2019年2月9日土曜日

2017年02月の98首ほか、返歌、付け句、俳句、川柳など。

ほんとうは終わって欲しくないのかも生死の葛藤というわが青

出会いって基本は誤解のことだから左官みたいな笑顔すんなよ

世の中の秘密を秘密のままにしてまた来るような終わりむつかし

うたうのだみんなシャラララみなウォウオ、最終電車でわれら殿(しんがり)

底で闇で零で黒なるうたびとの負のちからプラスにいたれかし

胴体を草が貫きたる鳥がわれを慕ってくる夢かなし

正しさが試されている、にんまりと枇杷色の歯を見せる老婆に

忘れられる権利さておき千年前のテンションたかき恋歌を読む

身体から毒を出したらすっきりとするというおぞましき空想

東京は圧倒的で若き日に東京に負けた悔しさが、へっ

ビジネス支援モードをOFFにし忘れてきみとのバランスシートが浮かぶ

いつになれば変わりたくなるその時に変わりたくない自分を措いて

歌が上手い歌手がだんだんビブラートがうわずってゆくあわれなりけり

冷めているゴーヤチャンプルそぼそぼと見解がもう合わないにがみ

球体では妄想しにくいことだけど裏の地球にきみはいるかな

人間(じんかん)が人間(にんげん)になりぼくたちは愛を0だと勘違いする

人の命を預かるときにおぼろげに偉大さという地平がみえて

それは目に見えねば言葉を網にしてひっかかるまで投げるしかない

釜玉に続いてぶっかけ小を食い寝る夢はついヤマタノオロチ

貧すればどんどん鈍してわが指も一本くらい食べて困らぬ

ウイルスかウィルスかビールかヴァイラスかどれでもよいが具合が悪い

離反者も弟子の振りする、フリスクをかじりつつ途中まで言わせとく

テトリスの埋め損ないの顔をしてゲームオーバーまで消えられぬ

ほんとうの歌をいくほど残すだろう体裁のよき歌の背後に

寝る前にこれ今生の別れとぞ涙ながしてすっきりと寝る

ぶよぶよの大地を生きる民としてステップは苦手手振りは得意

おでこから搔き上げてかぶる水泳帽、25メートル泳げた自信

1tと書かれたハンマー振りおろすようなしぐさに驚いている

スライムを倒すだけなら魔王の世は終わらぬし経験値もしょぼい

人間に生まれ変われるつもりかいメイクアメリカグレートアゲイン

この店の料理がとてもうまいのよ隣の駐車場におうけど

生き物は最後は耳になるらしき声をきければゆけるとおもう

透明なあやとりをつづけていたよ不在になったきみの番まで

深夜いっせい死者よみがえりくるごとく歌人のボットが並びはじめる

報いへの期待のせいで識らずしらず堕ちてゆく木にかかる風船

美人あつかいされた自慢は(わかったよ//知ってるよ)あときみまろのCD返せ

死ぬ日まで空を仰いで、弾圧のない現代詩にない空の青

振り返るきみに笑まざるわれなりき大事なことは一瞬なのに

空の青うみのあお海の中のブルー青鮫の青ざめざる一世(ひとよ)

さびしいと深夜ツイートするきみのオレじゃないので笑みつつスルー

舞台裏から声は電波のごとくきてどの声を聞く受信器われは

ムーンリバーが流れてきみといたのです年をとったら泣くんだろうな

親父は喜び母は悲しむ一日(ひとひ)なり出家の決意述べてしまえば

近づけば差異は広がる、1ミリの思想の崖にとまどうわれは

踏み込めば極楽になる一歩とはあのあたりかな、会社へむかう

チョコレート以前以後にて人類は強くなったしズルくもなった

バタフライエフェクトとして今きみの微笑みが遠い吾をがんばらす

ありがとうもう梅が咲いてくれている枝ばかりなるけさのわたしに

王朝はつね永遠の夢を見る火種を赤き水で消しつつ

誰もみなたった特別になりたくて自分の名前は逆からも言える

ほとんどの人にはあまり意味のない点灯夫今日も灯りをともす

今回はぼくが短歌をすり抜けるはずだったのに奴がうなぎだ

わがうちに白野弁十郎がいてそろそろ記憶が薄らぐところ

武満徹と山下達郎の音楽が好きっていうのは音楽だけか

人類のいない野原で猫も鳥も一瞬かれらの夢をみるなり

十代の呼び方でふたり会っていて弱音にならぬ言葉すくなし

幼児用椅子に描かれたミッフィーのやぶけて黄色いスポンジが出る

甲子園がきらいな彼は短歌甲子園をいやがりながら気になる

ブルーナの陶器のような鳥の絵があなたの部屋にあるとうれしい

稲荷橋のバス停できみはバスを待つさつきの涙はさっきで終わり

偉大なる私利なき権力者のためにかわいいナイトキャップあるべし

北へ向かう魂やよし、問題は魂を運ぶ乗り物がない

知らざればググりてお助けおじさんの好意と善意は敗(ま)けゆくことを

あの川はどこだったっけ舗道にて亀が楽観的だが急ぐ

簡単に書いたものゆえ簡単に残らないのかもう消せらせら

どちらかが足りなかったということじゃないんだ、別れのあとのメールに

ニアレストデュティ(手近な義務)がつまり人生でその他はだれかの夢のまぼろ

正確な正方形で鋭すぎずなめらか過ぎぬむらのない色

短歌ってなんだったんか、きみと始めてきみいなき世にいななく一首

戦争はたとへば愛の行き詰まゐゐぢやなくてゑゑうまく言へないんだらう

20世紀ドイツメルヘン読んでいるメンヘルの妙に似合うゴスロリ

草の中もぞもぞ動きすっきりと風呂上がりみたいに汚れて犬よ

固まって構えてわれを見つめたる野良猫よ、そう、われらは敵だ

腹見せて浮かぶ魚が捨てられた「花壇」にただよう生臭き香は

色黒の手首に白いGショックして色恋のくだらぬ少女

短歌とはメフィストフェレス=むく犬のマルガレーテが引き上げるまでの

宇宙人と仲良くしよう地球には狂った奴らばっかりだから

火力発電ですら皇居に作るかよ塚本さんも時々イタい

夜のドライブ真っ黒な田舎に灯(とも)る二階都会に出たくて学んでいるか

プレミアムフライやで〜ってもうすでにほくそ笑んでるオカンが見える

一応は乗るねんけども値が下がる一日ずれた頃にオカンは

歌をうたい雲をながめて町を渡る来訪神に迎えびとなく

信念を貫くことにとても似て長生きは馬脚のはじまり

死をえらぶ日の案の定美しい世界だけども騙されないよ

地上から黒きごつごつ割り出でてその末端につつましき白

インド煮とオランダ煮あと肉じゃがのどれが食べたい? 笑顔で彼女

人間は未来になんて進めないくるくるぐるぐる生きているだけ

脳内に惑星がある、しばらくはランデブーする軌跡がうれし

ひとり抜けふたり抜けいつかしづかなるタイムラインよ、夜ひらく梅

魔王にはヒューマニズムが一滴の毒となり角を漏るるワイン

背景にゴジラを重ねおくだけで街がセットになってしまえり

徒手空拳ではなく素振り、そのようなチョップがいつか胸まで届く

森内と東浩紀のモーフィングの途中のようなおっす、石橋

ここでいまテレビを流し向かい合い食事をしている、深い意味がある

往年の国民作家は笑むときに労働者めく吉川英治

この星は5国の力に営まれ平和主義とは下位の概念

人間を信じるという冒険を空あおき今朝またはじめるか

良し悪しはじゃあ投票で決めましょう一票よりも二票のが良し


#都々逸
 人の評価は気にするなって書き込んだあと「イイね」待ち

#川柳
えほー巻き
心の準備が
パピプペポ

#パロディ短歌
人間よおれはいわゆる動物のうんこだ話しかけんでくれよ

この味がいいねときみが言ったから2月14日もサラダ記念日

絶唱にちかき一首を書きとめつ階下突然カレーのにほひ

#かしくらゆうがやらかしそうだ
あやかしというにはどうもセクシーでかしくらゆうがやらかしそうだ

#ちょこたん
チョコフォンデュの海に飛びこみ甘酸っぱいきみとほろ苦いぼく、やな夢だ

新宿駅を歩く人らよ格差とは胃の腑でいまだ溶けざるチョコだ

社内便でこういうものを送るなよわざわざ「義理」に訂正印押して

23:59までこばむなよ濃い愛に負けてもたれたれども

#ぼくらは絶えず苦悩に生きてる
下の句は二足歩行の足みたいぼくらは絶えず苦悩に生きてる

#ラーメンについて西村曜さんと
麺類は人類が好き、掛けられて昇華してゆくときの恍惚

シルクロードを隊商(キャラバン)がゆく、足跡のように小麦を伸ばし延ばして 

高次元の存在にわれはすすられて加速してゆく、どこへでもゆけ

刺すか刺されるかもしくはすすらるか、カフカ書かれふか城は白いか

麺類史四千年をすすりいる人類のその腹のわたつみ

麺類の誘惑まさに巻きつかれ苦しむ夢を見たんだ昨夜

そのたうり、われらはいのる麺類をラーメン、右手を軽く掲げて

きみのからだマッサージして夢中にて人類を麺類にするとこだった

#ブラタンカ
野良ブラは生意気だけど選ぶのだ飼い主をそのちょうどの幸(さち)を

#乗っ取りLINEについてtoijimaさんと
ほんたうにそれは友達? もしかして恋人なのか(ポジティブ過ぎだ)

ポジティブもネガティヴも既読スルーしてあとから一枚モルディブの海

#つかまえられずただ見つめてる
つかまえたらもう君のこと見ないから
つかまえられずただ見つめてる

#俳句
茂吉忌に知己にもち吉持ち寄りき

#原理主義川柳
エキスパンダー曲げても戻る原理主義

原理主義のバージョンアップ追いつかず

原理主義に養成されて魔球投ぐ

現実を原理に曲げてストレート

ゲーデルも論破できるさ原理主義

原理主義は川柳でなく春の季語

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