈍行
短歌が表現の極北だったような時代はもう過ぎたんだけど、じゃあ自分の短歌を文学に興味のない人に見せておもしろいのかというと、そうでもないだろうね。自分の短歌がおもしろくない、という話とはちょっと違う話としてね。
短歌など。
昨晩のチータラがより乾きおりおれも渇いて今日のはじまり
王族ではもちろんないが今日もバルス明日もバルスお前もバルス
プロトコルをプロトコールと言う彼のトリコロールのセーターを見る
人を殺せる速度の車で会いにゆききみを助ける、殺せる速度で
キットカットは受験生にはいいだろう窓際の社員さびしくかじる
フルートをぴーひゃらと言われ怒ってた彼女が奴とつき合っている
自販機の缶コーヒーの「しにた〜い」に「ころした〜い」が加わって秋
四季即ち季節の死なる、秋の裏で一つ一つの腐(くた)れゆく菜(さい)
なしてなん? なしてあんたは出ていくん? そういう声を聞いた背中か
クリープとコーヒー 焼酎 ティファールのキッチンの森に遊ぶ飼い鳥
ちちははに記別与えるときのため若かりし日の話聴きおり
ツイッターで1行半の文章を韻律で読む、短歌じゃないじゃん
セスナではなくてデハビラントなのか、まあまた来てよ待ってるからさ
金出せば焼肉食える国で思うゲバラ、ゲバラの焼肉のたれ
東北で芋煮が語られるときのバベルのごとき神の制裁
#困らせることばかり言うから
父ちゃんが蟷螂拳のポーズする困らせることばかり言うから
お守りキャラが急にオトコにならないで困らせることばかり言うから
5次請けの男らの目の野生味よ困らせることばかり言うから
beliefの語の変遷が気になってちょっと汚れてしまったこころ
(この歌はツイッターより結社誌だな)ちょっと汚れてしまったこころ
甘くないペーストを餡と言う時のちょっと汚れてしまったこころ
週はじめはうまい昼めしいのちとはときどき褒めてやらねばならぬ
な、なんと、コンビニたちが次々と? コンビニたちが合体してゆく!
ディスカウント理髪店にてAMラジオの政治批判よ、もみあげは残す
われにとり詩はおならだと言う人の「とり」のところが天皇みたい
小さいとすぐ死ぬそして大きいとすぐに死なない、ではグッドラック!
クロソイドカーブを曲がり高速へ君のつむじを掌(て)で包むため
男らはついにはらまぬものだから永遠に詩がおもちゃのちゃちゃちゃ
定型ってげにお手頃な詩形にて寒くなったらつい記す秋
みなそこで貝はぱくぱく唄うのだ身のほどなんて興味ないのだ
書を捨てよ街に出よう、書を買いに街へ出よう、街を出よう
案の定新宿ラビリンスで迷う地上はどこだ、今何年だ
色とりどりの傘に頭を覆いつつ人はしずくに弱い生きもの
ワゴンなき古本祭り、ブルーシートが文字を隠してつい海のふり
最初からきれいに踏んでくれるのでここでもぼくは二流なんだな
人生は前向きがいい断捨離と思えばさっぱり、すっかり、ぽっかり
#いちごつみより
大地からいろいろな色が湧き出して春ってなんだろうねえおじいちゃん
揺すったらどっぷんどっぷん悲しみを沸かして入ればなんかたのしい
旧駅舎の待合室のストーブの湿ったあたたかさを冬と呼ぶ
この長くゆれる吊り橋の真ん中で引き返すのもいやだ人生
あと処理がすべて終わって残りものの寿司にわさびが無いのに泣いた
川柳
あたたたた たたたたたたた たたか〜い
日曜にポエ散らかして雁渡る
俳句
急いだが回り込まれて秋あかき
収穫の喜び知らで秋まつり
恋人に飽き飽きと秋、柿ぬるん
秋の暮未来のための今でなし
新豆腐ことばがこころを斬るやうに
浴槽にはつか霧笛のようなもの
あるきっかけがあって、2年以上して、自作のサルベージをひさしぶりにする。サルベージして、自選もしていたが、2017年07月からは、自選だけを載せているようだ。さぁて、どうなることやらら。
真夜中に髭を剃りだすこのわれを無視してやさしき家族のありぬ
どこでもドアを手に入れたのでこれからはすぐに駅までいけて嬉しい
薬と水溺れそうにて飲んでいる水飲むの下手でやや可愛らし
きみに似たたましいの子がかつていてごめんその子をしばらくおもう
存在を宇宙で一番この俺を肯定しなきゃならないところ
再びのバラバラのため進化せよインターネットという孤立主義
定型はある種の元気、そこまででないものは自由律のタグつけて
立っている後ろ姿の靴底のいびつな減りも切なき景色
いきるのはつらつらつらしつぶらなるひとみのひかりまたひとつきえ
ペンネームにも人格あらばこの表現はちょっと作者に相談しよう
明日からも消え入りそうに生きていく決意を込めて、おやすみなさい
逃げ場所があればいいけどぼくはぼくをルービックキューブみたいに変えて
さまざまな色で描かれたカニだからさまざまな明日をまっすぐ横へ
外人と朝のホームを並走すアーユーハッピイ? アイムぼちぼち
この電車はもうとめませんお客様のご理解ご協力ご覚悟を
"J"を冠してさも新しい感覚の時代があった、J日本人
JジャパンにまたJを付けまたJを付けて、これじゃぁおみおつけじゃん!
ごきぶりが夕方の町を飛んでいる僕らも平和を希求している
遅々として生きると決めたこの俺の足並みを真似してもいいけど
認めたくないのだわれの青春のソリティアやってた分の遅れは
かなしいじゃあーりませんか人間がいまいるところがつらいだなんて
今日もきみは薄く笑ってでもそれはダイジョウブルー、水底(みなそこ)の青
人はまた権威に帰りゆくを見るエーデルワイスをハミングしたし
Blackbirdのイントロを弾く、ぼくだけが覚えてそうな思い出のため
生命に危険及ばぬ詩を憂いて佐佐木幸綱のさかずきの酒
革命中に詩は生まれぬと言ったのは魯迅だったか、まだ在るのか、詩
奪はれるのは言葉だけかは、愛国の印に和歌のよみがへる明日
きな臭いのきなってなんなの? きぬ擦れの君に尋ねて喃語のごとし
愛し合うのに身体がいるのとあまりにも真顔で訊かれて嘘を答える
もう死にたいと子に漏らし笑う 子の我も微笑んでこの話は終わり
心臓がトマトだったと見つかってもう学校で広まっていた
シジフォスの昼の休みは短くて缶コーヒーを数分で飲む #ギリシャ神話ただごと歌
自撮り中に水に落ちたるナルキッソス、B612の文字消し忘る #ギリシャ神話ただごと歌
秒でファボ、分、時間そして日にてファボ、年のファボやがてその死へのファボ
ポエ爺もポエ婆もいま目の前のゆふちふ婆ほど稼ぐ能わず
パンが無いからケーキを食って革命だ、銀の食器で牛丼を食え
ビルほどの耐震構造もたざれば屹立ったってか細き一首
絶唱にならなくたって短歌とはつまりひとりであるってことだ
新宿の沖縄居酒屋おれたちもミミガー! ミミガー! こよいの祭り #ラピュタ
きみとバルスしたい世界にきみはいず手もつなげずにほんと、バルスだ #ラピュタ
おまいさん今夜バルスを決行よ品川心中くらいの覚悟 #ラピュタ
実在を疑っているラピュタよりシータやパズーのような純粋 #ラピュタ
今日のうちにバルすかバルさぬかを決めてバルさんとする、害虫は死ぬ #ラピュタ
「チョコレートクリームチップフラペチーノ」覚者は七歩あるきて云へり
この夏も田舎のばあちゃん特製のチョコレートクリームチップフラペチーノだ!
雅とは牙をかくまうことならば書いた時点で隠せていない
君はきっと他にはいないという意味でオンリーユーと言ったオンリーミー
長歌「絶唱」
絶唱と 呼ぶべき一首 成したれば 死して悔いなき ものなるか さあれ昨夜の こと切れし 歌人の胸に 絶唱の ひらめきおれば 惜しまれて よきかなしみか さだかならぬも
反歌
絶唱を胸にいだけば短歌とは何首必要なる人生ぞ
川柳
誕生日のろうそくに太陽フレア
太陽フレアのせいで太陽フレアの句
素潜りのぷはっと太陽フレアかな
職探しは太陽フレア過ぎてから
市民課に太陽フレア相談室
俳句
曼珠沙華揺らした風にダンプカー
竈馬なみだにつゆも興味なし