2020年4月5日日曜日

「キャラメライゼーション」2008.11.24

  キャラメライゼーション

一粒で300メートル走りきてもろ手を挙げる川面の男

待ち合わせは橋の真ん中、不健康な逢引きなのにグリコのネオン

ご当地の菓子売る店で本当のご当地は問わず楽しむルール

食物の形に君は信じるか、ブロック状のこのプロダクト

made from かmade of かを訊きながら君の素材の変容を思う

幼子の初の快楽(けらく)はその小さき口にふふませられし立方

水平に沈む夕日を万力で押せばお前が湯気たててゆく

複雑な化学変化であるべきを欲望と君は簡単に言う

キャラメ汝のライ悲しみはゼー溶けて変容しゆく歓ション喜まで

褐色の俺が小さく固まって薄い包装をいそいそと着る

モスクワを目指さぬ我にジンギスカン風味の粒は美味ならずなり

0 件のコメント:

コメントを投稿