10月になって、さすがに少し涼しくなってきました。
8月の短歌を読んで、そこに「暑い」と書かれていても、そんな暑かったっけ? みたいになる。つまり、人間の脳とか心は、現在の身体の影響をものすごく受けるので、一生懸命記憶を呼び起こさないと、もう夏もわからない。
あと、鎌倉時代なんかは北の方はシベリアのように寒かった、みたいな話もあって、「暑い」「寒い」というのは、きわめて相対的なものなので、100年後に今の暑さを伝えることなんて、むずかしい。数値を示せばいいよ、という話ではないですよ。
自選など。
「暑」
冷房のおかげで暑くない夜だ魚にはもうなれない二人
「蝉」
ぼくたちの宇宙は蝉の腹のなか、とても儚い命だそうだ
「好きなアイス」
自転車できみの町まで来てしまいガリガリ君を食べたら帰る
「戦」
ながい長い永いいくさだ、このからだナマコとなっていくらか平安
「トカゲ」
こうやって止まってトカゲ、いのちとは動くか動かないことである
「漁」
メヌエットばかり弾いてたお嬢さん漁師に嫁いで幸せと聞く
「槍」
僧侶キャラの武器をしずかに考える槍と棍ではどちらが慈悲か
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