2016年2月7日日曜日

2016年01月うたの日作品の31首とうたの人1首

「平成二八年の抱負」
一日は二日酔いなる頭にて三日坊主の決意など述べ

「東」
吐く息の今年はみじかく二日には上り線では渋滞となる

「光」
二日以降の日の出はまるで以下同文の多くも少なくもない光

「コンピューター」
人間がワレワレを神と仰ぐ日を待ちおれど人は怠惰に過ぎる

「準」
近未来お袋の味も正式にISO(国際標準化機構)の決めし肉じゃが

「腕」
きみは鳥と知ってあわててこの腕を枝に変えたが見抜かれており

「UFO」
かなしみを耐えているとき夜の窓に映るUFO、われに付きあう

「焼」
鼻悪き男が家を焼いて去る20世紀の迷信として

「弓」
年が明けても寒くない街あずさゆみ春待つこころ薄らぐさむさ

「活字」
中吊りの広告の文字多ければ読むというでもなく読んでいる

「二十歳」
ドップラー効果のように二十歳(はたち)とは過ぎるまでその高さを知らず

「肌」
たましいを包む素材が肌なのかたましいが肌をあざむく花か

「泡」
あわーゆきーねぇ心まで、違うっけ、結構好きな曲だったけど

「明」
明らかな錯誤じゃないか生きるためのお金稼ぎが楽しいなんて

「果」
砕けたる結果をあつめ金継ぎという復活を待つのもありか

「蒼」
中一のくせに厨二にあこがれる甥のアカウントに蒼の文字

「ココア」
暖かくなるまでに飲みきらぬけれど冬には常備されたるココア

「羽」
エンジェルも翼か羽かどちらかを与えられうら思いのありぬ

「低」
中年のおなかまわりの低燃費よなか近所を巡りてもなお

「雪」
雪の夜はどこにいるのか野良猫のJはしっぽが名前の由来

「木」
一本の木の下でずっと待っている気がする、誰かはとうに忘れて

「印」
この星にいい印象をもつような笑顔を君はときどきするね

「レンズ」
ぼくの持つ二つのレンズがいま君をさかさまにして網膜へ貼る

「平凡」
せんり、ちさとの平凡をうたう名曲にオーノを入れて法則(ルール)とならず

「はちみつ」
隠し味にまずはちみつを入れてみる君の前世か来世をおもう

「面」
舗道(ほどう)の端に残った雪の汚れとか言わずに面と向かって、苦(くる)し

「並」
こんなのはなかった地元の並じゃない広さのひまわり畑、あかるし

「髪」
ナチュラルに見られるようにいつまでも鏡でメトロノームの男

「ルール」
この男いくつのルールで出来ていてどこを突(つつ)けばかわいくなるか

「線」
星の夜を線路づたいに帰りたる少年の君をぼくだけがまだ

「斜」
斜めにも動けるようにしておくれ毎日を地味に生きるぼくらに

うたの人
「楽」
かに道楽の看板のかにが逃げたらし、無事海にたどり着けただろうか

0 件のコメント:

コメントを投稿