照屋沙流堂・・・沙流
くらげただよう・・・洋
袴田朱夏・・・朱夏
小澤ほのか・・・ほのか
寿々多実果・・・多実果
珈琲と俳句・・・珈俳
くらげただよう・・・洋
袴田朱夏・・・朱夏
小澤ほのか・・・ほのか
寿々多実果・・・多実果
珈琲と俳句・・・珈俳
1 おぼろなり今宵は雨に散るさくら
沙流
2 液晶からは笑みがこぼれる
洋
3 ドローンを無事に野生に帰す日よ
沙流
4 鉄のにおいの種火はいずこ
朱夏
5 北風を追い越してゆく三輪車
洋
6 ひとりカーネルおじさんに泣く
朱夏
7 極東の醤油の匂いする街に
沙流
8 まだ慣れなくてハナミズキ咲く
朱夏
9 君色に染める便箋買いに行き
洋
10 売り切れていて雑草を踏む
朱夏
11 シュガーレスの平和はくせのある甘さ
沙流
12 ユニットバスですすむ宿題
沙流
13 いつまでも続かなかった夏休み
洋
14 きみがログインしてこない町
沙流
15 コンビニの中だけまぶしき都会かな
沙流
16 誘蛾灯から遠く離れて
洋
17 選べるのなら味覚だな死ぬときの
朱夏
18 ショートケーキを君に捧げる
ほのか
19 われの分もあるでしょうねと犬が待ち
沙流
20 なんだなんだとキリンがのぞく
洋
21 春風にたべっ子どうぶつのくずが
朱夏
22 幼稚園児に追い抜かされる
洋
23 幾人か裾ひるがえり春の風
沙流
24 叱るならくるぶしの下まで
朱夏
25 見て見ないふりする小鳥集まって
洋
26 有言不実行のかしまし
沙流
27 ウグイスの声のテクニック以上の
朱夏
28 バットさばきで本塁打打つ
洋
29 ほら俺の言ったとおりにすりゃ勝てる
沙流
30 気持ちの良さは別のはなしだ
多実果
31 朝九時に言い訳をするネクタイが
朱夏
32 空いた電車でやたらと重い
洋
33 ついてきたウリ坊二匹まる抱え
沙流
34 恋仲だったようでひくひく
朱夏
35 モルモットのとがめるような黒い目が
沙流
36 もう死神のそれに近いし
朱夏
37 降伏の証しにならぬ赤い旗
洋
38 洗っておけば明日は啓蟄
朱夏
39 降り止まぬ雨を眺めるヒヤシンス
洋
40 嫉妬は愛か悩むゼピュロス
沙流
41 怒ってる顔してくれてありがとう
沙流
42 への字の口にポッキー差して
沙流
43 おっさんはだれか一人でいいだろと
朱夏
44 誰も取らないドラフト会議
洋
45 式場の知人のいない丸テーブル
沙流
46 くしゃみをしてもひとりのままで
洋
47 ペットボトルに詰めた草花息をして
朱夏
48 あなたのいない日々を数える
洋
49 きみ思うゆえにわれあり夕まつり
沙流
50 塩だけで焼きとうもろこしを
朱夏
51 裏道へへっぴり腰で肝試し
洋
52 蝋燭の火は絶やさずに居れ
ほのか
53 言葉なくも胸はたしかにあたたかき
沙流
54 オランウータンの毛を風が引く
沙流
55 ふるさとのにおいを忘れ食うバナナ
洋
56 星の並びは自分で決めろ
朱夏
57 ビリヤード終わっても帰りたがらない
沙流
58 魔女だったけど今は猫です
朱夏
59 つぶれないように立ち寄る古本屋
朱夏
60 犯人の名を目次に書かれ
洋
61 ポートピアの風評被害いまいずこ
沙流
62 ヤスと気安く呼んでくれるな
洋
63 友達のゲームをついに借りたまま
沙流
64 引越し作業は進んでいった
ほのか
65 誰もいないはずの居間からカタコトと
朱夏
66 おもちゃのチャチャチャおばけのケケケ
沙流
67 猫たちが迷子になってニャンニャンニャ
洋
68 ドラゴンレーダーに多すぎる数
沙流
69 空からはギャルのパンティ降り止まぬ
洋
70 触って融けたけどこれは何
朱夏
71 てのひらの温もり欲しい画面越し
洋
72 デスクトップは指紋だらけで
ほのか
73 スクロールのジェスチャー上じゃなくて下
沙流
74 遠隔操作でわれも、神も
沙流
75 混線で俺がお前で俺は俺
洋
76 ラジオのダイヤル位置落ち着かず
沙流
77 司会者がスマホをカンペ代わりにして
朱夏
78 大々的に遠隔離婚
洋
79 ファックスであえて手書きのご報告
沙流
80 読まずに食べる黒山羊を飼う
洋
81 ポストペットでメールしてるのオレだけか
沙流
82 拡張子から危険な香り
沙流
83 寄越すならzipにしろと急かされて
洋
84 Macでずれるアスキーアート
沙流
85 ギコ猫がオマエモナーと煽り出す
洋
86 さっきほんとにД(ダー)の口した
沙流
87 ご立派な顎を持つプロレスラーが
洋
88 車椅子でも元気ですかと
多実果
89 ぬか床に吸い込まれて立った地には
朱夏
90 すべてが生きているからめまい
沙流
91 東京の夜景が見えるレストラン
沙流
92 歯医者の待合室の雑誌に
沙流
93 一ヶ月着回しおしゃれ特集が
洋
94 見るだけで満腹で珈琲
珈俳
95 横文字というかあくまでカタカナ化
沙流
96 うちはカフェじゃあねえよと店主
珈俳
97 古民家にパラボラアンテナ取り付けて
沙流
98 縄文の別れ話を受信す
朱夏
99 ひまわりがひっきりなしに首捻る
洋
100 ひと足お先に迷路脱出
沙流
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