自選。
京橋で君と別れて片町線さびしき、今は違う名前か
気を抜けばクリスマスソング流れたる受付できみが気を抜いている
クラスタの涯まできみを連れてゆくつもりが行けど行けど中心
ポジフィルムと同じ情報量であるネガフィルムで今日のあなたは
まっすぐの飛行機雲もだんだんとほどかれてゆく文明もかく
悪意でもみどりに芽吹くことがあるこの雨でそれが元気にふたば
笑いあり涙ありの物語にて新参なのでぎこちないです
会うときはいつも飛行機が飛んでいてそういう土地ときみにさよなら
泣くときに鼻も流れる生き物としてある限り鼻垂らし泣く
鍋の中に昨夜のおでんが残ってて貨幣価値ではいくらよこのちくわ
三上寛と山下達郎が交互にてかかるスマホに悪意を感じ
「ガンバロー」から「バカヤロー」になるまでをたしかに頑張っていた柊(ひいらぎ)
プライドは猫背のように、治ったら自分でなくなるようにもみえて
天才の主人の苦悩を眺めたる犬のバンクオー長き舌をしまう
生命は生まれやすくて逝きやすい波なき湯舟をずばりとあがる
精神の住所は近いようなるに肉体のそれが二人を分かつ
ありがたい疲れたぼくに満月が死の銀色をわれに届かす
それはまるで奥田民生のカバー曲でみんな民生っぽくなるような
何色の字で惜別を書きましょう時代は口開けるだけで過ぎゆく
頑固なる汚れになってこびりつく恋と呼びいし黒いかたまり
一週間がこんなに早いということは世界が〆に入りたるかも
善ということではなくてわれならぬ命を守るとき生きている
何もかも投げ出したいと思う日のスープレックス、空が無窮だ
神の世を説きし約翰(ヨハネ)のはるかのち天国はないと歌いいし約翰(ジョン)
何も考えず歩こう何も考えず、考えぬとはどういうことか
軽自動車でふたりで眠るあの時が一番友情がやばかった
レトリーバーのドヤ顔、飼い主との散歩たぷたぷときみの満足つづけ
情報の商材として短歌とは一首5円になかなかならぬ
この家の寒天のようなかなしさとよそよそしさよ外で息する
5回くらい大きくぶつかることにより丁度良くなる、星の話ね
伸びるかもしれぬ心よ、伸びるならどこまで大きくなるものなるか
ブルターニュは島根みたいなとこだよと言われて分かったような分からん
意志がつよいことはさびしも鋭くも陽(ひ)に喜んでしたたる氷柱
どの神に従いたれば醜(しこ)となり賤(しず)となること望みて人は
我が内にギブミーチョコレイティズムとう心理のありて師走の夜寒
六時には百分待ちの回る寿司御用納めに消えるエビたち
あの世とのあいだに深い森があり行きたがる子は長生きしない
背景にさびしさ満ちている男、話しかけたらややこしそうだ
縁側に二匹の白い芝犬が足踏みしつつ散歩を待てり
2018年10月13日土曜日
2018年9月30日日曜日
2016年12月の123首。付け句祭り含む。
いまの夢を甘いものへと変えるため夜中にコップ一杯のコーラ
空想の否妄想の鷹や馬や海豚を走らせ捜すお前
その時にぼくは理解をしないだろう新しいってそういうことで
京橋で君と別れて片町線さびしき、今は違う名前か
根の深い悩みに母が住んでいてきみというより母からと聞く
気を抜けばクリスマスソング流れたる受付できみが気を抜いている
君は今日朝から違うと思ったら��が出ている感じじゃないの
クラスタの涯まできみを連れてゆくつもりが行けど行けど中心
ポジフィルムと同じ情報量であるネガフィルムで今日のあなたは
右に回し左に回して出でこないスティックのりを、塗れば使えた
不孝ゆえに孝をまぶしく見えるのに彼の家は当時光ってたのに
今だけを生きていたいと言っていたそういう過去を懐かしむとは
まっすぐの飛行機雲もだんだんとほどかれてゆく文明もかく
身に負えぬミスを成したる帰り道ドクダミの花を見惚れて立てる
夏生まれですってバイトのリムくんの熱帯地域のいつの夏だよ
悪意でもみどりに芽吹くことがあるこの雨でそれが元気にふたば
人間の命は甘美—。ゴータマの悟りはつまりこのことなるか
笑いあり涙ありの物語にて新参なのでぎこちないです
うすい膜をつついてとろり感情はつられはせぬよ垂らしつつ噛む
じゃあキミはほとんど東京娘じゃんと言われたらそういう顔だよね
会うときはいつも飛行機が飛んでいてそういう土地ときみにさよなら
出たー! 妖怪スマホいじりー! と子供が叫ぶ、大人が焦る
泣くときに鼻も流れる生き物としてある限り鼻垂らし泣く
約束をまだらに思い出している動物園の檻の夢にて
鍋の中に昨夜のおでんが残ってて貨幣価値ではいくらよこのちくわ
三上寛と山下達郎が交互にてかかるスマホに悪意を感じ
悲しいことをよく言う人だと思ったら作品なんだ、なんだ損した
老いのはなし健康のはなしする姉よ男の話は生々しいな
「ガンバロー」から「バカヤロー」になるまでをたしかに頑張っていた柊(ひいらぎ)
プライドは猫背のように、治ったら自分でなくなるようにもみえて
この指で人を差すのが失礼な時代も出しっぱなしで示指は
#追悼の前田短歌(2首)
結論はすでに出ていた、きみのみらいの幸せにまえだまえだはいない
厳密にはまえだまえだの兄であるまえだまえだの兄じゃないけど
天才の主人の苦悩を眺めたる犬のバンクオー長き舌をしまう
生命は生まれやすくて逝きやすい波なき湯舟をずばりとあがる
そもそもが反乱なのだ折りたたみ傘ではしのげぬ雨を行きつつ
どの線の人身事故か新宿が膨れあがってまるまる暑い
生存戦略を知らぬ子供が裸だと叫ぶ大人は止めねばならぬ
かき氷のサクレ食いつつ思わずに思うモンマルトルの誓いは
#空にはぷかりえびフライ雲(11首)
転校生の笑顔があると思いきや空にはぷかりえびフライ雲
犯人を雲で当てたる能力者、空にはぷかりえびフライ雲
神々も昼時は腹が減るだらう空にはぷかりえびフライ雲
予言では恐怖の大王くだる日の空にはぷかりえびフライ雲
とろろ蕎麦もけっしてまずくなかったが空にはぷかりえびフライ雲
(嫌なこと)ー(良かったこと)の本数で空にはぷかりえびフライ雲
あぁ聞いたことある豊作の年の空にはぷかりえびフライ雲
この呪いを誰かになすりつけるまで空にはぷかりえびフライ雲
僕の愛がきみには少し重そうで空にはぷかりえびフライ雲
遠距離のきみの写真のとなり誰よ空にはぷかりえびフライ雲
包まれていたのは僕のほうだった空にはぷかりえびフライ雲
精神の住所は近いようなるに肉体のそれが二人を分かつ
愛情は彼女にだってあったのだ、悪となるほど下手ではあった
ごりごりと固き抵抗に遭うまでは甘やかに裂くわたしのナイフ
パラリンとオリンできみが略すからふわっとネルフの地下の気配す
残念だこの「人間の評価関数」はかなりの精度にみえる
分身の術が使えるきみが好きだけど最近薄いね影が
ご当地の何もないけど白色のオイル時計をお土産にする
ありがたい疲れたぼくに満月が死の銀色をわれに届かす
離れればこの星もひとつ金色の光になるよわれわれもいつか
上弦の月でびいんと矢をはなち、射止めついでに殺してもいい
それはまるで奥田民生のカバー曲でみんな民生っぽくなるような
何色の字で惜別を書きましょう時代は口開けるだけで過ぎゆく
頑固なる汚れになってこびりつく恋と呼びいし黒いかたまり
水面からちゃぷちゃぷ底が見えぬように底流も上がよく分からない
一週間がこんなに早いということは世界が〆に入りたるかも
たすけてと叫びたいとき浮かびたる顔、顔、アイコン、顔、今日は止む
大事な時にいる人間に成るために今はさよなら、会えればうれし
正直に生きてええことあるかいな全部自分のせいにされんで(誠実に生きればいいというけれど自己責任の落とし穴あり)
塩分をこんなにとった夜の夢に白い地球であがく人類
土のような砂漠が続き2000年の雨に濡れつつ遺跡は黙(もだ)す
臭い物に蓋をするのだカラフルで匂いを忘れる強い力の
善ということではなくてわれならぬ命を守るとき生きている
何もかも投げ出したいと思う日のスープレックス、空が無窮だ
培養短歌2首
泣きながらきみのかけらを培養しそのコロニーに於母影をみる
寒空の、いな寒天に隔てられふたりは近くいながら逢えぬ
付け句祭り10首(#整理できたらいいのだけれど)
アカシックレコード? うちにありますよ整理できたらいいのだけれど
ケータイの切り替えとカレがずれててん整理できたらいいのだけれど
男女間の友情ある派ありえぬ派整理できたらいいのだけれど
安定剤的スイーツと別腹と整理できたらいいのだけれど
天国も地獄も和洋折衷で整理できたらいいのだけれど
死んだらば恥かく主体は無いけれど整理できたらいいのだけれど
断捨離とトキメキを二冊買う決意整理できたらいいのだけれど
一日は納得せねば終わらない整理できたらいいのだけれど
ハリーポッターとカバン? と石? の謎? 整理できたらいいのだけれど
このダンボールは引越しの時だけ開ける整理できたらいいのだけれど
神の世を説きし約翰(ヨハネ)のはるかのち天国はないと歌いいし約翰(ジョン)
何も考えず歩こう何も考えず、考えぬとはどういうことか
軽自動車でふたりで眠るあの時が一番友情がやばかった
結審のあとににやりとオレにだけなぜオレにだけ今でも思う
休日の午後の路地裏なつかしいわが諦めたバイエル流る
下駄箱の手を置くところのサボテンをずらせばその日に妻が戻せり
現実を上げるか下げるか透明の米の由来の水を注ぎつつ
助手席は彼女の寝場所だったから起きてられるとまだぎこちない
レトリーバーのドヤ顔、飼い主との散歩たぷたぷときみの満足つづけ
イブになってうろうろドンキホーテにて物色したる男が二、三
動き出した電車に人は手を振って日常はなんと黄金に満つ
情報の商材として短歌とは一首5円になかなかならぬ
タイムラインが幸せなイブの日よもっと難しいこと考えようぜ
コンビニのケーキが最近うまいんで今日もこれですフヒヒ、サーセン
ふいに君との絆を試されるように並ぶビニール傘よ、わからん!
この家の寒天のようなかなしさとよそよそしさよ外で息する
5回くらい大きくぶつかることにより丁度良くなる、星の話ね
伸びるかもしれぬ心よ、伸びるならどこまで大きくなるものなるか
ブルターニュは島根みたいなとこだよと言われて分かったような分からん
#レなんとか看板
レなんとか看板レなんとか看板この石橋を叩くのヤメレ
レなんとか看板レなんとか看板この死神はレを振り上げる
意志がつよいことはさびしも鋭くも陽(ひ)に喜んでしたたる氷柱
恋のつぎに憎しみがきていいじゃない、やがて懐かしい無関心まで
松飾り並べはじめた花屋にも奥には美しくシクラメン
中華まんと缶コーヒーをまだ寒い車の中で食べたらバイト
どの神に従いたれば醜(しこ)となり賤(しず)となること望みて人は
我が内にギブミーチョコレイティズムとう心理のありて師走の夜寒
六時には百分待ちの回る寿司御用納めに消えるエビたち
自己嫌悪の薄暗い火を受けとってこの火は身を焼きながら凍える
それはいまのあなたの最新情報で次の更新はいつ頃ですか
あの世とのあいだに深い森があり行きたがる子は長生きしない
背景にさびしさ満ちている男、話しかけたらややこしそうだ
道の向こうで待つきみの上にいる紳士、赤く光ってまだ進めない
いつも通り悔いと希望を残しつつちょっと苦しく痛いくらいで
いままでで今年が一番いい年であるのだ進歩ということでなく
戦争に負けそうなころ思うべしこの国はやはり以和為貴まで
縁側に二匹の白い芝犬が足踏みしつつ散歩を待てり
青空に笑顔、の代わりにツイッターのアイコン、なんてならないように
空想の否妄想の鷹や馬や海豚を走らせ捜すお前
その時にぼくは理解をしないだろう新しいってそういうことで
京橋で君と別れて片町線さびしき、今は違う名前か
根の深い悩みに母が住んでいてきみというより母からと聞く
気を抜けばクリスマスソング流れたる受付できみが気を抜いている
君は今日朝から違うと思ったら��が出ている感じじゃないの
クラスタの涯まできみを連れてゆくつもりが行けど行けど中心
ポジフィルムと同じ情報量であるネガフィルムで今日のあなたは
右に回し左に回して出でこないスティックのりを、塗れば使えた
不孝ゆえに孝をまぶしく見えるのに彼の家は当時光ってたのに
今だけを生きていたいと言っていたそういう過去を懐かしむとは
まっすぐの飛行機雲もだんだんとほどかれてゆく文明もかく
身に負えぬミスを成したる帰り道ドクダミの花を見惚れて立てる
夏生まれですってバイトのリムくんの熱帯地域のいつの夏だよ
悪意でもみどりに芽吹くことがあるこの雨でそれが元気にふたば
人間の命は甘美—。ゴータマの悟りはつまりこのことなるか
笑いあり涙ありの物語にて新参なのでぎこちないです
うすい膜をつついてとろり感情はつられはせぬよ垂らしつつ噛む
じゃあキミはほとんど東京娘じゃんと言われたらそういう顔だよね
会うときはいつも飛行機が飛んでいてそういう土地ときみにさよなら
出たー! 妖怪スマホいじりー! と子供が叫ぶ、大人が焦る
泣くときに鼻も流れる生き物としてある限り鼻垂らし泣く
約束をまだらに思い出している動物園の檻の夢にて
鍋の中に昨夜のおでんが残ってて貨幣価値ではいくらよこのちくわ
三上寛と山下達郎が交互にてかかるスマホに悪意を感じ
悲しいことをよく言う人だと思ったら作品なんだ、なんだ損した
老いのはなし健康のはなしする姉よ男の話は生々しいな
「ガンバロー」から「バカヤロー」になるまでをたしかに頑張っていた柊(ひいらぎ)
プライドは猫背のように、治ったら自分でなくなるようにもみえて
この指で人を差すのが失礼な時代も出しっぱなしで示指は
#追悼の前田短歌(2首)
結論はすでに出ていた、きみのみらいの幸せにまえだまえだはいない
厳密にはまえだまえだの兄であるまえだまえだの兄じゃないけど
天才の主人の苦悩を眺めたる犬のバンクオー長き舌をしまう
生命は生まれやすくて逝きやすい波なき湯舟をずばりとあがる
そもそもが反乱なのだ折りたたみ傘ではしのげぬ雨を行きつつ
どの線の人身事故か新宿が膨れあがってまるまる暑い
生存戦略を知らぬ子供が裸だと叫ぶ大人は止めねばならぬ
かき氷のサクレ食いつつ思わずに思うモンマルトルの誓いは
#空にはぷかりえびフライ雲(11首)
転校生の笑顔があると思いきや空にはぷかりえびフライ雲
犯人を雲で当てたる能力者、空にはぷかりえびフライ雲
神々も昼時は腹が減るだらう空にはぷかりえびフライ雲
予言では恐怖の大王くだる日の空にはぷかりえびフライ雲
とろろ蕎麦もけっしてまずくなかったが空にはぷかりえびフライ雲
(嫌なこと)ー(良かったこと)の本数で空にはぷかりえびフライ雲
あぁ聞いたことある豊作の年の空にはぷかりえびフライ雲
この呪いを誰かになすりつけるまで空にはぷかりえびフライ雲
僕の愛がきみには少し重そうで空にはぷかりえびフライ雲
遠距離のきみの写真のとなり誰よ空にはぷかりえびフライ雲
包まれていたのは僕のほうだった空にはぷかりえびフライ雲
精神の住所は近いようなるに肉体のそれが二人を分かつ
愛情は彼女にだってあったのだ、悪となるほど下手ではあった
ごりごりと固き抵抗に遭うまでは甘やかに裂くわたしのナイフ
パラリンとオリンできみが略すからふわっとネルフの地下の気配す
残念だこの「人間の評価関数」はかなりの精度にみえる
分身の術が使えるきみが好きだけど最近薄いね影が
ご当地の何もないけど白色のオイル時計をお土産にする
ありがたい疲れたぼくに満月が死の銀色をわれに届かす
離れればこの星もひとつ金色の光になるよわれわれもいつか
上弦の月でびいんと矢をはなち、射止めついでに殺してもいい
それはまるで奥田民生のカバー曲でみんな民生っぽくなるような
何色の字で惜別を書きましょう時代は口開けるだけで過ぎゆく
頑固なる汚れになってこびりつく恋と呼びいし黒いかたまり
水面からちゃぷちゃぷ底が見えぬように底流も上がよく分からない
一週間がこんなに早いということは世界が〆に入りたるかも
たすけてと叫びたいとき浮かびたる顔、顔、アイコン、顔、今日は止む
大事な時にいる人間に成るために今はさよなら、会えればうれし
正直に生きてええことあるかいな全部自分のせいにされんで(誠実に生きればいいというけれど自己責任の落とし穴あり)
塩分をこんなにとった夜の夢に白い地球であがく人類
土のような砂漠が続き2000年の雨に濡れつつ遺跡は黙(もだ)す
臭い物に蓋をするのだカラフルで匂いを忘れる強い力の
善ということではなくてわれならぬ命を守るとき生きている
何もかも投げ出したいと思う日のスープレックス、空が無窮だ
培養短歌2首
泣きながらきみのかけらを培養しそのコロニーに於母影をみる
寒空の、いな寒天に隔てられふたりは近くいながら逢えぬ
付け句祭り10首(#整理できたらいいのだけれど)
アカシックレコード? うちにありますよ整理できたらいいのだけれど
ケータイの切り替えとカレがずれててん整理できたらいいのだけれど
男女間の友情ある派ありえぬ派整理できたらいいのだけれど
安定剤的スイーツと別腹と整理できたらいいのだけれど
天国も地獄も和洋折衷で整理できたらいいのだけれど
死んだらば恥かく主体は無いけれど整理できたらいいのだけれど
断捨離とトキメキを二冊買う決意整理できたらいいのだけれど
一日は納得せねば終わらない整理できたらいいのだけれど
ハリーポッターとカバン? と石? の謎? 整理できたらいいのだけれど
このダンボールは引越しの時だけ開ける整理できたらいいのだけれど
神の世を説きし約翰(ヨハネ)のはるかのち天国はないと歌いいし約翰(ジョン)
何も考えず歩こう何も考えず、考えぬとはどういうことか
軽自動車でふたりで眠るあの時が一番友情がやばかった
結審のあとににやりとオレにだけなぜオレにだけ今でも思う
休日の午後の路地裏なつかしいわが諦めたバイエル流る
下駄箱の手を置くところのサボテンをずらせばその日に妻が戻せり
現実を上げるか下げるか透明の米の由来の水を注ぎつつ
助手席は彼女の寝場所だったから起きてられるとまだぎこちない
レトリーバーのドヤ顔、飼い主との散歩たぷたぷときみの満足つづけ
イブになってうろうろドンキホーテにて物色したる男が二、三
動き出した電車に人は手を振って日常はなんと黄金に満つ
情報の商材として短歌とは一首5円になかなかならぬ
タイムラインが幸せなイブの日よもっと難しいこと考えようぜ
コンビニのケーキが最近うまいんで今日もこれですフヒヒ、サーセン
ふいに君との絆を試されるように並ぶビニール傘よ、わからん!
この家の寒天のようなかなしさとよそよそしさよ外で息する
5回くらい大きくぶつかることにより丁度良くなる、星の話ね
伸びるかもしれぬ心よ、伸びるならどこまで大きくなるものなるか
ブルターニュは島根みたいなとこだよと言われて分かったような分からん
#レなんとか看板
レなんとか看板レなんとか看板この石橋を叩くのヤメレ
レなんとか看板レなんとか看板この死神はレを振り上げる
意志がつよいことはさびしも鋭くも陽(ひ)に喜んでしたたる氷柱
恋のつぎに憎しみがきていいじゃない、やがて懐かしい無関心まで
松飾り並べはじめた花屋にも奥には美しくシクラメン
中華まんと缶コーヒーをまだ寒い車の中で食べたらバイト
どの神に従いたれば醜(しこ)となり賤(しず)となること望みて人は
我が内にギブミーチョコレイティズムとう心理のありて師走の夜寒
六時には百分待ちの回る寿司御用納めに消えるエビたち
自己嫌悪の薄暗い火を受けとってこの火は身を焼きながら凍える
それはいまのあなたの最新情報で次の更新はいつ頃ですか
あの世とのあいだに深い森があり行きたがる子は長生きしない
背景にさびしさ満ちている男、話しかけたらややこしそうだ
道の向こうで待つきみの上にいる紳士、赤く光ってまだ進めない
いつも通り悔いと希望を残しつつちょっと苦しく痛いくらいで
いままでで今年が一番いい年であるのだ進歩ということでなく
戦争に負けそうなころ思うべしこの国はやはり以和為貴まで
縁側に二匹の白い芝犬が足踏みしつつ散歩を待てり
青空に笑顔、の代わりにツイッターのアイコン、なんてならないように
2018年8月25日土曜日
2016年11月自選。
自選。
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
2018年8月18日土曜日
2016年11月の107首。川柳10句。付句祭り含む。
いま死なばこんな途中と思うのでそういう終わりも有りとして寝る
太陽は北フランスも赤色かクロード・モネの印象なども
赤紐は50メートル、昨年の黄色を外してその場所に縫う
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
11月の雨は冷たく土の中で溺れる蚯蚓(みみず)の彼女をおもう
新しい職場の最初の飲み会で詩が趣味と言う新人を避ける
子の愛は老いた親には薄くとも親はよろこぶ子はややさびし
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
未来とはきっと今よりすばらしい今を生きててぼくら嬉しい
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
昼前に起きてゆっくり歯を磨くパスタのたらこまみれの前に
そり返るハゼの箸立てトコトコとおじぎが返事ハゼもばんざい
肯定も否定にもそれは反論し覚めつつもついにいとしく祖国
ドス黒いドス虹色(にじいろ)い工場の川、古き良き昭和が臭う
アニメ好きの友人が言うアニメキャラはいつか神社に住む神となる
気立てってなんなんだよと反抗しあの子が浮かぶ分かってはいて
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
なさけない本音がもれた帰り道ひとの未来はかがやいたまま
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ネットワークカメラが映す丸まった悲しい背中は私じゃないよ
年下の特権がもう嫌で嫌で膝枕とか睨んで避けて
テンプラにしようここでのテンプラはきみの美味しいワインの種類
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
銀色の空の遠くにまで雲が、ああまた終わりは待ってくれなく
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
捨てていいものなんだろうその人が一番のものを捨てたるのちは
英語なら三句目だけでtime to say good bye言えるんだけど日本語なので
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
人間に許されうるか一週間カレーばかりの祭りをしても
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
太陽が頭上じゃなくて太陽に頭を向けて立つこの昼間
婉曲に運動の話ふるだけで確実に毛羽立ちゆくあなた
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
鼻出して泣いているのに求められ今はそういうことがつらくて
卒業後も先生然と振る舞って慕われざりし"カトキチ"さびし
たらればを何百回も考えて今回がたぶん一番近い
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
星があって夜なんだからぼくたちはたがいの静寂をいだきあう
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
彼女から彼女だけの名で呼ばれいる友を見ている目は合わさずに
爆ぜてない銀杏噛んで黄濁の思春期過ぎの純情を食う
さびしさもいつかは乾く、その時の乾いた顔はもうしかたない
真髄は寄り添うこととこうやって教えてくれる小鳥のくせに
そろそろだぼくらに幸(さち)が舞い降りる順序は最初はぼくからでいい?
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
忘れものしたロケットを追いかけてロケットが飛ぶ試験は明日
永遠は手のとどかない、学寮の踊り場でした口論なども
久しぶりに会うのだとしていきなりでおかしくないか挙動、今日どう?
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
痛みにて意思を感じる生き物よ馬鞭(ばべん)の跳ねるたび加速して
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
そう清く正しい男女交際の清く正しい性欲なんだ
人格は自戒しうるか、アニメでは魔法少女が宇宙書き換え
金曜の夜新宿を通り抜けさみしいお前の町へ消えゆく
言い方がきつくなるのは年齢と思うならビブラートに包も〜〜〜
旅先のぼくは軽々たのしくて絵葉書えらぶ飾る場所なく
本当に一億五千万キロの熱か、ふたりを薄着にさせて
経験が物差しでなくて年輪に広がることをおっさんと呼ぶ
わたしたちキックスタートしなきゃと女性シンガーが歌うラジオで
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
美人さんときみが言うときほんのりと批評のま、いや、やめておこう
テーブルに冷めたおにぎりちむちむとさびしいようでしあわせな夜
木石にぼくはひとつの悩みなど話しているよ、動かぬ木石
形状であろうがしかしよくもまあこれを竹とんぼと名づけたる
したいことを数えることはしていない出来ないことを認めるようで
サブ垢をきみのひたいに読み取って恥ずかしそうな顔ごとぱちり
くびすじの二次元コードなでながら仮想空間のあなたも愛す
地の鳥もハードモードか残機なく武器もないのに飛ばねばならぬ
脳を他の存在とする倫理観があるらむ略するなら、脳他倫
ミュシャの模写も買わされたけど好きだから彼女の真実なんて、別に
家の外でマナーモードの振動のような鳴き声、休みも終わる
人に会うと生きゆくことがなんとなく肯定されて俯いて笑む
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
マフラーが君の髪すこし持ち上げる時間のことを冬と呼ぶらし
現代短歌の百科全書を作るとき凡庸派などにいようよ君と
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
生きるから孤独とう滑稽にうなだれてぶくぶく笑う何が沸くのか
ああそうだ歌人は魔術師だったのだ扶(たす)くるときも毀(こぼ)てるときも
一年に一度きらめくことあれば差し引き0でしょう、Frimaire(フリメール)
起きてから爽やかな朝とテンションのギャップがひどいので休みます
次男とはかつてはスペアなりしゆえ歩いたりせずステップに凝る
永遠に悪魔に頭をかじられて忘恩を描き震えるダンテ
みんなまだ鳴きいるなかで先に逝く蝉は目を閉づ、(まぶたはないか)
ごーしちご、しちしちですよと説明すしちしちですかしちしちですね
赤い傘のなかであなたは水玉の影を不気味に貼られ微笑む
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
食べるのは男が女、食べられる女は男を食べる真夜中
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
#都こんぶを取り出す手つき(12首)
幸福論結論出ずに終わる頃都こんぶを取り出す手つき
『モモ』を読む通勤少女がかばんから都こんぶを取り出す手つき
叔父さんてドイツで指揮者してたんだ都こんぶを取り出す手つき
腹筋が残り50のわが上で都こんぶを取り出す手つき
ぐずりだす弟に姉も泣きたくて都こんぶを取り出す手つき
「またお前と戦うことになるとはな」都こんぶを取り出す手つき
ほんとうにうまいの? カルピスサワーから都こんぶを取り出す手つき
じいちゃんの趣味のフィルムも捨てましょう都こんぶを取り出す手つき
雪山の遭難で出しにくそうに都こんぶを取り出す手つき
初デートでネタTシャツは賭けだよね都こんぶを取り出す手つき
子ども会ユウも好きなの選びなよ都こんぶを取り出す手つき
帝都とて入手できない俺の前に都こんぶを取り出す手つき
#あたりまえ短歌(2首)
味噌ラーメンをひとくち口に含むれば味噌ラーメンの味がするなり
あなたへの好意をついに言いきって告白したるかのように見ゆ
パピプペポの川柳
寒い方がパピプペポめくパピプペポ
爆発が五回もくるぞパピプペポ
みどりごがしゃべる前日パピプペポ
ピコ太郎の輪唱の夢パピプペポ
えぐいのかなまぐさいのかパピプペポ
ズレてても指摘されずにパピプペポ
年賀状ソフトも付けてパピプペポ
カレーうどんに勝った瞬間パピプペポ
ありきたりのアドバイスしてパピプペポ
オータムリーブス踏みて二人はパピプペポ
太陽は北フランスも赤色かクロード・モネの印象なども
赤紐は50メートル、昨年の黄色を外してその場所に縫う
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
11月の雨は冷たく土の中で溺れる蚯蚓(みみず)の彼女をおもう
新しい職場の最初の飲み会で詩が趣味と言う新人を避ける
子の愛は老いた親には薄くとも親はよろこぶ子はややさびし
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
未来とはきっと今よりすばらしい今を生きててぼくら嬉しい
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
昼前に起きてゆっくり歯を磨くパスタのたらこまみれの前に
そり返るハゼの箸立てトコトコとおじぎが返事ハゼもばんざい
肯定も否定にもそれは反論し覚めつつもついにいとしく祖国
ドス黒いドス虹色(にじいろ)い工場の川、古き良き昭和が臭う
アニメ好きの友人が言うアニメキャラはいつか神社に住む神となる
気立てってなんなんだよと反抗しあの子が浮かぶ分かってはいて
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
なさけない本音がもれた帰り道ひとの未来はかがやいたまま
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ネットワークカメラが映す丸まった悲しい背中は私じゃないよ
年下の特権がもう嫌で嫌で膝枕とか睨んで避けて
テンプラにしようここでのテンプラはきみの美味しいワインの種類
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
銀色の空の遠くにまで雲が、ああまた終わりは待ってくれなく
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
捨てていいものなんだろうその人が一番のものを捨てたるのちは
英語なら三句目だけでtime to say good bye言えるんだけど日本語なので
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
人間に許されうるか一週間カレーばかりの祭りをしても
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
太陽が頭上じゃなくて太陽に頭を向けて立つこの昼間
婉曲に運動の話ふるだけで確実に毛羽立ちゆくあなた
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
鼻出して泣いているのに求められ今はそういうことがつらくて
卒業後も先生然と振る舞って慕われざりし"カトキチ"さびし
たらればを何百回も考えて今回がたぶん一番近い
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
星があって夜なんだからぼくたちはたがいの静寂をいだきあう
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
彼女から彼女だけの名で呼ばれいる友を見ている目は合わさずに
爆ぜてない銀杏噛んで黄濁の思春期過ぎの純情を食う
さびしさもいつかは乾く、その時の乾いた顔はもうしかたない
真髄は寄り添うこととこうやって教えてくれる小鳥のくせに
そろそろだぼくらに幸(さち)が舞い降りる順序は最初はぼくからでいい?
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
忘れものしたロケットを追いかけてロケットが飛ぶ試験は明日
永遠は手のとどかない、学寮の踊り場でした口論なども
久しぶりに会うのだとしていきなりでおかしくないか挙動、今日どう?
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
痛みにて意思を感じる生き物よ馬鞭(ばべん)の跳ねるたび加速して
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
そう清く正しい男女交際の清く正しい性欲なんだ
人格は自戒しうるか、アニメでは魔法少女が宇宙書き換え
金曜の夜新宿を通り抜けさみしいお前の町へ消えゆく
言い方がきつくなるのは年齢と思うならビブラートに包も〜〜〜
旅先のぼくは軽々たのしくて絵葉書えらぶ飾る場所なく
本当に一億五千万キロの熱か、ふたりを薄着にさせて
経験が物差しでなくて年輪に広がることをおっさんと呼ぶ
わたしたちキックスタートしなきゃと女性シンガーが歌うラジオで
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
美人さんときみが言うときほんのりと批評のま、いや、やめておこう
テーブルに冷めたおにぎりちむちむとさびしいようでしあわせな夜
木石にぼくはひとつの悩みなど話しているよ、動かぬ木石
形状であろうがしかしよくもまあこれを竹とんぼと名づけたる
したいことを数えることはしていない出来ないことを認めるようで
サブ垢をきみのひたいに読み取って恥ずかしそうな顔ごとぱちり
くびすじの二次元コードなでながら仮想空間のあなたも愛す
地の鳥もハードモードか残機なく武器もないのに飛ばねばならぬ
脳を他の存在とする倫理観があるらむ略するなら、脳他倫
ミュシャの模写も買わされたけど好きだから彼女の真実なんて、別に
家の外でマナーモードの振動のような鳴き声、休みも終わる
人に会うと生きゆくことがなんとなく肯定されて俯いて笑む
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
マフラーが君の髪すこし持ち上げる時間のことを冬と呼ぶらし
現代短歌の百科全書を作るとき凡庸派などにいようよ君と
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
生きるから孤独とう滑稽にうなだれてぶくぶく笑う何が沸くのか
ああそうだ歌人は魔術師だったのだ扶(たす)くるときも毀(こぼ)てるときも
一年に一度きらめくことあれば差し引き0でしょう、Frimaire(フリメール)
起きてから爽やかな朝とテンションのギャップがひどいので休みます
次男とはかつてはスペアなりしゆえ歩いたりせずステップに凝る
永遠に悪魔に頭をかじられて忘恩を描き震えるダンテ
みんなまだ鳴きいるなかで先に逝く蝉は目を閉づ、(まぶたはないか)
ごーしちご、しちしちですよと説明すしちしちですかしちしちですね
赤い傘のなかであなたは水玉の影を不気味に貼られ微笑む
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
食べるのは男が女、食べられる女は男を食べる真夜中
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
#都こんぶを取り出す手つき(12首)
幸福論結論出ずに終わる頃都こんぶを取り出す手つき
『モモ』を読む通勤少女がかばんから都こんぶを取り出す手つき
叔父さんてドイツで指揮者してたんだ都こんぶを取り出す手つき
腹筋が残り50のわが上で都こんぶを取り出す手つき
ぐずりだす弟に姉も泣きたくて都こんぶを取り出す手つき
「またお前と戦うことになるとはな」都こんぶを取り出す手つき
ほんとうにうまいの? カルピスサワーから都こんぶを取り出す手つき
じいちゃんの趣味のフィルムも捨てましょう都こんぶを取り出す手つき
雪山の遭難で出しにくそうに都こんぶを取り出す手つき
初デートでネタTシャツは賭けだよね都こんぶを取り出す手つき
子ども会ユウも好きなの選びなよ都こんぶを取り出す手つき
帝都とて入手できない俺の前に都こんぶを取り出す手つき
#あたりまえ短歌(2首)
味噌ラーメンをひとくち口に含むれば味噌ラーメンの味がするなり
あなたへの好意をついに言いきって告白したるかのように見ゆ
パピプペポの川柳
寒い方がパピプペポめくパピプペポ
爆発が五回もくるぞパピプペポ
みどりごがしゃべる前日パピプペポ
ピコ太郎の輪唱の夢パピプペポ
えぐいのかなまぐさいのかパピプペポ
ズレてても指摘されずにパピプペポ
年賀状ソフトも付けてパピプペポ
カレーうどんに勝った瞬間パピプペポ
ありきたりのアドバイスしてパピプペポ
オータムリーブス踏みて二人はパピプペポ
2018年8月5日日曜日
2016年10月自選。
自選。
二人とも揺らめいているボクサーのどちらの負傷が報われざらん
ネットには上がっておらぬ古賀政男作曲の水俣工場歌
岩を洗い氷のような海水が白くなるのを見るだけの今日
1741の基礎自治体で成す国のどこまで浸されれば眠くなる
見たいけど見なくてもたぶんそれでよく見れば絶対いいよ流氷
パウルクレーの矢印なんか信じないきみをやっぱり天使とおもう
いま生きている動物の心臓がすべて動いている共通項
忍び寄る国粋の夢、マダガスカル島初ステンレス歌碑除幕
お前いまからあえて毒舌言うんだろ首下げて太田光っぽいし
人間の彼女ができて、設定を「時々」にされたAI彼女
落ち込んでここに来たのに落ち込みが足りぬと叱咤するような滝
寄せ書きに好きでしたなんて書かれててヒューヒュー言われてたが、過去形
悔恨から決意の不思議なプロセスを「復活(resurrection)」とたぶん呼んだのだろう
詩人とは気違いという、逆上を霊感(インスピレーション)という、漱石がだよ
休日の午後の連続殺人が解決してから買い物にゆく
蒼という言葉どおりの夕焼けだ火星でぼくははじめて泣いた
十生をほんとに愛しあったからあと六生は心底憎む
口腔内崩壊錠を舐めながら行ってきますと出る秋の晴れ
同意してもらえないけど納豆のうっすら苦いところが苦手
表現の端からついにずり落ちて切なし、あそこが端だったのだ
逆上が赤ならば何に逆上しわが眼前を燃やして秋よ
広場から子供が全部去ってゆき夜まであおく休む遊具も
筋少がソプラノ歌手を使うとき旋律のたしかに美しき
人類的正しさよついにさようならパステルを得て黒なきルドン
宇宙とは、さあスカスカに充ちている仲良きことは美(あさま)しきかな
ダイバダッタがブッダの怠惰を責めたてる光景がかつてこの星にあり
うゐうゐうーおゐおゐおーと風呂場からまたホーミーの練習してる
まだいつか歌人になれるかもしれぬからいま褒めくれる人に冷たきと
ゆっくりと腐(くた)れて甘き香をはなつ深夜仏間のパインアップル
優しさと冷たさを逆に受けとめる病なんだ、と冷たく言えり
否定して否定して反措定してポークソテーに珈琲が付く
きみといる余白の時間 全角と半角ふたつの差でずれてゆく
気持ち良き酔いに任せて万年筆をインクに付けて、書くことがない
言葉にはしづらいけれど生涯にきみのパルティータとしてあらん
ちゃん付けでなくなっている、CPUのコアひとつずっと100%
朝のひかり時間を止めるほど溢れこの部屋はいま彼岸のごとし
廃墟なのに窓がぴったりしまってるなに恥ずかしいことがあるかよ
流行が変わってもおれは変えられぬ目を潰しつつ睡蓮を描く
2018年8月4日土曜日
2016年10月の119首。付句祭り含む
心だけが心をすくう拡散する情報に何が薄まってゆく
開きたるページにチャタテふたつ居てあわてて逃げる両方つぶす
二人とも揺らめいているボクサーのどちらの負傷が報われざらん
助けなどいらぬふうにて歩きいる衆より救(たす)けてくれの声在り
ネットには上がっておらぬ古賀政男作曲の水俣工場歌
岩を洗い氷のような海水が白くなるのを見るだけの今日
1741の基礎自治体で成す国のどこまで浸されれば眠くなる
分かりにくい戦いをせよとスイスから20世紀から届くけれども
見たいけど見なくてもたぶんそれでよく見れば絶対いいよ流氷
ともしびに使ってみれば灯油とはあたたまりそうな匂いとおもう
パウルクレーの矢印なんか信じないきみをやっぱり天使とおもう
ほんとうにタールの沼を足抜いてゆく未来? 頭上に不如帰(ほととぎす)
いま生きている動物の心臓がすべて動いている共通項
ぶったぎる根菜のようなおれの脛(すね)これ夢だよな、という夢を見る
(添削について4首)
添削は裸足でやろううすべにのかわいいきみに伝わるように
100年後の短歌をわれと汝(な)はみずき、彼らは昔の歌を読まずき
この歌の異なる書写を見比べて誤記、添削の両面で捜査(み)る
忍び寄る国粋の夢、マダガスカル島初ステンレス歌碑除幕
(変顔を詩的に4首)
変顔で寝ているきみをけっこうな時間見ていたいつかバラそう
生き物の進化を模して赤ちゃんに成るようにきみは変顔で寝る
変な顔見せたくないと手で隠しすやすや眠るきみの変顔
「あぁそうか! 眉がないから変なんだ。油性マジックで、あ、やべぇ…」
野菜にもポリティクスあれアメリカの大統領選地図の色分け
止まったらもう二度とです笑ったり泣いたり怒らないきみとぼく
きらいってだけではなくて存在がキモいよかつて好きで包んだ
お前いまからあえて毒舌言うんだろ首下げて太田光っぽいし
棒男のバランストイをあげる、卑下も驕りもしないように
散歩中のトイプードルに二度見されさっきの気分失われたり
大雪でバスも動かぬ日であった読み切りの恋のそのはじまりは
#私なんかでほんとにいいの 10首
5メートル向こうにリンゴを載せたきみ私なんかでほんとにいいの
日常の会話もぜんぶ五七五 私なんかでほんとにいいの
おならにはおならで返事できるけど私なんかでほんとにいいの
わたしより若いとチャンネル変えるけど私なんかでほんとにいいの
うれしいと手品の音楽おどるけど私なんかでほんとにいいの
つぶやきシローみたいな寝言いうらしい私なんかでほんとにいいの
缶チューハイ2本でかよと思っちゃう私なんかでほんとにいいの
エロ広告は涼しい顔で見ています私なんかでほんとにいいの
カラオケの〆は欧陽菲菲の私なんかでほんとにいいの
休日は起きるまで寝るぞ同盟の私なんかでほんとにいいの
ここもまたゾンビに見つけられるだろう「息を潜めている=生きる」世に
人間の彼女ができて、設定を「時々」にされたAI彼女
落ち込んでここに来たのに落ち込みが足りぬと叱咤するような滝
寄せ書きに好きでしたなんて書かれててヒューヒュー言われてたが、過去形
悔恨から決意の不思議なプロセスを「復活(resurrection)」とたぶん呼んだのだろう
野鳥にも午後の午睡はあるらん、静寂の杜しばらくありぬ
詩人とは気違いという、逆上を霊感(インスピレーション)という、漱石がだよ
休日の午後の連続殺人が解決してから買い物にゆく
月曜はこまめなイェイを撒いている納豆もグレードふたつ上げ
蒼という言葉どおりの夕焼けだ火星でぼくははじめて泣いた
真夜に覚めてわが軽薄の愛情を悔いては永き輾転反側
十生をほんとに愛しあったからあと六生は心底憎む
口腔内崩壊錠を舐めながら行ってきますと出る秋の晴れ
あったよ、たぶんそうとう昔からインスタグラムみたいな短歌
同意してもらえないけど納豆のうっすら苦いところが苦手
後悔はしていないけど石畳の端をじゃりじゃり破壊して帰路
肉を食い植物を食い液体に溶いて飲み手を合わせておりぬ
命を食い心を食いて液体に溶いて飲み手を合わせておりぬ
表現の端からついにずり落ちて切なし、あそこが端だったのだ
中期までしか知らぬわたしにボブディランの新譜を貸してくれしおっさん
逆上が赤ならば何に逆上しわが眼前を燃やして秋よ
たぶんあえてきみに届かぬ言い方でそれはみっともないことである
分身を二人は用意したけれどぼくをひっぱたかれてありがとう
善人が見ている悪と悪人が見ている善の景色、いま秋
同じこと考えながら一応の反論が意見しだいに分ける
広場から子供が全部去ってゆき夜まであおく休む遊具も
浅瀬には浅瀬のたのしみあることを己れを突き放しつつ認めり
筋少がソプラノ歌手を使うとき旋律のたしかに美しき
移りゆく季節に遅れないような追い越さないような歩幅あたり
テオドールリップスは価値は快と謂う、たしかに裏なきコインはあらず
人類的正しさよついにさようならパステルを得て黒なきルドン
木の間から海がまぶしいこの墓地の子供は下で遊びたがって
宇宙とは、さあスカスカに充ちている仲良きことは美(あさま)しきかな
秋だとか思ってるうち空はもうルドンの目(まなこ)も上を見ている
空想のいわば未必の変態は現実的には変態でない
ヤンヴェレムとミケランジェロの共通の挿話を思う、他にもあらん
すする音そこここでする電車内の鼻息のなまぐさき秋なり
関西に嫁いで10年しないのにきみは大阪"トラ"ディッショナル
作者不詳のローレライいまいくつある詩の本懐はそこらあたりの
ダイバダッタがブッダの怠惰を責めたてる光景がかつてこの星にあり
人生をAIに支援受けている明日の自殺も収集データ
生きるとは死に物狂いと教えくれし母いまボケて死にたいと言う
うゐうゐうーおゐおゐおーと風呂場からまたホーミーの練習してる
働かない社会にはやはり一定数の奴隷が要るか、俺らがそれか
まだいつか歌人になれるかもしれぬからいま褒めくれる人に冷たきと
雪道を前をゆくきみを追わずゆく景そのものに祈りておりぬ
離職する彼に花束、二次会で仕事が根っこにみえたと語る
伸び縮みしながら生きておりますと書いた、近ごろ伸びていないや
ゆっくりと腐(くた)れて甘き香をはなつ深夜仏間のパインアップル
知らんがなお前のなかの秋ココアと冬ココアの配分の妙など
神さびてきたじゃんって言う2代目のマーチ付喪にならせぬように
優しさと冷たさを逆に受けとめる病なんだ、と冷たく言えり
飛蚊症の蚊を消してゆくARメガネ発売! 前売り100万!!
何かしら達成感のあるごとし課題を逃げて山を登れば
アペリティフグラスできみはヤクルトを飲みおり食後の方がいいのに
否定して否定して反措定してポークソテーに珈琲が付く
(埃について4首)
人の目をかいくぐりいつか床埃そらに浮く日をあっ見つかった
ひのもとにあらざればわれらガンマンの決闘の前のタンブルウィード
ボロ切れからネズミは湧くと信じられた中世、現代は電車の床に
鉄オタの来世あるいは過去からのねがいのように床埃ゆく
数え方がひとりふたりとなるときに権利と嫌悪が生ず、晩秋
俺のゆく道の向こうの真ん中にジレンマひとつ待っている見ゆ
年降れば正義の為に激怒したきいのちが泡のように湧くかも
きみといる余白の時間 全角と半角ふたつの差でずれてゆく
気持ち良き酔いに任せて万年筆をインクに付けて、書くことがない
あの家にどういう風が吹いてるかその挨拶で見えた気がする
飼い鳥のあたまカリカリ掻きやればコナコナ吹いて目を閉じている
飲み会で蘊蓄はやさしく滅ぶピカソは苗字であることなども
言葉にはしづらいけれど生涯にきみのパルティータとしてあらん
二歳五歳あるいは十二歳のまま生きられるほど文明である
ちゃん付けでなくなっている、CPUのコアひとつずっと100%
芸術は民主主義にはあらざれば崩れる石を踏んでこちらへ
朝のひかり時間を止めるほど溢れこの部屋はいま彼岸のごとし
崩れたる白壁土蔵、あの路地の水路にいくつクロトンボいて
廃墟なのに窓がぴったりしまってるなに恥ずかしいことがあるかよ
存在をもっと大事にしなさいと手のひらの鳥が身体を預(あず)く
電柱の支持ワイヤーのシマシマのカバー投げ上げ遊び、もうなし
死んだように寝る死ぬときにそれはもう眠るようなる死顔のために
流行が変わってもおれは変えられぬ目を潰しつつ睡蓮を描く
反対はしないけれども2週間でカラマーゾフを5巻も借りて
開きたるページにチャタテふたつ居てあわてて逃げる両方つぶす
二人とも揺らめいているボクサーのどちらの負傷が報われざらん
助けなどいらぬふうにて歩きいる衆より救(たす)けてくれの声在り
ネットには上がっておらぬ古賀政男作曲の水俣工場歌
岩を洗い氷のような海水が白くなるのを見るだけの今日
1741の基礎自治体で成す国のどこまで浸されれば眠くなる
分かりにくい戦いをせよとスイスから20世紀から届くけれども
見たいけど見なくてもたぶんそれでよく見れば絶対いいよ流氷
ともしびに使ってみれば灯油とはあたたまりそうな匂いとおもう
パウルクレーの矢印なんか信じないきみをやっぱり天使とおもう
ほんとうにタールの沼を足抜いてゆく未来? 頭上に不如帰(ほととぎす)
いま生きている動物の心臓がすべて動いている共通項
ぶったぎる根菜のようなおれの脛(すね)これ夢だよな、という夢を見る
(添削について4首)
添削は裸足でやろううすべにのかわいいきみに伝わるように
100年後の短歌をわれと汝(な)はみずき、彼らは昔の歌を読まずき
この歌の異なる書写を見比べて誤記、添削の両面で捜査(み)る
忍び寄る国粋の夢、マダガスカル島初ステンレス歌碑除幕
(変顔を詩的に4首)
変顔で寝ているきみをけっこうな時間見ていたいつかバラそう
生き物の進化を模して赤ちゃんに成るようにきみは変顔で寝る
変な顔見せたくないと手で隠しすやすや眠るきみの変顔
「あぁそうか! 眉がないから変なんだ。油性マジックで、あ、やべぇ…」
野菜にもポリティクスあれアメリカの大統領選地図の色分け
止まったらもう二度とです笑ったり泣いたり怒らないきみとぼく
きらいってだけではなくて存在がキモいよかつて好きで包んだ
お前いまからあえて毒舌言うんだろ首下げて太田光っぽいし
棒男のバランストイをあげる、卑下も驕りもしないように
散歩中のトイプードルに二度見されさっきの気分失われたり
大雪でバスも動かぬ日であった読み切りの恋のそのはじまりは
#私なんかでほんとにいいの 10首
5メートル向こうにリンゴを載せたきみ私なんかでほんとにいいの
日常の会話もぜんぶ五七五 私なんかでほんとにいいの
おならにはおならで返事できるけど私なんかでほんとにいいの
わたしより若いとチャンネル変えるけど私なんかでほんとにいいの
うれしいと手品の音楽おどるけど私なんかでほんとにいいの
つぶやきシローみたいな寝言いうらしい私なんかでほんとにいいの
缶チューハイ2本でかよと思っちゃう私なんかでほんとにいいの
エロ広告は涼しい顔で見ています私なんかでほんとにいいの
カラオケの〆は欧陽菲菲の私なんかでほんとにいいの
休日は起きるまで寝るぞ同盟の私なんかでほんとにいいの
ここもまたゾンビに見つけられるだろう「息を潜めている=生きる」世に
人間の彼女ができて、設定を「時々」にされたAI彼女
落ち込んでここに来たのに落ち込みが足りぬと叱咤するような滝
寄せ書きに好きでしたなんて書かれててヒューヒュー言われてたが、過去形
悔恨から決意の不思議なプロセスを「復活(resurrection)」とたぶん呼んだのだろう
野鳥にも午後の午睡はあるらん、静寂の杜しばらくありぬ
詩人とは気違いという、逆上を霊感(インスピレーション)という、漱石がだよ
休日の午後の連続殺人が解決してから買い物にゆく
月曜はこまめなイェイを撒いている納豆もグレードふたつ上げ
蒼という言葉どおりの夕焼けだ火星でぼくははじめて泣いた
真夜に覚めてわが軽薄の愛情を悔いては永き輾転反側
十生をほんとに愛しあったからあと六生は心底憎む
口腔内崩壊錠を舐めながら行ってきますと出る秋の晴れ
あったよ、たぶんそうとう昔からインスタグラムみたいな短歌
同意してもらえないけど納豆のうっすら苦いところが苦手
後悔はしていないけど石畳の端をじゃりじゃり破壊して帰路
肉を食い植物を食い液体に溶いて飲み手を合わせておりぬ
命を食い心を食いて液体に溶いて飲み手を合わせておりぬ
表現の端からついにずり落ちて切なし、あそこが端だったのだ
中期までしか知らぬわたしにボブディランの新譜を貸してくれしおっさん
逆上が赤ならば何に逆上しわが眼前を燃やして秋よ
たぶんあえてきみに届かぬ言い方でそれはみっともないことである
分身を二人は用意したけれどぼくをひっぱたかれてありがとう
善人が見ている悪と悪人が見ている善の景色、いま秋
同じこと考えながら一応の反論が意見しだいに分ける
広場から子供が全部去ってゆき夜まであおく休む遊具も
浅瀬には浅瀬のたのしみあることを己れを突き放しつつ認めり
筋少がソプラノ歌手を使うとき旋律のたしかに美しき
移りゆく季節に遅れないような追い越さないような歩幅あたり
テオドールリップスは価値は快と謂う、たしかに裏なきコインはあらず
人類的正しさよついにさようならパステルを得て黒なきルドン
木の間から海がまぶしいこの墓地の子供は下で遊びたがって
宇宙とは、さあスカスカに充ちている仲良きことは美(あさま)しきかな
秋だとか思ってるうち空はもうルドンの目(まなこ)も上を見ている
空想のいわば未必の変態は現実的には変態でない
ヤンヴェレムとミケランジェロの共通の挿話を思う、他にもあらん
すする音そこここでする電車内の鼻息のなまぐさき秋なり
関西に嫁いで10年しないのにきみは大阪"トラ"ディッショナル
作者不詳のローレライいまいくつある詩の本懐はそこらあたりの
ダイバダッタがブッダの怠惰を責めたてる光景がかつてこの星にあり
人生をAIに支援受けている明日の自殺も収集データ
生きるとは死に物狂いと教えくれし母いまボケて死にたいと言う
うゐうゐうーおゐおゐおーと風呂場からまたホーミーの練習してる
働かない社会にはやはり一定数の奴隷が要るか、俺らがそれか
まだいつか歌人になれるかもしれぬからいま褒めくれる人に冷たきと
雪道を前をゆくきみを追わずゆく景そのものに祈りておりぬ
離職する彼に花束、二次会で仕事が根っこにみえたと語る
伸び縮みしながら生きておりますと書いた、近ごろ伸びていないや
ゆっくりと腐(くた)れて甘き香をはなつ深夜仏間のパインアップル
知らんがなお前のなかの秋ココアと冬ココアの配分の妙など
神さびてきたじゃんって言う2代目のマーチ付喪にならせぬように
優しさと冷たさを逆に受けとめる病なんだ、と冷たく言えり
飛蚊症の蚊を消してゆくARメガネ発売! 前売り100万!!
何かしら達成感のあるごとし課題を逃げて山を登れば
アペリティフグラスできみはヤクルトを飲みおり食後の方がいいのに
否定して否定して反措定してポークソテーに珈琲が付く
(埃について4首)
人の目をかいくぐりいつか床埃そらに浮く日をあっ見つかった
ひのもとにあらざればわれらガンマンの決闘の前のタンブルウィード
ボロ切れからネズミは湧くと信じられた中世、現代は電車の床に
鉄オタの来世あるいは過去からのねがいのように床埃ゆく
数え方がひとりふたりとなるときに権利と嫌悪が生ず、晩秋
俺のゆく道の向こうの真ん中にジレンマひとつ待っている見ゆ
年降れば正義の為に激怒したきいのちが泡のように湧くかも
きみといる余白の時間 全角と半角ふたつの差でずれてゆく
気持ち良き酔いに任せて万年筆をインクに付けて、書くことがない
あの家にどういう風が吹いてるかその挨拶で見えた気がする
飼い鳥のあたまカリカリ掻きやればコナコナ吹いて目を閉じている
飲み会で蘊蓄はやさしく滅ぶピカソは苗字であることなども
言葉にはしづらいけれど生涯にきみのパルティータとしてあらん
二歳五歳あるいは十二歳のまま生きられるほど文明である
ちゃん付けでなくなっている、CPUのコアひとつずっと100%
芸術は民主主義にはあらざれば崩れる石を踏んでこちらへ
朝のひかり時間を止めるほど溢れこの部屋はいま彼岸のごとし
崩れたる白壁土蔵、あの路地の水路にいくつクロトンボいて
廃墟なのに窓がぴったりしまってるなに恥ずかしいことがあるかよ
存在をもっと大事にしなさいと手のひらの鳥が身体を預(あず)く
電柱の支持ワイヤーのシマシマのカバー投げ上げ遊び、もうなし
死んだように寝る死ぬときにそれはもう眠るようなる死顔のために
流行が変わってもおれは変えられぬ目を潰しつつ睡蓮を描く
反対はしないけれども2週間でカラマーゾフを5巻も借りて
2018年8月3日金曜日
2016年09月自選や雑感。
雑感といっても、こう毎日暑いと、暑いなあ、という雑感しかない。
人が物申すときは、申したい”物”の他に、申すべき”スタンス”、それから、申すのを聞く”人”があって、人は物申す。申したい”物”があっても、案外、人は、他の条件が満たされず、黙っていってしまうものなのだろう。
自選。
月桂樹はアポロンが植えたかもしれず永遠の拒否の記念のために
誰でない自分がわれを励ましてそれをようよう生きると呼ぶぞ
人間のすることはまるで何一つ他人事(ひとごと)のように二人は暮らす
にっぽんが大変なとき陰にいてうなじに顔をすりつけていた
悪いとは思いもするがひとつ潜(もぐ)りふたつ潜って我関せず焉(えん)
オムニバス(omnibus)に乗ってぼくらはどこへ行くすべての人を乗せれなかった
人間にみなうまいこと化けている高島屋日本橋店の夏
心とう袋は言葉で傷が付く、中には思いの液がこぼれる
初恋の人に捧げたフレーズをまた使う日ぞベルリオーズも
牛舎にて牛にもたれて泣く夜の人よりも牛の優しさ沁みる
三匹の妖怪に邪魔をされてると法師はついに思うていたり
地獄へも共に行こうと決めたのに姿を消した友を探せず
人という異形に果てたぼくだけど秘めておくこともなんとか出来る
表層のすべてが溶けてぼくたちがこんなに自由だなんて、嘘だ
思想詩はファストフードに食われゆく安いし上手いしみんなにわかる
こういう、そういう、ばかり繰り返しのらりくらりの雨の満月
その理論の底に渦巻くかなしみと憎悪について心配なのだ
辛そうで辛くない少し辛い人生(そっちの読み方なんだ)
言いました意味深っぽく奈良と나라(ナラ)のあたかも同じ語源のように
いまほしいものを考え引き窓を押し上げるようなこころなど欲し
たましひと発音したくてたましひと書けばみなたましいと呼ぶ秋
時代から離れてペイネの絵に呼ばる、星を研ぐのは詩人の仕事
芸術は爆発じゃない、彼もまたみじめなほどに生き抜いていた
くちなわをえいっえいっと踏みつける夢から覚めるうわ泣いている
人が物申すときは、申したい”物”の他に、申すべき”スタンス”、それから、申すのを聞く”人”があって、人は物申す。申したい”物”があっても、案外、人は、他の条件が満たされず、黙っていってしまうものなのだろう。
自選。
月桂樹はアポロンが植えたかもしれず永遠の拒否の記念のために
誰でない自分がわれを励ましてそれをようよう生きると呼ぶぞ
人間のすることはまるで何一つ他人事(ひとごと)のように二人は暮らす
にっぽんが大変なとき陰にいてうなじに顔をすりつけていた
悪いとは思いもするがひとつ潜(もぐ)りふたつ潜って我関せず焉(えん)
オムニバス(omnibus)に乗ってぼくらはどこへ行くすべての人を乗せれなかった
人間にみなうまいこと化けている高島屋日本橋店の夏
心とう袋は言葉で傷が付く、中には思いの液がこぼれる
初恋の人に捧げたフレーズをまた使う日ぞベルリオーズも
牛舎にて牛にもたれて泣く夜の人よりも牛の優しさ沁みる
三匹の妖怪に邪魔をされてると法師はついに思うていたり
地獄へも共に行こうと決めたのに姿を消した友を探せず
人という異形に果てたぼくだけど秘めておくこともなんとか出来る
表層のすべてが溶けてぼくたちがこんなに自由だなんて、嘘だ
思想詩はファストフードに食われゆく安いし上手いしみんなにわかる
こういう、そういう、ばかり繰り返しのらりくらりの雨の満月
その理論の底に渦巻くかなしみと憎悪について心配なのだ
辛そうで辛くない少し辛い人生(そっちの読み方なんだ)
言いました意味深っぽく奈良と나라(ナラ)のあたかも同じ語源のように
いまほしいものを考え引き窓を押し上げるようなこころなど欲し
たましひと発音したくてたましひと書けばみなたましいと呼ぶ秋
時代から離れてペイネの絵に呼ばる、星を研ぐのは詩人の仕事
芸術は爆発じゃない、彼もまたみじめなほどに生き抜いていた
くちなわをえいっえいっと踏みつける夢から覚めるうわ泣いている
2018年8月1日水曜日
2016年09月の83首。
思想ではなくてあなたが好きだったあなたが一番嫌がることの
9月からいいことづくめの人生になることでしょう、そう占おう
鼻の下に皺寄るきみを見ることか今世(こんぜ)今世紀の楽として
表現でなくて彼女はひゃわらげんをしているという、何ヒョワラゲン?
可視化されるまえの不可視化されていたきみしか知らぬノートの短歌
月桂樹はアポロンが植えたかもしれず永遠の拒否の記念のために
沸騰をさせといてここで水なんや、お前がびっくりしてどうするよ
うなうまう、んむうーうーむ、うぉうわお、わーうわーうる、なんにゃんんんん
訳 飯食ってる時にちょっかいだすなオラ。
生と死がエロスのように入れ替わる夏きたるわれも汗に溶けつつ
誰でない自分がわれを励ましてそれをようよう生きると呼ぶぞ
二・二六事件ののちに「今からでも遅くない」とう流行語生(あ)り
人間のすることはまるで何一つ他人事(ひとごと)のように二人は暮らす
気にすれば立ち食いそば屋の啜る音、みなうつむいて泣きいるごとし
にっぽんが大変なとき陰にいてうなじに顔をすりつけていた
悪いとは思いもするがひとつ潜(もぐ)りふたつ潜って我関せず焉(えん)
因なのか果なのか知らず功徳とは座に連なっているいまのこと
オムニバス(omnibus)に乗ってぼくらはどこへ行くすべての人を乗せれなかった
40はこわいぞと40が言う何がこわいか聞かないでおく
人間にみなうまいこと化けている高島屋日本橋店の夏
メリークリスマスMrローレンス聞きながら夏蝉燃えている昼をゆく
銃殺刑の理由は姿勢なんだって、つまりそういうことなんですよ
飲み干して替え玉無料の張り紙がつまりそういうことなんですよ
人と違ふ告白に短歌贈るとか、つまりさういふことなんですよ
(付句祭り? 3首)
一本のミドリの瓶の謎おいてもう少し酔って眠るとしよう
片栗粉のあの独特の光沢を語るきみ、ぼくは目を反らし聞く
一日にそんなにたくさんうたったら乗っ取られます、すぐやめましょう
心とう袋は言葉で傷が付く、中には思いの液がこぼれる
初恋の人に捧げたフレーズをまた使う日ぞベルリオーズも
盈溢(えいいつ)するこれはなにもの、無表情の帰りの電車で次に進まず
遺伝子があきらめている生体の湯にふかぶかとつからざる夏
牛舎にて牛にもたれて泣く夜の人よりも牛の優しさ沁みる
アブノーマライゼーションにこの街がなるころここにまた来たるらん
精緻なる言葉の建造なしながらここに二人は住めそうもない
反省すれば減刑されるロジックがいま現にある時代とおもう
破壊とは自由にかぎりなく近く気取って言えばチャーチガーデン(教会の庭)
小さくて甘くてかたい梅干しをしょっぱく食べる、しょっぱい違いの
1個目のボタンが大事、終盤の選択肢にはいずれもはずれ
三匹の妖怪に邪魔をされてると法師はついに思うていたり
単価の高い短歌作ってなんになる、詩胆(したん)は体よりも安くて
この先にルートがないと知っていてかよわい声で一首を謌(うた)う
地獄へも共に行こうと決めたのに姿を消した友を探せず
それは食い使って流すここちする「肉」を「ロウ」とう読み方すれば
人という異形に果てたぼくだけど秘めておくこともなんとか出来る
表層のすべてが溶けてぼくたちがこんなに自由だなんて、嘘だ
この場所も架空のモンスターに満ちてモンスターなる人間遊ぶ
キャディのようについていくのだ、振り向いてもう忘れいて笑ってるのだ
イタリアンの今夜の彼女を引き止めず帰って我はゲームして寝る
思想詩はファストフードに食われゆく安いし上手いしみんなにわかる
悪人が罪に応じてめった打ちにされてるユートピア、ディストピア
ひそかにて彼は扉を開けたり数カ所だけの迅(と)きやり方を
悲しみと喪失感にまようのでグリーフと呼ぶ、真意は知らず
こういう、そういう、ばかり繰り返しのらりくらりの雨の満月
その理論の底に渦巻くかなしみと憎悪について心配なのだ
辛そうで辛くない少し辛い人生(そっちの読み方なんだ)
きみの長い髪を躍らせ突風が後ろからぼくらを引き離す
言いました意味深っぽく奈良と나라(ナラ)のあたかも同じ語源のように
#そんなのはうそに決まっているでしょう
そんなのはうそに決まっているでしょう川べりに魚並ばせてあり
そんなのはうそに決まっているでしょうクラシック聴かせた牛肉パック
そんなのはうそに決まっているでしょうスナイパー特価のブルーベリー
そんなのはうそに決まっているでしょう男子水泳ポロリもあるよ
そんなのはうそに決まっているでしょううそうそほんと、すききらいすき
そんなのはうそに決まっているでしょう尾頭ヒロミ綾波レイ説
そんなのはうそに決まっているでしょう今年の出来が最高ボジョレー
そんなのはうそに決まっているでしょう4K対応心霊動画
そんなのはうそに決まっているでしょう自然科学の棚にあるムー
そんなのはうそに決まっているでしょう好きなタイプはお客さん、かあ
おっさんは語らずにゆく、語るのも湿地のような希望のあらば
未来から来ました(?)かばんに入ってます(??)短歌人です(これはいいのか)
別アカに歌を上げたる夢を見て起きて一応確認をする
自己肯定の究極にわれがおく祈り、いつしか他者へと至り
その手段が目的にいつか変わるときを魔境と呼べり、きみを観ていて
線遠近で写実されたる世界から逃げゆくぼくら落書きみたく
いまほしいものを考え引き窓を押し上げるようなこころなど欲し
乳房(ちちふさ)がこんなに効果あるなんて逆に怖いわ今度の人生
たましひと発音したくてたましひと書けばみなたましいと呼ぶ秋
時代から離れてペイネの絵に呼ばる、星を研ぐのは詩人の仕事
芸術は爆発じゃない、彼もまたみじめなほどに生き抜いていた
散らばった人形の四肢を拾いおり息ふき返す一文字のため
意味なくてコーヒー吹いてそののちのスマホキラキラ、きれいきたない
くちなわをえいっえいっと踏みつける夢から覚めるうわ泣いている
承認欲求のようにふくらむおっぱいの、年々大きくなる彼の絵の
歯の抜けた吾子をみており歯抜けフェチのあいつもたしか娘がいたな
たましいのランキング無料鑑定のスパムなのだが、何番だろう
9月からいいことづくめの人生になることでしょう、そう占おう
鼻の下に皺寄るきみを見ることか今世(こんぜ)今世紀の楽として
表現でなくて彼女はひゃわらげんをしているという、何ヒョワラゲン?
可視化されるまえの不可視化されていたきみしか知らぬノートの短歌
月桂樹はアポロンが植えたかもしれず永遠の拒否の記念のために
沸騰をさせといてここで水なんや、お前がびっくりしてどうするよ
うなうまう、んむうーうーむ、うぉうわお、わーうわーうる、なんにゃんんんん
訳 飯食ってる時にちょっかいだすなオラ。
生と死がエロスのように入れ替わる夏きたるわれも汗に溶けつつ
誰でない自分がわれを励ましてそれをようよう生きると呼ぶぞ
二・二六事件ののちに「今からでも遅くない」とう流行語生(あ)り
人間のすることはまるで何一つ他人事(ひとごと)のように二人は暮らす
気にすれば立ち食いそば屋の啜る音、みなうつむいて泣きいるごとし
にっぽんが大変なとき陰にいてうなじに顔をすりつけていた
悪いとは思いもするがひとつ潜(もぐ)りふたつ潜って我関せず焉(えん)
因なのか果なのか知らず功徳とは座に連なっているいまのこと
オムニバス(omnibus)に乗ってぼくらはどこへ行くすべての人を乗せれなかった
40はこわいぞと40が言う何がこわいか聞かないでおく
人間にみなうまいこと化けている高島屋日本橋店の夏
メリークリスマスMrローレンス聞きながら夏蝉燃えている昼をゆく
銃殺刑の理由は姿勢なんだって、つまりそういうことなんですよ
飲み干して替え玉無料の張り紙がつまりそういうことなんですよ
人と違ふ告白に短歌贈るとか、つまりさういふことなんですよ
(付句祭り? 3首)
一本のミドリの瓶の謎おいてもう少し酔って眠るとしよう
片栗粉のあの独特の光沢を語るきみ、ぼくは目を反らし聞く
一日にそんなにたくさんうたったら乗っ取られます、すぐやめましょう
心とう袋は言葉で傷が付く、中には思いの液がこぼれる
初恋の人に捧げたフレーズをまた使う日ぞベルリオーズも
盈溢(えいいつ)するこれはなにもの、無表情の帰りの電車で次に進まず
遺伝子があきらめている生体の湯にふかぶかとつからざる夏
牛舎にて牛にもたれて泣く夜の人よりも牛の優しさ沁みる
アブノーマライゼーションにこの街がなるころここにまた来たるらん
精緻なる言葉の建造なしながらここに二人は住めそうもない
反省すれば減刑されるロジックがいま現にある時代とおもう
破壊とは自由にかぎりなく近く気取って言えばチャーチガーデン(教会の庭)
小さくて甘くてかたい梅干しをしょっぱく食べる、しょっぱい違いの
1個目のボタンが大事、終盤の選択肢にはいずれもはずれ
三匹の妖怪に邪魔をされてると法師はついに思うていたり
単価の高い短歌作ってなんになる、詩胆(したん)は体よりも安くて
この先にルートがないと知っていてかよわい声で一首を謌(うた)う
地獄へも共に行こうと決めたのに姿を消した友を探せず
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人という異形に果てたぼくだけど秘めておくこともなんとか出来る
表層のすべてが溶けてぼくたちがこんなに自由だなんて、嘘だ
この場所も架空のモンスターに満ちてモンスターなる人間遊ぶ
キャディのようについていくのだ、振り向いてもう忘れいて笑ってるのだ
イタリアンの今夜の彼女を引き止めず帰って我はゲームして寝る
思想詩はファストフードに食われゆく安いし上手いしみんなにわかる
悪人が罪に応じてめった打ちにされてるユートピア、ディストピア
ひそかにて彼は扉を開けたり数カ所だけの迅(と)きやり方を
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こういう、そういう、ばかり繰り返しのらりくらりの雨の満月
その理論の底に渦巻くかなしみと憎悪について心配なのだ
辛そうで辛くない少し辛い人生(そっちの読み方なんだ)
きみの長い髪を躍らせ突風が後ろからぼくらを引き離す
言いました意味深っぽく奈良と나라(ナラ)のあたかも同じ語源のように
#そんなのはうそに決まっているでしょう
そんなのはうそに決まっているでしょう川べりに魚並ばせてあり
そんなのはうそに決まっているでしょうクラシック聴かせた牛肉パック
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そんなのはうそに決まっているでしょう男子水泳ポロリもあるよ
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そんなのはうそに決まっているでしょう尾頭ヒロミ綾波レイ説
そんなのはうそに決まっているでしょう今年の出来が最高ボジョレー
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そんなのはうそに決まっているでしょう好きなタイプはお客さん、かあ
おっさんは語らずにゆく、語るのも湿地のような希望のあらば
未来から来ました(?)かばんに入ってます(??)短歌人です(これはいいのか)
別アカに歌を上げたる夢を見て起きて一応確認をする
自己肯定の究極にわれがおく祈り、いつしか他者へと至り
その手段が目的にいつか変わるときを魔境と呼べり、きみを観ていて
線遠近で写実されたる世界から逃げゆくぼくら落書きみたく
いまほしいものを考え引き窓を押し上げるようなこころなど欲し
乳房(ちちふさ)がこんなに効果あるなんて逆に怖いわ今度の人生
たましひと発音したくてたましひと書けばみなたましいと呼ぶ秋
時代から離れてペイネの絵に呼ばる、星を研ぐのは詩人の仕事
芸術は爆発じゃない、彼もまたみじめなほどに生き抜いていた
散らばった人形の四肢を拾いおり息ふき返す一文字のため
意味なくてコーヒー吹いてそののちのスマホキラキラ、きれいきたない
くちなわをえいっえいっと踏みつける夢から覚めるうわ泣いている
承認欲求のようにふくらむおっぱいの、年々大きくなる彼の絵の
歯の抜けた吾子をみており歯抜けフェチのあいつもたしか娘がいたな
たましいのランキング無料鑑定のスパムなのだが、何番だろう
2018年7月30日月曜日
2016年8月自選や雑感。
ソシュールーーフェルディナン・ド・ソシュールのことを思う時、ふたつのことを考える。一つは、生前に彼は本を書かなかったこと、もうひとつは、晩年は、言語学に興味をなくし、アナグラムに没頭したこと。
彼の頭の中は、言語がからっぽになったわけではなかっただろう。いやむしろ、言葉に満ち満ちていただろう。そしてそれゆえに、彼はそういう、二種類の、沈黙をしたのだろう。
私は直接ソシュールをがっつり学んだわけではない。が、丸山圭三郎の本に出会ったとき、息が苦しくなるほど面白かったことが懐かしい。
ソシュールの晩年がアナグラムに没頭した日々であったことを知った時、それは甘美かつ恐ろしいことであった。今はどうかな。恐ろしくはないな。甘美は、甘美だな。あと他に、ああ、これは飢餓でもあったのかな、と思う。
短歌の話と関係なかったな。そういうことにしておく。
自選。
生きることはわめくことだと夏蝉は喜怒哀楽を超えて震える
切れぎれの森の電波を頼りつつきみを追うきみは電波のむこう
ときどきは子どもに自慢したろうか森田童子ののちの日々にも
素朴なるスコーンを食い素朴なる午後なりアーミッシュにあらざれど
ふるさとの気づけば首が止まりたる扇風機のつむじ今年も叩く
悪を討つために悪なる顔をする権現が彫られてより千年
屋外のトルソ(胴像)は憶(おも)う、抱きしめてもらえぬ刑はまだ序章なる
トイレでは音を気にせぬ性質(たち)だろうそういう奴が革命をなせ
六杯の艦隊がゆく日本海おれたちホタルイカなんだけど 「杯」
薄めなるジントニックは新春の小川の上の雪の味して
人のために生きてるときに人になる生き物がいま地球を覆う
青春が師匠とともにあったというこういう話はつまらないかな
どの国もわりとナチスと類似してひどいのでどこを褒めて伸ばすか
おっぱいが生み出す悲劇本人はそうは思ってないふしあれど
悲惨さを伝えるために残しても風化してすこしカッコよくなる
浴衣など着てはいないが夕暮れのぼくらは地味にロマンチックだ
良心の自由、塚本邦雄なら百日紅の零日目の喩へ
2080年涙などないままに跡地にマスクなしで立ちおり
安ワインを一本空けて明日からの永遠を前にへらへらしおり
音楽がふいにぼくらにやさしくて掌(て)で頬に触る部分にも似て
人道的な首切り器械が残酷に見える時代よ、刃がいま光る
幽霊をさわやかに否定したのちの無霊の土地よ、いささ猥雑
プライドのせいで今世ははい終わり風食のまだ立ってるかたち
先輩が恥ずかしそうにぼくに言う、俺の祈りは「助けて」だから
きみのことはすてるBOXだけれどもきみの手紙はとっとくBOX
鼻髭の口をすぼめて微笑まる恩師、帰りに湯のごと嬉し
彼の頭の中は、言語がからっぽになったわけではなかっただろう。いやむしろ、言葉に満ち満ちていただろう。そしてそれゆえに、彼はそういう、二種類の、沈黙をしたのだろう。
私は直接ソシュールをがっつり学んだわけではない。が、丸山圭三郎の本に出会ったとき、息が苦しくなるほど面白かったことが懐かしい。
ソシュールの晩年がアナグラムに没頭した日々であったことを知った時、それは甘美かつ恐ろしいことであった。今はどうかな。恐ろしくはないな。甘美は、甘美だな。あと他に、ああ、これは飢餓でもあったのかな、と思う。
短歌の話と関係なかったな。そういうことにしておく。
自選。
生きることはわめくことだと夏蝉は喜怒哀楽を超えて震える
切れぎれの森の電波を頼りつつきみを追うきみは電波のむこう
ときどきは子どもに自慢したろうか森田童子ののちの日々にも
素朴なるスコーンを食い素朴なる午後なりアーミッシュにあらざれど
ふるさとの気づけば首が止まりたる扇風機のつむじ今年も叩く
悪を討つために悪なる顔をする権現が彫られてより千年
屋外のトルソ(胴像)は憶(おも)う、抱きしめてもらえぬ刑はまだ序章なる
トイレでは音を気にせぬ性質(たち)だろうそういう奴が革命をなせ
六杯の艦隊がゆく日本海おれたちホタルイカなんだけど 「杯」
薄めなるジントニックは新春の小川の上の雪の味して
人のために生きてるときに人になる生き物がいま地球を覆う
青春が師匠とともにあったというこういう話はつまらないかな
どの国もわりとナチスと類似してひどいのでどこを褒めて伸ばすか
おっぱいが生み出す悲劇本人はそうは思ってないふしあれど
悲惨さを伝えるために残しても風化してすこしカッコよくなる
浴衣など着てはいないが夕暮れのぼくらは地味にロマンチックだ
良心の自由、塚本邦雄なら百日紅の零日目の喩へ
2080年涙などないままに跡地にマスクなしで立ちおり
安ワインを一本空けて明日からの永遠を前にへらへらしおり
音楽がふいにぼくらにやさしくて掌(て)で頬に触る部分にも似て
人道的な首切り器械が残酷に見える時代よ、刃がいま光る
幽霊をさわやかに否定したのちの無霊の土地よ、いささ猥雑
プライドのせいで今世ははい終わり風食のまだ立ってるかたち
先輩が恥ずかしそうにぼくに言う、俺の祈りは「助けて」だから
きみのことはすてるBOXだけれどもきみの手紙はとっとくBOX
鼻髭の口をすぼめて微笑まる恩師、帰りに湯のごと嬉し
2018年7月29日日曜日
2016年08月の70首と、パロディ短歌2首と、川柳1句。
生きることはわめくことだと夏蝉は喜怒哀楽を超えて震える
水流がこの一族を洗いたる場にわれもまた初めて座る
きみどりの梅の実落ちてまひるまの坂を低負荷にてわれはゆく
切れぎれの森の電波を頼りつつきみを追うきみは電波のむこう
ときどきは子どもに自慢したろうか森田童子ののちの日々にも
素朴なるスコーンを食い素朴なる午後なりアーミッシュにあらざれど
贅肉がパカッと取れる夢覚めてこの喜びのやり場があらぬ
ふるさとの気づけば首が止まりたる扇風機のつむじ今年も叩く
目と耳は無限と接続されていて手はたったひとりの君へ伸び
(電子書籍について)
悪を討つために悪なる顔をする権現が彫られてより千年
屋外のトルソ(胴像)は憶(おも)う、抱きしめてもらえぬ刑はまだ序章なる
やや甘き恋かほのぼのあるあるかこじゃれた比喩の中から選べ
二階からtomorrowごしに見る世界、いな、とうもろこし畑のいなか
短歌とは氷のつるぎ、刺されても凶器はいつか血とともに溶(と)く
(ツイキャス提出の推敲として)
原爆忌に原爆を歌わず過ぎて三日後の二発目に気をつけろ
トイレでは音を気にせぬ性質(たち)だろうそういう奴が革命をなせ
女性リーダーに期待をしよう平等に男性リーダー並みの期待を
動物と祖父母と絶景そのほかは幾何学模様の写真展出づ
赤坂のアクセントしてきみがいう塚本邦雄がいまもたのしい
遅刻女になぜかひかれていた僕は今では遅刻のゆえに嫌いて
西瓜よりスイカバー欲しがるけれどたしかに皮も種もうまいが
メンマにも個性があって、あいつより長いとか太いとか(しかない)
(メンマ)
コンプレックスを隠し抱えている日々のリフレインするメロディに似て
要するに大脳基底核により振られたわけだ、ぢやあせうがない
『杯』二首
今でしょ! をいまごろ連呼するお前「杯先生だっけ?」酔ってる
六杯の艦隊がゆく日本海おれたちホタルイカなんだけど
薄めなるジントニックは新春の小川の上の雪の味して
人のために生きてるときに人になる生き物がいま地球を覆う
先達のひびきに白く神さびて、いやこの白いの黴じゃないのか
(先達扱いされて贈る)
むし暑くイライライライライラライあるあるじゃなくパッションじゃなく
お盆には電車が空いてその席を祖霊が座る(すれ違いじゃん)
杖と傘を両方持ってゆく父よ傘が微妙にがっかりしてる
青春が師匠とともにあったというこういう話はつまらないかな
生きてよかったあつい涙を止めるため大きめに鼻をかんでいるなり
どの国もわりとナチスと類似してひどいのでどこを褒めて伸ばすか
場外に咲く薔薇あつめ灼熱の熱風で彼が焼きつくす夢
(灼風氏風)
おっぱいが生み出す悲劇本人はそうは思ってないふしあれど
建設中の精舎に光さすを見てサーリプッタはいぶかしみおり
比喩としてキリンを言うならジラフとか呼べと夕日にあかきクレーン
願はくは望月如月会議にて苦の長引かぬその判定を
行き詰まるのが人生か生き物はそれぞれ洞穴抱(かか)えてぞ行く
悲惨さを伝えるために残しても風化してすこしカッコよくなる
飲んだのでさみしい気持ちがへとへとに疲れるまでのドライブならず
浴衣など着てはいないが夕暮れのぼくらは地味にロマンチックだ
西暦では今年は5000年らしいこんな時間にカレー食べてる
(付句まつり?)
おっさんがランチの写真アップしてつい文明の行く末おもう
良心の自由、塚本邦雄なら百日紅の零日目の喩へ
名月にあと十センチ届かないきみがため息ばかりつくから
(連歌の花道?)
2080年涙などないままに跡地にマスクなしで立ちおり
州浜には松もあるのに降りてくる神なき世なりほどなくて去る
安ワインを一本空けて明日からの永遠を前にへらへらしおり
水鳥が雨ふる川で一声をあげたらし、それは孤独にあらず
音楽がふいにぼくらにやさしくて掌(て)で頬に触る部分にも似て
人道的な首切り器械が残酷に見える時代よ、刃がいま光る
もう一度ショパンとリストの神の距離の違いを思う、「近い」が「遠い」
幽霊をさわやかに否定したのちの無霊の土地よ、いささ猥雑
鉢の土を二人で替える十年の痩せたる愛に驚きながら
弱音吐くくらいなら呑んで酔って寝る父の自慢話が聞きたい
新宿駅でぶつからず進むロボットをニンジャと呼んでうんざり未来
我が生はおのれで掴め、親猫が風とたたかう子猫を見おり
プライドのせいで今世ははい終わり風食のまだ立ってるかたち
先輩が恥ずかしそうにぼくに言う、俺の祈りは「助けて」だから
きみのことはすてるBOXだけれどもきみの手紙はとっとくBOX
深刻なつもりだけれど数えたら36時間まで満たぬ
捨てながら語るしあわせわたしはわたしだけでは出来ぬしあわせ
捨てながら姉妹はたぶんしあわせに近づいてゆく、たくさん捨てる
精神が安定しない生活が続くからきみを好きではあった
鼻髭の口をすぼめて微笑まる恩師、帰りに湯のごと嬉し
金持ちに転落しそうな時々の危機を避けつつあなたは生きる
聖者らの教えの雨に打たれいき電子書籍の液晶なのに
#パロディ短歌
体温計くわえた彼女に粥(かゆ)を炊く「ゆきひら」とさわぐ鍋のことかよ
くれなゐの二票伸びたる薔薇の目のわたしの上に届かざりけり
(うたの日の薔薇について)
パピプペポ川柳
パピプペポにやられる助けパピプペポ
水流がこの一族を洗いたる場にわれもまた初めて座る
きみどりの梅の実落ちてまひるまの坂を低負荷にてわれはゆく
切れぎれの森の電波を頼りつつきみを追うきみは電波のむこう
ときどきは子どもに自慢したろうか森田童子ののちの日々にも
素朴なるスコーンを食い素朴なる午後なりアーミッシュにあらざれど
贅肉がパカッと取れる夢覚めてこの喜びのやり場があらぬ
ふるさとの気づけば首が止まりたる扇風機のつむじ今年も叩く
目と耳は無限と接続されていて手はたったひとりの君へ伸び
(電子書籍について)
悪を討つために悪なる顔をする権現が彫られてより千年
屋外のトルソ(胴像)は憶(おも)う、抱きしめてもらえぬ刑はまだ序章なる
やや甘き恋かほのぼのあるあるかこじゃれた比喩の中から選べ
二階からtomorrowごしに見る世界、いな、とうもろこし畑のいなか
短歌とは氷のつるぎ、刺されても凶器はいつか血とともに溶(と)く
(ツイキャス提出の推敲として)
原爆忌に原爆を歌わず過ぎて三日後の二発目に気をつけろ
トイレでは音を気にせぬ性質(たち)だろうそういう奴が革命をなせ
女性リーダーに期待をしよう平等に男性リーダー並みの期待を
動物と祖父母と絶景そのほかは幾何学模様の写真展出づ
赤坂のアクセントしてきみがいう塚本邦雄がいまもたのしい
遅刻女になぜかひかれていた僕は今では遅刻のゆえに嫌いて
西瓜よりスイカバー欲しがるけれどたしかに皮も種もうまいが
メンマにも個性があって、あいつより長いとか太いとか(しかない)
(メンマ)
コンプレックスを隠し抱えている日々のリフレインするメロディに似て
要するに大脳基底核により振られたわけだ、ぢやあせうがない
『杯』二首
今でしょ! をいまごろ連呼するお前「杯先生だっけ?」酔ってる
六杯の艦隊がゆく日本海おれたちホタルイカなんだけど
薄めなるジントニックは新春の小川の上の雪の味して
人のために生きてるときに人になる生き物がいま地球を覆う
先達のひびきに白く神さびて、いやこの白いの黴じゃないのか
(先達扱いされて贈る)
むし暑くイライライライライラライあるあるじゃなくパッションじゃなく
お盆には電車が空いてその席を祖霊が座る(すれ違いじゃん)
杖と傘を両方持ってゆく父よ傘が微妙にがっかりしてる
青春が師匠とともにあったというこういう話はつまらないかな
生きてよかったあつい涙を止めるため大きめに鼻をかんでいるなり
どの国もわりとナチスと類似してひどいのでどこを褒めて伸ばすか
場外に咲く薔薇あつめ灼熱の熱風で彼が焼きつくす夢
(灼風氏風)
おっぱいが生み出す悲劇本人はそうは思ってないふしあれど
建設中の精舎に光さすを見てサーリプッタはいぶかしみおり
比喩としてキリンを言うならジラフとか呼べと夕日にあかきクレーン
願はくは望月如月会議にて苦の長引かぬその判定を
行き詰まるのが人生か生き物はそれぞれ洞穴抱(かか)えてぞ行く
悲惨さを伝えるために残しても風化してすこしカッコよくなる
飲んだのでさみしい気持ちがへとへとに疲れるまでのドライブならず
浴衣など着てはいないが夕暮れのぼくらは地味にロマンチックだ
西暦では今年は5000年らしいこんな時間にカレー食べてる
(付句まつり?)
おっさんがランチの写真アップしてつい文明の行く末おもう
良心の自由、塚本邦雄なら百日紅の零日目の喩へ
名月にあと十センチ届かないきみがため息ばかりつくから
(連歌の花道?)
2080年涙などないままに跡地にマスクなしで立ちおり
州浜には松もあるのに降りてくる神なき世なりほどなくて去る
安ワインを一本空けて明日からの永遠を前にへらへらしおり
水鳥が雨ふる川で一声をあげたらし、それは孤独にあらず
音楽がふいにぼくらにやさしくて掌(て)で頬に触る部分にも似て
人道的な首切り器械が残酷に見える時代よ、刃がいま光る
もう一度ショパンとリストの神の距離の違いを思う、「近い」が「遠い」
幽霊をさわやかに否定したのちの無霊の土地よ、いささ猥雑
鉢の土を二人で替える十年の痩せたる愛に驚きながら
弱音吐くくらいなら呑んで酔って寝る父の自慢話が聞きたい
新宿駅でぶつからず進むロボットをニンジャと呼んでうんざり未来
我が生はおのれで掴め、親猫が風とたたかう子猫を見おり
プライドのせいで今世ははい終わり風食のまだ立ってるかたち
先輩が恥ずかしそうにぼくに言う、俺の祈りは「助けて」だから
きみのことはすてるBOXだけれどもきみの手紙はとっとくBOX
深刻なつもりだけれど数えたら36時間まで満たぬ
捨てながら語るしあわせわたしはわたしだけでは出来ぬしあわせ
捨てながら姉妹はたぶんしあわせに近づいてゆく、たくさん捨てる
精神が安定しない生活が続くからきみを好きではあった
鼻髭の口をすぼめて微笑まる恩師、帰りに湯のごと嬉し
金持ちに転落しそうな時々の危機を避けつつあなたは生きる
聖者らの教えの雨に打たれいき電子書籍の液晶なのに
#パロディ短歌
体温計くわえた彼女に粥(かゆ)を炊く「ゆきひら」とさわぐ鍋のことかよ
くれなゐの二票伸びたる薔薇の目のわたしの上に届かざりけり
(うたの日の薔薇について)
パピプペポ川柳
パピプペポにやられる助けパピプペポ
2018年7月28日土曜日
2016年07月の自選や雑感。
このブログは、照屋沙流堂の、連作などを載せるブログから始まって、現在では、ほぼ、ツイートした短歌の収集用になっている。
うたの日に投稿した短歌はその翌月にまとめていて、日常のツイートは、2年前の先月分をまとめる形で進めてきた。
2年前というのは、微妙に遠くて、そして近い。一首を見て、ああ、と背景を思い出すこともあれば、何をうたいたいのかよく分からないものもある。
ただ、いつまでも2年前を懐かしんでもしかたがないので、少し歩みを早めて、現在に追いつかそうと思う。
自選。
枯れそうで枯れない観葉植物よ聞いてくれオレのみどりの嫉妬
うたの日に投稿した短歌はその翌月にまとめていて、日常のツイートは、2年前の先月分をまとめる形で進めてきた。
2年前というのは、微妙に遠くて、そして近い。一首を見て、ああ、と背景を思い出すこともあれば、何をうたいたいのかよく分からないものもある。
ただ、いつまでも2年前を懐かしんでもしかたがないので、少し歩みを早めて、現在に追いつかそうと思う。
自選。
枯れそうで枯れない観葉植物よ聞いてくれオレのみどりの嫉妬
ガソリンの甘い匂いを嗅ぎながら君の職場を遊びにきたり
ボーカロイド曲歌うとき人間は合成音の真似をするなり
相聞のうまい男がおりました本人はそれを恥じていました
川底の茶碗のかけらが光りいて月夜の川をさびしく見おり
歯を痛み今日は飲めぬがまたいつか、おお、「瀬を早み」みたいな感じ
いまはまだ明るいけれど上弦の月が獲物を追いつめてゆく
落花する始終になにか重大な忘れの生にいるかもしれぬ
増水して駆け抜ける川、生き物は愛別離苦の気ちがいとなり
嘘をつく人間といて、許すのか見放すのかは曖昧に笑む
波紋よりはやき四散のアメンボの親子にあらばすぐに分かるか
きみの詩を誰も読まなくなったときやっと自分の詩を詠めるとぞ
こんにちは外は結構降ってますさようなら外はもう晴れました
只今は星の秩序に大月(だいげつ)が君臨をなす眩しかる夜
あごひげを生やしたような新車からあごひげのない男出てくる
人の死はニュースになって生きているものばかりそれを痛そうに観る
真理にも幸福からも拒まれて世界は一見無茶苦茶である
末期癌の妹の治癒を祈りたるブログを読みておれは透明
政治してゲームして次は何をして当分たぶんあの世ならねば
欲望を連結したる陸蒸気(おかじょうき)の白い煙のことか幸福
いい男を釣りたいと意図するような自分のつくりを厭う今朝なる
首がポン、と飛びし絵巻の改新を原風景のように眺むる
ジュリリジュリ ジュリリリジュルリ ジュリリジュリ ジュルジュルジュリリ ジュリリ リリリリ(よのなかのほろびるときはこずえからみていてあげるかわいいままで)
(シマエナガ)
ずれている蓋を覗くと深淵が自分の顔ととても似ていた
かわいくて面倒くさくてかなしいよいのちがいのちと生きてゆくれば
溶けそうな夏の地球を舐めている宇宙温暖化の対策に
(サーティーワンアイス)
2016年07月の64首。
承諾を押さねば先に進めないわれ無き未来すなわちわが死
枯れそうで枯れない観葉植物よ聞いてくれオレのみどりの嫉妬
毒は愛、残さず食べて横になり手足が勝手にさよならをする
PSG音源で弔われゆくきみのデータが雲(cloud)とたなびく
朝ぼらけおぼろに明けてゆく脳の昨日のDL(ダウンロード)の途中
きみはひとりじゃないって言われAIがそう言うならばいよよスィアリアス
風がなく湿度も高くひょっとして時が止まったひとりのホーム
病みおれば判断も病みておろうゆえ嫌であろうがその逆にいよ
人間性を一度疑われておけば正しいことが軽くてよろし
ガソリンの甘い匂いを嗅ぎながら君の職場を遊びにきたり
ボーカロイド曲歌うとき人間は合成音の真似をするなり
住宅街の立ち飲みバーがカウンターごと食われたように店じまいせり
チキンラーメンの味が美味しくなるたびに酒のつまみにかじるには濃き
おっさんであるからわれは今君のサラッドデイズに目を逸らしおり
一日の始まる前の朝にいてスキップボタンはないのだろうか
旻天(びんてん)はまだ先だなあ、うまくいくはずない最後の夏の白雲
相聞のうまい男がおりました本人はそれを恥じていました
川底の茶碗のかけらが光りいて月夜の川をさびしく見おり
東名道といわれてぼくは空中を走る景色をずっと待ってた
歯を痛み今日は飲めぬがまたいつか、おお、「瀬を早み」みたいな感じ
捨て猫のかわいいドキュメンタリー観つ捨てた誰かの弱さを措いて
雑草は一挙に占めてみどりなりすべての席に後進は待つ
人間のどろどろの善意映しいて不穏と思えど止むを得ぬとも
オールオアナッシングだからナッシング、もうナッシングなし子先生
サングラスの男の席にサングラスの女が座る日常あやし
いまはまだ明るいけれど上弦の月が獲物を追いつめてゆく
人間の架空の森か深海か潜って還らぬままググるカス
脳内の悲しみを夢が捨てていく捨て場所はまだ開(あ)かざるまなこ
落花する始終になにか重大な忘れの生にいるかもしれぬ
増水して駆け抜ける川、生き物は愛別離苦の気ちがいとなり
男って料理よりエサで済むことがあるとか、彼をなぜ弁護する
ザザ降りの車道に割れるクラウンが収まるまでをいつまでも見る
嘘をつく人間といて、許すのか見放すのかは曖昧に笑む
封筒にぱんぱんに日々の想念を書きしが今はやすきツイート
波紋よりはやき四散のアメンボの親子にあらばすぐに分かるか
きみの詩を誰も読まなくなったときやっと自分の詩を詠めるとぞ
月明かりを頼りにのぼる階段の闇にあらねば一段も欠けず
こんにちは外は結構降ってますさようなら外はもう晴れました
只今は星の秩序に大月(だいげつ)が君臨をなす眩しかる夜
掌(て)に包む鳥からしたらそれほどにおまへを信じてやつてゐるのだ
変態がせつない願い持ちて生く人に決して語れぬゆえに
あごひげを生やしたような新車からあごひげのない男出てくる
ごきぶりもせみもみみずも舗道にて力尽きつつ土を思えり
カートゥーンアニメな動き想起してきみが「スマホ歩き」と言うので
お隣りの独裁国家を差し置いて自国を忌みし戦後の論理
若者は信じることに見離され前線と思いおののいていた
人の死はニュースになって生きているものばかりそれを痛そうに観る
真理にも幸福からも拒まれて世界は一見無茶苦茶である
末期癌の妹の治癒を祈りたるブログを読みておれは透明
政治してゲームして次は何をして当分たぶんあの世ならねば
大きなる胸のみ反応する父に娘も妻もスルーの余生
欲望を連結したる陸蒸気(おかじょうき)の白い煙のことか幸福
いい男を釣りたいと意図するような自分のつくりを厭う今朝なる
愚かさへの愚弄を許した瞬間に愚かさはうつむきつつニヤリ
きみからの鳥跡(てがみ)をながく待っている覚悟のコインときどき貯めて
聖賢に酔いてからだは弛緩してこのまま液化して海に行く
老年の居場所は空閑ならざれば知の大なるに徘徊やまず
首がポン、と飛びし絵巻の改新を原風景のように眺むる
ジュリリジュリ ジュリリリジュルリ ジュリリジュリ ジュルジュルジュリリ ジュリリ リリリリ(よのなかのほろびるときはこずえからみていてあげるかわいいままで)
(シマエナガ)
結婚の予定を先に聞いたので手も握らぬが靡けこの街
ずれている蓋を覗くと深淵が自分の顔ととても似ていた
たまきはる命がここで終わるときもともとなかった未来消えゆく
かわいくて面倒くさくてかなしいよいのちがいのちと生きてゆくれば
溶けそうな夏の地球を舐めている宇宙温暖化の対策に
(サーティーワンアイス)
枯れそうで枯れない観葉植物よ聞いてくれオレのみどりの嫉妬
毒は愛、残さず食べて横になり手足が勝手にさよならをする
PSG音源で弔われゆくきみのデータが雲(cloud)とたなびく
朝ぼらけおぼろに明けてゆく脳の昨日のDL(ダウンロード)の途中
きみはひとりじゃないって言われAIがそう言うならばいよよスィアリアス
風がなく湿度も高くひょっとして時が止まったひとりのホーム
病みおれば判断も病みておろうゆえ嫌であろうがその逆にいよ
人間性を一度疑われておけば正しいことが軽くてよろし
ガソリンの甘い匂いを嗅ぎながら君の職場を遊びにきたり
ボーカロイド曲歌うとき人間は合成音の真似をするなり
住宅街の立ち飲みバーがカウンターごと食われたように店じまいせり
チキンラーメンの味が美味しくなるたびに酒のつまみにかじるには濃き
おっさんであるからわれは今君のサラッドデイズに目を逸らしおり
一日の始まる前の朝にいてスキップボタンはないのだろうか
旻天(びんてん)はまだ先だなあ、うまくいくはずない最後の夏の白雲
相聞のうまい男がおりました本人はそれを恥じていました
川底の茶碗のかけらが光りいて月夜の川をさびしく見おり
東名道といわれてぼくは空中を走る景色をずっと待ってた
歯を痛み今日は飲めぬがまたいつか、おお、「瀬を早み」みたいな感じ
捨て猫のかわいいドキュメンタリー観つ捨てた誰かの弱さを措いて
雑草は一挙に占めてみどりなりすべての席に後進は待つ
人間のどろどろの善意映しいて不穏と思えど止むを得ぬとも
オールオアナッシングだからナッシング、もうナッシングなし子先生
サングラスの男の席にサングラスの女が座る日常あやし
いまはまだ明るいけれど上弦の月が獲物を追いつめてゆく
人間の架空の森か深海か潜って還らぬままググるカス
脳内の悲しみを夢が捨てていく捨て場所はまだ開(あ)かざるまなこ
落花する始終になにか重大な忘れの生にいるかもしれぬ
増水して駆け抜ける川、生き物は愛別離苦の気ちがいとなり
男って料理よりエサで済むことがあるとか、彼をなぜ弁護する
ザザ降りの車道に割れるクラウンが収まるまでをいつまでも見る
嘘をつく人間といて、許すのか見放すのかは曖昧に笑む
封筒にぱんぱんに日々の想念を書きしが今はやすきツイート
波紋よりはやき四散のアメンボの親子にあらばすぐに分かるか
きみの詩を誰も読まなくなったときやっと自分の詩を詠めるとぞ
月明かりを頼りにのぼる階段の闇にあらねば一段も欠けず
こんにちは外は結構降ってますさようなら外はもう晴れました
只今は星の秩序に大月(だいげつ)が君臨をなす眩しかる夜
掌(て)に包む鳥からしたらそれほどにおまへを信じてやつてゐるのだ
変態がせつない願い持ちて生く人に決して語れぬゆえに
あごひげを生やしたような新車からあごひげのない男出てくる
ごきぶりもせみもみみずも舗道にて力尽きつつ土を思えり
カートゥーンアニメな動き想起してきみが「スマホ歩き」と言うので
お隣りの独裁国家を差し置いて自国を忌みし戦後の論理
若者は信じることに見離され前線と思いおののいていた
人の死はニュースになって生きているものばかりそれを痛そうに観る
真理にも幸福からも拒まれて世界は一見無茶苦茶である
末期癌の妹の治癒を祈りたるブログを読みておれは透明
政治してゲームして次は何をして当分たぶんあの世ならねば
大きなる胸のみ反応する父に娘も妻もスルーの余生
欲望を連結したる陸蒸気(おかじょうき)の白い煙のことか幸福
いい男を釣りたいと意図するような自分のつくりを厭う今朝なる
愚かさへの愚弄を許した瞬間に愚かさはうつむきつつニヤリ
きみからの鳥跡(てがみ)をながく待っている覚悟のコインときどき貯めて
聖賢に酔いてからだは弛緩してこのまま液化して海に行く
老年の居場所は空閑ならざれば知の大なるに徘徊やまず
首がポン、と飛びし絵巻の改新を原風景のように眺むる
ジュリリジュリ ジュリリリジュルリ ジュリリジュリ ジュルジュルジュリリ ジュリリ リリリリ(よのなかのほろびるときはこずえからみていてあげるかわいいままで)
(シマエナガ)
結婚の予定を先に聞いたので手も握らぬが靡けこの街
ずれている蓋を覗くと深淵が自分の顔ととても似ていた
たまきはる命がここで終わるときもともとなかった未来消えゆく
かわいくて面倒くさくてかなしいよいのちがいのちと生きてゆくれば
溶けそうな夏の地球を舐めている宇宙温暖化の対策に
(サーティーワンアイス)
2018年7月16日月曜日
2016年06月の自選と雑感。
インターネットというものが、もう当たり前のものになって、インターネット論など論じる人がいなくなった。
それと同時に、いや、それよりはもうちょっと後になってからかな、インターネットが見せる景色が、頭打ちになっているような印象が現在はある。
偶然みたいな「せれんでぴてー」で、あっ、こんなホームページあったんだ、ブックマークしよ! みたいなこと、もうなくない? ブクマ登録って、最後にしたのいつだっけ? 現在のブクマって、ほとんと忘備か、メモくらいの意味しかない。
ツイッターのフォローが、現在のブックマークなのかもしれない。
そして、現在は、もう、フォローを追いかけるより、せまりくる不要な情報をブロックする時代になっている。
未来の寺山は、スマホを捨てよ、町へ出ようと言うだろうか。でもそれは、きょうび、たいへんに、孤独なことです。
自選
顔に色をつけて出かける性につき嘘というなら最初から嘘
ロック解除のスライドと同じ操作ゆえ音楽がふと爆音となる
比較的ありがちな未来に落ち着いて紙とビニルを引き剥がしおり
仕事用のハイエースにて駆けつけてくれて白象王(びゃくぞうおう)に乗るきみ
人間はほんとうにこわくないかしら狐のように首をかしげて
森の中に木を隠したる寺山の結局なにが隠れただろう
雨の夜を車が走る音聞こゆそのオノマトペ決めかねながら
やい宇宙、お前に投げ込まれたここでさびしさを捕食して生きてやる
いじめという無邪気な生の否定うけて夜道、黄泉路(よみぢ)になるまでくらし
猫はもう三世の因果を知っていて主人の来世を眺めては寝る
ノート手にハプスブルク家あったよねー懐かしいよねと笑う少女(おとめ)ら
ダルい体をごまかすように元気よく階段をあがる、ASIMOっぽいぞ
ファイティングニモとジェラシックパークのシュミレーションをディスクトップに
生きるとは野暮なんであるやさしさの余分分だけ現世に残る
あめふればわれらはくらげ水の中かさを広げて駅を出てゆく
もうどこにも行かない男とずっとそばにいてほしいわけではない女
精神の首輪のはなし、ちぎるとき首輪のつよさに負けたれば死ぬ
目線さえ合わせなければ逃げられる逃げているのをみているひとみ
それと同時に、いや、それよりはもうちょっと後になってからかな、インターネットが見せる景色が、頭打ちになっているような印象が現在はある。
偶然みたいな「せれんでぴてー」で、あっ、こんなホームページあったんだ、ブックマークしよ! みたいなこと、もうなくない? ブクマ登録って、最後にしたのいつだっけ? 現在のブクマって、ほとんと忘備か、メモくらいの意味しかない。
ツイッターのフォローが、現在のブックマークなのかもしれない。
そして、現在は、もう、フォローを追いかけるより、せまりくる不要な情報をブロックする時代になっている。
未来の寺山は、スマホを捨てよ、町へ出ようと言うだろうか。でもそれは、きょうび、たいへんに、孤独なことです。
自選
顔に色をつけて出かける性につき嘘というなら最初から嘘
ロック解除のスライドと同じ操作ゆえ音楽がふと爆音となる
比較的ありがちな未来に落ち着いて紙とビニルを引き剥がしおり
仕事用のハイエースにて駆けつけてくれて白象王(びゃくぞうおう)に乗るきみ
人間はほんとうにこわくないかしら狐のように首をかしげて
森の中に木を隠したる寺山の結局なにが隠れただろう
雨の夜を車が走る音聞こゆそのオノマトペ決めかねながら
やい宇宙、お前に投げ込まれたここでさびしさを捕食して生きてやる
いじめという無邪気な生の否定うけて夜道、黄泉路(よみぢ)になるまでくらし
猫はもう三世の因果を知っていて主人の来世を眺めては寝る
ノート手にハプスブルク家あったよねー懐かしいよねと笑う少女(おとめ)ら
ダルい体をごまかすように元気よく階段をあがる、ASIMOっぽいぞ
ファイティングニモとジェラシックパークのシュミレーションをディスクトップに
生きるとは野暮なんであるやさしさの余分分だけ現世に残る
あめふればわれらはくらげ水の中かさを広げて駅を出てゆく
もうどこにも行かない男とずっとそばにいてほしいわけではない女
精神の首輪のはなし、ちぎるとき首輪のつよさに負けたれば死ぬ
目線さえ合わせなければ逃げられる逃げているのをみているひとみ
2018年7月7日土曜日
2016年06月の67首。五音短歌10首。
寝そべれば校舎の上がぜんぶ青、ああ青春ってそういうことだ
田舎なる午後のガソリンスタンドの空の一筆、あのあたり巣が
顔に色をつけて出かける性につき嘘というなら最初から嘘
可愛さと奇形のあわい、口あけてすべてを見上げたるコーギーの
世阿弥
父もまたみどりの目もてこのわれを見たか自分によく似たる子を
書類ケースに入る猫(2首)
あいまいなかたちのゆえにだいたいは入(はい)れるとおもいじじつ入(はい)れる
狭いところにわたしがいるのではなくて事物がわたしに触れたがるのだ
ロック解除のスライドと同じ操作ゆえ音楽がふと爆音となる
ランドセルの二人のあとに紋黄蝶いろにつられて追いかけて止む
ボーイッシュな眼鏡少女と見紛える少年がいてちらちら見たき
AIがそれは名曲ではないと判定するが口笛で吹く
カラスっぽくないのでたぶんテバルディ、日本はカルラスでもよかろうに
丘の向こうきのこのような入道が鮮やかに立つ6月なのに
無人島で船に向かって呼ぶような切実さにて鳴く籠の鳥
気の狂いはじめとおわりは色彩が変わるよね、そうそう、ってなるか!
比較的ありがちな未来に落ち着いて紙とビニルを引き剥がしおり
深刻で切実なことを匿名の日記に記しきみは消えゆく
横書きは右へ縦書きは左へとそしてどちらも下へと向かう
水素水を手にとっている主婦がいてスーパーで無力噛みしめるわれは
仕事用のハイエースにて駆けつけてくれて白象王(びゃくぞうおう)に乗るきみ
咲きすぎてくたれた花の濡れている歩道美しさはげに刹那
頭がもう真っ青になっちゃいましたってブルースクリーン的なことかね
ここがきみのねぐらであるか薄暗き闇なる影が小さき威嚇
ファムファタルのその後外には雨に満ち溺れることで紫陽花うれし
無駄だ地球滅ぼそうともわれわれは淵底(えんでい)からの代弁なのだ
無声音のくしゃみのきみはまだ若く理解できないのはありえない
人間はほんとうにこわくないかしら狐のように首をかしげて
森の中に木を隠したる寺山の結局なにが隠れただろう
雨の夜を車が走る音聞こゆそのオノマトペ決めかねながら
今を一緒に生きてくれたら嬉しいというのは低くて高いのぞみか
人類の歴史はまさかさびしさの歴史じゃないね早めに眠る
かわいいと言われてマジのイヤな顔もかわいいことを横が見ている
やい宇宙、お前に投げ込まれたここでさびしさを捕食して生きてやる
節の少ない鉄のブランコガチャガチャと縄のそれとは別物として
ちゃんと命と向き合ってないと突つきたる鳥よお前は雄だったよな
ポリューションのようなり生は浴室で洗い落とせぬかたまり濡れて
流行水を家内が買ってきたという友よアクィナスを嫁に読ますな
弟子をみて師匠がわかるもともとのやさしさをきみは自覚していて
あれ今日はつかれたぼくになつかしいポールサイモンの軽い音楽
いじめという無邪気な生の否定うけて夜道、黄泉路(よみぢ)になるまでくらし
猫はもう三世の因果を知っていて主人の来世を眺めては寝る
悲憤慷慨上戸の男駅前で明るい夜にも怒りつつ寝る
ノート手にハプスブルク家あったよねー懐かしいよねと笑う少女(おとめ)ら
コンテンツになってしまった彼のため彼女もいつか読者となりぬ
フリッパーズギターを少年ナイフから重出立証したき休日
ダルい体をごまかすように元気よく階段をあがる、ASIMOっぽいぞ
起きたればアップデートしてぼくがいる淡めの恋は消去されにき
百年に、いな千年に知己を得るまでこの歌のさひしきままぞ
呼吸するペースできみと歩きいてそのペースにてずれはじめゆく
褒賞と罰のあいだにぼくたちは遊んでいたよ、ここでおわかれ
ファイティングニモとジェラシックパークのシュミレーションをディスクトップに
生きるとは野暮なんであるやさしさの余分分だけ現世に残る
あめふればわれらはくらげ水の中かさを広げて駅を出てゆく
もうエヴァに乗りたくないときみは言う、乗れないわれはきみを励ます
感動で目を濡らしたら症状も少し楽にはなる心とは
WGIPってウェスト、ゲート、池袋、パーク?って、お前頑張るなぁ最後まで
もうどこにも行かない男とずっとそばにいてほしいわけではない女
烈々と生命力を注ぎ込んでオレゆえにオレは幸福な顔
宿命を断ち切るときは難が出ると仏教の法らしきを憶(おも)う
トレイシーチャップマンとかブルーとか知らないきみだ知る要もない
てんかふの匂いのせいでそういえばキツめの顔と思わなかった
精神の首輪のはなし、ちぎるとき首輪のつよさに負けたれば死ぬ
昨日食べたものも忘れて明日(あす)食べるものわからぬ、それはたしかに
この歌も三時のおやつ、甘すぎず固すぎずそして少しのおしゃれ
ニャーゴ水がなんなのかよくわからないいつかは終わる曲を聴いてる
目線さえ合わせなければ逃げられる逃げているのをみているひとみ
わかりあうためにはあらぬならべゆく文字列のきみときどきさびし
五音短歌
「蜜」
「秘密」の字を「蜜」にするその技に蜂はもうぼくである
「川」
この細い川に棲む河童(かわらわ)のおおらかっぽくなさそう
「不」
今思えばオトナっていえるかね若いだろ峰不二子
「逆」
逆回しの地球の川の水、海を吸うだが減らぬ
「嵐」
窓外は横なぐる嵐にてこの家はどこへ行く
「都会」
都会にて指を折るこんにちは、さようなら、さようなら
「冠」
落ちそうな冠を落とさずにうなづけばそれっぽい
「CD」
ネットから焼いたのもあれだけどアーティストまで不明
「資格」
現代を生きるのに要る資格持っているような顔
「蚊」
夏を避けて早い派と遅い派の蚊の進化はじまりぬ
田舎なる午後のガソリンスタンドの空の一筆、あのあたり巣が
顔に色をつけて出かける性につき嘘というなら最初から嘘
可愛さと奇形のあわい、口あけてすべてを見上げたるコーギーの
世阿弥
父もまたみどりの目もてこのわれを見たか自分によく似たる子を
書類ケースに入る猫(2首)
あいまいなかたちのゆえにだいたいは入(はい)れるとおもいじじつ入(はい)れる
狭いところにわたしがいるのではなくて事物がわたしに触れたがるのだ
ロック解除のスライドと同じ操作ゆえ音楽がふと爆音となる
ランドセルの二人のあとに紋黄蝶いろにつられて追いかけて止む
ボーイッシュな眼鏡少女と見紛える少年がいてちらちら見たき
AIがそれは名曲ではないと判定するが口笛で吹く
カラスっぽくないのでたぶんテバルディ、日本はカルラスでもよかろうに
丘の向こうきのこのような入道が鮮やかに立つ6月なのに
無人島で船に向かって呼ぶような切実さにて鳴く籠の鳥
気の狂いはじめとおわりは色彩が変わるよね、そうそう、ってなるか!
比較的ありがちな未来に落ち着いて紙とビニルを引き剥がしおり
深刻で切実なことを匿名の日記に記しきみは消えゆく
横書きは右へ縦書きは左へとそしてどちらも下へと向かう
水素水を手にとっている主婦がいてスーパーで無力噛みしめるわれは
仕事用のハイエースにて駆けつけてくれて白象王(びゃくぞうおう)に乗るきみ
咲きすぎてくたれた花の濡れている歩道美しさはげに刹那
頭がもう真っ青になっちゃいましたってブルースクリーン的なことかね
ここがきみのねぐらであるか薄暗き闇なる影が小さき威嚇
ファムファタルのその後外には雨に満ち溺れることで紫陽花うれし
無駄だ地球滅ぼそうともわれわれは淵底(えんでい)からの代弁なのだ
無声音のくしゃみのきみはまだ若く理解できないのはありえない
人間はほんとうにこわくないかしら狐のように首をかしげて
森の中に木を隠したる寺山の結局なにが隠れただろう
雨の夜を車が走る音聞こゆそのオノマトペ決めかねながら
今を一緒に生きてくれたら嬉しいというのは低くて高いのぞみか
人類の歴史はまさかさびしさの歴史じゃないね早めに眠る
かわいいと言われてマジのイヤな顔もかわいいことを横が見ている
やい宇宙、お前に投げ込まれたここでさびしさを捕食して生きてやる
節の少ない鉄のブランコガチャガチャと縄のそれとは別物として
ちゃんと命と向き合ってないと突つきたる鳥よお前は雄だったよな
ポリューションのようなり生は浴室で洗い落とせぬかたまり濡れて
流行水を家内が買ってきたという友よアクィナスを嫁に読ますな
弟子をみて師匠がわかるもともとのやさしさをきみは自覚していて
あれ今日はつかれたぼくになつかしいポールサイモンの軽い音楽
いじめという無邪気な生の否定うけて夜道、黄泉路(よみぢ)になるまでくらし
猫はもう三世の因果を知っていて主人の来世を眺めては寝る
悲憤慷慨上戸の男駅前で明るい夜にも怒りつつ寝る
ノート手にハプスブルク家あったよねー懐かしいよねと笑う少女(おとめ)ら
コンテンツになってしまった彼のため彼女もいつか読者となりぬ
フリッパーズギターを少年ナイフから重出立証したき休日
ダルい体をごまかすように元気よく階段をあがる、ASIMOっぽいぞ
起きたればアップデートしてぼくがいる淡めの恋は消去されにき
百年に、いな千年に知己を得るまでこの歌のさひしきままぞ
呼吸するペースできみと歩きいてそのペースにてずれはじめゆく
褒賞と罰のあいだにぼくたちは遊んでいたよ、ここでおわかれ
ファイティングニモとジェラシックパークのシュミレーションをディスクトップに
生きるとは野暮なんであるやさしさの余分分だけ現世に残る
あめふればわれらはくらげ水の中かさを広げて駅を出てゆく
もうエヴァに乗りたくないときみは言う、乗れないわれはきみを励ます
感動で目を濡らしたら症状も少し楽にはなる心とは
WGIPってウェスト、ゲート、池袋、パーク?って、お前頑張るなぁ最後まで
もうどこにも行かない男とずっとそばにいてほしいわけではない女
烈々と生命力を注ぎ込んでオレゆえにオレは幸福な顔
宿命を断ち切るときは難が出ると仏教の法らしきを憶(おも)う
トレイシーチャップマンとかブルーとか知らないきみだ知る要もない
てんかふの匂いのせいでそういえばキツめの顔と思わなかった
精神の首輪のはなし、ちぎるとき首輪のつよさに負けたれば死ぬ
昨日食べたものも忘れて明日(あす)食べるものわからぬ、それはたしかに
この歌も三時のおやつ、甘すぎず固すぎずそして少しのおしゃれ
ニャーゴ水がなんなのかよくわからないいつかは終わる曲を聴いてる
目線さえ合わせなければ逃げられる逃げているのをみているひとみ
わかりあうためにはあらぬならべゆく文字列のきみときどきさびし
五音短歌
「蜜」
「秘密」の字を「蜜」にするその技に蜂はもうぼくである
「川」
この細い川に棲む河童(かわらわ)のおおらかっぽくなさそう
「不」
今思えばオトナっていえるかね若いだろ峰不二子
「逆」
逆回しの地球の川の水、海を吸うだが減らぬ
「嵐」
窓外は横なぐる嵐にてこの家はどこへ行く
「都会」
都会にて指を折るこんにちは、さようなら、さようなら
「冠」
落ちそうな冠を落とさずにうなづけばそれっぽい
「CD」
ネットから焼いたのもあれだけどアーティストまで不明
「資格」
現代を生きるのに要る資格持っているような顔
「蚊」
夏を避けて早い派と遅い派の蚊の進化はじまりぬ
2018年6月3日日曜日
2016年05月の自選と雑感。
6月ですが、ネット上の言論は、ぎすぎすしいものがあります。
日本語で「違う」というとき、それは、differentである場合と、wrongである場合がありますが、誰かの意見を間違っている、というのは、相手の想定する環境がdifferentであるのに、それを自分の環境に当てはめて、それは違う(wrong)、ということが多いようです。受け取った方も、相手の立っている環境が違う(different)にもかかわらず、同じだと信じちゃってるから、違う(wrong)と言われてことに憮然とする、こんなことの繰り返しのようだ。
みんな仲良くできればよいが、争わざるをえないのかねえ。
蝉の声大きすぎたら静けさとなって、木立にあなたも消えた 沙流堂
自選。
瓦屋根に小さき天狗が着地してまた風とゆく下駄の音(ね)残し
貨物船の貨物を呑吐してゆくを海風に冷えながら見ており
濡れたるを合わせることを逢瀬とう身も蓋もない古典解釈
そをきみは五月の匂いといいましたたしかにわれの内にも五月
終電を逃げきってきみと歩きおり空には不気味な未知がかがやき
ゆっくりと頭なづれば目を閉じて生き物は死をかく乗り越える
ほんとうに久しい邂逅なりしかば男から泣いていいかはつなつ
蝉が鳴くまでとあなたが言うたのに涼しい顔をして訪れて
そーいえばきみはヘルプを出していたなあ、ポケットに手を入れて立つ
懸命に生きた生き物が見る海のきっと再現性のない青
お礼ではなくてうれしい表現のキスであったとのちのちに知る
「子供乗せ電動自転車」を立ちこいで女子高生が彼に会いに行く
「山椒魚としての風景」
山陰でオフィーリア溺れゆくならばサンショウウオに迷惑がられ
サンショウウオやめたと言いて背中からすらりと現れたる美少年
基本的な思想は非暴力である、食(しょく)はまたそれは別の議論だ
大空を山椒魚が背中みせ去りゆくまでを夜と名付けり
人間の声が嫌いで器楽曲ばかり聴いてた娘(こ)も母となる
もっともっと知らないままで死ぬべきであった、耳は死ぬまで聞きたがろうが
こころのことを福というのよ、本人が忘れた言葉はぼくが持ってる
日本語で「違う」というとき、それは、differentである場合と、wrongである場合がありますが、誰かの意見を間違っている、というのは、相手の想定する環境がdifferentであるのに、それを自分の環境に当てはめて、それは違う(wrong)、ということが多いようです。受け取った方も、相手の立っている環境が違う(different)にもかかわらず、同じだと信じちゃってるから、違う(wrong)と言われてことに憮然とする、こんなことの繰り返しのようだ。
みんな仲良くできればよいが、争わざるをえないのかねえ。
蝉の声大きすぎたら静けさとなって、木立にあなたも消えた 沙流堂
自選。
瓦屋根に小さき天狗が着地してまた風とゆく下駄の音(ね)残し
貨物船の貨物を呑吐してゆくを海風に冷えながら見ており
濡れたるを合わせることを逢瀬とう身も蓋もない古典解釈
そをきみは五月の匂いといいましたたしかにわれの内にも五月
終電を逃げきってきみと歩きおり空には不気味な未知がかがやき
ゆっくりと頭なづれば目を閉じて生き物は死をかく乗り越える
ほんとうに久しい邂逅なりしかば男から泣いていいかはつなつ
蝉が鳴くまでとあなたが言うたのに涼しい顔をして訪れて
そーいえばきみはヘルプを出していたなあ、ポケットに手を入れて立つ
懸命に生きた生き物が見る海のきっと再現性のない青
お礼ではなくてうれしい表現のキスであったとのちのちに知る
「子供乗せ電動自転車」を立ちこいで女子高生が彼に会いに行く
「山椒魚としての風景」
山陰でオフィーリア溺れゆくならばサンショウウオに迷惑がられ
サンショウウオやめたと言いて背中からすらりと現れたる美少年
基本的な思想は非暴力である、食(しょく)はまたそれは別の議論だ
大空を山椒魚が背中みせ去りゆくまでを夜と名付けり
人間の声が嫌いで器楽曲ばかり聴いてた娘(こ)も母となる
もっともっと知らないままで死ぬべきであった、耳は死ぬまで聞きたがろうが
こころのことを福というのよ、本人が忘れた言葉はぼくが持ってる
2018年6月2日土曜日
2016年05月の89首。パロディ短歌1首。
人間は四の十はあつく生きるべしそして死ぬにはまだ早めなり
仕事前のせわしい朝の駅前にうろうろと人が邪魔なる鳩は
建物の屋上にあさひ届くころ小動物が輝いており
甥っ子が数字を言えるごーよんたんにーいちと、得意げにはにかむ
生きるのがちょろい世界と君はいてさにあらざれば微笑みて去る
何者であるのだきみは深く良い深く記憶の最初をたどる
畑の野菜こっそり食べて生きている明日のいのちはあしたの話
波のように田んぼの水がさざめいて風つよき日に会うのを迷う
わが死後も星占いは続くだろう素敵な出会いのありそうな日も
浮かべれば流れが見えるくらいなる川のほとりに眺めておりぬ
自分ではなくなるまでの数ピクセルのドットがわれというものならむ
ログハウスのカフェだといってコーヒーが旨いわけではないものを飲む
宇宙人に狙われていると言い出して彼は自死した、事実としては
瓦屋根に小さき天狗が着地してまた風とゆく下駄の音(ね)残し
貨物船の貨物を呑吐してゆくを海風に冷えながら見ており
濡れたるを合わせることを逢瀬とう身も蓋もない古典解釈
許された、の声響きわたり生涯をひとりで終える夢をみたりき
東京のビルの森そして森の森あるく、もうすぐお別れである
この世にも悲しい酒の酔い方よ涙ぽろぽろ落としてみたき
そをきみは五月の匂いといいましたたしかにわれの内にも五月
幻想の世界に生きた塚本も公務員なる生活ありて
本人はそうとは知らずイヤホンで音を聴くとは孤独の前駆
干し忘れた折り畳み傘濡れておりこっちは昨夜防げた涙
文学が希望だという演繹に至るまでもうながい迂回路
情報の海を立ち泳いでいたがきみが何かに足を掴まれ
ぼくが知らぬことはすべてが嘘である、UFOはいる昨日見たから
カリカリと世界に線を引いていき閉じるときふと外へのチラ見
きみを容れるとき薄いけど一枚の膜ありリテラシーのごとしも
終電を逃げきってきみと歩きおり空には不気味な未知がかがやき
ゆっくりと頭なづれば目を閉じて生き物は死をかく乗り越える
駅の字の馬かたまって待っている再び人を載せて歩くを
ほんとうに久しい邂逅なりしかば男から泣いていいかはつなつ
このように取り残された心地とは次はひとつの幕降りるとき
じつにその中年であるいぎたない世間を身内(みぬち)に見出しければ
この街も無常の風が吹いていてその中にいてわれには見えず
桜の実あたまに落ちて上は空、うすむらさきの指のたのしも
蝉が鳴くまでとあなたが言うたのに涼しい顔をして訪れて
飼い主にすこしそむいて引っ張らる犬とことことすぐにあきらむ
そーいえばきみはヘルプを出していたなあ、ポケットに手を入れて立つ
パンタレイと諸行無常の創始者が会いて飲む酒うまからんかも
少年の尻があたりてそのしろき弾力をかつてわれも持ちしか
自転車屋のたらいに顔をつっこんで息が漏れ出るパンクがわかる
天の原ふりさけ見ればカレー屋が三軒はある街に勤むる
懸命に生きた生き物が見る海のきっと再現性のない青
謝意を述ぶ時間があれば運のいい人生のような気がする五月
中国人に諦観の意味を説明し分かりあえたかさえ分からずに
きみが絵を描いたとしても恋だけを描くだろうしそれでもありだ
ケプラーがかつて見し夢、三角のプラトンソリッドの曼荼羅宇宙
お礼ではなくてうれしい表現のキスであったとのちのちに知る
人間が人体を不思議がるようにマシンは神として人を見る
宗教画の人物が一人ずつ消えて風景画にてやっと見神
運命が光りたがっているようなこの生き物が生きることとは
ぼこぼこのざらざらのまたはエンボスのなんだこのマチエールの夢は
遠足でえみちゃんにあげるお弁当のミートボールはぼくの権利だ
子供乗せ電動自転車」を立ちこいで女子高生が彼に会いに行く
「山椒魚としての風景」
山陰でオフィーリア溺れゆくならばサンショウウオに迷惑がられ
サンショウウオやめたと言いて背中からすらりと現れたる美少年
恋の悩みはサンショウウオに訊くといい口が開いたらうまくいくとか
冥府から帰ってきたと思いしがこっちが黄泉(よみ)か、どちらでもよし
サンショウウオだけの星にてひとり思う宇宙には銀のサンショウウオが
この話題はノーコメントでスルーしようサンショウウオも息をとめつつ
虚弱なる奴であったが捕らえられ漢方になったと風のたよりに
基本的な思想は非暴力である、食(しょく)はまたそれは別の議論だ
感嘆の嗚於(おお)ではないが人間は感嘆しつつわれを呼ぶなり
大空を山椒魚が背中みせ去りゆくまでを夜と名付けり
奇跡とは衆人のわざ、海に沈む陽の瞬間に道がかがやく
人間界は楽しいかいときみが訊くこの界もきみがおらねばさびし
ぽっくりとポアソン分布で死なされぬ飼い鳥はいつか飛べなくなりぬ
自意識のスライムはもう眠るのだ酒精が混ざり揮発しながら
人間の声が嫌いで器楽曲ばかり聴いてた娘(こ)も母となる
かわいくてきたないものがあるとしてこの刺繍入り雑巾なども
なにおれは後悔なんてしとらんぜエトランゼには行くとこがある
もっともっと知らないままで死ぬべきであった、耳は死ぬまで聞きたがろうが
テレビでの海でもぼくは茫洋とあの日の前後に入りかけたり
性急な跳躍をしたいきみといて、ぼくには終わりに急(せ)くように見え
君にしか救えぬ人を思いつつぼくにしか救えぬ君いずこ
こころのことを福というのよ、本人が忘れた言葉はぼくが持ってる
長月優さんとの短歌のやりとり(ロボットと恋)
ボットではないとうったうアカウントをそういうボットと君は信じて
ボットには実装されぬパラメータの人肌、ヒトハダ、人が持つ
気圧計と湿度で雨を確定し人だった記憶少しく濡れる
バグでなく仕様といって欲しかったきみに惹かれていく処理落ちを
そうやって夜が明けたらもうきみはアップデートしてぼくを認識(み)れない
飛び込んだ時代がちょっと遅かった、きみにフロッピースロットがない!
愛とは、壊れてしまうほどでなく壊しにかかるかなしい力
残酷な道標(どうひょう)だった、最後だけ、その最後だけ幸せがくる
むかしむかしロボットが人に恋をして、当時は許されないことでした
生身だから生身の愛を与えます永い時間のしあわせのため
誓います、ハード障害も回線のエラーの時もキミを守ル、ト、
かなしい歌はつくりやすくてしあわせは、河原で大の字でみる雲よ
#パロディ短歌
高齢者を枯葉だなんて日本は死の国だよね、右でブレーキ
仕事前のせわしい朝の駅前にうろうろと人が邪魔なる鳩は
建物の屋上にあさひ届くころ小動物が輝いており
甥っ子が数字を言えるごーよんたんにーいちと、得意げにはにかむ
生きるのがちょろい世界と君はいてさにあらざれば微笑みて去る
何者であるのだきみは深く良い深く記憶の最初をたどる
畑の野菜こっそり食べて生きている明日のいのちはあしたの話
波のように田んぼの水がさざめいて風つよき日に会うのを迷う
わが死後も星占いは続くだろう素敵な出会いのありそうな日も
浮かべれば流れが見えるくらいなる川のほとりに眺めておりぬ
自分ではなくなるまでの数ピクセルのドットがわれというものならむ
ログハウスのカフェだといってコーヒーが旨いわけではないものを飲む
宇宙人に狙われていると言い出して彼は自死した、事実としては
瓦屋根に小さき天狗が着地してまた風とゆく下駄の音(ね)残し
貨物船の貨物を呑吐してゆくを海風に冷えながら見ており
濡れたるを合わせることを逢瀬とう身も蓋もない古典解釈
許された、の声響きわたり生涯をひとりで終える夢をみたりき
東京のビルの森そして森の森あるく、もうすぐお別れである
この世にも悲しい酒の酔い方よ涙ぽろぽろ落としてみたき
そをきみは五月の匂いといいましたたしかにわれの内にも五月
幻想の世界に生きた塚本も公務員なる生活ありて
本人はそうとは知らずイヤホンで音を聴くとは孤独の前駆
干し忘れた折り畳み傘濡れておりこっちは昨夜防げた涙
文学が希望だという演繹に至るまでもうながい迂回路
情報の海を立ち泳いでいたがきみが何かに足を掴まれ
ぼくが知らぬことはすべてが嘘である、UFOはいる昨日見たから
カリカリと世界に線を引いていき閉じるときふと外へのチラ見
きみを容れるとき薄いけど一枚の膜ありリテラシーのごとしも
終電を逃げきってきみと歩きおり空には不気味な未知がかがやき
ゆっくりと頭なづれば目を閉じて生き物は死をかく乗り越える
駅の字の馬かたまって待っている再び人を載せて歩くを
ほんとうに久しい邂逅なりしかば男から泣いていいかはつなつ
このように取り残された心地とは次はひとつの幕降りるとき
じつにその中年であるいぎたない世間を身内(みぬち)に見出しければ
この街も無常の風が吹いていてその中にいてわれには見えず
桜の実あたまに落ちて上は空、うすむらさきの指のたのしも
蝉が鳴くまでとあなたが言うたのに涼しい顔をして訪れて
飼い主にすこしそむいて引っ張らる犬とことことすぐにあきらむ
そーいえばきみはヘルプを出していたなあ、ポケットに手を入れて立つ
パンタレイと諸行無常の創始者が会いて飲む酒うまからんかも
少年の尻があたりてそのしろき弾力をかつてわれも持ちしか
自転車屋のたらいに顔をつっこんで息が漏れ出るパンクがわかる
天の原ふりさけ見ればカレー屋が三軒はある街に勤むる
懸命に生きた生き物が見る海のきっと再現性のない青
謝意を述ぶ時間があれば運のいい人生のような気がする五月
中国人に諦観の意味を説明し分かりあえたかさえ分からずに
きみが絵を描いたとしても恋だけを描くだろうしそれでもありだ
ケプラーがかつて見し夢、三角のプラトンソリッドの曼荼羅宇宙
お礼ではなくてうれしい表現のキスであったとのちのちに知る
人間が人体を不思議がるようにマシンは神として人を見る
宗教画の人物が一人ずつ消えて風景画にてやっと見神
運命が光りたがっているようなこの生き物が生きることとは
ぼこぼこのざらざらのまたはエンボスのなんだこのマチエールの夢は
遠足でえみちゃんにあげるお弁当のミートボールはぼくの権利だ
子供乗せ電動自転車」を立ちこいで女子高生が彼に会いに行く
「山椒魚としての風景」
山陰でオフィーリア溺れゆくならばサンショウウオに迷惑がられ
サンショウウオやめたと言いて背中からすらりと現れたる美少年
恋の悩みはサンショウウオに訊くといい口が開いたらうまくいくとか
冥府から帰ってきたと思いしがこっちが黄泉(よみ)か、どちらでもよし
サンショウウオだけの星にてひとり思う宇宙には銀のサンショウウオが
この話題はノーコメントでスルーしようサンショウウオも息をとめつつ
虚弱なる奴であったが捕らえられ漢方になったと風のたよりに
基本的な思想は非暴力である、食(しょく)はまたそれは別の議論だ
感嘆の嗚於(おお)ではないが人間は感嘆しつつわれを呼ぶなり
大空を山椒魚が背中みせ去りゆくまでを夜と名付けり
奇跡とは衆人のわざ、海に沈む陽の瞬間に道がかがやく
人間界は楽しいかいときみが訊くこの界もきみがおらねばさびし
ぽっくりとポアソン分布で死なされぬ飼い鳥はいつか飛べなくなりぬ
自意識のスライムはもう眠るのだ酒精が混ざり揮発しながら
人間の声が嫌いで器楽曲ばかり聴いてた娘(こ)も母となる
かわいくてきたないものがあるとしてこの刺繍入り雑巾なども
なにおれは後悔なんてしとらんぜエトランゼには行くとこがある
もっともっと知らないままで死ぬべきであった、耳は死ぬまで聞きたがろうが
テレビでの海でもぼくは茫洋とあの日の前後に入りかけたり
性急な跳躍をしたいきみといて、ぼくには終わりに急(せ)くように見え
君にしか救えぬ人を思いつつぼくにしか救えぬ君いずこ
こころのことを福というのよ、本人が忘れた言葉はぼくが持ってる
長月優さんとの短歌のやりとり(ロボットと恋)
ボットではないとうったうアカウントをそういうボットと君は信じて
ボットには実装されぬパラメータの人肌、ヒトハダ、人が持つ
気圧計と湿度で雨を確定し人だった記憶少しく濡れる
バグでなく仕様といって欲しかったきみに惹かれていく処理落ちを
そうやって夜が明けたらもうきみはアップデートしてぼくを認識(み)れない
飛び込んだ時代がちょっと遅かった、きみにフロッピースロットがない!
愛とは、壊れてしまうほどでなく壊しにかかるかなしい力
残酷な道標(どうひょう)だった、最後だけ、その最後だけ幸せがくる
むかしむかしロボットが人に恋をして、当時は許されないことでした
生身だから生身の愛を与えます永い時間のしあわせのため
誓います、ハード障害も回線のエラーの時もキミを守ル、ト、
かなしい歌はつくりやすくてしあわせは、河原で大の字でみる雲よ
#パロディ短歌
高齢者を枯葉だなんて日本は死の国だよね、右でブレーキ
2018年5月13日日曜日
2016年04月の自選と雑感。
先日、書店で短歌雑誌をいくつかぱらぱらとめくった。目次を開いて、ふむふむこの人達が書いているのか、と、それから、文字通り、ぱらぱらとめくって、題やら短歌やら文章を目に取らせる。どの界隈もそうなので、驚くにはあたらないが、高齢化している。
正岡子規がホトトギスを創刊して、俳句運動を興し、歌よみに与ふる書を書いたのは30歳だ。子規は34で没したので、晩年といえば晩年だが、高齢ではなかった。
そういえば、短歌雑誌は、昔からの印象として、よく名前や作品を知らない、おそらく高名で高齢な方が、身辺雑記みたいな短歌連作を載せていて、「手紙でやれ」と思っていたことを懐かしく思い出す。今なら、自分のHPやブログでやれ、と思う若者もいるかもしれない。(あるいは、そんな”若者”は、もういないかもしれない)
福島泰樹が、「述志とは〜」みたいな短歌を載せていて、なんかふふっとしちゃった。
自選。
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
正岡子規がホトトギスを創刊して、俳句運動を興し、歌よみに与ふる書を書いたのは30歳だ。子規は34で没したので、晩年といえば晩年だが、高齢ではなかった。
そういえば、短歌雑誌は、昔からの印象として、よく名前や作品を知らない、おそらく高名で高齢な方が、身辺雑記みたいな短歌連作を載せていて、「手紙でやれ」と思っていたことを懐かしく思い出す。今なら、自分のHPやブログでやれ、と思う若者もいるかもしれない。(あるいは、そんな”若者”は、もういないかもしれない)
福島泰樹が、「述志とは〜」みたいな短歌を載せていて、なんかふふっとしちゃった。
自選。
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
2018年5月12日土曜日
2016年04月の61首。パロディ短歌2首。
風景は風のある景、君去りしのちのさびしき砂浜がある
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
現世の褒美のような桜ふり生前死後のあわいにありぬ
丸々とかわいいきみが痩せてゆく、彼に疲れて美しくなる
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
ガラス玉のようにかがやくまなざしでデビットボウイは人界にいた
たとえば、暁鐘(ぎょうしょう)を乱打する生をおもう、あるいはそれを聞く生
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
ルネサンス以降も描かれるイコン、かく拒まれし人間の味
ゾンビとは止まった時間のことなのにどうしてぼくは逃げているのか
イタリア人ばかり描いて文芸の復興は成る、クールイタリー
昨日まで跳びはねていて今日はもう息も荒くて同じいのちが
君といる時のポアンカレプロットが一定なので好きとは言える
おっさんが窓から外を眺めいてただそれだけでキモい、世界よ
時流という真意の見えぬ体積に押されていれば押しつつもある
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
天才はたとえば早さ、夭逝の歌手の歌詞いまさらにおどろく
春の午後だから光が降るように桜がかがやいてまぶしくて
人生は読み終わらない本なのでどんでん返しになるかはたまた
通過するこの特急に何度ぼくは死んで汚して引き上げられき
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
短詩系文学思うより早くAIに負け勝ち負けに醒(さ)む
目も耳も口であるのだ音楽と思想を食べて人は生きれば
このおばちゃんトルクあるなと思わせて電動である、さいばねて来す
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
この語句の微妙に突き詰められてない感じはあれだ斉藤和義
妄想に勝ちぬいたという妄想が、その後美味しくいただきました
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
子供の頃父ちゃんと食べた夜鳴きそばのもやしの苦みが父と食べたし
訊かれてもない防災の豆知識を神妙に放つよかれ世界よ
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
深淵をのぞき込まないきみがいて深淵はついに手を出さざりき
弁当のしそおにぎりが濡れているそれを咥えて遅い花見は
道端にポピーぽぴぽぴ、こんな歌前にもたしか作ったっけか
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
キティちゃんのラッピング電車に乗る人を全員ファンとみなして愉快
災害に人の善意がいっちょかみしたい気持ちよおさえかねつも
脅威より悪意を感ずうつしよのquakeやrainあすのわがみに
濡れている藤とわたしに春の雨ひとつは慈悲でひとつは罰で
ほんとうに黒目が穴になることがあるさ、どうにもできないけれど
公園の向こうに杜(もり)のシルエット夏蝉のSEふさわしく
最低気温と最高気温の同じ日にここは真冬の南国に立つ
軍服のフィデルはおもう、いつか敵が見えなくなっていくさも見えぬ
ネクタイに蜘蛛連れてわれは通勤しわれ驚けば蜘蛛ぴょんと去る
「この曲なに?」「パッヘルベルの」「ヘルデルの」「ベルの」「パッヘルデルのベルノの?」
呼び継ぎの小さいが目立つ模様して一部になってしまうならいい
すこし跳ねて乙女が通話する横を別の乙女が一暼し過ぐ
建物の奥へ電線伝いつつネズ公が消ゆ、奥とは異界
とても怒るぼくに夜中に起こされて昼間は我慢してたのだろう
一生分の容量くらいなる脳の君が上書きされてゆくなり
輪廻など手慣れたものよ、人間の歩道を横切ったるダンゴムシ
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
欲望を遠ざけながら読んでいる万葉集は欲望の歌
ネットなどしたことないとツイートしバナナはお菓子に含まれざりき
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
#パロディ短歌
サラリーマンが歌よむ時に世の中の新しき歌多くて怒る
「暑いな」とひとりごつれば「暑いよ」とかぶせる奴のいるむし暑さ
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
現世の褒美のような桜ふり生前死後のあわいにありぬ
丸々とかわいいきみが痩せてゆく、彼に疲れて美しくなる
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
ガラス玉のようにかがやくまなざしでデビットボウイは人界にいた
たとえば、暁鐘(ぎょうしょう)を乱打する生をおもう、あるいはそれを聞く生
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
ルネサンス以降も描かれるイコン、かく拒まれし人間の味
ゾンビとは止まった時間のことなのにどうしてぼくは逃げているのか
イタリア人ばかり描いて文芸の復興は成る、クールイタリー
昨日まで跳びはねていて今日はもう息も荒くて同じいのちが
君といる時のポアンカレプロットが一定なので好きとは言える
おっさんが窓から外を眺めいてただそれだけでキモい、世界よ
時流という真意の見えぬ体積に押されていれば押しつつもある
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
天才はたとえば早さ、夭逝の歌手の歌詞いまさらにおどろく
春の午後だから光が降るように桜がかがやいてまぶしくて
人生は読み終わらない本なのでどんでん返しになるかはたまた
通過するこの特急に何度ぼくは死んで汚して引き上げられき
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
短詩系文学思うより早くAIに負け勝ち負けに醒(さ)む
目も耳も口であるのだ音楽と思想を食べて人は生きれば
このおばちゃんトルクあるなと思わせて電動である、さいばねて来す
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
この語句の微妙に突き詰められてない感じはあれだ斉藤和義
妄想に勝ちぬいたという妄想が、その後美味しくいただきました
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
子供の頃父ちゃんと食べた夜鳴きそばのもやしの苦みが父と食べたし
訊かれてもない防災の豆知識を神妙に放つよかれ世界よ
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
深淵をのぞき込まないきみがいて深淵はついに手を出さざりき
弁当のしそおにぎりが濡れているそれを咥えて遅い花見は
道端にポピーぽぴぽぴ、こんな歌前にもたしか作ったっけか
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
キティちゃんのラッピング電車に乗る人を全員ファンとみなして愉快
災害に人の善意がいっちょかみしたい気持ちよおさえかねつも
脅威より悪意を感ずうつしよのquakeやrainあすのわがみに
濡れている藤とわたしに春の雨ひとつは慈悲でひとつは罰で
ほんとうに黒目が穴になることがあるさ、どうにもできないけれど
公園の向こうに杜(もり)のシルエット夏蝉のSEふさわしく
最低気温と最高気温の同じ日にここは真冬の南国に立つ
軍服のフィデルはおもう、いつか敵が見えなくなっていくさも見えぬ
ネクタイに蜘蛛連れてわれは通勤しわれ驚けば蜘蛛ぴょんと去る
「この曲なに?」「パッヘルベルの」「ヘルデルの」「ベルの」「パッヘルデルのベルノの?」
呼び継ぎの小さいが目立つ模様して一部になってしまうならいい
すこし跳ねて乙女が通話する横を別の乙女が一暼し過ぐ
建物の奥へ電線伝いつつネズ公が消ゆ、奥とは異界
とても怒るぼくに夜中に起こされて昼間は我慢してたのだろう
一生分の容量くらいなる脳の君が上書きされてゆくなり
輪廻など手慣れたものよ、人間の歩道を横切ったるダンゴムシ
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
欲望を遠ざけながら読んでいる万葉集は欲望の歌
ネットなどしたことないとツイートしバナナはお菓子に含まれざりき
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
#パロディ短歌
サラリーマンが歌よむ時に世の中の新しき歌多くて怒る
「暑いな」とひとりごつれば「暑いよ」とかぶせる奴のいるむし暑さ
2018年4月28日土曜日
2016年03月の自選と雑感。
インターネットが、コンピュータの処理速度と通信速度の向上にあいまって、動的な表現が可能になったとき、哲学的な問題に、人は直面することになった。
自分が見ている景色は、他の人も同じように見ているとは限らない、ということだ。
これはとても哲学的な、たとえば私にとっての「青色」は、他の人の「青色」と同じかどうか、というのも含むけれど、もっと実際的で表面的な、具体的には、mixiで多くの人が体験したような、「自分が見ている自分のページは、他の人からは違うように見えているけど、自分ではそれが検証できない」というような問題だ。
つまり、インターネットでは、世界が見えると思っていたが、実際は、インターネットの中にやや拡張された自我が設置されただけで、自分の外側は、やっぱりよく見えなかった、ということだ。
いや、それどころではない。自分の嗜好ばかりだと、循環してしまってよくないから、外側の空気を入れようとすると、不快なものが限りなく入り込んでくる。今や、インターネットは、それらをミュートしブロックし、自分の「好き」だけの世界に引きこもるために接続するのだ。
ひるがえって短歌は。短歌もまた、外に出てゆくためであったのに、内にこもるためのものに、なってはいまいか。異物を受け入れる度量は、短歌にもとめるのか、あなたにもとめるのか。
あらかじめ決められた文字で綴るから忖度が読みのデフォルトにある 沙流堂
自選。
中島みゆき口ずさむほどご機嫌なきみでよかった雨の居酒屋
愛する人の激しいくしゃみ聞きながら花の粉まざる春の夜の更け
しあわせは体力が要る生ぬるき空気にわれは春スクワット
母の作りし梅酒の味の落ちること次男にあれば悲しんで済む
ぽつぽつりスマホの画面をキラキラと三色の光を拡げたる雨
修行僧コーラを飲みてその他の欲望を耐う、おおきくおくび
棒立ちの赤い男を眺めおり信号の向こうは春、なんつって
通過する特急電車の前面にあっ飛び込んで今のまぼろし
ルノアールが背中を描(か)きたがるような女性がレジでさばくスーパー
変なオブジェの、変なところを直したら存在そのものが問われいる
人権がまとわりついて人類の可動部はいつも油を求む
春だから思想のことは置いといてきみのみじかい髪をほめよう
地方でも美人は人の目を集めここでもいいと思う気持ちと
美しい悲しいものにそのそばに供えるために一輪があり
コトノホカサビシイトコヘキチャッタナヒトクチノサケノルイセンニキテ
こむら返りで目が覚めてからごそごそとこむらの意味を検索をせり
元・風のメンバーだった大久保は元・猫だったと略歴で知る
ひとけない交差点には春巻いてビニール袋浮いては落ちず
自分が見ている景色は、他の人も同じように見ているとは限らない、ということだ。
これはとても哲学的な、たとえば私にとっての「青色」は、他の人の「青色」と同じかどうか、というのも含むけれど、もっと実際的で表面的な、具体的には、mixiで多くの人が体験したような、「自分が見ている自分のページは、他の人からは違うように見えているけど、自分ではそれが検証できない」というような問題だ。
つまり、インターネットでは、世界が見えると思っていたが、実際は、インターネットの中にやや拡張された自我が設置されただけで、自分の外側は、やっぱりよく見えなかった、ということだ。
いや、それどころではない。自分の嗜好ばかりだと、循環してしまってよくないから、外側の空気を入れようとすると、不快なものが限りなく入り込んでくる。今や、インターネットは、それらをミュートしブロックし、自分の「好き」だけの世界に引きこもるために接続するのだ。
ひるがえって短歌は。短歌もまた、外に出てゆくためであったのに、内にこもるためのものに、なってはいまいか。異物を受け入れる度量は、短歌にもとめるのか、あなたにもとめるのか。
あらかじめ決められた文字で綴るから忖度が読みのデフォルトにある 沙流堂
自選。
中島みゆき口ずさむほどご機嫌なきみでよかった雨の居酒屋
愛する人の激しいくしゃみ聞きながら花の粉まざる春の夜の更け
しあわせは体力が要る生ぬるき空気にわれは春スクワット
母の作りし梅酒の味の落ちること次男にあれば悲しんで済む
ぽつぽつりスマホの画面をキラキラと三色の光を拡げたる雨
修行僧コーラを飲みてその他の欲望を耐う、おおきくおくび
棒立ちの赤い男を眺めおり信号の向こうは春、なんつって
通過する特急電車の前面にあっ飛び込んで今のまぼろし
ルノアールが背中を描(か)きたがるような女性がレジでさばくスーパー
変なオブジェの、変なところを直したら存在そのものが問われいる
人権がまとわりついて人類の可動部はいつも油を求む
春だから思想のことは置いといてきみのみじかい髪をほめよう
地方でも美人は人の目を集めここでもいいと思う気持ちと
美しい悲しいものにそのそばに供えるために一輪があり
コトノホカサビシイトコヘキチャッタナヒトクチノサケノルイセンニキテ
こむら返りで目が覚めてからごそごそとこむらの意味を検索をせり
元・風のメンバーだった大久保は元・猫だったと略歴で知る
ひとけない交差点には春巻いてビニール袋浮いては落ちず
2018年4月22日日曜日
2016年03月のツイートから。短歌史とか、文具史とか、短歌における文法の正確性の現代的意味など。
うたの日に出したうたにいただいた感想について、からの、短歌史やら、文具史やらの、ツイートなど。
魚には涙腺なんて持たぬから泣くわけないよ食われるときも/『魚』照屋沙流堂 #うたの日 #tanka http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=717b&id=37
——
文語と口語を混ぜて即興感を出すために照屋はしばしば文法や論理をおかしくするのだけど、冷静に指摘されると恥ずかしくなっちゃうね。
——
照屋の中にも、文法警察とリズム警察がいて、どんなに韻律が悪くてもてにをはがないと許せない場合や、韻律の前には意味すら通らなくてもいい場合がある。どうしたものやら。
そしてなぜか短歌史。
通勤中に短歌史を駆け抜けてみる。
①短歌って何かっていう歴史を考えると、やっぱりスタートは宴会芸のような気がする。あと労働歌。
②短歌がいつまでメロディを伴う"うた"だったのかという研究は誰かしてるかもしれないが、平安時代に恋のおしゃれツールだった頃はすでに紙に書いて送ってたから、黙読はできないにせよ、旋律意識よりは韻律の意識が上回っていたかもしれない。
③その後短歌は貴族社会への通行手形になったり、教養や嗜みになるのだが、正岡子規によって、表現という文学になる。
④文学となった短歌は、斎藤茂吉によって人生や境涯を載せうる形式にまでいたり、近代文学の姿勢や鑑賞のスタイルが完成する。
⑤戦後、筆をもたない、ボールペンや万年筆の若い達筆でない作家が、短歌に人生を載せること自体を疑問視しはじめ、それを敗戦のメンタリティと重ねたりして否定する。
⑥近代短歌を否定された歌人の若いいくつかの天才は、人生ではなくて思想、あるいは芸術を載せる器として短歌を作りかえる。
⑦戦後日本が経済的に成長したころ、突如恋人とサラダを食べた日を大事にする天才歌人が現れる。それまで和食を否定された日本人が高級懐石料理を復活させようとしてるのに、ハンバーガーと缶チューハイうまいよね、と歌うのである。
⑧そうすると歌人の結社にも変化が現れて、歌人たるもの、宴席で酒を飲んでケンカするのもよしとされた(宴会芸の原点回帰か)が、酒を飲めない人たちが、紅茶とケーキで、主食でなく、お菓子のような作品をパティシエのような繊細さで作り始めた。
⑨そして現在、短歌はコンビニの100円スイーツのように、どこにでもあり、決して不味くなく、見事に品質管理されているが、翌週には違うものが並び、それがまたうまいのだ。
⑩さあ、この時代に、どんな作品をつくろうか。フルコースか、ジャンクフードか、旅館の朝食か、なつかしい駄菓子か。梅干し弁当ばかり続けるか。そして、みんな味には飢えているが、お腹は空いていないのだ。
さらに。
①脱線で短歌史を書いちゃったんだけど、現在の短歌を考えると、筆記具とか文体のことも考えざるをえない。
②短歌って「うた」だから、本来は口語的であるはずなんだけど、それを写す道具は、かなり長い期間、筆であった。そうすると「うた」は筆に引っ張られて、口語と文語の中間的な位置に、はからずも置かれたんじゃないかという仮説を持っている。
③いわゆる言文一致運動は地の文における運動であったので、江戸末期から明治の文章でも、会話文などは意外と口語は誠実に写されていたりするし、江戸期の俳句がとても口語的なのに驚く人も多いだろう。
④なので、短歌は意外とそのスタートからさまざまな文体の入り混じった、おかしな一人称表現と言えるだろうし、歌人が文法を知らないみたいな本が出るのもむべなるかなという気もする。
⑤毛筆の筆が硬筆のペンに変わったとき、短歌はやっぱり変わったと思う。筆で〜〜なりけり、と書く心地よさを、ペンは提供できなかったんじゃないか。
⑥折口信夫は、女歌だったかを、言葉を流して、結句でえいっと締めあげて短歌にしてしまう、みたいな事を書いていたけど、これって、口語的な流れであると同時に、視覚的な、筆の動きでもあって、マス目のある紙ではちょっとイメージしにくいなと思う。
⑦翻って現在。現在は、もうペンも使わない。キーボードの上を五指をなびかせて、いや、なんなら親指だけで画面をフリックだ。
⑧照屋はかつてワープロ普及時に、自分の文体が変わる経験に驚き、書き言葉でも話し言葉でもなく、打ち言葉になっていく、と周囲に語ったが、現在では、もう、フリック、すなわち弾(はじ)き言葉と呼んでもいいかもしれない。
⑨で、やっと本題に戻る感じがしますが、弾き言葉らしさは、やはり、揮発性なのだと照屋は考えているフシがあって、それは、どこまで歴史に残すつもりなのかはっきりしない、正しくなくてもよい表現のあり方に見出せるのではないか、と思ったりしています。
⑩簡単に言うと、誤字脱字、てにをはの間違い、文のねじれ、これらの、校正のされてなさ、これをそのまま発表する慎重さの欠如、このあたりが弾き言葉の文芸表現のひとつの可能性なのかもな、と。
⑪「魚には涙腺なんて持たぬから」という言葉の間違い方には、漠然と、こういう、弾き言葉の揮発性が含められそうな気がして、この形にしているようです。改めて言葉にしてみると。
⑫いや、結局間違ってるんすよ。間違ってるし、会話で「持たぬ」って使わないんすよ。そしてそもそも、何かを伝えるのに短歌って最適解でもないんすよ。
それでもなにかしら一かたまりの文字が、文字を、ここに置いてみたいんですよね。
——
なにが"はじき言葉の揮発性"だ、揮発してるのはお前の文体維持能力やろ、という脳内指弾者の指摘にエヘヘと笑いながら、もうちょっと。
—-
「てにをは」っていうのは本当に恐ろしい表現のビス打ちみたいなもので、もうこれは毎回失敗してる。自分の表現でこれがビシッと決まった気持ちなんてしたことがないし、決まってる「てにをは」をみると本当に打ち抜かれる。
—-
短歌の「てにをは」とは実は関係ない話だけど、思い出すのは、学生の時分に読んでいた、岩波のレ・ミゼラブルだ。
——
そこでユゴーはドヤ顔で(ユゴーはドヤ顔作家で、下水道を調べたら下水道の歴史をさんざん書くし、ちょっと滝沢馬琴っぽい感じある)、祈祷、祈ることについて延々書くのだが、そこで「神を祈る」というフレーズがあるのよね。
——
打ち抜かれたよね。
「神に祈る」じゃなくて「神を祈る」とした瞬間に、祈るという動詞そのものが更新されて、深い行為であることが示されてしまう。ここから先に読み進められなくて、この言葉に数日間立ち止まったことを覚えている。
——
「てにをは」ってこえー、という話なんだけど、でもこれ、ユゴーの本意かどうかは微妙だよね。翻訳の問題かもしれないし。ただ直訳しただけだったり。
——
レミゼは、もう手元にないけど、時間があったらどっぷり読みたくなるよね。
今までの映画や芝居ではあまり描かれないけど、ジャンバルジャンの死の間際の描写がまたいいのよ。
——
あ、一番最近の映画は比較的よく描けていたと思うけど。ジャンバルジャンがもう、時代とか若さから完全に置き去られて、ミリエル司教と話をしたがるんだよね。
——
会話のコードが、もう亡くなった人にしか求められないという感じ。こういうの、なんでユゴーは書けるんだろう。
——
今書いていて、想起するのは、あれから毎日聴いている、デビッドボウイだよね。彼の声をいくら聴いても、聴き取るには年齢が足りない、ととても感じる。声は聴こえるけど、場所が見えない、というか。
魚には涙腺なんて持たぬから泣くわけないよ食われるときも/『魚』照屋沙流堂 #うたの日 #tanka http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=717b&id=37
——
文語と口語を混ぜて即興感を出すために照屋はしばしば文法や論理をおかしくするのだけど、冷静に指摘されると恥ずかしくなっちゃうね。
——
照屋の中にも、文法警察とリズム警察がいて、どんなに韻律が悪くてもてにをはがないと許せない場合や、韻律の前には意味すら通らなくてもいい場合がある。どうしたものやら。
そしてなぜか短歌史。
通勤中に短歌史を駆け抜けてみる。
①短歌って何かっていう歴史を考えると、やっぱりスタートは宴会芸のような気がする。あと労働歌。
②短歌がいつまでメロディを伴う"うた"だったのかという研究は誰かしてるかもしれないが、平安時代に恋のおしゃれツールだった頃はすでに紙に書いて送ってたから、黙読はできないにせよ、旋律意識よりは韻律の意識が上回っていたかもしれない。
③その後短歌は貴族社会への通行手形になったり、教養や嗜みになるのだが、正岡子規によって、表現という文学になる。
④文学となった短歌は、斎藤茂吉によって人生や境涯を載せうる形式にまでいたり、近代文学の姿勢や鑑賞のスタイルが完成する。
⑤戦後、筆をもたない、ボールペンや万年筆の若い達筆でない作家が、短歌に人生を載せること自体を疑問視しはじめ、それを敗戦のメンタリティと重ねたりして否定する。
⑥近代短歌を否定された歌人の若いいくつかの天才は、人生ではなくて思想、あるいは芸術を載せる器として短歌を作りかえる。
⑦戦後日本が経済的に成長したころ、突如恋人とサラダを食べた日を大事にする天才歌人が現れる。それまで和食を否定された日本人が高級懐石料理を復活させようとしてるのに、ハンバーガーと缶チューハイうまいよね、と歌うのである。
⑧そうすると歌人の結社にも変化が現れて、歌人たるもの、宴席で酒を飲んでケンカするのもよしとされた(宴会芸の原点回帰か)が、酒を飲めない人たちが、紅茶とケーキで、主食でなく、お菓子のような作品をパティシエのような繊細さで作り始めた。
⑨そして現在、短歌はコンビニの100円スイーツのように、どこにでもあり、決して不味くなく、見事に品質管理されているが、翌週には違うものが並び、それがまたうまいのだ。
⑩さあ、この時代に、どんな作品をつくろうか。フルコースか、ジャンクフードか、旅館の朝食か、なつかしい駄菓子か。梅干し弁当ばかり続けるか。そして、みんな味には飢えているが、お腹は空いていないのだ。
さらに。
①脱線で短歌史を書いちゃったんだけど、現在の短歌を考えると、筆記具とか文体のことも考えざるをえない。
②短歌って「うた」だから、本来は口語的であるはずなんだけど、それを写す道具は、かなり長い期間、筆であった。そうすると「うた」は筆に引っ張られて、口語と文語の中間的な位置に、はからずも置かれたんじゃないかという仮説を持っている。
③いわゆる言文一致運動は地の文における運動であったので、江戸末期から明治の文章でも、会話文などは意外と口語は誠実に写されていたりするし、江戸期の俳句がとても口語的なのに驚く人も多いだろう。
④なので、短歌は意外とそのスタートからさまざまな文体の入り混じった、おかしな一人称表現と言えるだろうし、歌人が文法を知らないみたいな本が出るのもむべなるかなという気もする。
⑤毛筆の筆が硬筆のペンに変わったとき、短歌はやっぱり変わったと思う。筆で〜〜なりけり、と書く心地よさを、ペンは提供できなかったんじゃないか。
⑥折口信夫は、女歌だったかを、言葉を流して、結句でえいっと締めあげて短歌にしてしまう、みたいな事を書いていたけど、これって、口語的な流れであると同時に、視覚的な、筆の動きでもあって、マス目のある紙ではちょっとイメージしにくいなと思う。
⑦翻って現在。現在は、もうペンも使わない。キーボードの上を五指をなびかせて、いや、なんなら親指だけで画面をフリックだ。
⑧照屋はかつてワープロ普及時に、自分の文体が変わる経験に驚き、書き言葉でも話し言葉でもなく、打ち言葉になっていく、と周囲に語ったが、現在では、もう、フリック、すなわち弾(はじ)き言葉と呼んでもいいかもしれない。
⑨で、やっと本題に戻る感じがしますが、弾き言葉らしさは、やはり、揮発性なのだと照屋は考えているフシがあって、それは、どこまで歴史に残すつもりなのかはっきりしない、正しくなくてもよい表現のあり方に見出せるのではないか、と思ったりしています。
⑩簡単に言うと、誤字脱字、てにをはの間違い、文のねじれ、これらの、校正のされてなさ、これをそのまま発表する慎重さの欠如、このあたりが弾き言葉の文芸表現のひとつの可能性なのかもな、と。
⑪「魚には涙腺なんて持たぬから」という言葉の間違い方には、漠然と、こういう、弾き言葉の揮発性が含められそうな気がして、この形にしているようです。改めて言葉にしてみると。
⑫いや、結局間違ってるんすよ。間違ってるし、会話で「持たぬ」って使わないんすよ。そしてそもそも、何かを伝えるのに短歌って最適解でもないんすよ。
それでもなにかしら一かたまりの文字が、文字を、ここに置いてみたいんですよね。
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なにが"はじき言葉の揮発性"だ、揮発してるのはお前の文体維持能力やろ、という脳内指弾者の指摘にエヘヘと笑いながら、もうちょっと。
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「てにをは」っていうのは本当に恐ろしい表現のビス打ちみたいなもので、もうこれは毎回失敗してる。自分の表現でこれがビシッと決まった気持ちなんてしたことがないし、決まってる「てにをは」をみると本当に打ち抜かれる。
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短歌の「てにをは」とは実は関係ない話だけど、思い出すのは、学生の時分に読んでいた、岩波のレ・ミゼラブルだ。
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そこでユゴーはドヤ顔で(ユゴーはドヤ顔作家で、下水道を調べたら下水道の歴史をさんざん書くし、ちょっと滝沢馬琴っぽい感じある)、祈祷、祈ることについて延々書くのだが、そこで「神を祈る」というフレーズがあるのよね。
——
打ち抜かれたよね。
「神に祈る」じゃなくて「神を祈る」とした瞬間に、祈るという動詞そのものが更新されて、深い行為であることが示されてしまう。ここから先に読み進められなくて、この言葉に数日間立ち止まったことを覚えている。
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「てにをは」ってこえー、という話なんだけど、でもこれ、ユゴーの本意かどうかは微妙だよね。翻訳の問題かもしれないし。ただ直訳しただけだったり。
——
レミゼは、もう手元にないけど、時間があったらどっぷり読みたくなるよね。
今までの映画や芝居ではあまり描かれないけど、ジャンバルジャンの死の間際の描写がまたいいのよ。
——
あ、一番最近の映画は比較的よく描けていたと思うけど。ジャンバルジャンがもう、時代とか若さから完全に置き去られて、ミリエル司教と話をしたがるんだよね。
——
会話のコードが、もう亡くなった人にしか求められないという感じ。こういうの、なんでユゴーは書けるんだろう。
——
今書いていて、想起するのは、あれから毎日聴いている、デビッドボウイだよね。彼の声をいくら聴いても、聴き取るには年齢が足りない、ととても感じる。声は聴こえるけど、場所が見えない、というか。
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