2020年6月17日水曜日

ふらくた連枝6「透明人間の」の巻

ふらくた連枝6「透明人間の」の巻

寿々多実果・・・多実果
照屋沙流堂・・・沙流
くらげただよう・・・洋
袴田朱夏・・・朱夏
小澤ほのか・・・ほのか

1 砂が浮かび上がらせる透明人間の輪郭
多実果

2 泣いていたのは誰も知らない
沙流

3 ここだけは雨の降らない日曜日

4 探偵事務所のある古いビル
沙流

5 浮気調査をしに行く俺も浮気して
朱夏

6 ゾロゾロのゴロゴロのボロボロ
沙流

7 どんぐりはいつでもコロコロ転がって
ほのか

8 だまし絵みたいに終わりがこない
多実果

9 エッシャーの展覧会に行けなくて

10 タイムマシンを拾って帰る
沙流

11 恐竜の絶滅した日知りたくて

12 ハンドボールで弾丸シュート
沙流

13 キーパーは止めた記憶をなくしても
朱夏

14 差別にみえれば怒る観客
沙流

15 首の皮一枚多い首相には
朱夏

16 俺より本物っぽい影武者
沙流

17 キャッツアイにアイシャドウつけ燃え上がる
朱夏

18 きれいなままじゃ愛になれない
沙流

19 正義とは離れたところに愛はあり
多実果

20 ふたり足跡浜辺に残す

ふらくた連枝5「あなたに贈る」の巻

ふらくた連枝5「あなたに贈る」の巻

小澤ほのか・・・ほのか
袴田朱夏・・・朱夏
照屋沙流堂・・・沙流
寿々多実果・・・多実果
くらげただよう・・・洋

1 ネズミ花火をあなたに贈る
ほのか

2 お気持ちだけいただきますと紳士は去る
朱夏

3 カラダ目当ての流れだったよねお互いに
沙流

4 愛に気づくのはずっとあとから
多実果

5 暖炉の火弱まりながら夜しずか
沙流

6 冬のお日様寝坊続いて

7 雪道には幾本の自転車のすじ元気
沙流

8 右の手袋生き別れても

9 5年後の春ひょっこりと照れ笑い
沙流

10 デロリアンには頼らなくても
朱夏

11 ここではないどこかではない抱きしめる
沙流

12 写真の色があせては来たが思い出だけは譲れない

13 盆踊り 振り返るまでのきみの気配
沙流

14 夏の香りをまとって宵に

15 馬跳びタイヤに座ってファンタ回し飲み
沙流

16 ぶどう色に染まった舌であかんべー
多実果

17 本当に言いたいことは言葉にならず

18 子供じゃないって言って、終わった
沙流

19 はくちょう座いっしょに探す人を探して

20 知っていますかおしりにデネブ
朱夏

2020年6月9日火曜日

ふらくた連枝4「さびしさはいつも」の巻

ふらくた連枝4「さびしさはいつも」の巻

照屋沙流堂・・・沙流
袴田朱夏・・・朱夏
くらげただよう・・・洋
寿々多実果・・・多実果
小澤ほのか・・・ほのか

1 さびしさはいつも字足らずなのに
沙流

2 押しつぶすタイプの正義が闊歩
朱夏

3 ごめんなさいの大安売りで

4 ありがとうが言えなくなっていく
多実果

5 これ以上世界が正しくなっちゃって
沙流

6 真夏をふさぐ白マスク

7 街にはフリー素材のイラストばかり
多実果

8 顔があるようでない人の体温
朱夏

9 社会的距離取って取られて君の背中を追いかける

10 横目で見ながら食べるあんみつ
ほのか

11 人前で怒るのを見るの懐かしいね
沙流

12 雷神様の太鼓を鳴らす

13 豆の木を雲から下りて手がみどり
沙流

14 樹を叩き切るチェーンソーとは
ほのか

15 13日の金曜日しか動かない

16 コインランドリーの一番奥の
朱夏

17 花火特集の雑誌にいまだ胸いたみ
沙流

ほのか

19 使ったら無くなるものが使えない
沙流

20 暫定のゴールテープを追い抜いて

2020年6月5日金曜日

ふらくた連枝3「大事です」の巻

ふらくた連枝3「大事です」の巻

袴田朱夏・・・朱夏
くらげただよう・・・洋
照屋沙流堂・・・沙流
寿々多実果・・・多実果
小澤ほのか・・・ほのか

1 インプットよりアウトプットが大事です
朱夏

2 どうしても五七五に収まらぬ

沙流

4 ホコリ飛ばしスプレーの缶の中は風
沙流

多実果

6 人格だけは彼にもあって
ほのか

7 バーチャルな結婚式場予約する

8 社会学者は仕事のために
朱夏

9 なんとかペイばかりで財布を持たぬまま
多実果

10 画面一面派手なアイコン

11 太陽系第三惑星はまだぶくぶくとうるさいし
沙流

12 しかし宇宙は泡構造で
朱夏

13 ディスコの中でバブル弾ける

14 飛沫はすべて踏み付けられてもうたまりません
朱夏

15 振り下ろされた鞭は風切りデフレという名のスパイラル

16 「全員が貧しい社会」主義を夢みて
沙流

17 革命しないマルクス主義に

18 月明かりに屋上で振る20面ダイス
沙流

19 丁でも半でも答えはひとつ

20 アウトプットが多すぎた日に
沙流

ふらくた連枝2「堕天の薔薇」の巻

ふらくた連枝2「堕天の薔薇」の巻

くらげただよう・・・洋
袴田朱夏・・・朱夏
照屋沙流堂・・・沙流
小澤ほのか・・・ほのか

1 にじむ血で書く答案用紙

2 どこにも着地できない言葉で述べよ
朱夏

3 空に落ちそうなほどのブランコ
沙流

4 アルプスに少女の声がこだまする

5 UPSIDE-DOWN 雨が押しのけた記憶
朱夏

6 落ちゆく月は堕天使の血に染められて

7 その日のうちに丁寧に洗う器具も余韻も
沙流

8 卯の花腐しは全てを洗い流す
ほのか

9 一面の青空には夏が広がる

10 昼下がりくずきり餅の大脱出(エクソダス)
沙流

11 宇宙食くらいにはなりたい
朱夏

12 たけのこのご飯を食べるかぐや姫

13 「私はアジアバージョンなので」
沙流

14 炊かれたおこげは外せないです
ほのか

15 レモン色の丸いやかんの麦茶冷たくうれしくて
沙流

16 あてたおでこが白くなりけり
朱夏

17 熱はないから起きてゼリーを食べてもいい?
沙流

18 殺害予告の地図のあぶりだし
沙流

19 マッチしかない、いや、スルメイカはある
朱夏

20 つかのまミスチル聴く祖国にて
沙流

ふらくた連枝1「薔薇のとげ」の巻

ふらくた連枝1「薔薇のとげ」の巻

照屋沙流堂・・・沙流
くらげただよう・・・洋
寿々多実果・・・多実果
袴田朱夏・・・朱夏
小澤ほのか・・・ほのか

1 薔薇のとげ愛してからの人類史
沙流


3 正解に辿り着くのは枠のそと
多実果

4 二馬身半を差し込んでくる
沙流

5 春風と橋をくぐった先にある
朱夏

6 金のオブジェをうんち?と訊いた
多実果

朱夏

8 オレオレ詐欺の優しい電話
沙流

9 タカシくん私の話に付き合って
ほのか

10 ひなげしの赤はらりと散って

11 バイパス道路がこの町の時を止めてゆく
沙流

12 不思議な車に追い越されながら
朱夏

13 「赤ちゃんがのっています」の車の後ろで
多実果

14 蝶々の舞うキャベツ畑は

15 旅人が手を合わせてからかぶりつく
沙流

16 桃の中から太郎の悲鳴
ほのか

17 太陽の塔と都庁が光りだし
沙流

18 奈良の大仏無言貫く夜つづく

19 おにぎりが落ちた穴には入れない
朱夏

20 外の世界は夏そして夏

2020年5月17日日曜日

#ふらくた連句10

ふらくた連句「今宵は雨に」の巻

照屋沙流堂・・・沙流
野原豆・・・豆
袴田朱夏・・・朱夏
くらげただよう・・・洋
寿々多実果・・・多実果
小澤ほのか・・・ほのか
石川聡・・・聡

1 おぼろなり今宵は雨に散るさくら
沙流

2 涙を拭い踏み出す一歩

3 帽子は忘れたけどくれてやる
沙流

4 しゃらしゃらと葉を揺らす雨嫋やかに

5 また来年も春に逢いたい

6 狼は丘に立ちて、のち去る
沙流

7 蝙蝠の群れて一家は夕焼けに
朱夏

8 シチューのような窓の明るさ
沙流

9 回さずにじっと眺める月球儀

10 あなたの見ているほうが裏です
朱夏

11 着るときに表にしろと畳む服
多実果

12 雨ふるまえの部屋のしずけさ
沙流

13 夏燕飛びゆく空に雲はなく
ほのか

14 アスファルトより黒々と影

15 すりむいたひざの分だけ少年は
朱夏

16 濤乱刃なる小刀かくす

17 「おいそこの顔を見せない配送員!」
沙流

18 「これが素顔」とのっぺらぼうは

19 ペッパー君が甲高い声であやまって
沙流

20 繰り返されるオンライン飲み

21 白いマスクにU字への字の口を書き
多実果

22 同僚の死を占っている
朱夏

23 77度の焼酎売りだされ春暖

24 チューリップらは首を失う

25 拾うのは薔薇の援軍赤母衣衆

26 足りぬ足りぬと九尾の狐

27 心臓がいくつあっても死は一度
沙流

28 銀の弾丸込めてかまえる

29 座禅する師匠の背中壁のごとく
沙流

30 崩されるのは無実の豆腐

31 祖母山も切羽も詰まる頃なれど

32 実家暮らしの姫の退屈
沙流

33 手すさびにレースなんかを編んでみる
ほのか

34 終焉までの橙の日々
朱夏

35 もうリンゴ食べ飽きたなとアダム、エヴァ

36 あばら骨から矢じりをつくる

37 マンモスの倒れた時の地の響き
沙流

38 かき消してゆくヒトの雄叫び

39 本日も正義の感染者が増えて
沙流

40 日が沈んでくインカ帝国

41 ものうげなアルパカの耳が笛を聞き
沙流

42 長いまつげが微かに揺れる
多実果

43 五月雨の檻に囲まれ夜が来る

44 置き時計には横顔の月
沙流

45 豆苗の二度萌え激し月眠る

46 白南風の尾を掴めぬままで

47 狐には化かされまくりのお爺さん
ほのか

48 宇宙に向かってひとりにこにこ
沙流

49 素麺が流れ続ける天の川

50 誰にも見えぬむらさきの糸
朱夏

51 ひっぱってくれたらついていきたいよ
沙流

52 くじ引き引いて残念賞を

53 君と会うさだめにあった僕たちは
ほのか

54 季節の中で殴りあってる

55 夕焼けに響き渡った笑い声

56 砂はねてゆく濡れたサンダル
沙流

57 思い出はテトラポットの向こう側
沙流

58 未練の砂を時計に詰める

59 白髪でも伸びていきますあなたまで
朱夏

60 浦島太郎の眉の小筆で

61 筆ペンのインクが切れて墨を磨り
多実果

62 試し書きほど上手いあるある
沙流

63 話すことはないし切れない長電話
沙流

64 地球の裏はいつもブラジル
沙流

65 翻訳を関西弁にしたき顔
沙流

66 げに柔らかきたこ焼きソース
沙流

67 小麦粉がなく片栗粉買い占める

68 とろみが足りぬ世論のために
沙流

69 固まってネイルアートになる光
朱夏

70 ホタル捉える合掌の手で

71 お勤めのりんの響きが消えてから
多実果

72 開眼すれば脳漿の澄む
朱夏

73 去年今年繋ぐ棒きれ百八つ

74 PPAPのおれはどのP
沙流

75 ドロンパの視線の先にふわふわと

76 ペロリンキャンディのぐるぐるピンク
沙流

77 点Pが仲間を呼んで合体し
朱夏

78 海わたる蝶のはるばる紙ふぶき
沙流

79 天を数える単位を問えばもう冬で
朱夏

80 ベテルギウスが燃え尽きてゆく

81 恒星の起こす爆発予想して
ほのか

82 ロングシュートをねらうキャプテン
沙流

83 翼があれば岬までゆく

84 それまでは顔面ブロック石の崎にて
朱夏

85 日向の道を行ったり来たり

86 すれ違う長い渡り廊下で
沙流

87 友達にパロスペシャルをかけられて
沙流

88 「悪かったよ」と牛丼店へ
ほのか

89 我がスネに七つの傷がきざまれる

90 世紀末まであと八十年
朱夏

91 その頃はほぼほぼすでに死んでいる
沙流

92 百トンハンマー振り回されて

93 XYZと書き込むSNS
朱夏

94 伝言板を探す毎日
ほのか

95 お宝は三人姉妹の予告状
沙流

96 猫の瞳は夜中にひかる

97 いつまでもカリオストロの城にいて
朱夏

98 散る花びらは心を盗む

99 夕闇に花ぬすびとを見逃して
多実果

100 願い叶える星を集める