2018年7月28日土曜日

2016年07月の自選や雑感。

このブログは、照屋沙流堂の、連作などを載せるブログから始まって、現在では、ほぼ、ツイートした短歌の収集用になっている。
うたの日に投稿した短歌はその翌月にまとめていて、日常のツイートは、2年前の先月分をまとめる形で進めてきた。

2年前というのは、微妙に遠くて、そして近い。一首を見て、ああ、と背景を思い出すこともあれば、何をうたいたいのかよく分からないものもある。

ただ、いつまでも2年前を懐かしんでもしかたがないので、少し歩みを早めて、現在に追いつかそうと思う。

自選。

枯れそうで枯れない観葉植物よ聞いてくれオレのみどりの嫉妬

ガソリンの甘い匂いを嗅ぎながら君の職場を遊びにきたり

ボーカロイド曲歌うとき人間は合成音の真似をするなり

相聞のうまい男がおりました本人はそれを恥じていました

川底の茶碗のかけらが光りいて月夜の川をさびしく見おり

歯を痛み今日は飲めぬがまたいつか、おお、「瀬を早み」みたいな感じ

いまはまだ明るいけれど上弦の月が獲物を追いつめてゆく

落花する始終になにか重大な忘れの生にいるかもしれぬ

増水して駆け抜ける川、生き物は愛別離苦の気ちがいとなり

嘘をつく人間といて、許すのか見放すのかは曖昧に笑む

波紋よりはやき四散のアメンボの親子にあらばすぐに分かるか

きみの詩を誰も読まなくなったときやっと自分の詩を詠めるとぞ

こんにちは外は結構降ってますさようなら外はもう晴れました

只今は星の秩序に大月(だいげつ)が君臨をなす眩しかる夜

あごひげを生やしたような新車からあごひげのない男出てくる

人の死はニュースになって生きているものばかりそれを痛そうに観る

真理にも幸福からも拒まれて世界は一見無茶苦茶である

末期癌の妹の治癒を祈りたるブログを読みておれは透明

政治してゲームして次は何をして当分たぶんあの世ならねば

欲望を連結したる陸蒸気(おかじょうき)の白い煙のことか幸福

いい男を釣りたいと意図するような自分のつくりを厭う今朝なる

首がポン、と飛びし絵巻の改新を原風景のように眺むる

ジュリリジュリ ジュリリリジュルリ ジュリリジュリ ジュルジュルジュリリ ジュリリ リリリリ(よのなかのほろびるときはこずえからみていてあげるかわいいままで)
(シマエナガ)

ずれている蓋を覗くと深淵が自分の顔ととても似ていた

かわいくて面倒くさくてかなしいよいのちがいのちと生きてゆくれば

溶けそうな夏の地球を舐めている宇宙温暖化の対策に
(サーティーワンアイス)

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