6月23日「まくらことば」
ぬばたまの夜の瓦礫に月光が異国のように降り注ぐなり
凶悪な人工元素を捏(こ)ね上げてちはやぶる神も立ち退かせはや
避難所にたらちねの母を置きしまま連絡の頻度減りゆく息子
一時帰宅は線香の束をたづさえてしろたへの防護服で鎮めに
くさまくら度々ホームページ見て線量を教えくれる同僚
あをによし並んでガスを贖(あがな)いて脱出の準備して気が済めり
原発の安全性はあまざかるド田舎の立地も理由の一つ
あしひきの山の斜面の茶畑の新茶みづみづしく放射せり
線量の閾値(しきいち)について説明し安全と言えばあかねさす君
広島もその全容はほのぼのと明かし尽くされたるわけでなし
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心にて爆発を見ゆ
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