2018年8月1日水曜日

2016年09月の83首。

思想ではなくてあなたが好きだったあなたが一番嫌がることの

9月からいいことづくめの人生になることでしょう、そう占おう

鼻の下に皺寄るきみを見ることか今世(こんぜ)今世紀の楽として

表現でなくて彼女はひゃわらげんをしているという、何ヒョワラゲン?

可視化されるまえの不可視化されていたきみしか知らぬノートの短歌

月桂樹はアポロンが植えたかもしれず永遠の拒否の記念のために

沸騰をさせといてここで水なんや、お前がびっくりしてどうするよ

うなうまう、んむうーうーむ、うぉうわお、わーうわーうる、なんにゃんんんん
訳 飯食ってる時にちょっかいだすなオラ。

生と死がエロスのように入れ替わる夏きたるわれも汗に溶けつつ

誰でない自分がわれを励ましてそれをようよう生きると呼ぶぞ

二・二六事件ののちに「今からでも遅くない」とう流行語生(あ)り

人間のすることはまるで何一つ他人事(ひとごと)のように二人は暮らす

気にすれば立ち食いそば屋の啜る音、みなうつむいて泣きいるごとし

にっぽんが大変なとき陰にいてうなじに顔をすりつけていた

悪いとは思いもするがひとつ潜(もぐ)りふたつ潜って我関せず焉(えん)

因なのか果なのか知らず功徳とは座に連なっているいまのこと

オムニバス(omnibus)に乗ってぼくらはどこへ行くすべての人を乗せれなかった

40はこわいぞと40が言う何がこわいか聞かないでおく

人間にみなうまいこと化けている高島屋日本橋店の夏

メリークリスマスMrローレンス聞きながら夏蝉燃えている昼をゆく

銃殺刑の理由は姿勢なんだって、つまりそういうことなんですよ

飲み干して替え玉無料の張り紙がつまりそういうことなんですよ

人と違ふ告白に短歌贈るとか、つまりさういふことなんですよ
(付句祭り? 3首)

一本のミドリの瓶の謎おいてもう少し酔って眠るとしよう

片栗粉のあの独特の光沢を語るきみ、ぼくは目を反らし聞く

一日にそんなにたくさんうたったら乗っ取られます、すぐやめましょう

心とう袋は言葉で傷が付く、中には思いの液がこぼれる

初恋の人に捧げたフレーズをまた使う日ぞベルリオーズも

盈溢(えいいつ)するこれはなにもの、無表情の帰りの電車で次に進まず

遺伝子があきらめている生体の湯にふかぶかとつからざる夏

牛舎にて牛にもたれて泣く夜の人よりも牛の優しさ沁みる

アブノーマライゼーションにこの街がなるころここにまた来たるらん

精緻なる言葉の建造なしながらここに二人は住めそうもない

反省すれば減刑されるロジックがいま現にある時代とおもう

破壊とは自由にかぎりなく近く気取って言えばチャーチガーデン(教会の庭)

小さくて甘くてかたい梅干しをしょっぱく食べる、しょっぱい違いの

1個目のボタンが大事、終盤の選択肢にはいずれもはずれ

三匹の妖怪に邪魔をされてると法師はついに思うていたり

単価の高い短歌作ってなんになる、詩胆(したん)は体よりも安くて

この先にルートがないと知っていてかよわい声で一首を謌(うた)う

地獄へも共に行こうと決めたのに姿を消した友を探せず

それは食い使って流すここちする「肉」を「ロウ」とう読み方すれば

人という異形に果てたぼくだけど秘めておくこともなんとか出来る

表層のすべてが溶けてぼくたちがこんなに自由だなんて、嘘だ

この場所も架空のモンスターに満ちてモンスターなる人間遊ぶ

キャディのようについていくのだ、振り向いてもう忘れいて笑ってるのだ

イタリアンの今夜の彼女を引き止めず帰って我はゲームして寝る

思想詩はファストフードに食われゆく安いし上手いしみんなにわかる

悪人が罪に応じてめった打ちにされてるユートピア、ディストピア

ひそかにて彼は扉を開けたり数カ所だけの迅(と)きやり方を

悲しみと喪失感にまようのでグリーフと呼ぶ、真意は知らず

こういう、そういう、ばかり繰り返しのらりくらりの雨の満月

その理論の底に渦巻くかなしみと憎悪について心配なのだ

辛そうで辛くない少し辛い人生(そっちの読み方なんだ)

きみの長い髪を躍らせ突風が後ろからぼくらを引き離す

言いました意味深っぽく奈良と나라(ナラ)のあたかも同じ語源のように

 #そんなのはうそに決まっているでしょう

そんなのはうそに決まっているでしょう川べりに魚並ばせてあり

そんなのはうそに決まっているでしょうクラシック聴かせた牛肉パック

そんなのはうそに決まっているでしょうスナイパー特価のブルーベリー

そんなのはうそに決まっているでしょう男子水泳ポロリもあるよ

そんなのはうそに決まっているでしょううそうそほんと、すききらいすき

そんなのはうそに決まっているでしょう尾頭ヒロミ綾波レイ説

そんなのはうそに決まっているでしょう今年の出来が最高ボジョレー

そんなのはうそに決まっているでしょう4K対応心霊動画

そんなのはうそに決まっているでしょう自然科学の棚にあるムー

そんなのはうそに決まっているでしょう好きなタイプはお客さん、かあ


おっさんは語らずにゆく、語るのも湿地のような希望のあらば

未来から来ました(?)かばんに入ってます(??)短歌人です(これはいいのか)

別アカに歌を上げたる夢を見て起きて一応確認をする

自己肯定の究極にわれがおく祈り、いつしか他者へと至り

その手段が目的にいつか変わるときを魔境と呼べり、きみを観ていて

線遠近で写実されたる世界から逃げゆくぼくら落書きみたく

いまほしいものを考え引き窓を押し上げるようなこころなど欲し

乳房(ちちふさ)がこんなに効果あるなんて逆に怖いわ今度の人生

たましひと発音したくてたましひと書けばみなたましいと呼ぶ秋

時代から離れてペイネの絵に呼ばる、星を研ぐのは詩人の仕事

芸術は爆発じゃない、彼もまたみじめなほどに生き抜いていた

散らばった人形の四肢を拾いおり息ふき返す一文字のため

意味なくてコーヒー吹いてそののちのスマホキラキラ、きれいきたない

くちなわをえいっえいっと踏みつける夢から覚めるうわ泣いている

承認欲求のようにふくらむおっぱいの、年々大きくなる彼の絵の

歯の抜けた吾子をみており歯抜けフェチのあいつもたしか娘がいたな

たましいのランキング無料鑑定のスパムなのだが、何番だろう

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