今年も残りひと月となりましたが、ま、12月というのはおまけのようなものとして、のんびりまいりましょう。
このところ、ツイッターでは、「名刺代わりの自選3首」というタグがあって、みなさん、自選の3首を挙げておられます。で、どれもみな、非常にいい作品で、これはちょっと重要な事実なんじゃないかと考えています。
というのも、歴史上から現在までの歌人を並べても、有名な歌人といっても、数首の名作があれば、それはもう立派な歌人じゃないかと思うわけです。逆に10首以上そらんじる作品を作った歌人なんて、どれだけいるのかとも思います。まあ、私は全然短歌を、自他ともに覚えていないのですが。
万葉集には、その歌一首だけで、名前が残っている人もいますからね。それ以外、まったく何もわからない人。いや、そんなことを言えば、詠み人知らずは、名前もわからない。
短歌は、どういう形になりたがっているのだろうか。
自選など。
「四面楚歌」
虞や虞やときみにしなだれかかってももうすぐドラマが始まる時間
「勢」
うれしさを勢いに代え散歩前につい噛みついて怒られて犬
「ホーホーホッホー」
この仕事ホーホーホッホー続けてもきみのおとうさホーホーホッホー
「やばい」
みんなには内緒やけどな魔貫光殺砲ウチな、ちょっと出るねん
「麦」
麦を食う生き物のいない惑星で麦はもの憂げなる繁茂せり
「ペン」
痛いところをそのペン先は突いてくるもうひと突きで赤いのが出る
「そこから1300m向こうの歌」
年の差が七光年もあるからねこんな距離なら平気で歩く
「メロン」
お見舞いのメロンの周りのキラキラの紙そうめんを姪っ子にあげる
「胃」
口論の勝利のあとも怯えてる胃袋にさ湯、言い過ぎたかも
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