2019年2月6日水曜日

”フクシマ”と表記した歌2〜2011年6月25日「ノーモア」

  6月25日「ノーモア」 

野辺送りに音楽はなくだらだらと悲しみもまだかたちとならず 

ドクダミの白き四つ花が目に留まり美しいけれど声には乗せずき 

入道雲の白あたらしくわくわくと希望とは雨として届くなり 

もう人が住めない町にひまわりは徐々に頭を擡(もた)げているか 

柔らかき濾過の一翼サマショール(わがままな人)の表情は少し凛々しくぞ見ゆ 

とりあえず猪木の張り手二つ三つ食らうようなる希望か今は 

混雑の朝のホームの屋根にひとり「変えろ」と警告する大からす 

休日の高校を囲む公孫樹(いちょう)揺れノブレス・オブリージュと聞こえたり 

音楽は夜の畏れを麻痺させてかすかに希望に換(か)うノクターン 

野川沿いを下って自転車でゆけば二重真理でいい海に遭(あ)う 

言い過ぎて「ノーモアフクシマ」悔いつつも「ノーモア『ノーモア』」と弁解できず 

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