2017年1月8日日曜日

2016年12月うたの日自作品と雑感。

新年あけまして、の挨拶はもうしたか。
今年の正月休みも、土日が入っていて、あまり長くなかったものの、すぐに連休が入っているので、ありがたいことです。

新年だから、というわけではないですが、新しい短歌、ということを考えてみる。新しい短歌、とは何でしょうか。初めて発表する作品は、ことごとく新しい(new)ですが、ここでいうのは、brand-new、いや、英語にするとちょっと自分もよくわからないのでやめよう、今までになく、それでいて、短歌としての本質がずれていないもの、でありましょう。
見たことがない表現や、いち早く流行語を取り入れたようなものも、新しいと言われがちですが、そういう新しさではない新しさ。(なんだかジョブズのプレゼンみたいになってきた。オールニューディザ〜イン)

それって、往年の<私性>論議でいうならば、新しい<私性>の創出がなされたとき、新しい短歌になるのかもしれない。

年を取ると、若い人が理解不能になってゆくのが人の常だが、じゃあ結局新しさとは"若さ"なのだろうか。
また、ネットの歌会などを見ていると、どうも、想定される<私性>の違いが、読みの評価につながっているようなところもあって、新しさとは"場"なのだろうか。
どちらもでもあるような気もするし、それだけではないような気もする。

自選など。

「半濁音」
半濁音の頻度の高い宇宙人、なのにどうしてこんな見た目か

 ※宇宙人に会うのは年々難しくなりそうだが、最初に会った彼(あるいは彼女)を、らしさのモデルケースにするのだろうか。

「自由詠」
ハムスターが回し車を走る夢覚めて回し車を走るハムスター

 ※胡蝶の夢という話があるが、現実も夢も同じならば、どちらが夢と確定できるのだろう。

「玄関」
玄関のドアに何かが掛けられて警戒しつつ見ればせんべい

「ブラジャー」
エビ天の衣ばっかり大きくて初めてきみに会った時のブ

「澱」
冬の夜の底方(そこい)に白い澱(おり)が降る冬眠できぬわれらはさみし

「劇」
この劇で私は籠の中の鳥たのしいけれどいつ終わるんだ?

「温」
冬に冷たく夏に熱めの便座野郎がこのビルにいるお前はなぜだ

「銀河鉄道」
しょうがない銀河鉄道なんだから行き先違いの永遠(とわ)なる別れ

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」
アンドゥルル、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、短歌になるか!

「猿」
「左から、振り返らザル、悔やまザル、俯かザル、です」「わかりにくいよ」

「大晦日」
大晦日誰にも会わず考えるゴリラのような時間のように

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