6月25日「ノーモア」
野辺送りに音楽はなくだらだらと悲しみもまだかたちとならず
ドクダミの白き四つ花が目に留まり美しいけれど声には乗せずき
入道雲の白あたらしくわくわくと希望とは雨として届くなり
もう人が住めない町にひまわりは徐々に頭を擡(もた)げているか
柔らかき濾過の一翼サマショール(わがままな人)の表情は少し凛々しくぞ見ゆ
とりあえず猪木の張り手二つ三つ食らうようなる希望か今は
混雑の朝のホームの屋根にひとり「変えろ」と警告する大からす
休日の高校を囲む公孫樹(いちょう)揺れノブレス・オブリージュと聞こえたり
音楽は夜の畏れを麻痺させてかすかに希望に換(か)うノクターン
野川沿いを下って自転車でゆけば二重真理でいい海に遭(あ)う
言い過ぎて「ノーモアフクシマ」悔いつつも「ノーモア『ノーモア』」と弁解できず
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