2018年10月20日土曜日

2018年08月うたの日の自作品31首。

「快」
気前よくニコニコ承(う)けて快男児、無茶振りすれば笑って流す

「炎」
CDを炎の中に投げ入れる、思い出まんまな燃え方だった

「耐」
ひょっとして「耐え難きを」たえちゃんと「忍びがたきを」しのぶちゃんなの!?

「レーズン」
手を貸せるタイミングなのにレーズンの断面に触れた指がべたべた

「夕立」
去ったあとまだ乾いてもいないのに、夕立のようなそんな思い出

「山」
山道を間違えたかも「正々堂々」いつか「玉砕」のニュアンス帯びて

「端」
人類の最先端をかぶりつきキーンとこめかみを手で押さう

「クワガタ」
おじいちゃんとクワガタがいるイナカよりワイファイのあるじぶんちがいい

「和」
ロマン派やシュトルムウントドランクを語りし友も和のはげあたま

「自由詠」
元カレの着信音がポポポポポー、ドン・キホーテで思い出す罠

「抜け殻」
あなたとはさよならだけど足指まできれいな抜け殻を置いてくね

「やばい」
早送りのシャーレの栄枯盛衰を笑って見てるおれらもやばい

「自由詠」
寝そべって長編を読む夏休み二日目になんの筋肉痛か

「石鹸」
ぐりぬりとこの空の色を桃色の石鹸でえがくかっこいい君

「峰」
峰打ちじゃ、安心せいという声に安心しつつ落ちる武士われ

「緑」
お盆とは緑のまつり、大地からしたたる野菜を死者と食べあう

「1600色のクレヨンで描きたい絵」
1600分の一本はこれにするあのとき空に消えたアロワナ

「ユウガオ」
ジョギングは恋だって習慣にする、この白いのはユウガオかしら

「癌」
対立ではなくて延長なのだろう空っぽの夜に星が少ない

「包丁」
明けぬ夜はないなんて話薄く切るその研がれないままの包丁

「反」
老いた叔父が小さき犬の散歩する反対勢力のごとし、跳ぶ犬

「皿」
スクランブルエッグを載せて白き朝、皿さらさらによりを戻さず

「帰」
あの明かりはきっと文明、帰れるぞ、電気まみれの消費社会に

「来」
僕の中の君の中のぼくのなかのきみを撮影して戻り来ないドローン

「殴」
元カノの俺より幸せそうな顔を見るようなみぞおちへのブロー

「夕刊」
なんとなく夕刊だった、日曜に爪切る時に広げる紙は

「微」
メルセデスのどでかいエンブレムのような微笑だな、いや、僻みのせいか

「だから」
まだそんな欲がわたしに噛みつくかだから紐、だから檻、だから餌

「など」
ドナドナの歌詞には6番まであって子牛は見事助け出される

「カマキリ」
立ち上がり威嚇するわがシルエット、少年の目よもっと輝け

「沼」
たこ坊主はここに沈んでいるでしょう沼から沼へ渡り歩って

2018年10月13日土曜日

2016年12月の自選。

自選。

京橋で君と別れて片町線さびしき、今は違う名前か

気を抜けばクリスマスソング流れたる受付できみが気を抜いている

クラスタの涯まできみを連れてゆくつもりが行けど行けど中心

ポジフィルムと同じ情報量であるネガフィルムで今日のあなたは

まっすぐの飛行機雲もだんだんとほどかれてゆく文明もかく

悪意でもみどりに芽吹くことがあるこの雨でそれが元気にふたば

笑いあり涙ありの物語にて新参なのでぎこちないです

会うときはいつも飛行機が飛んでいてそういう土地ときみにさよなら

泣くときに鼻も流れる生き物としてある限り鼻垂らし泣く

鍋の中に昨夜のおでんが残ってて貨幣価値ではいくらよこのちくわ

三上寛と山下達郎が交互にてかかるスマホに悪意を感じ

「ガンバロー」から「バカヤロー」になるまでをたしかに頑張っていた柊(ひいらぎ)

プライドは猫背のように、治ったら自分でなくなるようにもみえて

天才の主人の苦悩を眺めたる犬のバンクオー長き舌をしまう

生命は生まれやすくて逝きやすい波なき湯舟をずばりとあがる

精神の住所は近いようなるに肉体のそれが二人を分かつ

ありがたい疲れたぼくに満月が死の銀色をわれに届かす

それはまるで奥田民生のカバー曲でみんな民生っぽくなるような

何色の字で惜別を書きましょう時代は口開けるだけで過ぎゆく

頑固なる汚れになってこびりつく恋と呼びいし黒いかたまり

一週間がこんなに早いということは世界が〆に入りたるかも

善ということではなくてわれならぬ命を守るとき生きている

何もかも投げ出したいと思う日のスープレックス、空が無窮だ

神の世を説きし約翰(ヨハネ)のはるかのち天国はないと歌いいし約翰(ジョン)

何も考えず歩こう何も考えず、考えぬとはどういうことか

軽自動車でふたりで眠るあの時が一番友情がやばかった

レトリーバーのドヤ顔、飼い主との散歩たぷたぷときみの満足つづけ

情報の商材として短歌とは一首5円になかなかならぬ

この家の寒天のようなかなしさとよそよそしさよ外で息する

5回くらい大きくぶつかることにより丁度良くなる、星の話ね

伸びるかもしれぬ心よ、伸びるならどこまで大きくなるものなるか

ブルターニュは島根みたいなとこだよと言われて分かったような分からん

意志がつよいことはさびしも鋭くも陽(ひ)に喜んでしたたる氷柱

どの神に従いたれば醜(しこ)となり賤(しず)となること望みて人は

我が内にギブミーチョコレイティズムとう心理のありて師走の夜寒

六時には百分待ちの回る寿司御用納めに消えるエビたち

あの世とのあいだに深い森があり行きたがる子は長生きしない

背景にさびしさ満ちている男、話しかけたらややこしそうだ

縁側に二匹の白い芝犬が足踏みしつつ散歩を待てり

2018年10月1日月曜日

2018年07月のうたの日の自選と雑感。

そういえばうたの日のこちらの更新が6月分で止まっていた。

うたの日は2015年9月21日に始めて、満3年、連続で出し続けることができた。3年間、お世話になりました。といっても、歌を出すばかりで、投票や評もせず、自分勝手な出詠者ではありました。
そのうえ、コレイイナたん、(とのちに名付けられましたが)、という、見方によっては、うたの日の投票や評を否定するようなキャラクターを跋扈させてしまい、なかなか厄介な2次的存在であったかもしれません。不快な思いをした方にはすみません。
そして、面白がってくれた方には、とてもうれしかったです、そして、こちらも、続けられなくて、申し訳なく思っています。

うたの日3年目を区切りにするのは、数ヶ月前から考えていたことですが、9月に起こったさまざまな問題は、目にするたび口をはさみたくなるような嫌な出来事でした。

匿名で本人に言えないようなことを書くことは、なんと人を傷つけるものだろうと、あらためて驚く。しかも、戦い方がわからない。戦うものが馬鹿をみるような場所がある。
まあ、何年も前に、知り合いの歌人が同じ目にあったのを見たことがあって、そのときも、何も出来はしなかった。

ともあれ、照屋の後処理はもう少し残っている。それくらいは、ちょっとずつでも終わらせよう。

自選。

「見」
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから

「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)

「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い

「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は

「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた

「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし

「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり

「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む

「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ

「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)

「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに

「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ

「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて

2018年07月うたの日の自作品31首。

「見」
見るためには目を閉じよって話でしょ? 同じよ、だから見つめるんだから

「プール」
夏の午(ひる)のモータープール人気(ひとけ)なし蝶だけが時のながれる証(しるし)

「椰子」
椰子の実をパカッと割って、ン、と出す、はじめはバディのつもりもなくて

「ラリー」
長いことラリーに付き合っててくれたんだね、ありがとう、終わりにするよ

「キッチン」
武器的なものはキッチンに(洗ってない!)包丁だけでも洗っておくか

「無」
プレパラートを菩薩のようにつまみつつミドリムシさえ無いものが無い

「天の川」
古代人は納得していたのだろうかたとえば川底はどちら側

「競」
人類が競って宇宙に行った頃そこまで造ってなかった神は

「奈」
木屑漆(こくそ)にて塗り固めたる表情の奈良時代近きほどの阿修羅は

「自由詠」
残量が15パーセントを切ってもうすぐ生身になっちまうじゃん!

「セーラー服」
男子寮の6号室に受け継がれしセーラー服を出す時がきた

「十七歳」
悪意より嫌悪に近い殺意もつ十七歳の眼差し昏(くら)し

「使」
虫くんよ虫くんもずっとなにものか大きいものに使われる生か

「財」
人財が人材に戻るその日まで無用の系譜を守らねばならぬ

「追」
追わなかった後悔みずみずしいままのバスターミナルに雨びたびたし

「蒼色」
夕星(ゆふづつ)の見えそむる頃失へる蒼色(さうしょく)の空なりしわれらは

「熱」
151年前の夏もまた熱からむ「えゝぢやないか」ををどり

「蜃気楼」
揺れている向こうの蜃気楼だって猛暑日だろう、水はこまめに

「没」
沈没船の舵輪(だりん)ぐるぐる舵(かじ)を切るふるさとの方を向きつつ沈む

「入道雲」
入道雲の旧かなをふたり書けたならキスをしようよ、白いわくわく

「自由」
草の丘で風に吹かれて雲を見るココヲ抜ケ出ス自由ガ欲シイ

「スイカ」
口の中にシャオウムと赤く柔らかいスイカの山を食うひとくちめ

「貝」
防音も効いているので外界が何年経とうがよく眠る貝

「夕」
かわいくない男子の野次をスルーして祭りの夕べを涼しい心算(つもり)

「蝶」
蝶なのにかなり遠くに来たもんだ何やってんだろう蝶なのに

「ラクダ」
もしかしてラクダなのかもしれませんふたりのながい食事もしゃもしゃ

「鋏」
一日をじょきんと切って0時過ぎ、時の鋏(はさみ)は勤勉である

「パンダ」
天国でも中国でもないこの家でころころ鶯ボールがパンダ

「乱」
乱世をきみと遊んで現在はまじめな君を互いに知らない

「手首」
親指と中指でつくる輪っかにはちょうど収まる手首の記憶

「メロン」
甘い水をたくわえて確かにメロン、幸せは待つことでもよくて

2018年9月30日日曜日

2016年12月の123首。付け句祭り含む。

いまの夢を甘いものへと変えるため夜中にコップ一杯のコーラ

空想の否妄想の鷹や馬や海豚を走らせ捜すお前

その時にぼくは理解をしないだろう新しいってそういうことで

京橋で君と別れて片町線さびしき、今は違う名前か

根の深い悩みに母が住んでいてきみというより母からと聞く

気を抜けばクリスマスソング流れたる受付できみが気を抜いている

君は今日朝から違うと思ったら��が出ている感じじゃないの

クラスタの涯まできみを連れてゆくつもりが行けど行けど中心

ポジフィルムと同じ情報量であるネガフィルムで今日のあなたは

右に回し左に回して出でこないスティックのりを、塗れば使えた

不孝ゆえに孝をまぶしく見えるのに彼の家は当時光ってたのに

今だけを生きていたいと言っていたそういう過去を懐かしむとは

まっすぐの飛行機雲もだんだんとほどかれてゆく文明もかく

身に負えぬミスを成したる帰り道ドクダミの花を見惚れて立てる

夏生まれですってバイトのリムくんの熱帯地域のいつの夏だよ

悪意でもみどりに芽吹くことがあるこの雨でそれが元気にふたば

人間の命は甘美—。ゴータマの悟りはつまりこのことなるか

笑いあり涙ありの物語にて新参なのでぎこちないです

うすい膜をつついてとろり感情はつられはせぬよ垂らしつつ噛む

じゃあキミはほとんど東京娘じゃんと言われたらそういう顔だよね

会うときはいつも飛行機が飛んでいてそういう土地ときみにさよなら

出たー! 妖怪スマホいじりー! と子供が叫ぶ、大人が焦る

泣くときに鼻も流れる生き物としてある限り鼻垂らし泣く

約束をまだらに思い出している動物園の檻の夢にて

鍋の中に昨夜のおでんが残ってて貨幣価値ではいくらよこのちくわ

三上寛と山下達郎が交互にてかかるスマホに悪意を感じ

悲しいことをよく言う人だと思ったら作品なんだ、なんだ損した

老いのはなし健康のはなしする姉よ男の話は生々しいな

「ガンバロー」から「バカヤロー」になるまでをたしかに頑張っていた柊(ひいらぎ)

プライドは猫背のように、治ったら自分でなくなるようにもみえて

この指で人を差すのが失礼な時代も出しっぱなしで示指は

#追悼の前田短歌(2首)
結論はすでに出ていた、きみのみらいの幸せにまえだまえだはいない

厳密にはまえだまえだの兄であるまえだまえだの兄じゃないけど


天才の主人の苦悩を眺めたる犬のバンクオー長き舌をしまう

生命は生まれやすくて逝きやすい波なき湯舟をずばりとあがる

そもそもが反乱なのだ折りたたみ傘ではしのげぬ雨を行きつつ

どの線の人身事故か新宿が膨れあがってまるまる暑い

生存戦略を知らぬ子供が裸だと叫ぶ大人は止めねばならぬ

かき氷のサクレ食いつつ思わずに思うモンマルトルの誓いは

#空にはぷかりえびフライ雲(11首)
転校生の笑顔があると思いきや空にはぷかりえびフライ雲

犯人を雲で当てたる能力者、空にはぷかりえびフライ雲

神々も昼時は腹が減るだらう空にはぷかりえびフライ雲

予言では恐怖の大王くだる日の空にはぷかりえびフライ雲

とろろ蕎麦もけっしてまずくなかったが空にはぷかりえびフライ雲

(嫌なこと)ー(良かったこと)の本数で空にはぷかりえびフライ雲

あぁ聞いたことある豊作の年の空にはぷかりえびフライ雲

この呪いを誰かになすりつけるまで空にはぷかりえびフライ雲

僕の愛がきみには少し重そうで空にはぷかりえびフライ雲

遠距離のきみの写真のとなり誰よ空にはぷかりえびフライ雲

包まれていたのは僕のほうだった空にはぷかりえびフライ雲


精神の住所は近いようなるに肉体のそれが二人を分かつ

愛情は彼女にだってあったのだ、悪となるほど下手ではあった

ごりごりと固き抵抗に遭うまでは甘やかに裂くわたしのナイフ

パラリンとオリンできみが略すからふわっとネルフの地下の気配す

残念だこの「人間の評価関数」はかなりの精度にみえる

分身の術が使えるきみが好きだけど最近薄いね影が

ご当地の何もないけど白色のオイル時計をお土産にする

ありがたい疲れたぼくに満月が死の銀色をわれに届かす

離れればこの星もひとつ金色の光になるよわれわれもいつか

上弦の月でびいんと矢をはなち、射止めついでに殺してもいい

それはまるで奥田民生のカバー曲でみんな民生っぽくなるような

何色の字で惜別を書きましょう時代は口開けるだけで過ぎゆく

頑固なる汚れになってこびりつく恋と呼びいし黒いかたまり

水面からちゃぷちゃぷ底が見えぬように底流も上がよく分からない

一週間がこんなに早いということは世界が〆に入りたるかも

たすけてと叫びたいとき浮かびたる顔、顔、アイコン、顔、今日は止む

大事な時にいる人間に成るために今はさよなら、会えればうれし

正直に生きてええことあるかいな全部自分のせいにされんで(誠実に生きればいいというけれど自己責任の落とし穴あり)

塩分をこんなにとった夜の夢に白い地球であがく人類

土のような砂漠が続き2000年の雨に濡れつつ遺跡は黙(もだ)す

臭い物に蓋をするのだカラフルで匂いを忘れる強い力の

善ということではなくてわれならぬ命を守るとき生きている

何もかも投げ出したいと思う日のスープレックス、空が無窮だ

培養短歌2首
泣きながらきみのかけらを培養しそのコロニーに於母影をみる

寒空の、いな寒天に隔てられふたりは近くいながら逢えぬ

付け句祭り10首(#整理できたらいいのだけれど)
アカシックレコード? うちにありますよ整理できたらいいのだけれど

ケータイの切り替えとカレがずれててん整理できたらいいのだけれど

男女間の友情ある派ありえぬ派整理できたらいいのだけれど

安定剤的スイーツと別腹と整理できたらいいのだけれど

天国も地獄も和洋折衷で整理できたらいいのだけれど

死んだらば恥かく主体は無いけれど整理できたらいいのだけれど

断捨離とトキメキを二冊買う決意整理できたらいいのだけれど

一日は納得せねば終わらない整理できたらいいのだけれど

ハリーポッターとカバン? と石? の謎? 整理できたらいいのだけれど

このダンボールは引越しの時だけ開ける整理できたらいいのだけれど


神の世を説きし約翰(ヨハネ)のはるかのち天国はないと歌いいし約翰(ジョン)

何も考えず歩こう何も考えず、考えぬとはどういうことか

軽自動車でふたりで眠るあの時が一番友情がやばかった

結審のあとににやりとオレにだけなぜオレにだけ今でも思う

休日の午後の路地裏なつかしいわが諦めたバイエル流る

下駄箱の手を置くところのサボテンをずらせばその日に妻が戻せり

現実を上げるか下げるか透明の米の由来の水を注ぎつつ

助手席は彼女の寝場所だったから起きてられるとまだぎこちない

レトリーバーのドヤ顔、飼い主との散歩たぷたぷときみの満足つづけ

イブになってうろうろドンキホーテにて物色したる男が二、三

動き出した電車に人は手を振って日常はなんと黄金に満つ

情報の商材として短歌とは一首5円になかなかならぬ

タイムラインが幸せなイブの日よもっと難しいこと考えようぜ

コンビニのケーキが最近うまいんで今日もこれですフヒヒ、サーセン

ふいに君との絆を試されるように並ぶビニール傘よ、わからん!

この家の寒天のようなかなしさとよそよそしさよ外で息する

5回くらい大きくぶつかることにより丁度良くなる、星の話ね

伸びるかもしれぬ心よ、伸びるならどこまで大きくなるものなるか

ブルターニュは島根みたいなとこだよと言われて分かったような分からん

#レなんとか看板
レなんとか看板レなんとか看板この石橋を叩くのヤメレ

レなんとか看板レなんとか看板この死神はレを振り上げる


意志がつよいことはさびしも鋭くも陽(ひ)に喜んでしたたる氷柱

恋のつぎに憎しみがきていいじゃない、やがて懐かしい無関心まで

松飾り並べはじめた花屋にも奥には美しくシクラメン

中華まんと缶コーヒーをまだ寒い車の中で食べたらバイト

どの神に従いたれば醜(しこ)となり賤(しず)となること望みて人は

我が内にギブミーチョコレイティズムとう心理のありて師走の夜寒

六時には百分待ちの回る寿司御用納めに消えるエビたち

自己嫌悪の薄暗い火を受けとってこの火は身を焼きながら凍える

それはいまのあなたの最新情報で次の更新はいつ頃ですか

あの世とのあいだに深い森があり行きたがる子は長生きしない

背景にさびしさ満ちている男、話しかけたらややこしそうだ

道の向こうで待つきみの上にいる紳士、赤く光ってまだ進めない

いつも通り悔いと希望を残しつつちょっと苦しく痛いくらいで

いままでで今年が一番いい年であるのだ進歩ということでなく

戦争に負けそうなころ思うべしこの国はやはり以和為貴まで

縁側に二匹の白い芝犬が足踏みしつつ散歩を待てり

青空に笑顔、の代わりにツイッターのアイコン、なんてならないように

2018年8月25日土曜日

2016年11月自選。

自選。

味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる

神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議

湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町

デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む

生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし

ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の

ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで

レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う

酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている

虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて

何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を

風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし

律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット

思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい

いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり

電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる

外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う

この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬

編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています

制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん

面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない

冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた

冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら

ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ

また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし

2018年8月18日土曜日

2016年11月の107首。川柳10句。付句祭り含む。

いま死なばこんな途中と思うのでそういう終わりも有りとして寝る

太陽は北フランスも赤色かクロード・モネの印象なども

赤紐は50メートル、昨年の黄色を外してその場所に縫う

味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる

11月の雨は冷たく土の中で溺れる蚯蚓(みみず)の彼女をおもう

新しい職場の最初の飲み会で詩が趣味と言う新人を避ける

子の愛は老いた親には薄くとも親はよろこぶ子はややさびし

神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議

未来とはきっと今よりすばらしい今を生きててぼくら嬉しい

湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町

昼前に起きてゆっくり歯を磨くパスタのたらこまみれの前に

そり返るハゼの箸立てトコトコとおじぎが返事ハゼもばんざい

肯定も否定にもそれは反論し覚めつつもついにいとしく祖国

ドス黒いドス虹色(にじいろ)い工場の川、古き良き昭和が臭う

アニメ好きの友人が言うアニメキャラはいつか神社に住む神となる

気立てってなんなんだよと反抗しあの子が浮かぶ分かってはいて

デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む

生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし

なさけない本音がもれた帰り道ひとの未来はかがやいたまま

ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の

ネットワークカメラが映す丸まった悲しい背中は私じゃないよ

年下の特権がもう嫌で嫌で膝枕とか睨んで避けて

テンプラにしようここでのテンプラはきみの美味しいワインの種類

ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで

銀色の空の遠くにまで雲が、ああまた終わりは待ってくれなく

レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う

捨てていいものなんだろうその人が一番のものを捨てたるのちは

英語なら三句目だけでtime to say good bye言えるんだけど日本語なので

酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている

人間に許されうるか一週間カレーばかりの祭りをしても

虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて

太陽が頭上じゃなくて太陽に頭を向けて立つこの昼間

婉曲に運動の話ふるだけで確実に毛羽立ちゆくあなた

何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を

風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし

律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット

思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい

鼻出して泣いているのに求められ今はそういうことがつらくて

卒業後も先生然と振る舞って慕われざりし"カトキチ"さびし

たらればを何百回も考えて今回がたぶん一番近い

いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり

星があって夜なんだからぼくたちはたがいの静寂をいだきあう

電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる

彼女から彼女だけの名で呼ばれいる友を見ている目は合わさずに

爆ぜてない銀杏噛んで黄濁の思春期過ぎの純情を食う

さびしさもいつかは乾く、その時の乾いた顔はもうしかたない

真髄は寄り添うこととこうやって教えてくれる小鳥のくせに

そろそろだぼくらに幸(さち)が舞い降りる順序は最初はぼくからでいい?

外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う

この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬

忘れものしたロケットを追いかけてロケットが飛ぶ試験は明日

永遠は手のとどかない、学寮の踊り場でした口論なども

久しぶりに会うのだとしていきなりでおかしくないか挙動、今日どう?

編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています

痛みにて意思を感じる生き物よ馬鞭(ばべん)の跳ねるたび加速して

制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん

そう清く正しい男女交際の清く正しい性欲なんだ

人格は自戒しうるか、アニメでは魔法少女が宇宙書き換え

金曜の夜新宿を通り抜けさみしいお前の町へ消えゆく

言い方がきつくなるのは年齢と思うならビブラートに包も〜〜〜

旅先のぼくは軽々たのしくて絵葉書えらぶ飾る場所なく

本当に一億五千万キロの熱か、ふたりを薄着にさせて

経験が物差しでなくて年輪に広がることをおっさんと呼ぶ

わたしたちキックスタートしなきゃと女性シンガーが歌うラジオで

面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない

美人さんときみが言うときほんのりと批評のま、いや、やめておこう

テーブルに冷めたおにぎりちむちむとさびしいようでしあわせな夜

木石にぼくはひとつの悩みなど話しているよ、動かぬ木石

形状であろうがしかしよくもまあこれを竹とんぼと名づけたる

したいことを数えることはしていない出来ないことを認めるようで

サブ垢をきみのひたいに読み取って恥ずかしそうな顔ごとぱちり

くびすじの二次元コードなでながら仮想空間のあなたも愛す

地の鳥もハードモードか残機なく武器もないのに飛ばねばならぬ

脳を他の存在とする倫理観があるらむ略するなら、脳他倫

ミュシャの模写も買わされたけど好きだから彼女の真実なんて、別に

家の外でマナーモードの振動のような鳴き声、休みも終わる

人に会うと生きゆくことがなんとなく肯定されて俯いて笑む

冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた

マフラーが君の髪すこし持ち上げる時間のことを冬と呼ぶらし

現代短歌の百科全書を作るとき凡庸派などにいようよ君と

冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら

生きるから孤独とう滑稽にうなだれてぶくぶく笑う何が沸くのか

ああそうだ歌人は魔術師だったのだ扶(たす)くるときも毀(こぼ)てるときも

一年に一度きらめくことあれば差し引き0でしょう、Frimaire(フリメール)

起きてから爽やかな朝とテンションのギャップがひどいので休みます

次男とはかつてはスペアなりしゆえ歩いたりせずステップに凝る

永遠に悪魔に頭をかじられて忘恩を描き震えるダンテ

みんなまだ鳴きいるなかで先に逝く蝉は目を閉づ、(まぶたはないか)

ごーしちご、しちしちですよと説明すしちしちですかしちしちですね

赤い傘のなかであなたは水玉の影を不気味に貼られ微笑む

ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ

食べるのは男が女、食べられる女は男を食べる真夜中

また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし


#都こんぶを取り出す手つき(12首)
幸福論結論出ずに終わる頃都こんぶを取り出す手つき

『モモ』を読む通勤少女がかばんから都こんぶを取り出す手つき

叔父さんてドイツで指揮者してたんだ都こんぶを取り出す手つき

腹筋が残り50のわが上で都こんぶを取り出す手つき

ぐずりだす弟に姉も泣きたくて都こんぶを取り出す手つき

「またお前と戦うことになるとはな」都こんぶを取り出す手つき

ほんとうにうまいの? カルピスサワーから都こんぶを取り出す手つき

じいちゃんの趣味のフィルムも捨てましょう都こんぶを取り出す手つき

雪山の遭難で出しにくそうに都こんぶを取り出す手つき

初デートでネタTシャツは賭けだよね都こんぶを取り出す手つき

子ども会ユウも好きなの選びなよ都こんぶを取り出す手つき

帝都とて入手できない俺の前に都こんぶを取り出す手つき


#あたりまえ短歌(2首)
味噌ラーメンをひとくち口に含むれば味噌ラーメンの味がするなり

あなたへの好意をついに言いきって告白したるかのように見ゆ


パピプペポの川柳
寒い方がパピプペポめくパピプペポ

爆発が五回もくるぞパピプペポ

みどりごがしゃべる前日パピプペポ

ピコ太郎の輪唱の夢パピプペポ

えぐいのかなまぐさいのかパピプペポ

ズレてても指摘されずにパピプペポ

年賀状ソフトも付けてパピプペポ

カレーうどんに勝った瞬間パピプペポ

ありきたりのアドバイスしてパピプペポ

オータムリーブス踏みて二人はパピプペポ