2017年12月1日金曜日

2017年10月うたの日の自作品31首。

「ドングリ」
新しい話でなくていいですよ「ドングリとドングラ」なんてちょっと気になる

「街」
かつて住んだ街が新たに栄えいてわれの歩むは追憶の街

「島」
手紙には「心は君と共にある」、孤島の鬼になりきれぬのだ

「老」
昔話ではない玉手箱がありもう一つ目は開けてしまった

「四面楚歌」
虞や虞やときみにしなだれかかってももうすぐドラマが始まる時間

「菱」
洋梨のような香りの日本酒は「見返り美人」に房総を酔う

「勢」
うれしさを勢いに代え散歩前につい噛みついて怒られて犬

「ホーホーホッホー」
この仕事ホーホーホッホー続けてもきみのおとうさホーホーホッホー

「秒」
にじゅうびょう、いち、に、後手「今度箱根の星野リゾートはどう?」

「自由詠」
スイッチが目の前にある切り替わるのが何か知らないのに押してみる

「やばい」
みんなには内緒やけどな魔貫光殺砲ウチな、ちょっと出るねん

「肩」
肩で押されて彼女に話しかけたのだそのスマホいい割れ方だねえ

「麦」
麦を食う生き物のいない惑星で麦はもの憂げなる繁茂せり

「ペン」
痛いところをそのペン先は突いてくるもうひと突きで赤いのが出る

「好きなおかず」
マルシンのハンバーグがあればいいと言う改めて食べて、変わらぬ味だ

「顔色」
これからも顔色をうかがいながら生きてけそうな公約をさがす

「従」
「⋯⋯従って私はきみが好きである」「わたしはそういうところが、ゴメン」

「豊」
アウェーって呼ぶ前はなんて言ったっけ? 日産ディーラー豊田市支店

「応」
「応答セヨ。イシヤキイモからモンブラン。帰宅」「了解。ザッ。ショウガヤキ」

「布」
仕えたる楽しき記憶過去として董卓を己が手で刺して呂布

「そこから1300m向こうの歌」
年の差が七光年もあるからねこんな距離なら平気で歩く

「メロン」
お見舞いのメロンの周りのキラキラの紙そうめんを姪っ子にあげる

「芋煮会」
寒き日の河川敷にてあたたかき湯気の醤油(か味噌)の香うれし

「情熱」
失ってからが情熱、武蔵野の林をあるく泣いてはいない

「アロエ」
来世にはアロエになるのも悪くない有用性もほどほどにして

「冴」
水鏡のおもて冴え冴えしき朝の冴えない顔よ、あしたもそうか

「喪」
神さまの子どもぴょんぴょん楽しげに数えておりぬ喪ったものを

「胃」
口論の勝利のあとも怯えてる胃袋にさ湯、言い過ぎたかも

「踊」
人間は踊りながらは泣けないからやってみたら? ってやると思うか

「天使」
ブランコで天使の悩みを聞いている絵としてはオレの方がやばいが

「変」
いつからか変な感じの自分対自分の環境、行くか逃げるか

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