2017年9月9日土曜日

2015年07月の作品と雑感。

自分の過去作品をまとめるのも億劫になっている。ただでさえ2年前の作品なのに。

先日太陽フレアの話題があったけど(なんか振り返ったら変な句つくっててわろた)、ネットの情報は、やはりいつか消える。保存っていうことを考えると、紙、木、石、と、硬いものにしていくべきだ。とりわけ日本は、紙の質がよいので、歴史史料を多く残してきた国だ。建物は燃えてなくなることが多かったけれども。紙、そして墨、これは強い保存手段だよね。

自選など。

休日の昼下がりの湯、このまんまおわってしまってよくなくなくね?

鈴のようにグラスの氷鳴らしつつ階段で飲む透明の芋

ひるがえり乗り込む電車、我の背に銃口のようにスマホが当たる

甘えたる言葉を言いて後頭に頭を寄せてピンが当たるも

わが私史にくしゃみが増えてゆくこととその大きなる声を記さず

雨に濡れサーバが運びこまれゆくドナドナのような気持ちもなくて

サバイバーズギルトかもしれぬ自己卑下をやまなく降れる雨として見る

ああカラス朝の袋のそばに立ち愛でられるなく生きようとする

不本意な死に方のほか何がある電車のカーブにみな傾(かたぶ)きぬ

王道のかたちのやがて見えるころなかばを過ぎていることも知り

画家は目を音楽家なら耳を病み人を目指せば人間を病む

若き男の口の息嗅ぎ血気という言葉をおもう妬みもありぬ

四十過ぎて変態でない男など緑の見えぬ景色の窓は

空間をむさぼり走る馬の列をわれの娯楽を離れて見おり

口語の人が緩く文語に変わりゆくわかき時にはせぬ顔をして

限りなく意味を求めていたのです東北に煙のぼるを、みつつ

何欲であろうか満員電車にて夕刊フジをルーペで読むは

母親は息子にできた恋人をイヤなタイプと言わないでおく

別の拍に心臓が狂う夢をみて身体は死にたくないことを知る

人生にあと一度ほど残された転向と呼んでいい岐路のこと

高学年男子は宇宙が好きである母の女に少し飽きれば

楽をしてもっと甘えてずるずるとズルくあらんか、人間のきみ

ちょっと奥にきゅうりの花が咲いていて黄色いそれにも注ぐものみゆ

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