2018年1月2日火曜日

2015年12月の自選と雑感。

謹賀新年。本年も、ゆるゆると、おつきあいいただければ、さいわいでございます。

結局、昨年を振り返るのも中途半端になってしまって、いろいろありましたですね。

何が有りましたっけ? 歌会こわいなどの時評問題などの、新聞、雑誌、結社誌からの話題がツイッターで急速に消化されるような現象がちょいちょいありましたね。

テルヤ的には、万葉読みを中断し、うたよみんのあいうえお短歌を5周で終え、日付と時事短歌を止めました。それから、不自由律短歌や、返歌球を試みたり、いちごつみに乗っかったりしました。noteで連作の試みもしてたな。
あ、コレイイナたんが誕生したのが、一番大きいかも(笑)。

今年も、わたしも、あなたも、ちょっといいよそ見の時間がありますように。


2015年12月の自選。

思い出の消去ボタンが作られて、今間違えて消した気がする

人生は有限だった、日常が無限っぽくていつも忘れる

この山はドクロの花が咲くらしいああこれツツジと読むのか、だよね

ドクロ山の坂の途中でませていた君にほっぺを舐められたこと

眠るとは死んでいるんだ明日はやく生まれるために今日はやく死ぬ

木守柿にはあらざれど点々とだいだい色の灯る夕暮れ

人生は肯定された! あとはまぁ長からず楽しんでおいでよ

死に方の未確定なるひとびとの孤独だったりじゃれあうを見る

夜の空があまりに黒い色なのでもうぼくたちは死んでいたのか

ひさかたのひたひたの雨、植物が嬉しそうにてわれは冷えおり

横断歩道歩き出したるセキレイの半ばにてやはり飛びたちにけり

入力の指が「ひゃほお」と打ち込んでヤフーが出るのでひゃほおと思う

もう前に進みたくないぼくといて君が隠れて見ている明日

ぼくはぼくの天才歌人万葉のジャンルでいえば挽歌に近き

飛び降りて君はすぐ死ねただろうか森の夜の冷たい雨おもう

ときおりに君に流れる方言のすこし遅めの空間を好く

退屈とスリルのはざま、バッハとはたしかに憧れいたる青年

ぼくたちは空を見上げずうなだれて端末に明日の天気を訊けり

しずかなる家に砧の音たてて人待つような君にあらなく

内臓が同じつくりであることが不思議、機能のうえに生きつつ

一村とアンリルソーの東西というか南北の違いをおもう

いろいろをぼくは忘れて生きている被害よりなお加害について

年末のオレンジ色の空もいい、人間にとって終わりの時期に

思わずに呼びかけている神様よ一気にどんとやってくれぬか

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