自選。
「肺」
きょうもよく吸っては吐いていたことよ良くないことも考えながら
「肺」
お父さんは会社で残業ばかりなり人工心肺みたいに孤独
「ヒーロー」
もうきみのヒーローでない平日のホームセンターでしずかな会釈
「自由詠」
シソの葉はすべてバッタに食べられてシソ味のオンブバッタのその後
「美」
休日をなんにもせずに終えんとす、あ、メガネのレンズは美しくした
「町」
閑かなる町立郷土資料館のガラスケースに蜂の形骸
「葡萄色」
ワイン飲んで葡萄色なる二人なのにきみは芋焼酎まで頼む
「服」
問い詰めたら不服な猫になったので捕まえようとしたのに逃げた
「倍」
明るくて空も青くて手を振ればさよならの悲しみはバイバイ
2018年11月17日土曜日
2018年09月うたの日の自作品21首。
「口紅」
狙撃手が弾丸を吟味するやうに彼女の紅を選ぶ女は
「ちびまる子ちゃん」
平成が終わらんとする日曜の夕方もこまっしゃくれた昭和
「食」
食べながらぼくがどうして悲しいか話す伝わらないかもしれぬ
「くしゃみ」
おそらくは二万年前の大苦沙弥時代の先祖返りのくしゃみ
「肺」
きょうもよく吸っては吐いていたことよ良くないことも考えながら
「肺」
お父さんは会社で残業ばかりなり人工心肺みたいに孤独
「豚」
人間は肥えると豚に似てくるね互いに笑いあったらぶひひ
「乙女」
名も持たぬ乙女などにはなるものかそういう怒った目をした乙女
「ヒーロー」
もうきみのヒーローでない平日のホームセンターでしずかな会釈
「自由詠」
シソの葉はすべてバッタに食べられてシソ味のオンブバッタのその後
「自由業」
じいうげふにあらざればわがせいくわつは規則正しい舊假名のごと
「乗」
一対の生き物ずらりこの列車、逆方舟(はこぶね)に乗ったみたいだ
「美」
休日をなんにもせずに終えんとす、あ、メガネのレンズは美しくした
「煮」
煮沸して洗い流せば清潔で再利用可能なまで死滅
「町」
閑かなる町立郷土資料館のガラスケースに蜂の形骸
「葡萄色」
ワイン飲んで葡萄色なる二人なのにきみは芋焼酎まで頼む
「敬」
気がつけば敬老される側にいて昔話を出られぬおのれ
「罰」
外は雨、傘まで早い者勝ちで濡れるほかない、だが罰でない
「服」
問い詰めたら不服な猫になったので捕まえようとしたのに逃げた
「西」
死と生が地続きの朝、僕だけの思いは西方なる君にまで
「倍」
明るくて空も青くて手を振ればさよならの悲しみはバイバイ
狙撃手が弾丸を吟味するやうに彼女の紅を選ぶ女は
「ちびまる子ちゃん」
平成が終わらんとする日曜の夕方もこまっしゃくれた昭和
「食」
食べながらぼくがどうして悲しいか話す伝わらないかもしれぬ
「くしゃみ」
おそらくは二万年前の大苦沙弥時代の先祖返りのくしゃみ
「肺」
きょうもよく吸っては吐いていたことよ良くないことも考えながら
「肺」
お父さんは会社で残業ばかりなり人工心肺みたいに孤独
「豚」
人間は肥えると豚に似てくるね互いに笑いあったらぶひひ
「乙女」
名も持たぬ乙女などにはなるものかそういう怒った目をした乙女
「ヒーロー」
もうきみのヒーローでない平日のホームセンターでしずかな会釈
「自由詠」
シソの葉はすべてバッタに食べられてシソ味のオンブバッタのその後
「自由業」
じいうげふにあらざればわがせいくわつは規則正しい舊假名のごと
「乗」
一対の生き物ずらりこの列車、逆方舟(はこぶね)に乗ったみたいだ
「美」
休日をなんにもせずに終えんとす、あ、メガネのレンズは美しくした
「煮」
煮沸して洗い流せば清潔で再利用可能なまで死滅
「町」
閑かなる町立郷土資料館のガラスケースに蜂の形骸
「葡萄色」
ワイン飲んで葡萄色なる二人なのにきみは芋焼酎まで頼む
「敬」
気がつけば敬老される側にいて昔話を出られぬおのれ
「罰」
外は雨、傘まで早い者勝ちで濡れるほかない、だが罰でない
「服」
問い詰めたら不服な猫になったので捕まえようとしたのに逃げた
「西」
死と生が地続きの朝、僕だけの思いは西方なる君にまで
「倍」
明るくて空も青くて手を振ればさよならの悲しみはバイバイ
2018年11月4日日曜日
2018年08月うたの日の自選。
自選。
「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった
「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?
「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま
「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね
「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい
「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君
「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ
「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら
「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない
「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁
「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬
「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず
「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に
「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン
「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー
「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は
「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌
「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される
「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった
「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?
「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま
「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね
「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい
「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君
「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ
「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら
「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない
「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁
「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬
「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず
「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に
「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン
「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー
「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は
「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌
「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される
2018年10月20日土曜日
2018年08月うたの日の自作品31首。
「快」
気前よくニコニコ承(う)けて快男児、無茶振りすれば笑って流す
「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった
「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?
「レーズン」
手を貸せるタイミングなのにレーズンの断面に触れた指がべたべた
「夕立」
去ったあとまだ乾いてもいないのに、夕立のようなそんな思い出
「山」
山道を間違えたかも「正々堂々」いつか「玉砕」のニュアンス帯びて
「端」
人類の最先端をかぶりつきキーンとこめかみを手で押さう
「クワガタ」
おじいちゃんとクワガタがいるイナカよりワイファイのあるじぶんちがいい
「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま
「自由詠」
元カレの着信音がポポポポポー、ドン・キホーテで思い出す罠
「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね
「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい
「自由詠」
寝そべって長編を読む夏休み二日目になんの筋肉痛か
「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君
「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ
「緑」
お盆とは緑のまつり、大地からしたたる野菜を死者と食べあう
「1600色のクレヨンで描きたい絵」
1600分の一本はこれにするあのとき空に消えたアロワナ
「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら
「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない
「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁
「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬
「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず
「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に
「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン
「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー
「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は
「微」
メルセデスのどでかいエンブレムのような微笑だな、いや、僻みのせいか
「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌
「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される
「カマキリ」
立ち上がり威嚇するわがシルエット、少年の目よもっと輝け
「沼」
たこ坊主はここに沈んでいるでしょう沼から沼へ渡り歩って
気前よくニコニコ承(う)けて快男児、無茶振りすれば笑って流す
「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった
「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?
「レーズン」
手を貸せるタイミングなのにレーズンの断面に触れた指がべたべた
「夕立」
去ったあとまだ乾いてもいないのに、夕立のようなそんな思い出
「山」
山道を間違えたかも「正々堂々」いつか「玉砕」のニュアンス帯びて
「端」
人類の最先端をかぶりつきキーンとこめかみを手で押さう
「クワガタ」
おじいちゃんとクワガタがいるイナカよりワイファイのあるじぶんちがいい
「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま
「自由詠」
元カレの着信音がポポポポポー、ドン・キホーテで思い出す罠
「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね
「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい
「自由詠」
寝そべって長編を読む夏休み二日目になんの筋肉痛か
「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君
「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ
「緑」
お盆とは緑のまつり、大地からしたたる野菜を死者と食べあう
「1600色のクレヨンで描きたい絵」
1600分の一本はこれにするあのとき空に消えたアロワナ
「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら
「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない
「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁
「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬
「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず
「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に
「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン
「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー
「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は
「微」
メルセデスのどでかいエンブレムのような微笑だな、いや、僻みのせいか
「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌
「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される
「カマキリ」
立ち上がり威嚇するわがシルエット、少年の目よもっと輝け
「沼」
たこ坊主はここに沈んでいるでしょう沼から沼へ渡り歩って
2018年10月1日月曜日
2018年07月のうたの日の自選と雑感。
そういえばうたの日のこちらの更新が6月分で止まっていた。
うたの日は2015年9月21日に始めて、満3年、連続で出し続けることができた。3年間、お世話になりました。といっても、歌を出すばかりで、投票や評もせず、自分勝手な出詠者ではありました。
そのうえ、コレイイナたん、(とのちに名付けられましたが)、という、見方によっては、うたの日の投票や評を否定するようなキャラクターを跋扈させてしまい、なかなか厄介な2次的存在であったかもしれません。不快な思いをした方にはすみません。
そして、面白がってくれた方には、とてもうれしかったです、そして、こちらも、続けられなくて、申し訳なく思っています。
うたの日3年目を区切りにするのは、数ヶ月前から考えていたことですが、9月に起こったさまざまな問題は、目にするたび口をはさみたくなるような嫌な出来事でした。
匿名で本人に言えないようなことを書くことは、なんと人を傷つけるものだろうと、あらためて驚く。しかも、戦い方がわからない。戦うものが馬鹿をみるような場所がある。
まあ、何年も前に、知り合いの歌人が同じ目にあったのを見たことがあって、そのときも、何も出来はしなかった。
ともあれ、照屋の後処理はもう少し残っている。それくらいは、ちょっとずつでも終わらせよう。
自選。
「見」
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから
「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)
「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い
「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は
「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた
「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし
「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり
「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む
「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ
「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)
「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに
「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ
「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて
うたの日は2015年9月21日に始めて、満3年、連続で出し続けることができた。3年間、お世話になりました。といっても、歌を出すばかりで、投票や評もせず、自分勝手な出詠者ではありました。
そのうえ、コレイイナたん、(とのちに名付けられましたが)、という、見方によっては、うたの日の投票や評を否定するようなキャラクターを跋扈させてしまい、なかなか厄介な2次的存在であったかもしれません。不快な思いをした方にはすみません。
そして、面白がってくれた方には、とてもうれしかったです、そして、こちらも、続けられなくて、申し訳なく思っています。
うたの日3年目を区切りにするのは、数ヶ月前から考えていたことですが、9月に起こったさまざまな問題は、目にするたび口をはさみたくなるような嫌な出来事でした。
匿名で本人に言えないようなことを書くことは、なんと人を傷つけるものだろうと、あらためて驚く。しかも、戦い方がわからない。戦うものが馬鹿をみるような場所がある。
まあ、何年も前に、知り合いの歌人が同じ目にあったのを見たことがあって、そのときも、何も出来はしなかった。
ともあれ、照屋の後処理はもう少し残っている。それくらいは、ちょっとずつでも終わらせよう。
自選。
「見」
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから
「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)
「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い
「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は
「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた
「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし
「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり
「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む
「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ
「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)
「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに
「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ
「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて
2018年07月うたの日の自作品31首。
「見」
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから
「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)
「椰子」
椰子の実をパカッと割って、ン、と出す、はじめはバディのつもりもなくて
「ラリー」
長いことラリーに付き合っててくれたんだね、ありがとう、終わりにするよ
「キッチン」
武器的なものはキッチンに(洗ってない!)包丁だけでも洗っておくか
「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い
「天の川」
古代人は納得していたのだろうかたとえば川底はどちら側
「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は
「奈」
木屑漆(こくそ)にて塗り固めたる表情の奈良時代近きほどの阿修羅は
「自由詠」
残量が15パーセントを切ってもうすぐ生身になっちまうじゃん!
「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた
「十七歳」
悪意より嫌悪に近い殺意もつ十七歳の眼差し昏(くら)し
「使」
虫くんよ虫くんもずっとなにものか大きいものに使われる生か
「財」
人財が人材に戻るその日まで無用の系譜を守らねばならぬ
「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし
「蒼色」
夕星(ゆふづつ)の見えそむる頃失へる蒼色(さうしょく)の空なりしわれらは
「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり
「蜃気楼」
揺れている向こうの蜃気楼だって猛暑日だろう、水はこまめに
「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む
「入道雲」
入道雲の旧かなをふたり書けたならキスをしようよ、白いわくわく
「自由」
草の丘で風に吹かれて雲を見るココヲ抜ケ出ス自由ガ欲シイ
「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ
「貝」
防音も効いているので外界が何年経とうがよく眠る貝
「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)
「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに
「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ
「鋏」
一日をじょきんと切って0時過ぎ、時の鋏(はさみ)は勤勉である
「パンダ」
天国でも中国でもないこの家でころころ鶯ボールがパンダ
「乱」
乱世をきみと遊んで現在はまじめな君を互いに知らない
「手首」
親指と中指でつくる輪っかにはちょうど収まる手首の記憶
「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから
「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)
「椰子」
椰子の実をパカッと割って、ン、と出す、はじめはバディのつもりもなくて
「ラリー」
長いことラリーに付き合っててくれたんだね、ありがとう、終わりにするよ
「キッチン」
武器的なものはキッチンに(洗ってない!)包丁だけでも洗っておくか
「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い
「天の川」
古代人は納得していたのだろうかたとえば川底はどちら側
「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は
「奈」
木屑漆(こくそ)にて塗り固めたる表情の奈良時代近きほどの阿修羅は
「自由詠」
残量が15パーセントを切ってもうすぐ生身になっちまうじゃん!
「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた
「十七歳」
悪意より嫌悪に近い殺意もつ十七歳の眼差し昏(くら)し
「使」
虫くんよ虫くんもずっとなにものか大きいものに使われる生か
「財」
人財が人材に戻るその日まで無用の系譜を守らねばならぬ
「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし
「蒼色」
夕星(ゆふづつ)の見えそむる頃失へる蒼色(さうしょく)の空なりしわれらは
「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり
「蜃気楼」
揺れている向こうの蜃気楼だって猛暑日だろう、水はこまめに
「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む
「入道雲」
入道雲の旧かなをふたり書けたならキスをしようよ、白いわくわく
「自由」
草の丘で風に吹かれて雲を見るココヲ抜ケ出ス自由ガ欲シイ
「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ
「貝」
防音も効いているので外界が何年経とうがよく眠る貝
「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)
「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに
「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ
「鋏」
一日をじょきんと切って0時過ぎ、時の鋏(はさみ)は勤勉である
「パンダ」
天国でも中国でもないこの家でころころ鶯ボールがパンダ
「乱」
乱世をきみと遊んで現在はまじめな君を互いに知らない
「手首」
親指と中指でつくる輪っかにはちょうど収まる手首の記憶
「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて
2018年7月22日日曜日
2018年06月うたの日自選と雑感。
ツイッターはツイの棲家、いや、終の棲家になるだろうかと考えてみると、多くの人は、否と答えるだろう。しかし同時に、このインフラと紛うほど普及したシステムの終わりや未来を想像するのは、難しい。いつごろ、どのように人類はツイッターをやめるのだろうか。
現在はまだ、本というものが権威をもっていて、本になることが、文字表現の一つの完成と思われているが、将来、たとえば、ツイッターの、アカウントが、一つの読み物になったりしないだろうか。もちろん、そのためには、技術的にも、読むという行為の意味論的にも、ブレイクスルーがいくつか必要であろう。
消されてしまった、あるいは消えてしまったアカウントのいくつかにも、ああ、読み物としてちゃんと読んでみたかったな、と思うようなものがあった。
mixiも、いまでも残っているけど、逆に今から始めるのも面白いかもしれない。あ、うーん、いやどうかな。
アカウントのアイコンを決める眼差しの遺影みたいな比喩は用いず 沙流堂
自選
「憎」
容赦なく無知を軽蔑した上で差別を憎む君の横顔
「Rock」
友人がある日を境にロックとかロックでないとか言うので頭突き
「自由詠」
枇杷の木も枇杷の木に生(な)る枇杷も濡れそれを啄むカラスも濡れる
「さざなみ色」
先に出た博物館の前の池は初夏のさざなみ色のさざなみ
「ストロー」
ストローでぷっと吹いたら優しくてこんな終わりにちょうどよかった
「蒔」
油断するとどんなものにも蒔絵とかほどこしちゃうのニッポンみある
「省」
省略をしてはならないきみといる時間のひとつ、ひとつ、ひとつ、を
「包丁」
沈黙の母のとことこ包丁の絆は切れやすいから切らぬ
「垂」
垂れている驚くことにぼくたちは空に向かって垂れてるいのち
「四角」
にんげんのルールはいつも四角くて尖ったところにまたあの人だ
現在はまだ、本というものが権威をもっていて、本になることが、文字表現の一つの完成と思われているが、将来、たとえば、ツイッターの、アカウントが、一つの読み物になったりしないだろうか。もちろん、そのためには、技術的にも、読むという行為の意味論的にも、ブレイクスルーがいくつか必要であろう。
消されてしまった、あるいは消えてしまったアカウントのいくつかにも、ああ、読み物としてちゃんと読んでみたかったな、と思うようなものがあった。
mixiも、いまでも残っているけど、逆に今から始めるのも面白いかもしれない。あ、うーん、いやどうかな。
アカウントのアイコンを決める眼差しの遺影みたいな比喩は用いず 沙流堂
自選
「憎」
容赦なく無知を軽蔑した上で差別を憎む君の横顔
「Rock」
友人がある日を境にロックとかロックでないとか言うので頭突き
「自由詠」
枇杷の木も枇杷の木に生(な)る枇杷も濡れそれを啄むカラスも濡れる
「さざなみ色」
先に出た博物館の前の池は初夏のさざなみ色のさざなみ
「ストロー」
ストローでぷっと吹いたら優しくてこんな終わりにちょうどよかった
「蒔」
油断するとどんなものにも蒔絵とかほどこしちゃうのニッポンみある
「省」
省略をしてはならないきみといる時間のひとつ、ひとつ、ひとつ、を
「包丁」
沈黙の母のとことこ包丁の絆は切れやすいから切らぬ
「垂」
垂れている驚くことにぼくたちは空に向かって垂れてるいのち
「四角」
にんげんのルールはいつも四角くて尖ったところにまたあの人だ
2018年7月21日土曜日
2018年06月うたの日の自作品30首。
「蛍」
ぬばたまのサーバー室に入り込んだ蛍、LEDに醉いたり
「カタツムリ」
春さきは野菜がとても高かったツムちゃんのエサもニンジンばかり
「コンプレックス」
豆腐屋のラッパが届く夕間暮れコンプレックス仕舞って帰る
「喧嘩」
喧嘩したら終わって謝るところまで、途中でひどいことを言うから
「虫」
皮膚打ちて手のひら見れば異種嫌悪を媒介したる虫取り逃がす
「ソックス」
靴下を避妊具みたいに巻きとって足を差し入れてゆく、ソックス
「憎」
容赦なく無知を軽蔑した上で差別を憎む君の横顔
「分」
アルバイトのシフトが二人を分かつまで誓いますここでパン買うことを
「Rock」
友人がある日を境にロックとかロックでないとか言うので頭突き
「生」
めくったらまた痛いのは知っていて精神の生乾きのかさぶた
「自由詠」
枇杷の木も枇杷の木に生(な)る枇杷も濡れそれを啄むカラスも濡れる
「武」
弱いのになにかと威張る武士らしい、占いにしてはリアルな前世
「スニーカー」
森田童子のニュースが出るのに驚いてスニーカー履いて行くにわか雨
「理」
理屈では正しいことを今拒む生き物ふたつ駅はこっちだ
「制服」
制服のきりりときみはこれからも季節を背景に、していてね
「さざなみ色」
先に出た博物館の前の池は初夏のさざなみ色のさざなみ
「ストロー」
ストローでぷっと吹いたら優しくてこんな終わりにちょうどよかった
「蒔」
油断するとどんなものにも蒔絵とかほどこしちゃうのニッポンみある
「山椒」
左右の筋をちぢめのばしてゆつくりと山椒魚は戰火を歩む
「鰻」
逃げ切った鰻の家族は寄り添ってでも嗅覚は最後が分かる
「スミレ」
本気ではないのでしょう? と微笑んで少しおびえて優しいスミレ
「省」
省略をしてはならないきみといる時間のひとつ、ひとつ、ひとつ、を
「場」
こういうところお互い好きじゃないけれど記憶のためにお台場デート
「麦」
雨の日に水鉄砲で遊びいる少年の麦わら帽子濃き
「厳」
分割されていれば百円高くなる厳しいカマンベールの悩み
「包丁」
沈黙の母のとことこ包丁の絆は切れやすいから切らぬ
「腹筋」
腹筋の話というかその周りのルノワール的な、男だけどね
「小」
小さき身のコントラバスを背負う人カブトムシの脚の付け根の匂い
「垂」
垂れている驚くことにぼくたちは空に向かって垂れてるいのち
「四角」
にんげんのルールはいつも四角くて尖ったところにまたあの人だ
ぬばたまのサーバー室に入り込んだ蛍、LEDに醉いたり
「カタツムリ」
春さきは野菜がとても高かったツムちゃんのエサもニンジンばかり
「コンプレックス」
豆腐屋のラッパが届く夕間暮れコンプレックス仕舞って帰る
「喧嘩」
喧嘩したら終わって謝るところまで、途中でひどいことを言うから
「虫」
皮膚打ちて手のひら見れば異種嫌悪を媒介したる虫取り逃がす
「ソックス」
靴下を避妊具みたいに巻きとって足を差し入れてゆく、ソックス
「憎」
容赦なく無知を軽蔑した上で差別を憎む君の横顔
「分」
アルバイトのシフトが二人を分かつまで誓いますここでパン買うことを
「Rock」
友人がある日を境にロックとかロックでないとか言うので頭突き
「生」
めくったらまた痛いのは知っていて精神の生乾きのかさぶた
「自由詠」
枇杷の木も枇杷の木に生(な)る枇杷も濡れそれを啄むカラスも濡れる
「武」
弱いのになにかと威張る武士らしい、占いにしてはリアルな前世
「スニーカー」
森田童子のニュースが出るのに驚いてスニーカー履いて行くにわか雨
「理」
理屈では正しいことを今拒む生き物ふたつ駅はこっちだ
「制服」
制服のきりりときみはこれからも季節を背景に、していてね
「さざなみ色」
先に出た博物館の前の池は初夏のさざなみ色のさざなみ
「ストロー」
ストローでぷっと吹いたら優しくてこんな終わりにちょうどよかった
「蒔」
油断するとどんなものにも蒔絵とかほどこしちゃうのニッポンみある
「山椒」
左右の筋をちぢめのばしてゆつくりと山椒魚は戰火を歩む
「鰻」
逃げ切った鰻の家族は寄り添ってでも嗅覚は最後が分かる
「スミレ」
本気ではないのでしょう? と微笑んで少しおびえて優しいスミレ
「省」
省略をしてはならないきみといる時間のひとつ、ひとつ、ひとつ、を
「場」
こういうところお互い好きじゃないけれど記憶のためにお台場デート
「麦」
雨の日に水鉄砲で遊びいる少年の麦わら帽子濃き
「厳」
分割されていれば百円高くなる厳しいカマンベールの悩み
「包丁」
沈黙の母のとことこ包丁の絆は切れやすいから切らぬ
「腹筋」
腹筋の話というかその周りのルノワール的な、男だけどね
「小」
小さき身のコントラバスを背負う人カブトムシの脚の付け根の匂い
「垂」
垂れている驚くことにぼくたちは空に向かって垂れてるいのち
「四角」
にんげんのルールはいつも四角くて尖ったところにまたあの人だ
2018年6月16日土曜日
2018年05月うたの日自選と雑感。
作者と作品の関係、作品と時代の関係は、それ自体、文学研究の対象となるくらい、複雑で、一様ではない。しかし、これらが、近年はぴったりとタグ付けされて、多くの場合、批判される。2つのたとえ話を思う。
ひとつ、高級なワインを、高級なグラスで飲むのと、尿瓶(しびん)で飲むのとで、人間は、はたして同じ味わいを持てるであろうか。まぁ、持てないよね。
もうひとつ。ある問題行動を起こす女児の描いた女の子の絵は、両の手を後ろに隠していたそうだ。児童心理学者は、それは問題を隠そうとしていると洞察したが、ある絵かきは、「手ってえがくの難しいんだよね」と言った。
上のたとえは、要するに、われわれは、ワインそのものではなくて、器でかなりの内容を決めている、ということだ。
下のたとえは、ある表現者の表現は、伝えたいことと、伝えうること、の公約数によって形になっているものであり、しかも、受け取り手は、やはり受け取りたいことと、受け取りうることの公約数しか受け取れなかったりする、ということだ。
だから、っていうわけじゃないけど、表現の自由は、それほど大事だった。たぶん、もう、かなり失われていると思う。政治のせいでなくて、われわれの正しさへの欲求のせいで。
華やかにみえた時代の表現はすべて挽歌となる準備して 沙流堂
自選。
「名」
花の名も分からぬようになりたるにふたりで立ち止まって、眺めおり
「翡翠」
その白い首にひとつぶ光らせてずいぶん時が過ぎたよ翡翠
「戦後」
「5年だよ、戦後5年」と笑ってるお前の離婚、どうよ平和は
「自由詠」
夜空では星がまたたくはすかいのアパートでは親が子をまたたたく
「相」
ぼくだってつとめて明るい顔してる相談相手になれないからね
「舎」
日暮里で傘さしてバスを待つ夜ぞ横に立つのは舎人のトトロ
「漬」
あちゃら漬け甘く食いいて豊かさが砂糖でありし歴史の記憶
「濁」
かきまぜて濁ったままが少しずつ澄みながら落ち着いてやがては
「煙草」
ぷかぷかとのんびり煙草やってたら舌打ちされて小さくぷくり
「紐」
どの色で結ばれているオレたちか「赤だけじゃなく結構あるね」
「実家」
先輩の実家の部屋はなにもなくでも屈託の匂いがあった
「ポスト」
少年の将来の夢はポストマン、とても漢字が好きだったから
ひとつ、高級なワインを、高級なグラスで飲むのと、尿瓶(しびん)で飲むのとで、人間は、はたして同じ味わいを持てるであろうか。まぁ、持てないよね。
もうひとつ。ある問題行動を起こす女児の描いた女の子の絵は、両の手を後ろに隠していたそうだ。児童心理学者は、それは問題を隠そうとしていると洞察したが、ある絵かきは、「手ってえがくの難しいんだよね」と言った。
上のたとえは、要するに、われわれは、ワインそのものではなくて、器でかなりの内容を決めている、ということだ。
下のたとえは、ある表現者の表現は、伝えたいことと、伝えうること、の公約数によって形になっているものであり、しかも、受け取り手は、やはり受け取りたいことと、受け取りうることの公約数しか受け取れなかったりする、ということだ。
だから、っていうわけじゃないけど、表現の自由は、それほど大事だった。たぶん、もう、かなり失われていると思う。政治のせいでなくて、われわれの正しさへの欲求のせいで。
華やかにみえた時代の表現はすべて挽歌となる準備して 沙流堂
自選。
「名」
花の名も分からぬようになりたるにふたりで立ち止まって、眺めおり
「翡翠」
その白い首にひとつぶ光らせてずいぶん時が過ぎたよ翡翠
「戦後」
「5年だよ、戦後5年」と笑ってるお前の離婚、どうよ平和は
「自由詠」
夜空では星がまたたくはすかいのアパートでは親が子をまたたたく
「相」
ぼくだってつとめて明るい顔してる相談相手になれないからね
「舎」
日暮里で傘さしてバスを待つ夜ぞ横に立つのは舎人のトトロ
「漬」
あちゃら漬け甘く食いいて豊かさが砂糖でありし歴史の記憶
「濁」
かきまぜて濁ったままが少しずつ澄みながら落ち着いてやがては
「煙草」
ぷかぷかとのんびり煙草やってたら舌打ちされて小さくぷくり
「紐」
どの色で結ばれているオレたちか「赤だけじゃなく結構あるね」
「実家」
先輩の実家の部屋はなにもなくでも屈託の匂いがあった
「ポスト」
少年の将来の夢はポストマン、とても漢字が好きだったから
2018年6月9日土曜日
2018年05月うたの日自作品31首。
「名」
花の名も分からぬようになりたるにふたりで立ち止まって、眺めおり
「翡翠」
その白い首にひとつぶ光らせてずいぶん時が過ぎたよ翡翠
「邦」
わが裸体のジャーン! 本邦初公開! と言いおわる前にがっつくんかい
「タンポポ」
たんぽぽがぼくの背丈を越えるとき先に行くよと声がしたんだ
「呼」
ヒップホップもフォークソングになってゆく短歌も呼ばれるところへゆくか
「皐月」
久しぶりにまた会えました頭上には皐月の晴れの満面の青
「粉」
しっとりと甘みの染みた欲望に思想の粉末をまぶしてわたし
「展」
間違った立方体の展開図の余りのようにきみは重なるね
「戦後」
「5年だよ、戦後5年」と笑ってるお前の離婚、どうよ平和は
「自由詠」
夜空では星がまたたくはすかいのアパートでは親が子をまたたたく
「原チャリ」
原チャリが大破したときクルクルクルッスタッと着地したる思い出
「香」
悲しみと怒りでオレはテーブルをムグとかかじった、すこしかうばし
「百合」
百合という言葉で括ってしまいたくない思い出がある(とても百合)
「相」
ぼくだってつとめて明るい顔してる相談相手になれないからね
「ソーダ」
初夏だからまぶしい恋もいいだろう甘いばかりの、ソーダ、ソーダ!
「新しい色名を考えてください」
就職が決まった彼女を労(ねぎら)って切ったスマホの黒真顔色
「雷」
暴風雨にわざわざ宝くじを買う雷避けの意味なんだって
「かばん」
いざという時に備えて三冊はかばんに入れてスマホ見ている
「著」
白秋ちょ、龍之介ちょ、あとこれは高橋なんとかちょが揃ってる
「パソコン」
「パソコンで作ってくれた案内状評判よかったよ」「(エへへ)」
「舎」
日暮里で傘さしてバスを待つ夜ぞ横に立つのは舎人のトトロ
「漬」
あちゃら漬け甘く食いいて豊かさが砂糖でありし歴史の記憶
「森」
塾の帰りにあの森をチャリで抜けるとき君らがいたのをぼくは見てない
「濁」
かきまぜて濁ったままが少しずつ澄みながら落ち着いてやがては
「煙草」
ぷかぷかとのんびり煙草やってたら舌打ちされて小さくぷくり
「紐」
どの色で結ばれているオレたちか「赤だけじゃなく結構あるね」
「実家」
先輩の実家の部屋はなにもなくでも屈託の匂いがあった
「くちばし」
言える時に伝えておけばよかったとくちばしでつついて痛がられ
「ポスト」
少年の将来の夢はポストマン、とても漢字が好きだったから
「起」
起きたのか起きていたのか問わないがすぐに「いいね」が来る朝まだき
「自転車」
駐輪場で白く眠っているのですかつてあんなに走った初夏を
花の名も分からぬようになりたるにふたりで立ち止まって、眺めおり
「翡翠」
その白い首にひとつぶ光らせてずいぶん時が過ぎたよ翡翠
「邦」
わが裸体のジャーン! 本邦初公開! と言いおわる前にがっつくんかい
「タンポポ」
たんぽぽがぼくの背丈を越えるとき先に行くよと声がしたんだ
「呼」
ヒップホップもフォークソングになってゆく短歌も呼ばれるところへゆくか
「皐月」
久しぶりにまた会えました頭上には皐月の晴れの満面の青
「粉」
しっとりと甘みの染みた欲望に思想の粉末をまぶしてわたし
「展」
間違った立方体の展開図の余りのようにきみは重なるね
「戦後」
「5年だよ、戦後5年」と笑ってるお前の離婚、どうよ平和は
「自由詠」
夜空では星がまたたくはすかいのアパートでは親が子をまたたたく
「原チャリ」
原チャリが大破したときクルクルクルッスタッと着地したる思い出
「香」
悲しみと怒りでオレはテーブルをムグとかかじった、すこしかうばし
「百合」
百合という言葉で括ってしまいたくない思い出がある(とても百合)
「相」
ぼくだってつとめて明るい顔してる相談相手になれないからね
「ソーダ」
初夏だからまぶしい恋もいいだろう甘いばかりの、ソーダ、ソーダ!
「新しい色名を考えてください」
就職が決まった彼女を労(ねぎら)って切ったスマホの黒真顔色
「雷」
暴風雨にわざわざ宝くじを買う雷避けの意味なんだって
「かばん」
いざという時に備えて三冊はかばんに入れてスマホ見ている
「著」
白秋ちょ、龍之介ちょ、あとこれは高橋なんとかちょが揃ってる
「パソコン」
「パソコンで作ってくれた案内状評判よかったよ」「(エへへ)」
「舎」
日暮里で傘さしてバスを待つ夜ぞ横に立つのは舎人のトトロ
「漬」
あちゃら漬け甘く食いいて豊かさが砂糖でありし歴史の記憶
「森」
塾の帰りにあの森をチャリで抜けるとき君らがいたのをぼくは見てない
「濁」
かきまぜて濁ったままが少しずつ澄みながら落ち着いてやがては
「煙草」
ぷかぷかとのんびり煙草やってたら舌打ちされて小さくぷくり
「紐」
どの色で結ばれているオレたちか「赤だけじゃなく結構あるね」
「実家」
先輩の実家の部屋はなにもなくでも屈託の匂いがあった
「くちばし」
言える時に伝えておけばよかったとくちばしでつついて痛がられ
「ポスト」
少年の将来の夢はポストマン、とても漢字が好きだったから
「起」
起きたのか起きていたのか問わないがすぐに「いいね」が来る朝まだき
「自転車」
駐輪場で白く眠っているのですかつてあんなに走った初夏を
2018年5月20日日曜日
2018年04月うたの日自選と雑感。
ようやっと追いついた感じ。ブログの更新、ここ数ヶ月遅れていたので。先月のうたの日のうたを収集するのと、2年前の先月のツイッターの短歌を収集するのと。あと雑感。
ほんとは他にも、このブログで自選したものをボットにあげたり、やりかけていたものがあったりもするけど、こういうのは、自分にニーズがあれば、やるものなんだ。自分に、ではない。自分がニーズすれば、の意味ね。
ツイッターもそうだろう。ツイートを誰かのためにすれば、いつか落胆するだろう。自分がニーズしてツイートするものなんだ。
ツイッターは、なにかどこか、コミュニケーションの底の方を変えているような気がする。
吉本隆明は、言葉を、自己表出と、指示表出に分けた。そして、詩は、自己表出にあたる。
そう、ツイッターは、自己表出の言語でコミュニケーションしているといえる。だから、ツイッターは、それ自体、詩的である。
谷川俊太郎の二十億光年の孤独ではないが、詩は、孤独とともにある。声は消えてしまうので、文字にして、本にして、仲間を求める。
現在は、本にせずとも、自己表出でコミュニケートできるツールがあって、いいね、というボタンを押すことで、その孤独の横に、ふっと存在の跡をのこすことができる。
今月(5/9)、永田淳が、ツイッターで、「SNSで「いいね」がもらえる短歌を作りたい、とかって言い出す時点で、もう短歌なんか作るな、と言いたい。
と、青磁社の永田淳が申しております。」とツイートした。これをツイートせしめる短歌界隈の思想をわたしは問題視しているが、このツイートもまた、自己表出のコミュニケーションなのである。
この短歌界隈の思想には、歴史問題やら、定型問題やらも関わっているんだけど、思うところはいくつかツイートした。そのツイートで、ちょっと落胆してもいるんだけどね(笑)。
自選。
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
ほんとは他にも、このブログで自選したものをボットにあげたり、やりかけていたものがあったりもするけど、こういうのは、自分にニーズがあれば、やるものなんだ。自分に、ではない。自分がニーズすれば、の意味ね。
ツイッターもそうだろう。ツイートを誰かのためにすれば、いつか落胆するだろう。自分がニーズしてツイートするものなんだ。
ツイッターは、なにかどこか、コミュニケーションの底の方を変えているような気がする。
吉本隆明は、言葉を、自己表出と、指示表出に分けた。そして、詩は、自己表出にあたる。
そう、ツイッターは、自己表出の言語でコミュニケーションしているといえる。だから、ツイッターは、それ自体、詩的である。
谷川俊太郎の二十億光年の孤独ではないが、詩は、孤独とともにある。声は消えてしまうので、文字にして、本にして、仲間を求める。
現在は、本にせずとも、自己表出でコミュニケートできるツールがあって、いいね、というボタンを押すことで、その孤独の横に、ふっと存在の跡をのこすことができる。
今月(5/9)、永田淳が、ツイッターで、「SNSで「いいね」がもらえる短歌を作りたい、とかって言い出す時点で、もう短歌なんか作るな、と言いたい。
と、青磁社の永田淳が申しております。」とツイートした。これをツイートせしめる短歌界隈の思想をわたしは問題視しているが、このツイートもまた、自己表出のコミュニケーションなのである。
この短歌界隈の思想には、歴史問題やら、定型問題やらも関わっているんだけど、思うところはいくつかツイートした。そのツイートで、ちょっと落胆してもいるんだけどね(笑)。
自選。
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
2018年5月19日土曜日
2018年04月うたの日自作品30首。
「卯月」
ずきずきとなづきのうづく四月って陰暦じゃもう夏だったっけ
「室」
われもまた仕事が好きな顔にみえ会議室の明かりは真面目
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「ゆっくり」
ゲームして飽きたらマンガごろごろとゆっくりなにをほぐして君は
「筋」
逃げたのだ、筋肉を全部はがしてもボクを愛するのはイヤだったのか
「幼」
欠けているタイルで別れてしまうほど幼い僕を振ってくれた君
「塔」
タワーオブアイボリーにて知り合って先に現実に飛び込んだ友は
「鍵」
きみに送った鍵の短歌を読み返したら卑猥な歌にも読めるぞやばい
「知」
可愛ければ異国の全知全能の神さえガチャとなるFarEastは
「自由詠」
夢だからボクは臓器をあげました使えなかったようだ長き夢
「タイミング」
だしぬけにふたりで浦安デートする新宿駅でお前と出会う
「ハナミズキ」
この道はアメリカハナミズキだったのか冬に別れて気づかなかった
「ハナミズキ」
きみと歩いてええいああとハナミズキはだしでよろこんだのぼくでした
「菜」
新鮮な野菜を洗い濡れたまま葉を剥いてもう唇をつける
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「胃」
生きて腸まで届けなかった俺たちが言っておく胃を、胃を、舐めるな。
「食べ物の色」
よく混ぜた茶色をほかほかの白に載せてかき込む朝だ、食後にみどり
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「卵」
そうこれは爬虫人種のタマゴですしかも生まれないことを選んだ
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「井」
井の中の蛙帝国興亡史全200ケロ(大海は知らず)
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「プロ」
こうなったら俺もお客のプロだから最後まで聴くぜ金はいらねえ
「手」
手をふってきみが見えなくなるまでを思いを込あー! 見えなくなった
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
「能」
10円玉がその能力を疑えどうたがえどどうにも10円分
「大正」
女学生も手に取りし相対性理論男女の愛の科学書と思いて
「セーフ」
地球への人類の干渉具合はギリギリセーフwと人類がww言うwww
ずきずきとなづきのうづく四月って陰暦じゃもう夏だったっけ
「室」
われもまた仕事が好きな顔にみえ会議室の明かりは真面目
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「ゆっくり」
ゲームして飽きたらマンガごろごろとゆっくりなにをほぐして君は
「筋」
逃げたのだ、筋肉を全部はがしてもボクを愛するのはイヤだったのか
「幼」
欠けているタイルで別れてしまうほど幼い僕を振ってくれた君
「塔」
タワーオブアイボリーにて知り合って先に現実に飛び込んだ友は
「鍵」
きみに送った鍵の短歌を読み返したら卑猥な歌にも読めるぞやばい
「知」
可愛ければ異国の全知全能の神さえガチャとなるFarEastは
「自由詠」
夢だからボクは臓器をあげました使えなかったようだ長き夢
「タイミング」
だしぬけにふたりで浦安デートする新宿駅でお前と出会う
「ハナミズキ」
この道はアメリカハナミズキだったのか冬に別れて気づかなかった
「ハナミズキ」
きみと歩いてええいああとハナミズキはだしでよろこんだのぼくでした
「菜」
新鮮な野菜を洗い濡れたまま葉を剥いてもう唇をつける
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「胃」
生きて腸まで届けなかった俺たちが言っておく胃を、胃を、舐めるな。
「食べ物の色」
よく混ぜた茶色をほかほかの白に載せてかき込む朝だ、食後にみどり
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「卵」
そうこれは爬虫人種のタマゴですしかも生まれないことを選んだ
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「井」
井の中の蛙帝国興亡史全200ケロ(大海は知らず)
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「プロ」
こうなったら俺もお客のプロだから最後まで聴くぜ金はいらねえ
「手」
手をふってきみが見えなくなるまでを思いを込あー! 見えなくなった
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
「能」
10円玉がその能力を疑えどうたがえどどうにも10円分
「大正」
女学生も手に取りし相対性理論男女の愛の科学書と思いて
「セーフ」
地球への人類の干渉具合はギリギリセーフwと人類がww言うwww
2018年5月5日土曜日
2018年03月うたの日自選と雑感。
古臭い考え方のようにも思うが、短歌というのは、やはり、ちょっと頑張らないと、文学にならないようなところがあるように思う。
ここでいう文学というのは、言葉で編まれた文芸表現をすべてを指すような広い意味ではなく、また、学問として学んだり教えたりするものでもなく、近代文学から、現代文学へと移り、そして、”現在”文学をとおり、文学”未来”を開くような、そういうとても狭い語りの表現だ。
だからまあ、そんな「文学」とやらは目指していないよ、という人がいるのも当然だし、文芸、ああ、文芸という言葉も定義しなきゃいけない。文芸には、文字芸術という言葉の略というより、私は文字芸能に近いニュアンスで使うことが多いが、堅苦しかったり、難しかったり、知識を前提にしたり、そういうもの以外も短歌は受け入れていることを、とてもよい特質だと思っている。
短歌というのは基本的に古い形式の詩なわけだから、古き良きものととても相性がよい。新しき悪きものと相性が悪いのだ。だから、現在にそれを使用するには、どこか構築の意志というものが必要になってくる。
何年か前、耳の聞こえない設定の音楽家が、現代音楽作曲家の手を借りていたことが話題になったが、面白かったのが、新垣隆氏は(名前出すんかい)、あの匿名性を手に入れることによって、現代音楽を作らなければならない自分が解放されて、ロマン派風の音楽を楽しく作曲出来た、というようなことを述べたことだ。
音楽は、音楽のムーブメントが過ぎると、もとに戻ることは難しい。現在において、たとえばバロック音楽の作曲家になるというのは、好事の域を超えて説得力をもつことは難しい。
短歌は、まずは定型にする楽しさ苦しさ、というのがあって、次に、定型の中で表現の幅を広げてゆく楽しさ苦しさ、というのがある。
その先は、人にもよろうが、短歌を表現として選ぶことの楽しさ苦しさ、というのがあったり、短歌を文学として構築することの苦しさ、というのがあろう(楽しさないんかい)。
次世代の短歌(単に作っている世代が次である、ということでなく)を開くのは、才能なのか、努力なのか、知なのか、量なのか、単に世代なのか、さまざまな考え方があるので、最初に書いたように、ここで書いたのは、古臭い考え方のひとつだと思う。わたし自身、構築ということをいま敢えてやろうとはしていないところがある。
ところで、ゴールデン・ウィークは、けっこう食べてしまっている。運動というのを、やはり、ちょっと頑張らないと、習慣にならないようなところがあるように思う。
浜松を過ぎてもそれを待つだろう旅の終わりはわりあい早いのに 沙流堂
自選。
「暖」
思想ひとつ暖まりゆく夜の二階、屋根を跳ねゆく春の生き物
「マーク」
分からないマークシートを適当に塗りつぶす時の力で抱(いだ)く
「列」
約束はまだまもられて列島にまぶされてゆく春のパウダー
「いろは」
ことのははかつて「いろ」からよみあげていまも「あい」からはじまるものを
「垂」
画面上から何かが垂れてくるようなゲームオーバーみたいな眠り
「蜂」
プログラムみたいな生を生きてらと菜の花畑を去りて一蜂
「雲」
文学の秘密が次の瞬間に出そうで出ない先生と雲
「才」
最初から才能なんてないんだよそれから最近肉焼いてない
「欠」
せとものの白い欠片が埋まりたる空き地にいけばよく君がいた
「穴」
もうひとつの穴なんですよ、もうひとつの穴なんですか、しげしげとみる
「襟」
なにもない春なんですがきょうきみの襟のあたりにひかりがあって
ここでいう文学というのは、言葉で編まれた文芸表現をすべてを指すような広い意味ではなく、また、学問として学んだり教えたりするものでもなく、近代文学から、現代文学へと移り、そして、”現在”文学をとおり、文学”未来”を開くような、そういうとても狭い語りの表現だ。
だからまあ、そんな「文学」とやらは目指していないよ、という人がいるのも当然だし、文芸、ああ、文芸という言葉も定義しなきゃいけない。文芸には、文字芸術という言葉の略というより、私は文字芸能に近いニュアンスで使うことが多いが、堅苦しかったり、難しかったり、知識を前提にしたり、そういうもの以外も短歌は受け入れていることを、とてもよい特質だと思っている。
短歌というのは基本的に古い形式の詩なわけだから、古き良きものととても相性がよい。新しき悪きものと相性が悪いのだ。だから、現在にそれを使用するには、どこか構築の意志というものが必要になってくる。
何年か前、耳の聞こえない設定の音楽家が、現代音楽作曲家の手を借りていたことが話題になったが、面白かったのが、新垣隆氏は(名前出すんかい)、あの匿名性を手に入れることによって、現代音楽を作らなければならない自分が解放されて、ロマン派風の音楽を楽しく作曲出来た、というようなことを述べたことだ。
音楽は、音楽のムーブメントが過ぎると、もとに戻ることは難しい。現在において、たとえばバロック音楽の作曲家になるというのは、好事の域を超えて説得力をもつことは難しい。
短歌は、まずは定型にする楽しさ苦しさ、というのがあって、次に、定型の中で表現の幅を広げてゆく楽しさ苦しさ、というのがある。
その先は、人にもよろうが、短歌を表現として選ぶことの楽しさ苦しさ、というのがあったり、短歌を文学として構築することの苦しさ、というのがあろう(楽しさないんかい)。
次世代の短歌(単に作っている世代が次である、ということでなく)を開くのは、才能なのか、努力なのか、知なのか、量なのか、単に世代なのか、さまざまな考え方があるので、最初に書いたように、ここで書いたのは、古臭い考え方のひとつだと思う。わたし自身、構築ということをいま敢えてやろうとはしていないところがある。
ところで、ゴールデン・ウィークは、けっこう食べてしまっている。運動というのを、やはり、ちょっと頑張らないと、習慣にならないようなところがあるように思う。
浜松を過ぎてもそれを待つだろう旅の終わりはわりあい早いのに 沙流堂
自選。
「暖」
思想ひとつ暖まりゆく夜の二階、屋根を跳ねゆく春の生き物
「マーク」
分からないマークシートを適当に塗りつぶす時の力で抱(いだ)く
「列」
約束はまだまもられて列島にまぶされてゆく春のパウダー
「いろは」
ことのははかつて「いろ」からよみあげていまも「あい」からはじまるものを
「垂」
画面上から何かが垂れてくるようなゲームオーバーみたいな眠り
「蜂」
プログラムみたいな生を生きてらと菜の花畑を去りて一蜂
「雲」
文学の秘密が次の瞬間に出そうで出ない先生と雲
「才」
最初から才能なんてないんだよそれから最近肉焼いてない
「欠」
せとものの白い欠片が埋まりたる空き地にいけばよく君がいた
「穴」
もうひとつの穴なんですよ、もうひとつの穴なんですか、しげしげとみる
「襟」
なにもない春なんですがきょうきみの襟のあたりにひかりがあって
2018年03月うたの日自作品31首。
「暖」
思想ひとつ暖まりゆく夜の二階、屋根を跳ねゆく春の生き物
「染」
太陽がひとつしかない場所だからきみも染まってしまう夕焼け
「耳」
この耳が一部始終を聞いていた別れたあとのぶひひぶふずび
「マーク」
分からないマークシートを適当に塗りつぶす時の力で抱(いだ)く
「列」
約束はまだまもられて列島にまぶされてゆく春のパウダー
「いろは」
ことのははかつて「いろ」からよみあげていまも「あい」からはじまるものを
「枚」
デスクトップにそんな私を貼るなんて奇跡の一枚あるんですけど
「せっかち」
ブリンカーがかちかち動くライフゲームせっかちなまでの増殖退(ひ)けば
「何」
サインカーブのように輪廻をくり返し何の理由でまた君と会う
「自由詠」
テレビ通話にしているけれど母親の耳ばかり見て話すやさしく
「ぶどう」
義母と飲むジュースのようにあまあまのワインというよりぶどう酒を飲む
「垂」
画面上から何かが垂れてくるようなゲームオーバーみたいな眠り
「蜂」
プログラムみたいな生を生きてらと菜の花畑を去りて一蜂
「24時間」
それがあと24時間だとしたら会いにはいかぬがどうぞ達者で
「雲」
文学の秘密が次の瞬間に出そうで出ない先生と雲
「亜麻色」
百発百中死ぬ身にあれば恥ずかしいことなどない!(ある)亜麻色にする
「忖度」
自然界になんの忖度されながらヒトぞろぞろと春をうごめく
「コップ」
目の前のコップの中の水だけが揺れてるシネマグラフのわたし
「デニム」
きょう街で君に似ている人がいてブログのタイトルには「春デニム」
「才」
最初から才能なんてないんだよそれから最近肉焼いてない
「欠」
せとものの白い欠片が埋まりたる空き地にいけばよく君がいた
「穴」
もうひとつの穴なんですよ、もうひとつの穴なんですか、しげしげとみる
「キッチン」
ネガティブなこころが今日もキッチンで美味しい味にしかしするのよ
「襟」
なにもない春なんですがきょうきみの襟のあたりにひかりがあって
「ほどく」
怒られてほどけて落ちたひも状のそれらをかき集めて戻りたり
「苗」
新しい知識がきみに入るとき若苗色のその好奇心
「私」
ふたたびに国家主義だな私心なきリーダーもまた推し進めゆく
「構」
時間で起きて外で何事かを動き時間が立てば帰る構造体
「船」
あるじ落ちて船は自由を手に入れたぷかぷか自由また会いたいな
「浸」
人類愛が前世紀より薄味の煮浸しはゆつくり食べませう
「4時」
不可逆の悲しい夢で目が覚めてせっかくなのでもう起きる4時
思想ひとつ暖まりゆく夜の二階、屋根を跳ねゆく春の生き物
「染」
太陽がひとつしかない場所だからきみも染まってしまう夕焼け
「耳」
この耳が一部始終を聞いていた別れたあとのぶひひぶふずび
「マーク」
分からないマークシートを適当に塗りつぶす時の力で抱(いだ)く
「列」
約束はまだまもられて列島にまぶされてゆく春のパウダー
「いろは」
ことのははかつて「いろ」からよみあげていまも「あい」からはじまるものを
「枚」
デスクトップにそんな私を貼るなんて奇跡の一枚あるんですけど
「せっかち」
ブリンカーがかちかち動くライフゲームせっかちなまでの増殖退(ひ)けば
「何」
サインカーブのように輪廻をくり返し何の理由でまた君と会う
「自由詠」
テレビ通話にしているけれど母親の耳ばかり見て話すやさしく
「ぶどう」
義母と飲むジュースのようにあまあまのワインというよりぶどう酒を飲む
「垂」
画面上から何かが垂れてくるようなゲームオーバーみたいな眠り
「蜂」
プログラムみたいな生を生きてらと菜の花畑を去りて一蜂
「24時間」
それがあと24時間だとしたら会いにはいかぬがどうぞ達者で
「雲」
文学の秘密が次の瞬間に出そうで出ない先生と雲
「亜麻色」
百発百中死ぬ身にあれば恥ずかしいことなどない!(ある)亜麻色にする
「忖度」
自然界になんの忖度されながらヒトぞろぞろと春をうごめく
「コップ」
目の前のコップの中の水だけが揺れてるシネマグラフのわたし
「デニム」
きょう街で君に似ている人がいてブログのタイトルには「春デニム」
「才」
最初から才能なんてないんだよそれから最近肉焼いてない
「欠」
せとものの白い欠片が埋まりたる空き地にいけばよく君がいた
「穴」
もうひとつの穴なんですよ、もうひとつの穴なんですか、しげしげとみる
「キッチン」
ネガティブなこころが今日もキッチンで美味しい味にしかしするのよ
「襟」
なにもない春なんですがきょうきみの襟のあたりにひかりがあって
「ほどく」
怒られてほどけて落ちたひも状のそれらをかき集めて戻りたり
「苗」
新しい知識がきみに入るとき若苗色のその好奇心
「私」
ふたたびに国家主義だな私心なきリーダーもまた推し進めゆく
「構」
時間で起きて外で何事かを動き時間が立てば帰る構造体
「船」
あるじ落ちて船は自由を手に入れたぷかぷか自由また会いたいな
「浸」
人類愛が前世紀より薄味の煮浸しはゆつくり食べませう
「4時」
不可逆の悲しい夢で目が覚めてせっかくなのでもう起きる4時
2018年4月22日日曜日
2018年02月うたの日自選と雑感。
暑くなりまして、体調など崩されてませんでしょうか。犬のように舌を出してハァハァすると、少しは暑さも、別に皮膚呼吸できますので和らいだりしませんけども、犬のような気分にはなれます。
ツイッターのMac用のクライアントが、正規のものが終了したので、夜フクロウというのを使い始めましたが、やはりいまいち使い勝手が(カスタマイズすればよいのかもしれませんが)よくなくて、あまりタイムラインを見ておりません。iPhoneのツイッターでも、ハイライトくらいしか最近は見れていませんので、悪口を書かれても、見つかったりしないかもしれません。でも、そういうのほどよく見つかったりするのは、インターフェースあるあるかもしれません。そんな言葉ないか。
でも、タイムラインの様子、ちょっとずつ、変わっていってるなあ、と思います。
自選など。
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
ツイッターのMac用のクライアントが、正規のものが終了したので、夜フクロウというのを使い始めましたが、やはりいまいち使い勝手が(カスタマイズすればよいのかもしれませんが)よくなくて、あまりタイムラインを見ておりません。iPhoneのツイッターでも、ハイライトくらいしか最近は見れていませんので、悪口を書かれても、見つかったりしないかもしれません。でも、そういうのほどよく見つかったりするのは、インターフェースあるあるかもしれません。そんな言葉ないか。
でも、タイムラインの様子、ちょっとずつ、変わっていってるなあ、と思います。
自選など。
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
2018年4月8日日曜日
2018年02月うたの日自作品28首。
「因数分解」
苺とチョコを買ってきたけど因数分解するからスポンジ生地ばかり俺
「忍」
「忍法! 後ろ向き」それなら勝てる「忍法、内向き」は強かった
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「夕日」
今日だけのぼくに夕日よ人間の痛みは明日はどんな赤色
「繊細」
表現の繊細を身につけました「うんち」じゃなくて「うんこ」だったと
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「鮪」
陸地にはどんな世界があるだろう餌が勝手に回りくるかも
「並」
なみなみと涙ながして並木道ぼくらは実に月並みだなァ
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「三人称」
目と声にこぼれてしまう私と彼女の正体合わざることが
「医師」
窓外の鈍色の空を眺めいる医師は眠たいだけかも知れず
「キムチ」
発音がキンチのままの在日の娘がパッチム(終声)をわれに教わる
「好きな人」
コンビニのスイーツ4個、O・ヘンリーっぽいねと笑い2個ずつ食べる
「迎」
来迎は左から来てザビエルはどっちの方を見上げてたっけ?
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「率」
十日連続カレーが続く確率の悟りは開いたけどまた閉じた
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「沢庵」
月面の畑でとれた大根の沢庵漬けを母の土産に
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「超」
寒い時にアイスもおいしいんだけれどスーパーカップはやりすぎだった
「不安」
アスファルトの下の冷たい土の層が地球のことをやや不安です
「明」
いろいろな場所で何かと戦っていた過去がつぎつぎ明るみに出る
「引」
現金なわたしたちだよ白い身が湯引きされたらもうおいしそう
「バス停」
つぎつぎとバスならぬものがやってくるバス停、待つ側ではつまらない
「台」
台所に少しテレビを傾けるおおかた聞いているだけですが
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
苺とチョコを買ってきたけど因数分解するからスポンジ生地ばかり俺
「忍」
「忍法! 後ろ向き」それなら勝てる「忍法、内向き」は強かった
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「夕日」
今日だけのぼくに夕日よ人間の痛みは明日はどんな赤色
「繊細」
表現の繊細を身につけました「うんち」じゃなくて「うんこ」だったと
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「鮪」
陸地にはどんな世界があるだろう餌が勝手に回りくるかも
「並」
なみなみと涙ながして並木道ぼくらは実に月並みだなァ
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「三人称」
目と声にこぼれてしまう私と彼女の正体合わざることが
「医師」
窓外の鈍色の空を眺めいる医師は眠たいだけかも知れず
「キムチ」
発音がキンチのままの在日の娘がパッチム(終声)をわれに教わる
「好きな人」
コンビニのスイーツ4個、O・ヘンリーっぽいねと笑い2個ずつ食べる
「迎」
来迎は左から来てザビエルはどっちの方を見上げてたっけ?
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「率」
十日連続カレーが続く確率の悟りは開いたけどまた閉じた
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「沢庵」
月面の畑でとれた大根の沢庵漬けを母の土産に
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「超」
寒い時にアイスもおいしいんだけれどスーパーカップはやりすぎだった
「不安」
アスファルトの下の冷たい土の層が地球のことをやや不安です
「明」
いろいろな場所で何かと戦っていた過去がつぎつぎ明るみに出る
「引」
現金なわたしたちだよ白い身が湯引きされたらもうおいしそう
「バス停」
つぎつぎとバスならぬものがやってくるバス停、待つ側ではつまらない
「台」
台所に少しテレビを傾けるおおかた聞いているだけですが
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
2018年3月31日土曜日
2018年1月うたの日自選と雑感。
ブログの更新をさぼっていましたねぇ。明日から四月なので、少し進めておきましょう。
舞踏とは、命がけで突っ立った死体である、と言ったのは、土方巽であるが、これはなかなかテクニカルな修辞の表現で、何を言っているかふつうわからない。何を言っているかわからないが、ある必死な、いのちの有りようは伝わる。そして、死体なのに命がけ、生きている人間がやるのに死体、という矛盾に満ちたなにものかこそ、舞踏である、と、言外に定義している言葉である。
ひるがえって、短歌とは、何であろうか。……いや、こういうのは、もうちょっと後の時代にやるのが面白いだろうね。
耳掃除しながら思う短歌とは、奥へ進めば痛い目をみる 沙流堂
自選。
「猛」
文字という猛毒のためすずりにて水をすりおり、さらに濃き濃く
「貴」
されば老舗の秘伝のタレの寸胴の汚れのごとし貴種守るとは
「蟹」
岩陰にじっとその身をひそめおり平和を待つことばかりでもなく
「側」
妖怪を引き連れてゆく旅なりきすべからく内側の物語
「飾」
心次第でとんとんになるこの時空に粉飾がないかじっと見ている
「粋」
目覚めれば朝か夕べか分からない汝(な)はしののめの純粋読者
舞踏とは、命がけで突っ立った死体である、と言ったのは、土方巽であるが、これはなかなかテクニカルな修辞の表現で、何を言っているかふつうわからない。何を言っているかわからないが、ある必死な、いのちの有りようは伝わる。そして、死体なのに命がけ、生きている人間がやるのに死体、という矛盾に満ちたなにものかこそ、舞踏である、と、言外に定義している言葉である。
ひるがえって、短歌とは、何であろうか。……いや、こういうのは、もうちょっと後の時代にやるのが面白いだろうね。
耳掃除しながら思う短歌とは、奥へ進めば痛い目をみる 沙流堂
自選。
「猛」
文字という猛毒のためすずりにて水をすりおり、さらに濃き濃く
「貴」
されば老舗の秘伝のタレの寸胴の汚れのごとし貴種守るとは
「蟹」
岩陰にじっとその身をひそめおり平和を待つことばかりでもなく
「側」
妖怪を引き連れてゆく旅なりきすべからく内側の物語
「飾」
心次第でとんとんになるこの時空に粉飾がないかじっと見ている
「粋」
目覚めれば朝か夕べか分からない汝(な)はしののめの純粋読者
2018年2月17日土曜日
2018年1月うたの日の自作品31首。
「平成30年の抱負」
友がみなわれより偉い日々なので邪魔にならないようにして飲む
「猛」
文字という猛毒のためすずりにて水をすりおり、さらに濃き濃く
「太陽」
地球族の宗教的な比喩としてあなたはオーマイサンシャインです
「貴」
されば老舗の秘伝のタレの寸胴の汚れのごとし貴種守るとは
「役」
星に手がとどくとこまできたふたりぼくの役目は手を焦がすこと
「相撲」
はっけよいのこったのこったわれひとり職場でなにに寄り切られつつ
「草」
「この時代の人々は興に入るときに」「草!」「正解! チャンピオン早い!」
「加」
柿の種にチョコを加えた毎日になるようにきみはピリ辛であれ
「マイナス」
マイナスの風に吹かれてマイナスの男がプラスの街にいる、いる?
「自由詠」
計画的陳腐化のようであるけれどもこのままチンプンカンプンならむ
「歩」
真上を向いて歩こうよ涙など一滴たりともこぼさぬように
「蟹」
岩陰にじっとその身をひそめおり平和を待つことばかりでもなく
「側」
妖怪を引き連れてゆく旅なりきすべからく内側の物語
「炭」
イタリアの塩に替えたりコーヒーを炭で焼いたりしてさびしがる
「人編」
天からの使いのような人なので性愛を防ぐヴェールが見える
「金屏風」
金屏風すごかったねと金屏風と金の屏風の話ばっかり
「飾」
心次第でとんとんになるこの時空に粉飾がないかじっと見ている
「由」
飛び降りた下にはちょうど幌馬車でお元気の由何よりでした
「チーム」
このチームの先頭から輝いていくぼくも光に入らなければ
「バスケットシューズ」
バスケットシューズじゃなかったのも理由、きみが見に来てくれなかったのも
「関」
ああやはり引き返すべきだったのだ関関と恋の鶯が鳴く
「粋」
目覚めれば朝か夕べか分からない汝(な)はしののめの純粋読者
「行ったことのない山」
この道を通るときいつも気にはなるが行ったことのない山田うどんだ
「青の時代」
トルストイ翁の家出まざまざ思いつつ納豆飯の青の時代は
「冬の海」
おい野菜、高いんじゃあああと叫びたくて来た冬の海、先客がいた
「鶴」
嬉しさをごまかすために鶴の構えをしているきみよ、ぼくは蛇拳だ
「萌」
萌えいづる草食男子の休日のハードディスクのアニメなるかも
「海老」
なぜオレはケチャップソースに絡められ辛い剥き身で死んでいるのか
「1400回くらい一緒にしたいこと」
星月夜の宇宙のなかで手をつなぎ言葉はつまらない帰り道
「塩」
野菜ならとにかく塩をかけた父、息子はドレッシングでごめん
「嫁」
「お義兄(にい)さん」とわれを呼ぶので好評価の弟の嫁が不倫して去りき
友がみなわれより偉い日々なので邪魔にならないようにして飲む
「猛」
文字という猛毒のためすずりにて水をすりおり、さらに濃き濃く
「太陽」
地球族の宗教的な比喩としてあなたはオーマイサンシャインです
「貴」
されば老舗の秘伝のタレの寸胴の汚れのごとし貴種守るとは
「役」
星に手がとどくとこまできたふたりぼくの役目は手を焦がすこと
「相撲」
はっけよいのこったのこったわれひとり職場でなにに寄り切られつつ
「草」
「この時代の人々は興に入るときに」「草!」「正解! チャンピオン早い!」
「加」
柿の種にチョコを加えた毎日になるようにきみはピリ辛であれ
「マイナス」
マイナスの風に吹かれてマイナスの男がプラスの街にいる、いる?
「自由詠」
計画的陳腐化のようであるけれどもこのままチンプンカンプンならむ
「歩」
真上を向いて歩こうよ涙など一滴たりともこぼさぬように
「蟹」
岩陰にじっとその身をひそめおり平和を待つことばかりでもなく
「側」
妖怪を引き連れてゆく旅なりきすべからく内側の物語
「炭」
イタリアの塩に替えたりコーヒーを炭で焼いたりしてさびしがる
「人編」
天からの使いのような人なので性愛を防ぐヴェールが見える
「金屏風」
金屏風すごかったねと金屏風と金の屏風の話ばっかり
「飾」
心次第でとんとんになるこの時空に粉飾がないかじっと見ている
「由」
飛び降りた下にはちょうど幌馬車でお元気の由何よりでした
「チーム」
このチームの先頭から輝いていくぼくも光に入らなければ
「バスケットシューズ」
バスケットシューズじゃなかったのも理由、きみが見に来てくれなかったのも
「関」
ああやはり引き返すべきだったのだ関関と恋の鶯が鳴く
「粋」
目覚めれば朝か夕べか分からない汝(な)はしののめの純粋読者
「行ったことのない山」
この道を通るときいつも気にはなるが行ったことのない山田うどんだ
「青の時代」
トルストイ翁の家出まざまざ思いつつ納豆飯の青の時代は
「冬の海」
おい野菜、高いんじゃあああと叫びたくて来た冬の海、先客がいた
「鶴」
嬉しさをごまかすために鶴の構えをしているきみよ、ぼくは蛇拳だ
「萌」
萌えいづる草食男子の休日のハードディスクのアニメなるかも
「海老」
なぜオレはケチャップソースに絡められ辛い剥き身で死んでいるのか
「1400回くらい一緒にしたいこと」
星月夜の宇宙のなかで手をつなぎ言葉はつまらない帰り道
「塩」
野菜ならとにかく塩をかけた父、息子はドレッシングでごめん
「嫁」
「お義兄(にい)さん」とわれを呼ぶので好評価の弟の嫁が不倫して去りき
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