2018年11月4日日曜日

2018年08月うたの日の自選。

自選。

「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった

「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?

「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま

「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね

「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい

「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君

「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ

「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら

「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない

「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁

「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬

「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず

「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に

「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン

「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー

「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は

「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌

「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される

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