ほんとうは終わって欲しくないのかも生死の葛藤というわが青
出会いって基本は誤解のことだから左官みたいな笑顔すんなよ
世の中の秘密を秘密のままにしてまた来るような終わりむつかし
うたうのだみんなシャラララみなウォウオ、最終電車でわれら殿(しんがり)
底で闇で零で黒なるうたびとの負のちからプラスにいたれかし
胴体を草が貫きたる鳥がわれを慕ってくる夢かなし
正しさが試されている、にんまりと枇杷色の歯を見せる老婆に
忘れられる権利さておき千年前のテンションたかき恋歌を読む
身体から毒を出したらすっきりとするというおぞましき空想
東京は圧倒的で若き日に東京に負けた悔しさが、へっ
ビジネス支援モードをOFFにし忘れてきみとのバランスシートが浮かぶ
いつになれば変わりたくなるその時に変わりたくない自分を措いて
歌が上手い歌手がだんだんビブラートがうわずってゆくあわれなりけり
冷めているゴーヤチャンプルそぼそぼと見解がもう合わないにがみ
球体では妄想しにくいことだけど裏の地球にきみはいるかな
人間(じんかん)が人間(にんげん)になりぼくたちは愛を0だと勘違いする
人の命を預かるときにおぼろげに偉大さという地平がみえて
それは目に見えねば言葉を網にしてひっかかるまで投げるしかない
釜玉に続いてぶっかけ小を食い寝る夢はついヤマタノオロチ
貧すればどんどん鈍してわが指も一本くらい食べて困らぬ
ウイルスかウィルスかビールかヴァイラスかどれでもよいが具合が悪い
離反者も弟子の振りする、フリスクをかじりつつ途中まで言わせとく
テトリスの埋め損ないの顔をしてゲームオーバーまで消えられぬ
ほんとうの歌をいくほど残すだろう体裁のよき歌の背後に
寝る前にこれ今生の別れとぞ涙ながしてすっきりと寝る
ぶよぶよの大地を生きる民としてステップは苦手手振りは得意
おでこから搔き上げてかぶる水泳帽、25メートル泳げた自信
1tと書かれたハンマー振りおろすようなしぐさに驚いている
スライムを倒すだけなら魔王の世は終わらぬし経験値もしょぼい
人間に生まれ変われるつもりかいメイクアメリカグレートアゲイン
この店の料理がとてもうまいのよ隣の駐車場におうけど
生き物は最後は耳になるらしき声をきければゆけるとおもう
透明なあやとりをつづけていたよ不在になったきみの番まで
深夜いっせい死者よみがえりくるごとく歌人のボットが並びはじめる
報いへの期待のせいで識らずしらず堕ちてゆく木にかかる風船
美人あつかいされた自慢は(わかったよ//知ってるよ)あときみまろのCD返せ
死ぬ日まで空を仰いで、弾圧のない現代詩にない空の青
振り返るきみに笑まざるわれなりき大事なことは一瞬なのに
空の青うみのあお海の中のブルー青鮫の青ざめざる一世(ひとよ)
さびしいと深夜ツイートするきみのオレじゃないので笑みつつスルー
舞台裏から声は電波のごとくきてどの声を聞く受信器われは
ムーンリバーが流れてきみといたのです年をとったら泣くんだろうな
親父は喜び母は悲しむ一日(ひとひ)なり出家の決意述べてしまえば
近づけば差異は広がる、1ミリの思想の崖にとまどうわれは
踏み込めば極楽になる一歩とはあのあたりかな、会社へむかう
チョコレート以前以後にて人類は強くなったしズルくもなった
バタフライエフェクトとして今きみの微笑みが遠い吾をがんばらす
ありがとうもう梅が咲いてくれている枝ばかりなるけさのわたしに
王朝はつね永遠の夢を見る火種を赤き水で消しつつ
誰もみなたった特別になりたくて自分の名前は逆からも言える
ほとんどの人にはあまり意味のない点灯夫今日も灯りをともす
今回はぼくが短歌をすり抜けるはずだったのに奴がうなぎだ
わがうちに白野弁十郎がいてそろそろ記憶が薄らぐところ
武満徹と山下達郎の音楽が好きっていうのは音楽だけか
人類のいない野原で猫も鳥も一瞬かれらの夢をみるなり
十代の呼び方でふたり会っていて弱音にならぬ言葉すくなし
幼児用椅子に描かれたミッフィーのやぶけて黄色いスポンジが出る
甲子園がきらいな彼は短歌甲子園をいやがりながら気になる
ブルーナの陶器のような鳥の絵があなたの部屋にあるとうれしい
稲荷橋のバス停できみはバスを待つさつきの涙はさっきで終わり
偉大なる私利なき権力者のためにかわいいナイトキャップあるべし
北へ向かう魂やよし、問題は魂を運ぶ乗り物がない
知らざればググりてお助けおじさんの好意と善意は敗(ま)けゆくことを
あの川はどこだったっけ舗道にて亀が楽観的だが急ぐ
簡単に書いたものゆえ簡単に残らないのかもう消せらせら
どちらかが足りなかったということじゃないんだ、別れのあとのメールに
ニアレストデュティ(手近な義務)がつまり人生でその他はだれかの夢のまぼろ
正確な正方形で鋭すぎずなめらか過ぎぬむらのない色
短歌ってなんだったんか、きみと始めてきみいなき世にいななく一首
戦争はたとへば愛の行き詰まゐゐぢやなくてゑゑうまく言へないんだらう
20世紀ドイツメルヘン読んでいるメンヘルの妙に似合うゴスロリ
草の中もぞもぞ動きすっきりと風呂上がりみたいに汚れて犬よ
固まって構えてわれを見つめたる野良猫よ、そう、われらは敵だ
腹見せて浮かぶ魚が捨てられた「花壇」にただよう生臭き香は
色黒の手首に白いGショックして色恋のくだらぬ少女
短歌とはメフィストフェレス=むく犬のマルガレーテが引き上げるまでの
宇宙人と仲良くしよう地球には狂った奴らばっかりだから
火力発電ですら皇居に作るかよ塚本さんも時々イタい
夜のドライブ真っ黒な田舎に灯(とも)る二階都会に出たくて学んでいるか
プレミアムフライやで〜ってもうすでにほくそ笑んでるオカンが見える
一応は乗るねんけども値が下がる一日ずれた頃にオカンは
歌をうたい雲をながめて町を渡る来訪神に迎えびとなく
信念を貫くことにとても似て長生きは馬脚のはじまり
死をえらぶ日の案の定美しい世界だけども騙されないよ
地上から黒きごつごつ割り出でてその末端につつましき白
インド煮とオランダ煮あと肉じゃがのどれが食べたい? 笑顔で彼女
人間は未来になんて進めないくるくるぐるぐる生きているだけ
脳内に惑星がある、しばらくはランデブーする軌跡がうれし
ひとり抜けふたり抜けいつかしづかなるタイムラインよ、夜ひらく梅
魔王にはヒューマニズムが一滴の毒となり角を漏るるワイン
背景にゴジラを重ねおくだけで街がセットになってしまえり
徒手空拳ではなく素振り、そのようなチョップがいつか胸まで届く
森内と東浩紀のモーフィングの途中のようなおっす、石橋
ここでいまテレビを流し向かい合い食事をしている、深い意味がある
往年の国民作家は笑むときに労働者めく吉川英治
この星は5国の力に営まれ平和主義とは下位の概念
人間を信じるという冒険を空あおき今朝またはじめるか
良し悪しはじゃあ投票で決めましょう一票よりも二票のが良し
#都々逸
人の評価は気にするなって書き込んだあと「イイね」待ち
#川柳
えほー巻き
心の準備が
パピプペポ
#パロディ短歌
人間よおれはいわゆる動物のうんこだ話しかけんでくれよ
この味がいいねときみが言ったから2月14日もサラダ記念日
絶唱にちかき一首を書きとめつ階下突然カレーのにほひ
#かしくらゆうがやらかしそうだ
あやかしというにはどうもセクシーでかしくらゆうがやらかしそうだ
#ちょこたん
チョコフォンデュの海に飛びこみ甘酸っぱいきみとほろ苦いぼく、やな夢だ
新宿駅を歩く人らよ格差とは胃の腑でいまだ溶けざるチョコだ
社内便でこういうものを送るなよわざわざ「義理」に訂正印押して
23:59までこばむなよ濃い愛に負けてもたれたれども
#ぼくらは絶えず苦悩に生きてる
下の句は二足歩行の足みたいぼくらは絶えず苦悩に生きてる
#ラーメンについて西村曜さんと
麺類は人類が好き、掛けられて昇華してゆくときの恍惚
シルクロードを隊商(キャラバン)がゆく、足跡のように小麦を伸ばし延ばして
高次元の存在にわれはすすられて加速してゆく、どこへでもゆけ
刺すか刺されるかもしくはすすらるか、カフカ書かれふか城は白いか
麺類史四千年をすすりいる人類のその腹のわたつみ
麺類の誘惑まさに巻きつかれ苦しむ夢を見たんだ昨夜
そのたうり、われらはいのる麺類をラーメン、右手を軽く掲げて
きみのからだマッサージして夢中にて人類を麺類にするとこだった
#ブラタンカ
野良ブラは生意気だけど選ぶのだ飼い主をそのちょうどの幸(さち)を
#乗っ取りLINEについてtoijimaさんと
ほんたうにそれは友達? もしかして恋人なのか(ポジティブ過ぎだ)
ポジティブもネガティヴも既読スルーしてあとから一枚モルディブの海
#つかまえられずただ見つめてる
つかまえたらもう君のこと見ないから
つかまえられずただ見つめてる
#俳句
茂吉忌に知己にもち吉持ち寄りき
#原理主義川柳
エキスパンダー曲げても戻る原理主義
原理主義のバージョンアップ追いつかず
原理主義に養成されて魔球投ぐ
現実を原理に曲げてストレート
ゲーデルも論破できるさ原理主義
原理主義は川柳でなく春の季語
2019年2月9日土曜日
2018年4月22日日曜日
2018年02月うたの日自選と雑感。
暑くなりまして、体調など崩されてませんでしょうか。犬のように舌を出してハァハァすると、少しは暑さも、別に皮膚呼吸できますので和らいだりしませんけども、犬のような気分にはなれます。
ツイッターのMac用のクライアントが、正規のものが終了したので、夜フクロウというのを使い始めましたが、やはりいまいち使い勝手が(カスタマイズすればよいのかもしれませんが)よくなくて、あまりタイムラインを見ておりません。iPhoneのツイッターでも、ハイライトくらいしか最近は見れていませんので、悪口を書かれても、見つかったりしないかもしれません。でも、そういうのほどよく見つかったりするのは、インターフェースあるあるかもしれません。そんな言葉ないか。
でも、タイムラインの様子、ちょっとずつ、変わっていってるなあ、と思います。
自選など。
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
ツイッターのMac用のクライアントが、正規のものが終了したので、夜フクロウというのを使い始めましたが、やはりいまいち使い勝手が(カスタマイズすればよいのかもしれませんが)よくなくて、あまりタイムラインを見ておりません。iPhoneのツイッターでも、ハイライトくらいしか最近は見れていませんので、悪口を書かれても、見つかったりしないかもしれません。でも、そういうのほどよく見つかったりするのは、インターフェースあるあるかもしれません。そんな言葉ないか。
でも、タイムラインの様子、ちょっとずつ、変わっていってるなあ、と思います。
自選など。
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
2018年4月8日日曜日
2018年02月うたの日自作品28首。
「因数分解」
苺とチョコを買ってきたけど因数分解するからスポンジ生地ばかり俺
「忍」
「忍法! 後ろ向き」それなら勝てる「忍法、内向き」は強かった
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「夕日」
今日だけのぼくに夕日よ人間の痛みは明日はどんな赤色
「繊細」
表現の繊細を身につけました「うんち」じゃなくて「うんこ」だったと
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「鮪」
陸地にはどんな世界があるだろう餌が勝手に回りくるかも
「並」
なみなみと涙ながして並木道ぼくらは実に月並みだなァ
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「三人称」
目と声にこぼれてしまう私と彼女の正体合わざることが
「医師」
窓外の鈍色の空を眺めいる医師は眠たいだけかも知れず
「キムチ」
発音がキンチのままの在日の娘がパッチム(終声)をわれに教わる
「好きな人」
コンビニのスイーツ4個、O・ヘンリーっぽいねと笑い2個ずつ食べる
「迎」
来迎は左から来てザビエルはどっちの方を見上げてたっけ?
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「率」
十日連続カレーが続く確率の悟りは開いたけどまた閉じた
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「沢庵」
月面の畑でとれた大根の沢庵漬けを母の土産に
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「超」
寒い時にアイスもおいしいんだけれどスーパーカップはやりすぎだった
「不安」
アスファルトの下の冷たい土の層が地球のことをやや不安です
「明」
いろいろな場所で何かと戦っていた過去がつぎつぎ明るみに出る
「引」
現金なわたしたちだよ白い身が湯引きされたらもうおいしそう
「バス停」
つぎつぎとバスならぬものがやってくるバス停、待つ側ではつまらない
「台」
台所に少しテレビを傾けるおおかた聞いているだけですが
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
苺とチョコを買ってきたけど因数分解するからスポンジ生地ばかり俺
「忍」
「忍法! 後ろ向き」それなら勝てる「忍法、内向き」は強かった
「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて
「夕日」
今日だけのぼくに夕日よ人間の痛みは明日はどんな赤色
「繊細」
表現の繊細を身につけました「うんち」じゃなくて「うんこ」だったと
「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)
「鮪」
陸地にはどんな世界があるだろう餌が勝手に回りくるかも
「並」
なみなみと涙ながして並木道ぼくらは実に月並みだなァ
「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに
「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる
「三人称」
目と声にこぼれてしまう私と彼女の正体合わざることが
「医師」
窓外の鈍色の空を眺めいる医師は眠たいだけかも知れず
「キムチ」
発音がキンチのままの在日の娘がパッチム(終声)をわれに教わる
「好きな人」
コンビニのスイーツ4個、O・ヘンリーっぽいねと笑い2個ずつ食べる
「迎」
来迎は左から来てザビエルはどっちの方を見上げてたっけ?
「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で
「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ
「率」
十日連続カレーが続く確率の悟りは開いたけどまた閉じた
「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う
「沢庵」
月面の畑でとれた大根の沢庵漬けを母の土産に
「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲
「超」
寒い時にアイスもおいしいんだけれどスーパーカップはやりすぎだった
「不安」
アスファルトの下の冷たい土の層が地球のことをやや不安です
「明」
いろいろな場所で何かと戦っていた過去がつぎつぎ明るみに出る
「引」
現金なわたしたちだよ白い身が湯引きされたらもうおいしそう
「バス停」
つぎつぎとバスならぬものがやってくるバス停、待つ側ではつまらない
「台」
台所に少しテレビを傾けるおおかた聞いているだけですが
「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった
2018年4月7日土曜日
2016年02月の自選と雑感。
四月、に、何かをはじめたくなるのは、春が持っている力なのだろうか。それとも、年度が新しいという、数字の力なのだろうか。
これが正月だったりすると、あんな寒い日に、気持ちがあらたまるわけないから、あれは数字の力だ。
そのように考えると、四月が、4なのに新しい気持ちになるのは、純然たる春の力かもしれない。
まあ、何もはじめてないんだけどね。あ、ちょっとゲーム買ったな。
自選。
底流がさびしさなのだと気づいたらもう君の詩はぜんぶさびしき
これが正月だったりすると、あんな寒い日に、気持ちがあらたまるわけないから、あれは数字の力だ。
そのように考えると、四月が、4なのに新しい気持ちになるのは、純然たる春の力かもしれない。
まあ、何もはじめてないんだけどね。あ、ちょっとゲーム買ったな。
自選。
底流がさびしさなのだと気づいたらもう君の詩はぜんぶさびしき
湯の上を湯気がすべってゆくを見る6階あたりの露天にわれは
憎まれて去るのもよけれ、目の前で指まわす前に逃げるとんぼよ
失恋のつらいところぞ階段のどの足音もお前が来たる
病棟の白さにも慣れそうすると白というのもカラフルである
ワイン飲みパスタを食えばつくづくとイタリア人に生まれて、ないか
夕闇のダンプの下に猫がいて警戒を解くことなかりけり
気象庁があとで梅雨入り宣言をするようにシンギュラリティ過ぎぬ
先祖代々溺死の業を背負いつつつるっと明るく泳ぐイルカは
このままの孤独でいいか、ケトルには魚眼の部屋に男がひとり
お祈りのあとのコーラがほんとうに美味しかったと懐かしむきみ
ぼくを忘れて体も朽ちて霊だけになって今でも待ちたる猫よ
バッハばかり聴いていた日々破れたるフェンスの向こうに18世紀
悲しみは食卓にさめたたまご焼きを箸でそぼっと割りたるところ
貴様のような差別主義者の検閲屋は<censored>して<censored>しろ
ムーミンに侵食された雑貨屋のまとめて買わねばひとつも買わず
2018年4月1日日曜日
2016年02月の59首。と、うたの人の1首。パロディもろもろ。
詩心と狂気の違い若き日は確かに見抜けていたはずだった
底流がさびしさなのだと気づいたらもう君の詩はぜんぶさびしき
愛情は思わずにじみでるもんて、トマトジュースを飲むおやじギャグ
供養とは指を燃やすということの字義どおりなる絵に浸りいつ
すみません本日ハンバーグを作る手ごね機械が壊れてまして
湯の上を湯気がすべってゆくを見る6階あたりの露天にわれは
憎まれて去るのもよけれ、目の前で指まわす前に逃げるとんぼよ
人間が酔うためになんと手軽なる飲み物として酒はあるかも
失恋のつらいところぞ階段のどの足音もお前が来たる
真剣に遊ぶ息子を見下ろして父は祈りの、木の、燃えるほど
柱にもたれる斜めの女が好きという男の話を楽しく聴けり
病棟の白さにも慣れそうすると白というのもカラフルである
スーパーでジョンデンバーがかかるから地平に沈む陽(ひ)がふと見たき
ワイン飲みパスタを食えばつくづくとイタリア人に生まれて、ないか
夕闇のダンプの下に猫がいて警戒を解くことなかりけり
気象庁があとで梅雨入り宣言をするようにシンギュラリティ過ぎぬ
先祖代々溺死の業を背負いつつつるっと明るく泳ぐイルカは
山はがが海はとうとういにしへのあるいは未来の国土をゆけり
地に光なき頃の夜カルデア人もおそれたるかも星という火を
帰り際に冗談っぽく地獄には堕ちんなよって言うのがやっと
賞味期限が切れたからチョコラBBを毎日食べている水なしで
くちばしも含めてきみが好きだよとくちばしを撫づ、感覚なくも
終わりとも始まりだとも言えそうなこれからのことをふたり見ており
このままの孤独でいいか、ケトルには魚眼の部屋に男がひとり
いいことのうしろに悪い事がいて気づいて振り返ってもうしろ
ロボットに引き継ぎをはやく済ませたきDNAが今日もがんばる
家でひとりペットが思うわが生の過半はあるいはほとんどを待つ
一日を終わらせられぬ若者がインソムニアと言う残念な
お祈りのあとのコーラがほんとうに美味しかったと懐かしむきみ
こころなしか下弦はいつも通り過ぎもう細い月ばかりとわれは
二階窓が開(あ)いてて部屋の天井がみえる君が寝るときにみる
ぼくを忘れて体も朽ちて霊だけになって今でも待ちたる猫よ
この店の裏にびっしり、人生は前向きに強く生きねばならぬ
逃げる夢に息あらく覚めもっと広い人のいる方へ次は行かねば
ひっそりと短歌をだけを考えてそのクラスタに暮らしてますた
笑顔って筋肉なのか、筋トレで引き締めるようにさいわい鍛(きた)う
どこか遠くでバッハのパルティータが流れ廊下の奥を曲がりゆきたし
新聞の時代小説も閨事(ねやごと)かいくさが描かれるまで眠し
ツイッターのなくなる未来はじめからなかったようなこの空間(ストレージ)
語りえぬ知見をもちて人に会えば語りえぬのにわかる人いて
文学もぼくをやさしく置いて行く海に背を向け海へと流る
バッハばかり聴いていた日々破れたるフェンスの向こうに18世紀
どのように生きる命に育ててもよそ見する子のふと他人めく
大き字の葉書の人よ自分より長生きする字かもしれぬゆえ
用事なき帰郷なるゆえちちははの幼少の地を歩いていたり
悲しみは食卓にさめたたまご焼きを箸でそぼっと割りたるところ
野良猫にエサやる人が現れて猫が鳴きだす隣家が怒る
死にゆくをながめておれば死後という継続をきっと信じたくなる
動物に罪はないのに人だけが朝からこんな暗い顔して
ひらたくてこげめがついているようなつめたいたまご焼きのおもいで
貴様のような差別主義者の検閲屋は<censored>して<censored>しろ
きみのずっとなやみくらやみつかまえて照らせばちょっと違うらしいし
白菜の花が黄色く咲き誇る畑の人のいなくなりしか
ムーミンに侵食された雑貨屋のまとめて買わねばひとつも買わず
学問に逃げゆくきみの長い影踏み押さえるがあぁ伸びてゆく
年頭にきみについては壽保千春を念じてありぬ、から大丈夫
愛情は時間でおくれ、手の中で撫でられてまだ気が済まぬなる
白瑠璃のうつわはにぶく発光すおどろく視線たくわえた果てに
大口でがっつくときになんとなくスローモーションの演出をする
#うたの人「ツッコミ」
えんえんとボケとツッコミ浮かびゆくフキダシの中に告白もあり
#パロディ自由律
分身しても一人
分け入っても分け入っても青い海
うしろすがたでググられゆくか
いれものがないゴム手でマジうける
#パロディ俳句
三月の水戸納豆のぶぼぼぼぼ
万緑の中や俺の歯入れ替わる
#パロディ短歌
ふるさとの訛り変わらぬ友といてこのモカコーヒーたんげ甘ぐね
底流がさびしさなのだと気づいたらもう君の詩はぜんぶさびしき
愛情は思わずにじみでるもんて、トマトジュースを飲むおやじギャグ
供養とは指を燃やすということの字義どおりなる絵に浸りいつ
すみません本日ハンバーグを作る手ごね機械が壊れてまして
湯の上を湯気がすべってゆくを見る6階あたりの露天にわれは
憎まれて去るのもよけれ、目の前で指まわす前に逃げるとんぼよ
人間が酔うためになんと手軽なる飲み物として酒はあるかも
失恋のつらいところぞ階段のどの足音もお前が来たる
真剣に遊ぶ息子を見下ろして父は祈りの、木の、燃えるほど
柱にもたれる斜めの女が好きという男の話を楽しく聴けり
病棟の白さにも慣れそうすると白というのもカラフルである
スーパーでジョンデンバーがかかるから地平に沈む陽(ひ)がふと見たき
ワイン飲みパスタを食えばつくづくとイタリア人に生まれて、ないか
夕闇のダンプの下に猫がいて警戒を解くことなかりけり
気象庁があとで梅雨入り宣言をするようにシンギュラリティ過ぎぬ
先祖代々溺死の業を背負いつつつるっと明るく泳ぐイルカは
山はがが海はとうとういにしへのあるいは未来の国土をゆけり
地に光なき頃の夜カルデア人もおそれたるかも星という火を
帰り際に冗談っぽく地獄には堕ちんなよって言うのがやっと
賞味期限が切れたからチョコラBBを毎日食べている水なしで
くちばしも含めてきみが好きだよとくちばしを撫づ、感覚なくも
終わりとも始まりだとも言えそうなこれからのことをふたり見ており
このままの孤独でいいか、ケトルには魚眼の部屋に男がひとり
いいことのうしろに悪い事がいて気づいて振り返ってもうしろ
ロボットに引き継ぎをはやく済ませたきDNAが今日もがんばる
家でひとりペットが思うわが生の過半はあるいはほとんどを待つ
一日を終わらせられぬ若者がインソムニアと言う残念な
お祈りのあとのコーラがほんとうに美味しかったと懐かしむきみ
こころなしか下弦はいつも通り過ぎもう細い月ばかりとわれは
二階窓が開(あ)いてて部屋の天井がみえる君が寝るときにみる
ぼくを忘れて体も朽ちて霊だけになって今でも待ちたる猫よ
この店の裏にびっしり、人生は前向きに強く生きねばならぬ
逃げる夢に息あらく覚めもっと広い人のいる方へ次は行かねば
ひっそりと短歌をだけを考えてそのクラスタに暮らしてますた
笑顔って筋肉なのか、筋トレで引き締めるようにさいわい鍛(きた)う
どこか遠くでバッハのパルティータが流れ廊下の奥を曲がりゆきたし
新聞の時代小説も閨事(ねやごと)かいくさが描かれるまで眠し
ツイッターのなくなる未来はじめからなかったようなこの空間(ストレージ)
語りえぬ知見をもちて人に会えば語りえぬのにわかる人いて
文学もぼくをやさしく置いて行く海に背を向け海へと流る
バッハばかり聴いていた日々破れたるフェンスの向こうに18世紀
どのように生きる命に育ててもよそ見する子のふと他人めく
大き字の葉書の人よ自分より長生きする字かもしれぬゆえ
用事なき帰郷なるゆえちちははの幼少の地を歩いていたり
悲しみは食卓にさめたたまご焼きを箸でそぼっと割りたるところ
野良猫にエサやる人が現れて猫が鳴きだす隣家が怒る
死にゆくをながめておれば死後という継続をきっと信じたくなる
動物に罪はないのに人だけが朝からこんな暗い顔して
ひらたくてこげめがついているようなつめたいたまご焼きのおもいで
貴様のような差別主義者の検閲屋は<censored>して<censored>しろ
きみのずっとなやみくらやみつかまえて照らせばちょっと違うらしいし
白菜の花が黄色く咲き誇る畑の人のいなくなりしか
ムーミンに侵食された雑貨屋のまとめて買わねばひとつも買わず
学問に逃げゆくきみの長い影踏み押さえるがあぁ伸びてゆく
年頭にきみについては壽保千春を念じてありぬ、から大丈夫
愛情は時間でおくれ、手の中で撫でられてまだ気が済まぬなる
白瑠璃のうつわはにぶく発光すおどろく視線たくわえた果てに
大口でがっつくときになんとなくスローモーションの演出をする
#うたの人「ツッコミ」
えんえんとボケとツッコミ浮かびゆくフキダシの中に告白もあり
#パロディ自由律
分身しても一人
分け入っても分け入っても青い海
うしろすがたでググられゆくか
いれものがないゴム手でマジうける
#パロディ俳句
三月の水戸納豆のぶぼぼぼぼ
万緑の中や俺の歯入れ替わる
#パロディ短歌
ふるさとの訛り変わらぬ友といてこのモカコーヒーたんげ甘ぐね
2017年3月12日日曜日
2017年02月うたの日自選と雑感。
歌会をやると、選のあとに作者が自分の作品について述べる時間があって(ないところもあるだろうが)、それを解題(かいだい)と呼んだりする。
最近になって知ったのだが、この解題は、地方によって好まれたり好まれなかったりするらしい。なんでも、関西はあまりしない傾向、東京はわりとする傾向があるとか。ほんまかいな。(そして他の地方はどうだろう?)
わからなくはない。関西は、ネタばらし、というか、自分の笑いどころを自分で説明するのがとても野暮にみえるのだろう。
たぶんこれは、短歌の独立性と自意識の比重が生み出す現象なんだろう。
解題のレイヤをほどくと、いくつかのレベルグラデーションがあるように思う。
1、その歌の背景となった出来事や、気持ちを語りたい場合。
2、自分がうたいたいことが、ちゃんと表現出来ているかどうかの技術検証。
3、自分のねらいはともかく、この歌が到着している地点はどこかを共に考えたいケース。
4、独立した短歌表現として、作者の立場を離れて批評するスタンス
短歌を語るときによく将棋をテルヤは持ち出すのだが、解題というのは、将棋の感想戦に似ている。勝ち負けはあるものの、よりよき将棋を指すために、ここはどう指すべきだったか、この時に何を考えていたか、を語りあうあのシーンは、将棋文化の実はいちばんカッコイイところだと思うが、それはさておき。
だから、感想戦で、自分がどんなにこの将棋に勝ちたかったか、どういう勝ち方をしたかったか、というのを力説するのは、やっぱり野暮な場合はある。さりとて、ここのこの一手はどういう狙いで? と訊ねても、ご想像におまかせします、ばっかりだと、それもそっけない場合がある。
盤上の駒の結果がすべてだ、作者の意図なんか雑音だ、という考えも、あることはあるんだけどね。
表現って、自分の一部を切り取って見せる行為だから、やっぱり自意識はあるし、負けて感想戦するような脳の心肺停止状態から防衛したくはなるんだよね。
(これ書いたあと、自選ってやりにくいぞ)
自選。
「蟹」
われわれの祖先が蟹でなくたって右か左についかたよるよ
「福」
マンサクの花が咲いたらもういないあの老人は福の神かも
「昔話」
100年後昔話になるために宝を集めておこうぜ友よ
「宇宙」
カウンターにいつもの宇宙人がいて宇宙の愚痴が長い金曜
「ピクルス」
われがまだまったきピクルスになる前にビンの中より見る無情の世
「起」
起きてるよ話もちゃんと聞いてるよ⋯⋯、⋯⋯、ひよこ。(ひよこ?)
「サーカス」
サーカスの帰り途(みち)なんとぼくたちはドラムロームのない生を生(い)く
「甥/姪」
遅刻ばかりしている姪の通学のコースは鶏(とり)、犬、犬、窓の猫
「くじら」
肺呼吸で海に棲む業の引き換えに死後鯨骨は宇宙となりぬ
「そっと」
20万年そっと彼らを見ていたがあと10万年様子をみよう
「牛」
世間的にはしずかで優しい彼だけど牛の顔していることがある
「タンバリン」
チキチキチャ、チキチキチャリチャ、きみの部屋会社で嫌なことがある日の
最近になって知ったのだが、この解題は、地方によって好まれたり好まれなかったりするらしい。なんでも、関西はあまりしない傾向、東京はわりとする傾向があるとか。ほんまかいな。(そして他の地方はどうだろう?)
わからなくはない。関西は、ネタばらし、というか、自分の笑いどころを自分で説明するのがとても野暮にみえるのだろう。
たぶんこれは、短歌の独立性と自意識の比重が生み出す現象なんだろう。
解題のレイヤをほどくと、いくつかのレベルグラデーションがあるように思う。
1、その歌の背景となった出来事や、気持ちを語りたい場合。
2、自分がうたいたいことが、ちゃんと表現出来ているかどうかの技術検証。
3、自分のねらいはともかく、この歌が到着している地点はどこかを共に考えたいケース。
4、独立した短歌表現として、作者の立場を離れて批評するスタンス
短歌を語るときによく将棋をテルヤは持ち出すのだが、解題というのは、将棋の感想戦に似ている。勝ち負けはあるものの、よりよき将棋を指すために、ここはどう指すべきだったか、この時に何を考えていたか、を語りあうあのシーンは、将棋文化の実はいちばんカッコイイところだと思うが、それはさておき。
だから、感想戦で、自分がどんなにこの将棋に勝ちたかったか、どういう勝ち方をしたかったか、というのを力説するのは、やっぱり野暮な場合はある。さりとて、ここのこの一手はどういう狙いで? と訊ねても、ご想像におまかせします、ばっかりだと、それもそっけない場合がある。
盤上の駒の結果がすべてだ、作者の意図なんか雑音だ、という考えも、あることはあるんだけどね。
表現って、自分の一部を切り取って見せる行為だから、やっぱり自意識はあるし、負けて感想戦するような脳の心肺停止状態から防衛したくはなるんだよね。
(これ書いたあと、自選ってやりにくいぞ)
自選。
「蟹」
われわれの祖先が蟹でなくたって右か左についかたよるよ
「福」
マンサクの花が咲いたらもういないあの老人は福の神かも
「昔話」
100年後昔話になるために宝を集めておこうぜ友よ
「宇宙」
カウンターにいつもの宇宙人がいて宇宙の愚痴が長い金曜
「ピクルス」
われがまだまったきピクルスになる前にビンの中より見る無情の世
「起」
起きてるよ話もちゃんと聞いてるよ⋯⋯、⋯⋯、ひよこ。(ひよこ?)
「サーカス」
サーカスの帰り途(みち)なんとぼくたちはドラムロームのない生を生(い)く
「甥/姪」
遅刻ばかりしている姪の通学のコースは鶏(とり)、犬、犬、窓の猫
「くじら」
肺呼吸で海に棲む業の引き換えに死後鯨骨は宇宙となりぬ
「そっと」
20万年そっと彼らを見ていたがあと10万年様子をみよう
「牛」
世間的にはしずかで優しい彼だけど牛の顔していることがある
「タンバリン」
チキチキチャ、チキチキチャリチャ、きみの部屋会社で嫌なことがある日の
2017年02月うたの日自作品の28首
「蟹」
われわれの祖先が蟹でなくたって右か左についかたよるよ
「二」
人類が隠れたような朝だった、もう二度と無視を誤魔化すものか
「福」
マンサクの花が咲いたらもういないあの老人は福の神かも
「昔話」
100年後昔話になるために宝を集めておこうぜ友よ
「宇宙」
カウンターにいつもの宇宙人がいて宇宙の愚痴が長い金曜
「続」
AIの代返機能使わずに(?)二人のやりとりえんえん続く
「積」
かなしみがわれのジェンガを抜いてゆきけっこうすごいスカスカよほら
「腰」
腰から下がキャタピラのロボを選ぶのでごっこ遊びも案の定不利
「ピクルス」
われがまだまったきピクルスになる前にビンの中より見る無情の世
「自由詠」
屈託のガジュマルなれど本土では少し寒くて屏風になれぬ
「起」
起きてるよ話もちゃんと聞いてるよ⋯⋯、⋯⋯、ひよこ。(ひよこ?)
「サーカス」
サーカスの帰り途(みち)なんとぼくたちはドラムロームのない生を生(い)く
「甥/姪」
遅刻ばかりしている姪の通学のコースは鶏(とり)、犬、犬、窓の猫
「キス」
最後のはキスというより口づけというより接吻だったふたりは
「北海道」
山の幸から海の幸まで一本道の美しい人を拒みたる景
「告白」
言ひ分ぢやあ人殺しには殺人を描けるわけだ。⋯⋯實を言ふとね、
「ルビ」
声に出して読むくせに漢字読めなくてそのたびにわれはどうもルビおです
「ダンス」
えじゃないかええじゃないかとこの先もはじまるだろう、隠れて踊れ
「くじら」
肺呼吸で海に棲む業の引き換えに死後鯨骨は宇宙となりぬ
「抱」
抱きにけり、東京駅の改札のさわやかな見送りの予定が
「任」
責任ときみは言うけどトランポリンみたいなものよ、それとも落とす?
「そっと」
20万年そっと彼らを見ていたがあと10万年様子をみよう
「古」
フィラデルフィアの中華街なんか来た日には言わずにいれぬ古豆腐屋と
「柱」
⋯⋯なんか、意識があるぞ解体前に大黒柱でなくなるわれに
「牛」
世間的にはしずかで優しい彼だけど牛の顔していることがある
「焦」
戦ったから深まった人生のまだ先があるけど焦らない
「タンバリン」
チキチキチャ、チキチキチャリチャ、きみの部屋会社で嫌なことがある日の
「インフルエンザ」
インフルで無念だ不実なる恋の報いのごときこの発熱が
われわれの祖先が蟹でなくたって右か左についかたよるよ
「二」
人類が隠れたような朝だった、もう二度と無視を誤魔化すものか
「福」
マンサクの花が咲いたらもういないあの老人は福の神かも
「昔話」
100年後昔話になるために宝を集めておこうぜ友よ
「宇宙」
カウンターにいつもの宇宙人がいて宇宙の愚痴が長い金曜
「続」
AIの代返機能使わずに(?)二人のやりとりえんえん続く
「積」
かなしみがわれのジェンガを抜いてゆきけっこうすごいスカスカよほら
「腰」
腰から下がキャタピラのロボを選ぶのでごっこ遊びも案の定不利
「ピクルス」
われがまだまったきピクルスになる前にビンの中より見る無情の世
「自由詠」
屈託のガジュマルなれど本土では少し寒くて屏風になれぬ
「起」
起きてるよ話もちゃんと聞いてるよ⋯⋯、⋯⋯、ひよこ。(ひよこ?)
「サーカス」
サーカスの帰り途(みち)なんとぼくたちはドラムロームのない生を生(い)く
「甥/姪」
遅刻ばかりしている姪の通学のコースは鶏(とり)、犬、犬、窓の猫
「キス」
最後のはキスというより口づけというより接吻だったふたりは
「北海道」
山の幸から海の幸まで一本道の美しい人を拒みたる景
「告白」
言ひ分ぢやあ人殺しには殺人を描けるわけだ。⋯⋯實を言ふとね、
「ルビ」
声に出して読むくせに漢字読めなくてそのたびにわれはどうもルビおです
「ダンス」
えじゃないかええじゃないかとこの先もはじまるだろう、隠れて踊れ
「くじら」
肺呼吸で海に棲む業の引き換えに死後鯨骨は宇宙となりぬ
「抱」
抱きにけり、東京駅の改札のさわやかな見送りの予定が
「任」
責任ときみは言うけどトランポリンみたいなものよ、それとも落とす?
「そっと」
20万年そっと彼らを見ていたがあと10万年様子をみよう
「古」
フィラデルフィアの中華街なんか来た日には言わずにいれぬ古豆腐屋と
「柱」
⋯⋯なんか、意識があるぞ解体前に大黒柱でなくなるわれに
「牛」
世間的にはしずかで優しい彼だけど牛の顔していることがある
「焦」
戦ったから深まった人生のまだ先があるけど焦らない
「タンバリン」
チキチキチャ、チキチキチャリチャ、きみの部屋会社で嫌なことがある日の
「インフルエンザ」
インフルで無念だ不実なる恋の報いのごときこの発熱が
2017年3月5日日曜日
2015年02月作品と雑感。
馬の骨、という言葉は、煮ても焼いても食えない、出汁にもならない、というところから来ているそうだが、検索するとあるみたいね、馬骨の出汁。
短歌というのを、けっきょく、どこに落ち着かせたいのか、なのだろうね。目的というか、ゴールというのか。
芸術の本質の一つに、永遠性への希求、というのがあるのは確かで、この瞬間を、永遠たらしめたい、という気持ちから生まれる。それは、景色だったり、感情であったり。
芸術の本質論まで遡ると、話が長くなるな。やめよう。
短歌のゴールは、この気持ちを書き留めたい、みたいなところから、忘我させる表現に出会って、自分もうまくなってそういうのを作りたい、とか、それを褒められたい、とか、そういう忘我を提供したい、とか、短歌のかたちで自分を表現したいとか、自分を残したい、とか、あらゆる事象を定型にする挑戦に取り組みたいとか、真実や救いのようなものと向き合いたいとか、定型表現そのものの幅を広げていきたいとか、誰もしたことのない表現を作りたいとか、この表現が生み出す場で、人とつながりたい、とか、他にやることがない、とか。
ツイッターで書くわけだから、見せたくないってことではない。表現はすべて承認欲求という考えかたもあるけれども、承認されるかどうか、反応をみたい、というのもあるようだ。現在地を知りたい、という欲求。これは、ちょっと承認欲求と違う。
先日、歌会の得票はポピュリズムだと書いたが、もっと以前には公約数だと書いてもいて、いまそれは中央値(メジアン)を知る行為なのかな、とも思う。
山登りで言うと、ガチで数千メートル級の山をクライミングしたい人と、何合目かまで車で上がって、その辺を散歩したい人もいて、そういう感じに短歌のゴールもある。
自分がどこにいて、どのゴールを行くつもりなのか。他の人はどこにいて、どのゴールを目指しているんだろう。
自選など。
人間のごみを集めてあたたかきミノムシの蓑をずっと見ている
歩くとき詩は涌きやすく足裏(あなうら)にそういうつぼがあるのだヒトは
笹紅をあげたき人であったよと言ってからそんな気をもっていた
人界の苦労を忘れ工場の裏の畑で花を笑む母
時間では心は年をとらざれば心ならざるものばかり老(ふ)く
新しいもの建つために壊れゆき壊されていく側から見おり
人間の入れぬデッドスペースで足突き出して猫がくつろぐ
人間一匹食っていけないことなんてないのだ闇は一寸の先
あまりにも悲しい夢は思い出せずやさしき脳が隠しておりぬ
あのように目を当ていれば男とは一年くらい狂うていたる
どのように生きてもいいと言われたらつらいな、水から遠いスイセン
酔いたればトイレが近くこの国にひろく立小便せしか忠敬
ぎこちないフォームでえいっ遠投す、目的観の低さが不幸
背を反って首かたむけて見つめたる君の景色を時々おもう
子のあらば外から帰りくるたびにかお包みたし耳珠(じじゅ)に触れつつ
悔しいがげんこつを目に当てて泣くそんなしぐさをするわけにいかず
じゃがいもが湯でほどけゆくそれまでにいやその後で大事な話
生きるとはかたちが変わることなので裸体の傷の君たしかなる
この場所をリーフィーアイランドと呼ぼう観葉の鉢数個だけれど
公園の低いベンチは流れゆく時間から少し離れて在らん
きはちすが君の背丈を残しつつ君を失う夢をみていた
とこしなえに名の残ることなきわれに今年の梅が咲きそめている
短歌というのを、けっきょく、どこに落ち着かせたいのか、なのだろうね。目的というか、ゴールというのか。
芸術の本質の一つに、永遠性への希求、というのがあるのは確かで、この瞬間を、永遠たらしめたい、という気持ちから生まれる。それは、景色だったり、感情であったり。
芸術の本質論まで遡ると、話が長くなるな。やめよう。
短歌のゴールは、この気持ちを書き留めたい、みたいなところから、忘我させる表現に出会って、自分もうまくなってそういうのを作りたい、とか、それを褒められたい、とか、そういう忘我を提供したい、とか、短歌のかたちで自分を表現したいとか、自分を残したい、とか、あらゆる事象を定型にする挑戦に取り組みたいとか、真実や救いのようなものと向き合いたいとか、定型表現そのものの幅を広げていきたいとか、誰もしたことのない表現を作りたいとか、この表現が生み出す場で、人とつながりたい、とか、他にやることがない、とか。
ツイッターで書くわけだから、見せたくないってことではない。表現はすべて承認欲求という考えかたもあるけれども、承認されるかどうか、反応をみたい、というのもあるようだ。現在地を知りたい、という欲求。これは、ちょっと承認欲求と違う。
先日、歌会の得票はポピュリズムだと書いたが、もっと以前には公約数だと書いてもいて、いまそれは中央値(メジアン)を知る行為なのかな、とも思う。
山登りで言うと、ガチで数千メートル級の山をクライミングしたい人と、何合目かまで車で上がって、その辺を散歩したい人もいて、そういう感じに短歌のゴールもある。
自分がどこにいて、どのゴールを行くつもりなのか。他の人はどこにいて、どのゴールを目指しているんだろう。
自選など。
人間のごみを集めてあたたかきミノムシの蓑をずっと見ている
歩くとき詩は涌きやすく足裏(あなうら)にそういうつぼがあるのだヒトは
笹紅をあげたき人であったよと言ってからそんな気をもっていた
人界の苦労を忘れ工場の裏の畑で花を笑む母
時間では心は年をとらざれば心ならざるものばかり老(ふ)く
新しいもの建つために壊れゆき壊されていく側から見おり
人間の入れぬデッドスペースで足突き出して猫がくつろぐ
人間一匹食っていけないことなんてないのだ闇は一寸の先
あまりにも悲しい夢は思い出せずやさしき脳が隠しておりぬ
あのように目を当ていれば男とは一年くらい狂うていたる
どのように生きてもいいと言われたらつらいな、水から遠いスイセン
酔いたればトイレが近くこの国にひろく立小便せしか忠敬
ぎこちないフォームでえいっ遠投す、目的観の低さが不幸
背を反って首かたむけて見つめたる君の景色を時々おもう
子のあらば外から帰りくるたびにかお包みたし耳珠(じじゅ)に触れつつ
悔しいがげんこつを目に当てて泣くそんなしぐさをするわけにいかず
じゃがいもが湯でほどけゆくそれまでにいやその後で大事な話
生きるとはかたちが変わることなので裸体の傷の君たしかなる
この場所をリーフィーアイランドと呼ぼう観葉の鉢数個だけれど
公園の低いベンチは流れゆく時間から少し離れて在らん
きはちすが君の背丈を残しつつ君を失う夢をみていた
とこしなえに名の残ることなきわれに今年の梅が咲きそめている
2017年3月4日土曜日
2015年02月の56首
人間のごみを集めてあたたかきミノムシの蓑をずっと見ている
青空の奥にたしかにある闇の遠のくべきか近寄るべきか
オリオンと2時間歩く彼の狙う弓の向こうに敵はおらねど
歩くとき詩は涌きやすく足裏(あなうら)にそういうつぼがあるのだヒトは
冷蔵庫にシールの台紙留められてこの家に春の祭りはきたる
高価なるもの身につけてレイヤーを変えてもきみの手にとまる鳥
忘れられていくほど眠り深からんその群青で死を拭いつつ
笹紅をあげたき人であったよと言ってからそんな気をもっていた
海を行くわが身にあらねプレヤデス星団の数を、目を確認す
「紛争はトップ同士がゼスチャーで争うとする」有志連合
法悦とうことばを知らず語りいて知らぬゆえ時にひどくかがやく
知名度は危険の保証、無名なる詩に目留(と)めるは地の見えぬ叢(むら)
死にさうな野良猫が昨日丁字路にうづくまりをり、旧(ふる)き仮名にて
僕のなかの誰がが僕を救う日を祈っていたが救われている
人界の苦労を忘れ工場の裏の畑で花を笑む母
ぐでんぐでんぐでんぐでんと歌いつつ五七のいずれに置こうと思う
時間では心は年をとらざれば心ならざるものばかり老(ふ)く
新しいもの建つために壊れゆき壊されていく側から見おり
ストーブのヤカンは色を変えぬまま内部で水を拒みはじめる
小さき子を立ち食いそばにつれてゆき立ち食うことへの憧れを植える
人間の入れぬデッドスペースで足突き出して猫がくつろぐ
ネットでの床屋談義は矩(のり)を踰(こ)え罪深くないがこころ毛深き
人間一匹食っていけないことなんてないのだ闇は一寸の先
あまりにも悲しい夢は思い出せずやさしき脳が隠しておりぬ
あのように目を当ていれば男とは一年くらい狂うていたる
アルコールの舌の上なる幸福の揮発性なることひるがえる
どのように生きてもいいと言われたらつらいな、水から遠いスイセン
酔いたればトイレが近くこの国にひろく立小便せしか忠敬
突堤に一つの兆しのごとくして落下する鳥のたちまち上がる
ウィスキーの香りはなぜか楽しさが含まれていてにやにや舐める
ぎこちないフォームでえいっ遠投す、目的観の低さが不幸
風強き道の遠くは霞みおり不透明とはひとつの終わり
通勤の狭き電車のイヤホンにボブマーレー流れ読み進む『国家』
背を反って首かたむけて見つめたる君の景色を時々おもう
おそろしく顔の小さな若者と大きな初老が同じバス待つ
せっかくの壺焼きなのにしょっぱさをコーラがぶ飲みして舌洗う
忘れればゆえにいくつか手にとられやがて再発見へのローテ
かたちなどでこぼこでよいたたなづく山のようなる苺をがぶる
エスカレータの一人だけ右に立つ男ついに左にしずかに並ぶ
啄木の再発見もそのうちにあるらむ、百年遠き泣きぬれ
全生命とか言いながら生命のたとえば60兆の宇宙で
マイケルというかなしみは人類の昔話になるまで消えぬ
子のあらば外から帰りくるたびにかお包みたし耳珠(じじゅ)に触れつつ
悔しいがげんこつを目に当てて泣くそんなしぐさをするわけにいかず
若さというチキンレースをすぐ降りて余力は若鶏の悪魔焼き噛む
じゃがいもが湯でほどけゆくそれまでにいやその後で大事な話
生きるとはかたちが変わることなので裸体の傷の君たしかなる
コーヒーにコーヒーゼリー食べながら先に笑って負けたる三時
この場所をリーフィーアイランドと呼ぼう観葉の鉢数個だけれど
早朝の宇宙と交信するように公園のわがラジオ体操
公園の低いベンチは流れゆく時間から少し離れて在らん
きはちすが君の背丈を残しつつ君を失う夢をみていた
とこしなえに名の残ることなきわれに今年の梅が咲きそめている
変わりゆく普通と知りてわたくしは君とかわらずふつうでいたい
つぶやきのサービス止んでライフログのライフの部分こっそり消える
ありがとうそしてさよならなんていう台詞をまさかじじつ吐くとは
青空の奥にたしかにある闇の遠のくべきか近寄るべきか
オリオンと2時間歩く彼の狙う弓の向こうに敵はおらねど
歩くとき詩は涌きやすく足裏(あなうら)にそういうつぼがあるのだヒトは
冷蔵庫にシールの台紙留められてこの家に春の祭りはきたる
高価なるもの身につけてレイヤーを変えてもきみの手にとまる鳥
忘れられていくほど眠り深からんその群青で死を拭いつつ
笹紅をあげたき人であったよと言ってからそんな気をもっていた
海を行くわが身にあらねプレヤデス星団の数を、目を確認す
「紛争はトップ同士がゼスチャーで争うとする」有志連合
法悦とうことばを知らず語りいて知らぬゆえ時にひどくかがやく
知名度は危険の保証、無名なる詩に目留(と)めるは地の見えぬ叢(むら)
死にさうな野良猫が昨日丁字路にうづくまりをり、旧(ふる)き仮名にて
僕のなかの誰がが僕を救う日を祈っていたが救われている
人界の苦労を忘れ工場の裏の畑で花を笑む母
ぐでんぐでんぐでんぐでんと歌いつつ五七のいずれに置こうと思う
時間では心は年をとらざれば心ならざるものばかり老(ふ)く
新しいもの建つために壊れゆき壊されていく側から見おり
ストーブのヤカンは色を変えぬまま内部で水を拒みはじめる
小さき子を立ち食いそばにつれてゆき立ち食うことへの憧れを植える
人間の入れぬデッドスペースで足突き出して猫がくつろぐ
ネットでの床屋談義は矩(のり)を踰(こ)え罪深くないがこころ毛深き
人間一匹食っていけないことなんてないのだ闇は一寸の先
あまりにも悲しい夢は思い出せずやさしき脳が隠しておりぬ
あのように目を当ていれば男とは一年くらい狂うていたる
アルコールの舌の上なる幸福の揮発性なることひるがえる
どのように生きてもいいと言われたらつらいな、水から遠いスイセン
酔いたればトイレが近くこの国にひろく立小便せしか忠敬
突堤に一つの兆しのごとくして落下する鳥のたちまち上がる
ウィスキーの香りはなぜか楽しさが含まれていてにやにや舐める
ぎこちないフォームでえいっ遠投す、目的観の低さが不幸
風強き道の遠くは霞みおり不透明とはひとつの終わり
通勤の狭き電車のイヤホンにボブマーレー流れ読み進む『国家』
背を反って首かたむけて見つめたる君の景色を時々おもう
おそろしく顔の小さな若者と大きな初老が同じバス待つ
せっかくの壺焼きなのにしょっぱさをコーラがぶ飲みして舌洗う
忘れればゆえにいくつか手にとられやがて再発見へのローテ
かたちなどでこぼこでよいたたなづく山のようなる苺をがぶる
エスカレータの一人だけ右に立つ男ついに左にしずかに並ぶ
啄木の再発見もそのうちにあるらむ、百年遠き泣きぬれ
全生命とか言いながら生命のたとえば60兆の宇宙で
マイケルというかなしみは人類の昔話になるまで消えぬ
子のあらば外から帰りくるたびにかお包みたし耳珠(じじゅ)に触れつつ
悔しいがげんこつを目に当てて泣くそんなしぐさをするわけにいかず
若さというチキンレースをすぐ降りて余力は若鶏の悪魔焼き噛む
じゃがいもが湯でほどけゆくそれまでにいやその後で大事な話
生きるとはかたちが変わることなので裸体の傷の君たしかなる
コーヒーにコーヒーゼリー食べながら先に笑って負けたる三時
この場所をリーフィーアイランドと呼ぼう観葉の鉢数個だけれど
早朝の宇宙と交信するように公園のわがラジオ体操
公園の低いベンチは流れゆく時間から少し離れて在らん
きはちすが君の背丈を残しつつ君を失う夢をみていた
とこしなえに名の残ることなきわれに今年の梅が咲きそめている
変わりゆく普通と知りてわたくしは君とかわらずふつうでいたい
つぶやきのサービス止んでライフログのライフの部分こっそり消える
ありがとうそしてさよならなんていう台詞をまさかじじつ吐くとは
2016年3月6日日曜日
2016年02月うたの日作品雑感。
うたはうったう、というのは折口の説ですが、これは逆にして説を成り立たせることはほんとうに出来ないのか若い時分に考えていた照屋です。(つまり、言葉にメロディを付けるという異常行為は、異世界に訴えるのに有効と思われたのではないか、という説です。)
春ですねえ。
21世紀になってまもなくは、未来を生きている実感はないなあと思われたものの、最近は、けっこう未来感が漂ってきていますよね。自動運転、二足歩行ロボット、人工知能。もうひと越えで、いろいろの文脈が大きく変わりそうなんだけどね、もうちょいかかるのかしら。
「剣」
剣先に覚悟決めたる人間の顔を見なくていい世のおとこ
ここで死んでも悔いなし、あるいは、絶対にお前を殺す、という覚悟を決めた顔は、普段なかなかお目にかかることはないでしょうね。また、それに対峙する顔を持たなくてもよい時代になっていることよ。(参考書の訳か)
「電話」
三時間も電話をつなぎ告白にいたる目隠し将棋のような
SNSの普及でこういうことは無くなってるような気もするけど、今でもあるのかしら。
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
あれは多分縦書きという論理なんでしょうね。
「西」
この磁場を一生泳ぐぼくたちの西とはついにさよならの場所
西方に極楽浄土を設定したのは、やはりそこが一番悲しい場所だったからなのかな。
「紙」
めりはりのない四つ足の紙粘土、彩色だけでパンダをめざす
座ったポーズがとれるかどうかがポイントじゃないかな。パンダは。
「村」
残酷なアーキテクトにあらぬかも村人Aが憂う世界は
これはソシュールの言葉の定義をめぐるような話だ。世界がアーキテクトされている限り、人は村人Aになれる、という意味か。
「缶」
週末の金曜日には缶詰めのエサをあげてもいいご褒美に
ちょっといい缶詰なんでしょうね。で、それをあげていいというご褒美が金曜である、と。動物も人もうれしい。
「部屋」
液晶の窓に世界が映るからこの部屋はいわば世界の外だ
エッシャーか。
「あだ名」
マイケルじゃなくてあだ名がジャクソンの彼を見てああ言い得て妙だ
なんだろうね、顔がマイケルっぽくないけど、手足が長いとか? でもそれってジャクソンっぽいってことなのか?
「眼鏡」
見る用というより見られる用であるその黒縁は伊達ではないが
考えたら伊達眼鏡って眼鏡の見られる側面を強調している用語なんだよね。すごいな、メルロ=ポンティかよ。
「日本」
うたうときぼくらはまるで一本のいや日本の詩形のごとし
イッポンのいやニッポンの、って言いたいだけか。
「ちゃんと」
いろいろのニュース見ながら要するに人間だけがちゃんとしてない
ちゃんとするの「ちゃん」って何やろね。チャンとするっていうとタラちゃんみたいになるな。
「穏」
騒乱もテレビを消せば消えるほど遠ければ穏やかなる日々の
観測範囲の話だろうか。それとも穏やかさとは距離の問題なのだろうか。
「愛」
その言葉が生まれるまでの生き物の永遠ほどの時間苦しき
♪愛が生まれた日〜じゃねえよ。概念を獲得するまでの生き物の言葉にならない状態のことを歌ったものか。
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
ここの「けれど」は逆説なんだけどこの逆説は省略を呼ぶんだよね。そうしないと意味がおかしくなる。
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
着る服によって内面が変わるなら、それは取り入れているのと同じことではないか、あ、だから内服というのか(ほんまかいな)。
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
わかっているのは、忌まれているということだよな、「怪獣」なんだから。
「二度見」
よどみなく夜を帰ってゆく「今日」に白いしっぽが、今あったよな?
ちゃんと0時に帰ってくれないと、一日ってなかなか終わらなかったりするよね。
「薬」
なんとなく鮮度や湿度を保つため大事にくしゃくしゃビニールを詰む
あれは急須の先のゴムと同じく、むしろすぐ捨てた方がいいらしいぜ。
「エプロン」
先立たれたショックによると噂され昭和を生ききエプロンおじさん
子供のころ田舎で見たことがあった。女装して化粧で赤い顔をしたおっさんで、高校何年生みたいな雑誌の投稿コーナーにも載ったことがあるらしい。現在の女装とはやっぱり意味が違って、狂気とセットに語られていたよね。
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
イジメには3つの闇があるので、三者三様に光が必要だ。
「糸」
運命の赤いやつとは違うけどそんなに逃げると指がとれそう
全部で何色あんねん。
「綿」
種子ほどに分割されて綿毛にて広がってゆくきみのおもいで
そこに植わるものは少ないにしても。
「服」
権利とは生意気であるしたがってしたがってきてひとつの不服
権利を主張した時に生意気と思うか思わないかが共感の分水嶺なのかもしれない。ロボットとか、ごきぶりとか。
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
豚なんて生き物がいるせいで、と生姜も怒っているよ、たぶん。
「それぞれ」
夜の道をへんな生き物がよこぎってやがてそれぞれ言うのをやめる
夜の道を横切るべき生き物って、そんなに数多くないけどな。
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
なんだろうね、片思いを表す贈答オブジェとか? まあでも水を飲む用途は、ありかなしかで言うと、ないよなあ。(宇宙語で)
「鞭」
後輩に怒る時つい心底はお前のためのような口ぶり
鞭って、やっぱり棒から進化したんだろうね。
「うるう日」
言葉にはしないけれどもこの次のうるうの日には遠いぼくらよ
つぎのうるうの日にも会えるといいがなあ。
いや、好き勝手書きました。どうもすみません。
自選
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
春ですねえ。
21世紀になってまもなくは、未来を生きている実感はないなあと思われたものの、最近は、けっこう未来感が漂ってきていますよね。自動運転、二足歩行ロボット、人工知能。もうひと越えで、いろいろの文脈が大きく変わりそうなんだけどね、もうちょいかかるのかしら。
「剣」
剣先に覚悟決めたる人間の顔を見なくていい世のおとこ
ここで死んでも悔いなし、あるいは、絶対にお前を殺す、という覚悟を決めた顔は、普段なかなかお目にかかることはないでしょうね。また、それに対峙する顔を持たなくてもよい時代になっていることよ。(参考書の訳か)
「電話」
三時間も電話をつなぎ告白にいたる目隠し将棋のような
SNSの普及でこういうことは無くなってるような気もするけど、今でもあるのかしら。
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
あれは多分縦書きという論理なんでしょうね。
「西」
この磁場を一生泳ぐぼくたちの西とはついにさよならの場所
西方に極楽浄土を設定したのは、やはりそこが一番悲しい場所だったからなのかな。
「紙」
めりはりのない四つ足の紙粘土、彩色だけでパンダをめざす
座ったポーズがとれるかどうかがポイントじゃないかな。パンダは。
「村」
残酷なアーキテクトにあらぬかも村人Aが憂う世界は
これはソシュールの言葉の定義をめぐるような話だ。世界がアーキテクトされている限り、人は村人Aになれる、という意味か。
「缶」
週末の金曜日には缶詰めのエサをあげてもいいご褒美に
ちょっといい缶詰なんでしょうね。で、それをあげていいというご褒美が金曜である、と。動物も人もうれしい。
「部屋」
液晶の窓に世界が映るからこの部屋はいわば世界の外だ
エッシャーか。
「あだ名」
マイケルじゃなくてあだ名がジャクソンの彼を見てああ言い得て妙だ
なんだろうね、顔がマイケルっぽくないけど、手足が長いとか? でもそれってジャクソンっぽいってことなのか?
「眼鏡」
見る用というより見られる用であるその黒縁は伊達ではないが
考えたら伊達眼鏡って眼鏡の見られる側面を強調している用語なんだよね。すごいな、メルロ=ポンティかよ。
「日本」
うたうときぼくらはまるで一本のいや日本の詩形のごとし
イッポンのいやニッポンの、って言いたいだけか。
「ちゃんと」
いろいろのニュース見ながら要するに人間だけがちゃんとしてない
ちゃんとするの「ちゃん」って何やろね。チャンとするっていうとタラちゃんみたいになるな。
「穏」
騒乱もテレビを消せば消えるほど遠ければ穏やかなる日々の
観測範囲の話だろうか。それとも穏やかさとは距離の問題なのだろうか。
「愛」
その言葉が生まれるまでの生き物の永遠ほどの時間苦しき
♪愛が生まれた日〜じゃねえよ。概念を獲得するまでの生き物の言葉にならない状態のことを歌ったものか。
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
ここの「けれど」は逆説なんだけどこの逆説は省略を呼ぶんだよね。そうしないと意味がおかしくなる。
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
着る服によって内面が変わるなら、それは取り入れているのと同じことではないか、あ、だから内服というのか(ほんまかいな)。
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
わかっているのは、忌まれているということだよな、「怪獣」なんだから。
「二度見」
よどみなく夜を帰ってゆく「今日」に白いしっぽが、今あったよな?
ちゃんと0時に帰ってくれないと、一日ってなかなか終わらなかったりするよね。
「薬」
なんとなく鮮度や湿度を保つため大事にくしゃくしゃビニールを詰む
あれは急須の先のゴムと同じく、むしろすぐ捨てた方がいいらしいぜ。
「エプロン」
先立たれたショックによると噂され昭和を生ききエプロンおじさん
子供のころ田舎で見たことがあった。女装して化粧で赤い顔をしたおっさんで、高校何年生みたいな雑誌の投稿コーナーにも載ったことがあるらしい。現在の女装とはやっぱり意味が違って、狂気とセットに語られていたよね。
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
イジメには3つの闇があるので、三者三様に光が必要だ。
「糸」
運命の赤いやつとは違うけどそんなに逃げると指がとれそう
全部で何色あんねん。
「綿」
種子ほどに分割されて綿毛にて広がってゆくきみのおもいで
そこに植わるものは少ないにしても。
「服」
権利とは生意気であるしたがってしたがってきてひとつの不服
権利を主張した時に生意気と思うか思わないかが共感の分水嶺なのかもしれない。ロボットとか、ごきぶりとか。
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
豚なんて生き物がいるせいで、と生姜も怒っているよ、たぶん。
「それぞれ」
夜の道をへんな生き物がよこぎってやがてそれぞれ言うのをやめる
夜の道を横切るべき生き物って、そんなに数多くないけどな。
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
なんだろうね、片思いを表す贈答オブジェとか? まあでも水を飲む用途は、ありかなしかで言うと、ないよなあ。(宇宙語で)
「鞭」
後輩に怒る時つい心底はお前のためのような口ぶり
鞭って、やっぱり棒から進化したんだろうね。
「うるう日」
言葉にはしないけれどもこの次のうるうの日には遠いぼくらよ
つぎのうるうの日にも会えるといいがなあ。
いや、好き勝手書きました。どうもすみません。
自選
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
2016年02月うたの日作品の29首
「剣」
剣先に覚悟決めたる人間の顔を見なくていい世のおとこ
「電話」
三時間も電話をつなぎ告白にいたる目隠し将棋のような
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
「西」
この磁場を一生泳ぐぼくたちの西とはついにさよならの場所
「紙」
めりはりのない四つ足の紙粘土、彩色だけでパンダをめざす
「村」
残酷なアーキテクトにあらぬかも村人Aが憂う世界は
「缶」
週末の金曜日には缶詰めのエサをあげてもいいご褒美に
「部屋」
液晶の窓に世界が映るからこの部屋はいわば世界の外だ
「あだ名」
マイケルじゃなくてあだ名がジャクソンの彼を見てああ言い得て妙だ
「眼鏡」
見る用というより見られる用であるその黒縁は伊達ではないが
「日本」
うたうときぼくらはまるで一本のいや日本の詩形のごとし
「ちゃんと」
いろいろのニュース見ながら要するに人間だけがちゃんとしてない
「穏」
騒乱もテレビを消せば消えるほど遠ければ穏やかなる日々の
「愛」
その言葉が生まれるまでの生き物の永遠ほどの時間苦しき
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
「二度見」
よどみなく夜を帰ってゆく「今日」に白いしっぽが、今あったよな?
「薬」
なんとなく鮮度や湿度を保つため大事にくしゃくしゃビニールを詰む
「エプロン」
先立たれたショックによると噂され昭和を生ききエプロンおじさん
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
「糸」
運命の赤いやつとは違うけどそんなに逃げると指がとれそう
「綿」
種子ほどに分割されて綿毛にて広がってゆくきみのおもいで
「服」
権利とは生意気であるしたがってしたがってきてひとつの不服
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
「それぞれ」
夜の道をへんな生き物がよこぎってやがてそれぞれ言うのをやめる
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
「鞭」
後輩に怒る時つい心底はお前のためのような口ぶり
「うるう日」
言葉にはしないけれどもこの次のうるうの日には遠いぼくらよ
剣先に覚悟決めたる人間の顔を見なくていい世のおとこ
「電話」
三時間も電話をつなぎ告白にいたる目隠し将棋のような
「右」
トラックの右の右から書かれたる社名が満たす論理性はや
「西」
この磁場を一生泳ぐぼくたちの西とはついにさよならの場所
「紙」
めりはりのない四つ足の紙粘土、彩色だけでパンダをめざす
「村」
残酷なアーキテクトにあらぬかも村人Aが憂う世界は
「缶」
週末の金曜日には缶詰めのエサをあげてもいいご褒美に
「部屋」
液晶の窓に世界が映るからこの部屋はいわば世界の外だ
「あだ名」
マイケルじゃなくてあだ名がジャクソンの彼を見てああ言い得て妙だ
「眼鏡」
見る用というより見られる用であるその黒縁は伊達ではないが
「日本」
うたうときぼくらはまるで一本のいや日本の詩形のごとし
「ちゃんと」
いろいろのニュース見ながら要するに人間だけがちゃんとしてない
「穏」
騒乱もテレビを消せば消えるほど遠ければ穏やかなる日々の
「愛」
その言葉が生まれるまでの生き物の永遠ほどの時間苦しき
「靴」
会いにゆく道にはきっとぬかるみがあるのだ靴は汚れるけれど
「藍」
その色に染まりし服に身を包みきみはしづかな植物になる
「怪獣」
倒されて薄れゆくなか歓声かわが咆哮かわからぬ音よ
「二度見」
よどみなく夜を帰ってゆく「今日」に白いしっぽが、今あったよな?
「薬」
なんとなく鮮度や湿度を保つため大事にくしゃくしゃビニールを詰む
「エプロン」
先立たれたショックによると噂され昭和を生ききエプロンおじさん
「イジメ」
学校に来れなくなった鳥男をぼくは笑っていただけだから
「糸」
運命の赤いやつとは違うけどそんなに逃げると指がとれそう
「綿」
種子ほどに分割されて綿毛にて広がってゆくきみのおもいで
「服」
権利とは生意気であるしたがってしたがってきてひとつの不服
「豚」
生姜などという植物があるせいで旨そうにオレは焼かれたりにき
「それぞれ」
夜の道をへんな生き物がよこぎってやがてそれぞれ言うのをやめる
「コップ」
この星の片方だけが塞がった筒の用途は諸説あります
「鞭」
後輩に怒る時つい心底はお前のためのような口ぶり
「うるう日」
言葉にはしないけれどもこの次のうるうの日には遠いぼくらよ
2016年3月5日土曜日
2014年02月作品雑感。
3月になり、少しずつ暖かくなって、いや、寒さがほどけていくようです。「少しずつ」といえば、「づつ」に違和感を感じる方がいらっしゃったようで、照屋などは、むしろ「ずつ」に新しさ、というか、学校教育風な匂いを感じてしまいますね。
基本どっちでもいいです。ですが、短歌を作るときは、「ずつ」は嫌だなあと思うことがありますね。「づつ」にすることが多いです。いや、短歌では「ずつ」を使うことは無いかもしれない。
文語と口語、旧仮名と新かなの表記法については、かつては表記警察のように自分にも人にも厳しくしていた時期もありましたが、むしろ今は混在を楽しむようなところがあります。だって歌(うた)なんだもん、という気分があります。
途中まで新かな口語で、最後に「〜なりにけり」で終わるって、歌ってんなーって思うよね。
だから、まあ、その混在に違和感があれば、照屋の短歌は軒並みアウトですよね。
もちろん、文法や表記は一貫性があった方が正確に相手に伝えられるので、礼を失しているのはたしかだ。
でも、日常も非日常もない現在で、短歌がやはり非日常であるなら、それは、表記や文体のルールをトランスするところにもあるのではないかな、と苦しい弁明をするのである。
自選
何を焼く煙の商店街に満ち雲霧林ゆく男のごとし
苦しみはあらあら報い冷えた地をあたためる日はひとつしかなく
実朝は三十路を知らず壮(さかん)なる命の前に無常を詠みき
雪に閉じ込められた二人には食べあうまでを食べているなり
雪の畑にふくらすずめの木がありて灰褐色に咲いているなり
あたたかき茶の一杯が寒き身にたしかにうれし分福茶釜
オアシスの水量により栄枯する国家がありき遺跡ましろし
かつてここに洋鐘ありて遠くまで鳴りしと読めり、またひとつ鳴る
人間も悲しいなあと、かばは云うコンクリ池に穏やかに生き
この宇宙の元素が表になるという狂気を暗記しあう学生
日の昇る前の世界でこの声はまだらが黒に負けたのだろう
外周のふちの傷白き瓶コーラを二人で飲めり先を濡らして
湖のほとりを歩く王または患者と主治医の影みずに揺れ
指に載せて鳥は二度生まれるという人も何度か生きねばならぬ
電気記録の短歌はすべて消え失せてそのようなものを残す身となる
植物を選ぶほど愛を拒まれてアポロンの遠い恐怖を思う
人生は楽しいものという歌が離れゆく隊商(キャラバン)より聞こゆ
蔵書印まっすぐ押されたる古書のその所有者の背すじをも購(か)う
今夜君は青く美し月光を何リットルも浴びたるように
なんか多いな(笑)
基本どっちでもいいです。ですが、短歌を作るときは、「ずつ」は嫌だなあと思うことがありますね。「づつ」にすることが多いです。いや、短歌では「ずつ」を使うことは無いかもしれない。
文語と口語、旧仮名と新かなの表記法については、かつては表記警察のように自分にも人にも厳しくしていた時期もありましたが、むしろ今は混在を楽しむようなところがあります。だって歌(うた)なんだもん、という気分があります。
途中まで新かな口語で、最後に「〜なりにけり」で終わるって、歌ってんなーって思うよね。
だから、まあ、その混在に違和感があれば、照屋の短歌は軒並みアウトですよね。
もちろん、文法や表記は一貫性があった方が正確に相手に伝えられるので、礼を失しているのはたしかだ。
でも、日常も非日常もない現在で、短歌がやはり非日常であるなら、それは、表記や文体のルールをトランスするところにもあるのではないかな、と苦しい弁明をするのである。
自選
何を焼く煙の商店街に満ち雲霧林ゆく男のごとし
苦しみはあらあら報い冷えた地をあたためる日はひとつしかなく
実朝は三十路を知らず壮(さかん)なる命の前に無常を詠みき
雪に閉じ込められた二人には食べあうまでを食べているなり
雪の畑にふくらすずめの木がありて灰褐色に咲いているなり
あたたかき茶の一杯が寒き身にたしかにうれし分福茶釜
オアシスの水量により栄枯する国家がありき遺跡ましろし
かつてここに洋鐘ありて遠くまで鳴りしと読めり、またひとつ鳴る
人間も悲しいなあと、かばは云うコンクリ池に穏やかに生き
この宇宙の元素が表になるという狂気を暗記しあう学生
日の昇る前の世界でこの声はまだらが黒に負けたのだろう
外周のふちの傷白き瓶コーラを二人で飲めり先を濡らして
湖のほとりを歩く王または患者と主治医の影みずに揺れ
指に載せて鳥は二度生まれるという人も何度か生きねばならぬ
電気記録の短歌はすべて消え失せてそのようなものを残す身となる
植物を選ぶほど愛を拒まれてアポロンの遠い恐怖を思う
人生は楽しいものという歌が離れゆく隊商(キャラバン)より聞こゆ
蔵書印まっすぐ押されたる古書のその所有者の背すじをも購(か)う
今夜君は青く美し月光を何リットルも浴びたるように
なんか多いな(笑)
2014年02月の56首
何を焼く煙の商店街に満ち雲霧林ゆく男のごとし
ひとり以上孤独未満の三時ごろミダフタヌーンとつぶやいてみる
東京のあまり見えない星のした身体を苦しめいきるランナー
報酬を下げるというか夕暮れの川の白さを不思議がりおる
岩笛の甲高い音(ね)の一閃に空割れて向こう側まで届く
放し飼いされたる庭のにわとりの頭十四五本が揺れる
帳尻を合わせる二月、ふとすれば星辰深遠なる線を見せ
人生は上り坂だし下り坂、勾配は首の角度が決める
朝の夢に句作しており式部の実は晩秋の語とあとで知りつつ
漱石も餌殻を吹いて飛ばしては鳥かごに戻り皿を置きたり
苦しみはあらあら報い冷えた地をあたためる日はひとつしかなく
安心を嗅ぎながら飛ぶ飼い鳥のチェイサー(口直し水)としてわれに戻り来
二十世紀の魔法を溶かしあらわなる肌のつかのま次の魔法は
政治的に妥当な君の表情を透明の飴を舐めて忘れる
実朝は三十路を知らず壮(さかん)なる命の前に無常を詠みき
夜の船はぬばたまの海に浮かび進む凪ぐかぎりセントエルモの火なし
二十年前に積もりし大雪のシーンのかけらがひとつだけあり
夜勤明けの目に溶けかけのきらきらの雪やかましくいたく去(い)にけり
思い通りにならぬ世界にまかがやく陰謀論の雪の降り積む
雪に閉じ込められた二人には食べあうまでを食べているなり
酸性の溶液に似たわが国の溶けながら未来きっとあかるし
善悪の判断難きうねりにてうねるがゆえにいい方へゆく
雪の畑にふくらすずめの木がありて灰褐色に咲いているなり
現実に持久しながら去ってゆく業をみるまでおらねばならぬ
あたたかき茶の一杯が寒き身にたしかにうれし分福茶釜
機械好きの男の帰結、のどぼとけ上下して声はフイゴのごとし
地の熱のはるか彼方に青白きほのおが浮かびシリウスとよぶ
オアシスの水量により栄枯する国家がありき遺跡ましろし
かつてここに洋鐘ありて遠くまで鳴りしと読めり、またひとつ鳴る
つまらない休みの理由聞きながら彼はこのまま許されてゆく
人間も悲しいなあと、かばは云うコンクリ池に穏やかに生き
この宇宙の元素が表になるという狂気を暗記しあう学生
大雪も二度目となれば河川敷に雪だるまなく明るく冷ゆる
日の昇る前の世界でこの声はまだらが黒に負けたのだろう
長命は望むにあらぬジョギングの健康を否定せぬ速度にて
外周のふちの傷白き瓶コーラを二人で飲めり先を濡らして
湖のほとりを歩く王または患者と主治医の影みずに揺れ
空のコップに昨日の空気溜まりいてそを流すべく水で濯げり
さびしくて鳴く鳥の声のさびしさが沁みるほどには年ふりにけり
主従心の従のみ知りて仕えしを笑わる、確かにいびつと思う
指に載せて鳥は二度生まれるという人も何度か生きねばならぬ
勝利者の顔真似をしてどことなく晴れがましかる面魂(つらだましい)は
甘美なる満員電車の圧縮に孤独の角は研がれては折れ
明け方か薄暮か知らぬガラス越しの景色のごとしわれの二階は
電気記録の短歌はすべて消え失せてそのようなものを残す身となる
毎日を繰り返しいて前方に等速に離れいる未来見つ
植物を選ぶほど愛を拒まれてアポロンの遠い恐怖を思う
人生は楽しいものという歌が離れゆく隊商(キャラバン)より聞こゆ
紅梅の塀よりこぼれ咲くを見る逆算してもまだ多し、春
蔵書印まっすぐ押されたる古書のその所有者の背すじをも購(か)う
未来永劫クー・デ・タは赤き血を吹いてその辻褄を擦り潰すなる
今夜君は青く美し月光を何リットルも浴びたるように
夜暗く静かであるがこの駅に古書店なきはつくづく寂し
絶望の気分は人に根深くてヨハネのくらき夢日記なども
つつがなくば30年後の春に咲く花の匂いを君と嗅ぐかも
山は峨峨(がが)海は濤濤(とうとう)ならねどもかく見ゆるべき生を疑わず
ひとり以上孤独未満の三時ごろミダフタヌーンとつぶやいてみる
東京のあまり見えない星のした身体を苦しめいきるランナー
報酬を下げるというか夕暮れの川の白さを不思議がりおる
岩笛の甲高い音(ね)の一閃に空割れて向こう側まで届く
放し飼いされたる庭のにわとりの頭十四五本が揺れる
帳尻を合わせる二月、ふとすれば星辰深遠なる線を見せ
人生は上り坂だし下り坂、勾配は首の角度が決める
朝の夢に句作しており式部の実は晩秋の語とあとで知りつつ
漱石も餌殻を吹いて飛ばしては鳥かごに戻り皿を置きたり
苦しみはあらあら報い冷えた地をあたためる日はひとつしかなく
安心を嗅ぎながら飛ぶ飼い鳥のチェイサー(口直し水)としてわれに戻り来
二十世紀の魔法を溶かしあらわなる肌のつかのま次の魔法は
政治的に妥当な君の表情を透明の飴を舐めて忘れる
実朝は三十路を知らず壮(さかん)なる命の前に無常を詠みき
夜の船はぬばたまの海に浮かび進む凪ぐかぎりセントエルモの火なし
二十年前に積もりし大雪のシーンのかけらがひとつだけあり
夜勤明けの目に溶けかけのきらきらの雪やかましくいたく去(い)にけり
思い通りにならぬ世界にまかがやく陰謀論の雪の降り積む
雪に閉じ込められた二人には食べあうまでを食べているなり
酸性の溶液に似たわが国の溶けながら未来きっとあかるし
善悪の判断難きうねりにてうねるがゆえにいい方へゆく
雪の畑にふくらすずめの木がありて灰褐色に咲いているなり
現実に持久しながら去ってゆく業をみるまでおらねばならぬ
あたたかき茶の一杯が寒き身にたしかにうれし分福茶釜
機械好きの男の帰結、のどぼとけ上下して声はフイゴのごとし
地の熱のはるか彼方に青白きほのおが浮かびシリウスとよぶ
オアシスの水量により栄枯する国家がありき遺跡ましろし
かつてここに洋鐘ありて遠くまで鳴りしと読めり、またひとつ鳴る
つまらない休みの理由聞きながら彼はこのまま許されてゆく
人間も悲しいなあと、かばは云うコンクリ池に穏やかに生き
この宇宙の元素が表になるという狂気を暗記しあう学生
大雪も二度目となれば河川敷に雪だるまなく明るく冷ゆる
日の昇る前の世界でこの声はまだらが黒に負けたのだろう
長命は望むにあらぬジョギングの健康を否定せぬ速度にて
外周のふちの傷白き瓶コーラを二人で飲めり先を濡らして
湖のほとりを歩く王または患者と主治医の影みずに揺れ
空のコップに昨日の空気溜まりいてそを流すべく水で濯げり
さびしくて鳴く鳥の声のさびしさが沁みるほどには年ふりにけり
主従心の従のみ知りて仕えしを笑わる、確かにいびつと思う
指に載せて鳥は二度生まれるという人も何度か生きねばならぬ
勝利者の顔真似をしてどことなく晴れがましかる面魂(つらだましい)は
甘美なる満員電車の圧縮に孤独の角は研がれては折れ
明け方か薄暮か知らぬガラス越しの景色のごとしわれの二階は
電気記録の短歌はすべて消え失せてそのようなものを残す身となる
毎日を繰り返しいて前方に等速に離れいる未来見つ
植物を選ぶほど愛を拒まれてアポロンの遠い恐怖を思う
人生は楽しいものという歌が離れゆく隊商(キャラバン)より聞こゆ
紅梅の塀よりこぼれ咲くを見る逆算してもまだ多し、春
蔵書印まっすぐ押されたる古書のその所有者の背すじをも購(か)う
未来永劫クー・デ・タは赤き血を吹いてその辻褄を擦り潰すなる
今夜君は青く美し月光を何リットルも浴びたるように
夜暗く静かであるがこの駅に古書店なきはつくづく寂し
絶望の気分は人に根深くてヨハネのくらき夢日記なども
つつがなくば30年後の春に咲く花の匂いを君と嗅ぐかも
山は峨峨(がが)海は濤濤(とうとう)ならねどもかく見ゆるべき生を疑わず
2015年11月22日日曜日
2013年02月作品雑感。
インターネットがインフラとして定着する前は、知らない人と会話することは、基本的には不可能であった。不特定多数の人に考えを述べたり、著名人と意見を交換することは、運やみずからの才能の他がないかぎり、お金や時間がかかるものだった。
現在ではこうして、あまり読まれないにしても文章を公開することができるし、著名人に話しかけたりも出来なくはない。この生活様式は、とても異常なはずなのだが、当たり前に思ってしまっている。インターネットによる生活様式の変化は、他にもアップル製品や、ツイッター、ニコニコ動画、2ちゃんねるなどあるが、やはりグーグルは、検索だけでなく、地図など、生活に欠かせないものになってしまった。
グーグルアースにゲニウス・ロキも映されて蛇怒りつつ去っていくなり
衛星写真にコラージュされたふるさとの無人のくせに明るいおもて
鏡の中のぼくも思考しうるのなら、ゲニウス・ロキ(地霊)も鏡に住めるのかもしれない。いや、むしろ、人がいなくなって、記憶する人もなくなってしまってから、この風景は脈うつのかもしれない。
こんなに生活様式が異なって、過去を失いながら、なお、31文字の表現を、声に出さず、書きもせず、打ち言葉で、横書きで、ディスプレイに表示しながら、表現するのは、とても奇妙なことだ。万葉人の心情がわかるのは、不思議なことだ。
第一歌の解釈あやしき万葉の菜摘ます君がかすみつつ笑む
手紙、電話、ファクス、メールと近づいて逢ってしまわぬまでが相聞
もっとも、恋は不変だ、みたいなものも、様式が変われば、たぶんなくなる。というか、すでに相当変わっているのだろう。
自選。
冷蔵庫にパンのシールを貼りしまま彼女は去りにけり、去りにけり
水車小屋の遠くに見える川辺にてオフィーリアの手のかたちを思えり
水瓶座のぼれば乾季ようやくに終わらんとする異国の夜分
慈雨はじまりみるみる染まる土の色の雨とは何か土とは何か
現在ではこうして、あまり読まれないにしても文章を公開することができるし、著名人に話しかけたりも出来なくはない。この生活様式は、とても異常なはずなのだが、当たり前に思ってしまっている。インターネットによる生活様式の変化は、他にもアップル製品や、ツイッター、ニコニコ動画、2ちゃんねるなどあるが、やはりグーグルは、検索だけでなく、地図など、生活に欠かせないものになってしまった。
グーグルアースにゲニウス・ロキも映されて蛇怒りつつ去っていくなり
衛星写真にコラージュされたふるさとの無人のくせに明るいおもて
鏡の中のぼくも思考しうるのなら、ゲニウス・ロキ(地霊)も鏡に住めるのかもしれない。いや、むしろ、人がいなくなって、記憶する人もなくなってしまってから、この風景は脈うつのかもしれない。
こんなに生活様式が異なって、過去を失いながら、なお、31文字の表現を、声に出さず、書きもせず、打ち言葉で、横書きで、ディスプレイに表示しながら、表現するのは、とても奇妙なことだ。万葉人の心情がわかるのは、不思議なことだ。
第一歌の解釈あやしき万葉の菜摘ます君がかすみつつ笑む
手紙、電話、ファクス、メールと近づいて逢ってしまわぬまでが相聞
もっとも、恋は不変だ、みたいなものも、様式が変われば、たぶんなくなる。というか、すでに相当変わっているのだろう。
自選。
冷蔵庫にパンのシールを貼りしまま彼女は去りにけり、去りにけり
水車小屋の遠くに見える川辺にてオフィーリアの手のかたちを思えり
水瓶座のぼれば乾季ようやくに終わらんとする異国の夜分
慈雨はじまりみるみる染まる土の色の雨とは何か土とは何か
2013年02月の28首
スカラベが星を観るとうポエジーが学術となる21世紀
公正世界信念の外にはみ出して激流の天の川頭上たり
永遠に希望持たねばシシュポスの岩より軽きいじめと思う
ブロンズに輝く玉を佩きながら石の時代を措きしおほきみ
自転車のカワセミ号も錆びついてブレーキ音の響く川ぞい
ドーピングで剥奪されし栄光の後輪を手で回す、止まらず
返信のメールを消して書き直し角取ればそりゃ無難にもなる
手紙、電話、ファクス、メールと近づいて逢ってしまわぬまでが相聞
冷蔵庫にパンのシールを貼りしまま彼女は去りにけり、去りにけり
ともしびのまだしばらくは続くので暗きところに行かねばならぬ
第一歌の解釈あやしき万葉の菜摘ます君がかすみつつ笑む
グーグルアースにゲニウス・ロキも映されて蛇怒りつつ去っていくなり
衛星写真にコラージュされたふるさとの無人のくせに明るいおもて
よく言うとコンプレックスハーモニーそういう理由で君の隣に
情けない使命のごとし、ごう音を震わせて土砂を一日運ぶ
この席は窓の向こうに梅が見え図鑑に載らぬ鳥が止まれり
ケフェウスとアンドロメダの切手貼り届きし手紙の二つの意味ぞ
侵略的外来種として憎むべきかご抜け鳥のtweetを聞く
陰謀論の浮き出るメガネかけたまま毎日を歩き暗き足元
映画的演出のことは知りつつもこの方が心地よい歴史もの
ポップコーン取り続く指のふやけつつ塩キャラメルの娯楽を舐める
水車小屋の遠くに見える川辺にてオフィーリアの手のかたちを思えり
友を選ばば友から選ばれざる日々のバルで飲み干す一杯、二杯
水瓶座のぼれば乾季ようやくに終わらんとする異国の夜分
慈雨はじまりみるみる染まる土の色の雨とは何か土とは何か
打たれつつ思想は下から匂うべし冷たい雨が続くあいだに
貧しかった昭和を知らず名づけたる「維新」の声に亡霊さやぐ
百年を鎮まりかえる海はなく人間の声で無災をば祈る
公正世界信念の外にはみ出して激流の天の川頭上たり
永遠に希望持たねばシシュポスの岩より軽きいじめと思う
ブロンズに輝く玉を佩きながら石の時代を措きしおほきみ
自転車のカワセミ号も錆びついてブレーキ音の響く川ぞい
ドーピングで剥奪されし栄光の後輪を手で回す、止まらず
返信のメールを消して書き直し角取ればそりゃ無難にもなる
手紙、電話、ファクス、メールと近づいて逢ってしまわぬまでが相聞
冷蔵庫にパンのシールを貼りしまま彼女は去りにけり、去りにけり
ともしびのまだしばらくは続くので暗きところに行かねばならぬ
第一歌の解釈あやしき万葉の菜摘ます君がかすみつつ笑む
グーグルアースにゲニウス・ロキも映されて蛇怒りつつ去っていくなり
衛星写真にコラージュされたふるさとの無人のくせに明るいおもて
よく言うとコンプレックスハーモニーそういう理由で君の隣に
情けない使命のごとし、ごう音を震わせて土砂を一日運ぶ
この席は窓の向こうに梅が見え図鑑に載らぬ鳥が止まれり
ケフェウスとアンドロメダの切手貼り届きし手紙の二つの意味ぞ
侵略的外来種として憎むべきかご抜け鳥のtweetを聞く
陰謀論の浮き出るメガネかけたまま毎日を歩き暗き足元
映画的演出のことは知りつつもこの方が心地よい歴史もの
ポップコーン取り続く指のふやけつつ塩キャラメルの娯楽を舐める
水車小屋の遠くに見える川辺にてオフィーリアの手のかたちを思えり
友を選ばば友から選ばれざる日々のバルで飲み干す一杯、二杯
水瓶座のぼれば乾季ようやくに終わらんとする異国の夜分
慈雨はじまりみるみる染まる土の色の雨とは何か土とは何か
打たれつつ思想は下から匂うべし冷たい雨が続くあいだに
貧しかった昭和を知らず名づけたる「維新」の声に亡霊さやぐ
百年を鎮まりかえる海はなく人間の声で無災をば祈る
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