キャラメライゼーション
一粒で300メートル走りきてもろ手を挙げる川面の男
待ち合わせは橋の真ん中、不健康な逢引きなのにグリコのネオン
ご当地の菓子売る店で本当のご当地は問わず楽しむルール
食物の形に君は信じるか、ブロック状のこのプロダクト
made from かmade of かを訊きながら君の素材の変容を思う
幼子の初の快楽(けらく)はその小さき口にふふませられし立方
水平に沈む夕日を万力で押せばお前が湯気たててゆく
複雑な化学変化であるべきを欲望と君は簡単に言う
キャラメ汝のライ悲しみはゼー溶けて変容しゆく歓ション喜まで
褐色の俺が小さく固まって薄い包装をいそいそと着る
モスクワを目指さぬ我にジンギスカン風味の粒は美味ならずなり
0 件のコメント:
コメントを投稿