2018年4月8日日曜日

2018年02月うたの日自作品28首。

「因数分解」
苺とチョコを買ってきたけど因数分解するからスポンジ生地ばかり俺

「忍」
「忍法! 後ろ向き」それなら勝てる「忍法、内向き」は強かった

「外」
福はうち鬼は外そして外は雨、雨は冷たく芯まで冷えて

「夕日」
今日だけのぼくに夕日よ人間の痛みは明日はどんな赤色

「繊細」
表現の繊細を身につけました「うんち」じゃなくて「うんこ」だったと

「糊」
糊口を凌ぎながらも歌を風流を(現代短歌は風流ならず)

「鮪」
陸地にはどんな世界があるだろう餌が勝手に回りくるかも

「並」
なみなみと涙ながして並木道ぼくらは実に月並みだなァ

「たまに」
立ち入り禁止区域でなかった頃の海を寒く見てたの思い出す、たまに

「自由詠」
帰りきて外に一日吊るしたるものを吊るしたまま入れてやる

「三人称」
目と声にこぼれてしまう私と彼女の正体合わざることが

「医師」
窓外の鈍色の空を眺めいる医師は眠たいだけかも知れず

「キムチ」
発音がキンチのままの在日の娘がパッチム(終声)をわれに教わる

「好きな人」
コンビニのスイーツ4個、O・ヘンリーっぽいねと笑い2個ずつ食べる

「迎」
来迎は左から来てザビエルはどっちの方を見上げてたっけ?

「黒目」
事務的な会話でこのまま終わるんだ、きみも真顔で、とても黒目で

「頑」
おれひとり小さなことにこだわって頑なな片栗粉のダマだ

「率」
十日連続カレーが続く確率の悟りは開いたけどまた閉じた

「増」
選択肢が増加傾向にあるきみは生意気なパフェを生意気に食う

「沢庵」
月面の畑でとれた大根の沢庵漬けを母の土産に

「巨」
この巨人について行くのか殺すのか群盲は悩む、悩む群盲

「超」
寒い時にアイスもおいしいんだけれどスーパーカップはやりすぎだった

「不安」
アスファルトの下の冷たい土の層が地球のことをやや不安です

「明」
いろいろな場所で何かと戦っていた過去がつぎつぎ明るみに出る

「引」
現金なわたしたちだよ白い身が湯引きされたらもうおいしそう

「バス停」
つぎつぎとバスならぬものがやってくるバス停、待つ側ではつまらない

「台」
台所に少しテレビを傾けるおおかた聞いているだけですが

「にやり」
言いたいことをみな言わずともお互いににやり合うのが友情だった

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