タンカ?
ふるいけやー、てやつ? 違うの?
自分で作ってるの? へえ、風流じゃん。
どんなやつ? すぐには出来ないんだ。
ふーん、若い人も作ってるし、今の短歌は風流じゃないんだ。このプリントが、うたの会? の作品? 土曜の昼からやってんの? 老若男女が? うわぁ。
ええと、一行でひとつ? ほう、古文ってわけじゃないんだ。575ってわけでもないんだ。あ、これは575で読むの? ええ?
これは、一行のポエムみたいな感じ? 言葉の断片みたいな。独白とかつぶやきみたいなこと?
ああ、あれか、「ととのいました!」って、ちょっと上手いこと言うような言葉遊び?
え、そういうのじゃないの? なんかごめん。よくわからんのよね。
つまりこれは、57577で、何を伝えようとしてるの?
自分はこういう人間だ、という主張なの? あ、そうではない。
こういうことがあったよ、という小さな報告ってわけでもない。そういうのも無くもない、と。
そもそもこれは事実? 妄想? どっちでもないの、いよいよむずかしいな。
伝えたいことがあるんだよね? ええ!? お題を与えられてから考えることもあるの?
でこの歌の会では、それぞれのを読んで、好き嫌いを投票すると。ん? 良し悪し? 好き嫌いじゃなくて、良し悪しがあるの?
一行詩だよね、短歌って。詩と詩を比べて、良し悪しを決めるの? どうやって? 上手い下手? あーそれはあるか。
上手い下手や好き嫌いがあるのはわかる。でも良し悪しっていうのは、短歌として良し悪しがあるってことだよね。
短歌的、みたいなことがあるってこと? それはなんか日本の”道”的な思想だねえ。そういうのを極めたいわけだ。
極めたいわけでもないんだ。どないやねん。
よく若い現代美術家の卵が、よくわからない自意識を描こうとして、よくわからない絵を描くことがある(自意識でパンパンなのはよく分かる)けど、短歌は言葉だから、そういう自意識でパンパンになることはないんだろうね。あ、無くはないんだ。
ひょっとして、これ、ボトルメールみたいなもの? 明確に誰に何を伝えたいわけじゃなくて、誰かに何か伝わればいいという感じ?
そしてそれは、好きであったり、良さであったり、上手さが誰かに感じて貰えればいいと。
なんか、ふわふわしてんね。自力でなくて、それぞれを感じてもらう読者の他力に運ばれる感じ。タンカだけにね。担架だけにね。
だじゃれでゴメン。結局のところよくわからんけど、面白いんなら、がんばりなよ。
じゃあな。
返歌
いま君のそばをただよい離れゆくボトルのことを告げず、ほほえむ
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