2017年1月7日土曜日

2016年12月うたの日自作品の31首

「冬」
懐メロの英語の題がカタカナと中黒で書かれいるような冬

「AI」
衰えてゆく父の背を眺めつつ優しい気持ちになれよAI

「我慢」
突風はついには我慢できなくて俺にわざわざぶつかり昇る

「もみあげ」
もみあげよ決してお前のせいでない右より左が長くなるのは

「大学」
大学に来れなくなった後輩と格闘ゲームで負け続けおり

「蜂」
巣の場所がまたわからなくなりました最期に8の字に踊ろうか

「半濁音」
半濁音の頻度の高い宇宙人、なのにどうしてこんな見た目か

「布団」
お布団に電光パンチこの技は使う方にもダメージがある

「チョップ」
その気持ちに名前があると知らないでお気に入りのぬいぐるみをチョップ

「自由詠」
ハムスターが回し車を走る夢覚めて回し車を走るハムスター

「鳴」
川沿いをけもののように自転車で走る悲鳴は人間のもの

「玄関」
玄関のドアに何かが掛けられて警戒しつつ見ればせんべい

「残念」
おそろいの残念賞のストラップちぎれてしまうあなたをさがす

「姫」
東八の姫だった過去忘れられゴミ問題の西山議員

「ブラジャー」
エビ天の衣ばっかり大きくて初めてきみに会った時のブ

「銀」
年を降れば自動でそうなるわけでなく年降りてシルバーなる笑顔

「股」
褒めようとしてくれているAIの「小股が切れてますね」は惜しい

「反省」
定期的なリセットとして浴槽でがぱがばと言う反省の弁

「澱」
冬の夜の底方(そこい)に白い澱(おり)が降る冬眠できぬわれらはさみし

「劇」
この劇で私は籠の中の鳥たのしいけれどいつ終わるんだ?

「プリン」
分かりやすいおわびのプリンの分かりやすさ最後はそれも許せなかった

「インターネット」
インターネットのスイッチ切ってたましいがちゃんと戻れば愛しあえるのよ

「温」
冬に冷たく夏に熱めの便座野郎がこのビルにいるお前はなぜだ

「銀河鉄道」
しょうがない銀河鉄道なんだから行き先違いの永遠(とわ)なる別れ

「せん」
付喪神にはまだまだ及びもしませんが千日でこうもこじれた想い

「うたの日あるある」
会ったことも性別もよく分からないあなたの歌はらしくて好きだ

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」
アンドゥルル、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、短歌になるか!

「末」
商店に祭りばやしがもう流れ世も末ならぬ年末である

「猿」
「左から、振り返らザル、悔やまザル、俯かザル、です」「わかりにくいよ」

「ピカソ」
印象派からの流れを人類は再考しようピカソの前で

「大晦日」
大晦日誰にも会わず考えるゴリラのような時間のように

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