自選。
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
2018年8月25日土曜日
2018年8月18日土曜日
2016年11月の107首。川柳10句。付句祭り含む。
いま死なばこんな途中と思うのでそういう終わりも有りとして寝る
太陽は北フランスも赤色かクロード・モネの印象なども
赤紐は50メートル、昨年の黄色を外してその場所に縫う
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
11月の雨は冷たく土の中で溺れる蚯蚓(みみず)の彼女をおもう
新しい職場の最初の飲み会で詩が趣味と言う新人を避ける
子の愛は老いた親には薄くとも親はよろこぶ子はややさびし
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
未来とはきっと今よりすばらしい今を生きててぼくら嬉しい
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
昼前に起きてゆっくり歯を磨くパスタのたらこまみれの前に
そり返るハゼの箸立てトコトコとおじぎが返事ハゼもばんざい
肯定も否定にもそれは反論し覚めつつもついにいとしく祖国
ドス黒いドス虹色(にじいろ)い工場の川、古き良き昭和が臭う
アニメ好きの友人が言うアニメキャラはいつか神社に住む神となる
気立てってなんなんだよと反抗しあの子が浮かぶ分かってはいて
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
なさけない本音がもれた帰り道ひとの未来はかがやいたまま
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ネットワークカメラが映す丸まった悲しい背中は私じゃないよ
年下の特権がもう嫌で嫌で膝枕とか睨んで避けて
テンプラにしようここでのテンプラはきみの美味しいワインの種類
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
銀色の空の遠くにまで雲が、ああまた終わりは待ってくれなく
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
捨てていいものなんだろうその人が一番のものを捨てたるのちは
英語なら三句目だけでtime to say good bye言えるんだけど日本語なので
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
人間に許されうるか一週間カレーばかりの祭りをしても
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
太陽が頭上じゃなくて太陽に頭を向けて立つこの昼間
婉曲に運動の話ふるだけで確実に毛羽立ちゆくあなた
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
鼻出して泣いているのに求められ今はそういうことがつらくて
卒業後も先生然と振る舞って慕われざりし"カトキチ"さびし
たらればを何百回も考えて今回がたぶん一番近い
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
星があって夜なんだからぼくたちはたがいの静寂をいだきあう
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
彼女から彼女だけの名で呼ばれいる友を見ている目は合わさずに
爆ぜてない銀杏噛んで黄濁の思春期過ぎの純情を食う
さびしさもいつかは乾く、その時の乾いた顔はもうしかたない
真髄は寄り添うこととこうやって教えてくれる小鳥のくせに
そろそろだぼくらに幸(さち)が舞い降りる順序は最初はぼくからでいい?
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
忘れものしたロケットを追いかけてロケットが飛ぶ試験は明日
永遠は手のとどかない、学寮の踊り場でした口論なども
久しぶりに会うのだとしていきなりでおかしくないか挙動、今日どう?
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
痛みにて意思を感じる生き物よ馬鞭(ばべん)の跳ねるたび加速して
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
そう清く正しい男女交際の清く正しい性欲なんだ
人格は自戒しうるか、アニメでは魔法少女が宇宙書き換え
金曜の夜新宿を通り抜けさみしいお前の町へ消えゆく
言い方がきつくなるのは年齢と思うならビブラートに包も〜〜〜
旅先のぼくは軽々たのしくて絵葉書えらぶ飾る場所なく
本当に一億五千万キロの熱か、ふたりを薄着にさせて
経験が物差しでなくて年輪に広がることをおっさんと呼ぶ
わたしたちキックスタートしなきゃと女性シンガーが歌うラジオで
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
美人さんときみが言うときほんのりと批評のま、いや、やめておこう
テーブルに冷めたおにぎりちむちむとさびしいようでしあわせな夜
木石にぼくはひとつの悩みなど話しているよ、動かぬ木石
形状であろうがしかしよくもまあこれを竹とんぼと名づけたる
したいことを数えることはしていない出来ないことを認めるようで
サブ垢をきみのひたいに読み取って恥ずかしそうな顔ごとぱちり
くびすじの二次元コードなでながら仮想空間のあなたも愛す
地の鳥もハードモードか残機なく武器もないのに飛ばねばならぬ
脳を他の存在とする倫理観があるらむ略するなら、脳他倫
ミュシャの模写も買わされたけど好きだから彼女の真実なんて、別に
家の外でマナーモードの振動のような鳴き声、休みも終わる
人に会うと生きゆくことがなんとなく肯定されて俯いて笑む
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
マフラーが君の髪すこし持ち上げる時間のことを冬と呼ぶらし
現代短歌の百科全書を作るとき凡庸派などにいようよ君と
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
生きるから孤独とう滑稽にうなだれてぶくぶく笑う何が沸くのか
ああそうだ歌人は魔術師だったのだ扶(たす)くるときも毀(こぼ)てるときも
一年に一度きらめくことあれば差し引き0でしょう、Frimaire(フリメール)
起きてから爽やかな朝とテンションのギャップがひどいので休みます
次男とはかつてはスペアなりしゆえ歩いたりせずステップに凝る
永遠に悪魔に頭をかじられて忘恩を描き震えるダンテ
みんなまだ鳴きいるなかで先に逝く蝉は目を閉づ、(まぶたはないか)
ごーしちご、しちしちですよと説明すしちしちですかしちしちですね
赤い傘のなかであなたは水玉の影を不気味に貼られ微笑む
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
食べるのは男が女、食べられる女は男を食べる真夜中
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
#都こんぶを取り出す手つき(12首)
幸福論結論出ずに終わる頃都こんぶを取り出す手つき
『モモ』を読む通勤少女がかばんから都こんぶを取り出す手つき
叔父さんてドイツで指揮者してたんだ都こんぶを取り出す手つき
腹筋が残り50のわが上で都こんぶを取り出す手つき
ぐずりだす弟に姉も泣きたくて都こんぶを取り出す手つき
「またお前と戦うことになるとはな」都こんぶを取り出す手つき
ほんとうにうまいの? カルピスサワーから都こんぶを取り出す手つき
じいちゃんの趣味のフィルムも捨てましょう都こんぶを取り出す手つき
雪山の遭難で出しにくそうに都こんぶを取り出す手つき
初デートでネタTシャツは賭けだよね都こんぶを取り出す手つき
子ども会ユウも好きなの選びなよ都こんぶを取り出す手つき
帝都とて入手できない俺の前に都こんぶを取り出す手つき
#あたりまえ短歌(2首)
味噌ラーメンをひとくち口に含むれば味噌ラーメンの味がするなり
あなたへの好意をついに言いきって告白したるかのように見ゆ
パピプペポの川柳
寒い方がパピプペポめくパピプペポ
爆発が五回もくるぞパピプペポ
みどりごがしゃべる前日パピプペポ
ピコ太郎の輪唱の夢パピプペポ
えぐいのかなまぐさいのかパピプペポ
ズレてても指摘されずにパピプペポ
年賀状ソフトも付けてパピプペポ
カレーうどんに勝った瞬間パピプペポ
ありきたりのアドバイスしてパピプペポ
オータムリーブス踏みて二人はパピプペポ
太陽は北フランスも赤色かクロード・モネの印象なども
赤紐は50メートル、昨年の黄色を外してその場所に縫う
味噌汁のなかに寄り添うなめこらの無情にもわれは撹拌(かくはん)させる
11月の雨は冷たく土の中で溺れる蚯蚓(みみず)の彼女をおもう
新しい職場の最初の飲み会で詩が趣味と言う新人を避ける
子の愛は老いた親には薄くとも親はよろこぶ子はややさびし
神はもう語りえないと言っちゃって遠い第四ラテラノ公会議
未来とはきっと今よりすばらしい今を生きててぼくら嬉しい
湿度100%の海にいるごとく雨霧らう町わが嫌う町
昼前に起きてゆっくり歯を磨くパスタのたらこまみれの前に
そり返るハゼの箸立てトコトコとおじぎが返事ハゼもばんざい
肯定も否定にもそれは反論し覚めつつもついにいとしく祖国
ドス黒いドス虹色(にじいろ)い工場の川、古き良き昭和が臭う
アニメ好きの友人が言うアニメキャラはいつか神社に住む神となる
気立てってなんなんだよと反抗しあの子が浮かぶ分かってはいて
デカルトは動物と人をくっきりと分けりエコノミックアニマルが読む
生き物が生き物を食うシンプルな事実のゆえにかくまでうまし
なさけない本音がもれた帰り道ひとの未来はかがやいたまま
ピュアなこととピュアなよそおいくらいかなこの詩のどこか届かぬ差異の
ネットワークカメラが映す丸まった悲しい背中は私じゃないよ
年下の特権がもう嫌で嫌で膝枕とか睨んで避けて
テンプラにしようここでのテンプラはきみの美味しいワインの種類
ていねいにふたりの書類を書きましょう筆箱の、まだ午前のペンで
銀色の空の遠くにまで雲が、ああまた終わりは待ってくれなく
レイヤから自由であったアッシジの彼なら好きと鳥たちも言う
捨てていいものなんだろうその人が一番のものを捨てたるのちは
英語なら三句目だけでtime to say good bye言えるんだけど日本語なので
酒の力を借りて今宵もぶ厚かるレヴィストロースに噛みついている
人間に許されうるか一週間カレーばかりの祭りをしても
虚無の奥にかすかに匂う権力ののぞみ、ひたいにシャワー当ていて
太陽が頭上じゃなくて太陽に頭を向けて立つこの昼間
婉曲に運動の話ふるだけで確実に毛羽立ちゆくあなた
何度でもおれは信じる、自分さえ裏切りながら意味持つ生を
風が俺を避けて行くので無風なる街である、やや役に立ちたし
律令制の役職のはるか名残りにて衛門(えもん)と名乗る猫型ロボット
思想いな詩想に肥えているだけの言葉じゃきみに届かぬわいやい
鼻出して泣いているのに求められ今はそういうことがつらくて
卒業後も先生然と振る舞って慕われざりし"カトキチ"さびし
たらればを何百回も考えて今回がたぶん一番近い
いつかなくなる日本のためにつまらない歌のつまらなさを遺しおり
星があって夜なんだからぼくたちはたがいの静寂をいだきあう
電車には幼子びーびー泣いていてその右手にはエノコロ揺るる
彼女から彼女だけの名で呼ばれいる友を見ている目は合わさずに
爆ぜてない銀杏噛んで黄濁の思春期過ぎの純情を食う
さびしさもいつかは乾く、その時の乾いた顔はもうしかたない
真髄は寄り添うこととこうやって教えてくれる小鳥のくせに
そろそろだぼくらに幸(さち)が舞い降りる順序は最初はぼくからでいい?
外はもうどんどんひゃらら、妹は浴衣のことで母と言い合う
この匂いを逃したらもう会えないと必死に必死に走る捨て犬
忘れものしたロケットを追いかけてロケットが飛ぶ試験は明日
永遠は手のとどかない、学寮の踊り場でした口論なども
久しぶりに会うのだとしていきなりでおかしくないか挙動、今日どう?
編集もされないままで山奥で雨晒されて残っています
痛みにて意思を感じる生き物よ馬鞭(ばべん)の跳ねるたび加速して
制服を着た少女にて両ひざにかさぶたあらばうつくしからん
そう清く正しい男女交際の清く正しい性欲なんだ
人格は自戒しうるか、アニメでは魔法少女が宇宙書き換え
金曜の夜新宿を通り抜けさみしいお前の町へ消えゆく
言い方がきつくなるのは年齢と思うならビブラートに包も〜〜〜
旅先のぼくは軽々たのしくて絵葉書えらぶ飾る場所なく
本当に一億五千万キロの熱か、ふたりを薄着にさせて
経験が物差しでなくて年輪に広がることをおっさんと呼ぶ
わたしたちキックスタートしなきゃと女性シンガーが歌うラジオで
面構えがよくなったきみ、実存は本質にもう先立ちたくない
美人さんときみが言うときほんのりと批評のま、いや、やめておこう
テーブルに冷めたおにぎりちむちむとさびしいようでしあわせな夜
木石にぼくはひとつの悩みなど話しているよ、動かぬ木石
形状であろうがしかしよくもまあこれを竹とんぼと名づけたる
したいことを数えることはしていない出来ないことを認めるようで
サブ垢をきみのひたいに読み取って恥ずかしそうな顔ごとぱちり
くびすじの二次元コードなでながら仮想空間のあなたも愛す
地の鳥もハードモードか残機なく武器もないのに飛ばねばならぬ
脳を他の存在とする倫理観があるらむ略するなら、脳他倫
ミュシャの模写も買わされたけど好きだから彼女の真実なんて、別に
家の外でマナーモードの振動のような鳴き声、休みも終わる
人に会うと生きゆくことがなんとなく肯定されて俯いて笑む
冷蔵庫にもたれてしゃがむキッチンのここできみだけ頑張っていた
マフラーが君の髪すこし持ち上げる時間のことを冬と呼ぶらし
現代短歌の百科全書を作るとき凡庸派などにいようよ君と
冗談を言いあう残り一週間ゆっくり話さないさようなら
生きるから孤独とう滑稽にうなだれてぶくぶく笑う何が沸くのか
ああそうだ歌人は魔術師だったのだ扶(たす)くるときも毀(こぼ)てるときも
一年に一度きらめくことあれば差し引き0でしょう、Frimaire(フリメール)
起きてから爽やかな朝とテンションのギャップがひどいので休みます
次男とはかつてはスペアなりしゆえ歩いたりせずステップに凝る
永遠に悪魔に頭をかじられて忘恩を描き震えるダンテ
みんなまだ鳴きいるなかで先に逝く蝉は目を閉づ、(まぶたはないか)
ごーしちご、しちしちですよと説明すしちしちですかしちしちですね
赤い傘のなかであなたは水玉の影を不気味に貼られ微笑む
ポロロッカにてさかのぼるぼくたちの生は叛逆ポロロロロッカ
食べるのは男が女、食べられる女は男を食べる真夜中
また国が敗れるとしてその冬に炬燵があれば少しはさびし
#都こんぶを取り出す手つき(12首)
幸福論結論出ずに終わる頃都こんぶを取り出す手つき
『モモ』を読む通勤少女がかばんから都こんぶを取り出す手つき
叔父さんてドイツで指揮者してたんだ都こんぶを取り出す手つき
腹筋が残り50のわが上で都こんぶを取り出す手つき
ぐずりだす弟に姉も泣きたくて都こんぶを取り出す手つき
「またお前と戦うことになるとはな」都こんぶを取り出す手つき
ほんとうにうまいの? カルピスサワーから都こんぶを取り出す手つき
じいちゃんの趣味のフィルムも捨てましょう都こんぶを取り出す手つき
雪山の遭難で出しにくそうに都こんぶを取り出す手つき
初デートでネタTシャツは賭けだよね都こんぶを取り出す手つき
子ども会ユウも好きなの選びなよ都こんぶを取り出す手つき
帝都とて入手できない俺の前に都こんぶを取り出す手つき
#あたりまえ短歌(2首)
味噌ラーメンをひとくち口に含むれば味噌ラーメンの味がするなり
あなたへの好意をついに言いきって告白したるかのように見ゆ
パピプペポの川柳
寒い方がパピプペポめくパピプペポ
爆発が五回もくるぞパピプペポ
みどりごがしゃべる前日パピプペポ
ピコ太郎の輪唱の夢パピプペポ
えぐいのかなまぐさいのかパピプペポ
ズレてても指摘されずにパピプペポ
年賀状ソフトも付けてパピプペポ
カレーうどんに勝った瞬間パピプペポ
ありきたりのアドバイスしてパピプペポ
オータムリーブス踏みて二人はパピプペポ
2017年12月16日土曜日
2017年11月うたの日自選と雑感。
今年も2週間ほどになって、来年はなにをしようかなーなどとぼんやり考えてみる。来年のことを言えば鬼が笑うというが、それは何月くらいの話だろうか。
まだ特にはっきり固まっているようなものはない。
先月のうたの日は、なんとなく、自分の前日の歌から「いちごつみ」しながら作ろうとしていたのだが、あらためて見ると、一語を摘めてなかったのもところどころある。
いちごつみは、いい企画だよね。ただ、マッチングをランダムにしてくれるようなページがあると、登録して、え~この人とかよ、というのも面白いかもしれない。え~この人側のような気がするけど(笑)。
自選。
「意味」
もう中年ラスコリニコフに意味を問う詩のような目の斧もつ少女
「医」
「この中に」(医者か?)「詩人はいませんか?」「歌人でしたら」「歌人は、ちょっと」
「性」
参考になるものですか二足歩行の一過性なる文明なんて
「火曜日」
なにごともない火曜日の男、窓の南天の実が揺れぬのを見つ
「ブレーキ」
踏んだのはブレーキだった、綾鷹を買って一つの終わり宣言
まだ特にはっきり固まっているようなものはない。
先月のうたの日は、なんとなく、自分の前日の歌から「いちごつみ」しながら作ろうとしていたのだが、あらためて見ると、一語を摘めてなかったのもところどころある。
いちごつみは、いい企画だよね。ただ、マッチングをランダムにしてくれるようなページがあると、登録して、え~この人とかよ、というのも面白いかもしれない。え~この人側のような気がするけど(笑)。
自選。
「意味」
もう中年ラスコリニコフに意味を問う詩のような目の斧もつ少女
「医」
「この中に」(医者か?)「詩人はいませんか?」「歌人でしたら」「歌人は、ちょっと」
「性」
参考になるものですか二足歩行の一過性なる文明なんて
「火曜日」
なにごともない火曜日の男、窓の南天の実が揺れぬのを見つ
「ブレーキ」
踏んだのはブレーキだった、綾鷹を買って一つの終わり宣言
2017年12月9日土曜日
2017年11月のうたの日の自作品30首。
「入」
ブリューゲルの村の踊りに入りぬれば君かもしれぬ村娘いて
「いい」
娘にはいいことがあれ、おっさんはそうだな詩心(しごころ)など持てばいい
「意味」
もう中年ラスコリニコフに意味を問う詩のような目の斧もつ少女
「医」
「この中に」(医者か?)「詩人はいませんか?」「歌人でしたら」「歌人は、ちょっと」
「再」
うたびとの声がふたたび戻るまで話題の若手の話NG
「擬音」
建設の槌音ダダダこれは壁完成したらもう戻らない
「ブックカバー」
裏返したブックカバーの参考書もうきみはここに飽きたのだろう
「性」
参考になるものですか二足歩行の一過性なる文明なんて
「レンガ」
きみの名の列火(れんが)の部分が燃えている文明もときに欲しがる野蛮
「自由詠」
ゆらゆらの長き焔(ほむら)に守られていな塞がれて現在のあり
「穴」
白鳥の穴場であったこの池も現在は長い目が追いかける
「ギリギリ」
腐っても鯛と男は呟いてギリギリ腐りながら長旅
「僕」
歴史上に名前がのぼったことがない僕の先祖の半分が男
「火曜日」
なにごともない火曜日の男、窓の南天の実が揺れぬのを見つ
「弓」
実際に突然ラブストーリーあらばかく弓なりの小田和正よ
「黄」
家の窓を黄色に塗ったさっきの子が抱えるストーリーが気になる
「杖」
玄関にニスつややかに塗られたる杖ありあるじを待つにあらねど
「チャンス」
誰もいない今がチャンスと角を曲がる監視カメラがさあ待っている
「馴」
からころも来つつ馴れにし君にあればカメラ越しには見知らぬ美人
「アレルギー」
守りたきつよき願いに苛まれ闇に逢いつつわが美男美女
「赤ちゃん言葉」
秋ゆえの無闇矢鱈の寂しさを寒さにすり替え生きており、ばぶ
「品」
要するに人畜無害、交替が宣言されても上品に笑み
「ブレーキ」
踏んだのはブレーキだった、綾鷹を買って一つの終わり宣言
「つむじ」
終わってもつむじの向きで伸びるだろう、もちろん髪があればではある
「待」
寝て待って待てど暮らせど果報とは縁遠いのに南向きの部屋
「凸」
男嫌いのきみのなかではぼくもただの凸なんだろう、遠すぎだ春
「ドレス」
華やかで嫌いなドレス着せられて幸せそうな笑顔じゃないの
「大学」
大学で汚れたんです幸せをシャーペンでカリカリガリガリと
「渦」
愛憎は渦なして減る、浴槽の湯が抜けたあとふやけた汚れ
「蔓」
鏡から蔓草伸びてくるほどにミュシャ的美人でふやけたニート
ブリューゲルの村の踊りに入りぬれば君かもしれぬ村娘いて
「いい」
娘にはいいことがあれ、おっさんはそうだな詩心(しごころ)など持てばいい
「意味」
もう中年ラスコリニコフに意味を問う詩のような目の斧もつ少女
「医」
「この中に」(医者か?)「詩人はいませんか?」「歌人でしたら」「歌人は、ちょっと」
「再」
うたびとの声がふたたび戻るまで話題の若手の話NG
「擬音」
建設の槌音ダダダこれは壁完成したらもう戻らない
「ブックカバー」
裏返したブックカバーの参考書もうきみはここに飽きたのだろう
「性」
参考になるものですか二足歩行の一過性なる文明なんて
「レンガ」
きみの名の列火(れんが)の部分が燃えている文明もときに欲しがる野蛮
「自由詠」
ゆらゆらの長き焔(ほむら)に守られていな塞がれて現在のあり
「穴」
白鳥の穴場であったこの池も現在は長い目が追いかける
「ギリギリ」
腐っても鯛と男は呟いてギリギリ腐りながら長旅
「僕」
歴史上に名前がのぼったことがない僕の先祖の半分が男
「火曜日」
なにごともない火曜日の男、窓の南天の実が揺れぬのを見つ
「弓」
実際に突然ラブストーリーあらばかく弓なりの小田和正よ
「黄」
家の窓を黄色に塗ったさっきの子が抱えるストーリーが気になる
「杖」
玄関にニスつややかに塗られたる杖ありあるじを待つにあらねど
「チャンス」
誰もいない今がチャンスと角を曲がる監視カメラがさあ待っている
「馴」
からころも来つつ馴れにし君にあればカメラ越しには見知らぬ美人
「アレルギー」
守りたきつよき願いに苛まれ闇に逢いつつわが美男美女
「赤ちゃん言葉」
秋ゆえの無闇矢鱈の寂しさを寒さにすり替え生きており、ばぶ
「品」
要するに人畜無害、交替が宣言されても上品に笑み
「ブレーキ」
踏んだのはブレーキだった、綾鷹を買って一つの終わり宣言
「つむじ」
終わってもつむじの向きで伸びるだろう、もちろん髪があればではある
「待」
寝て待って待てど暮らせど果報とは縁遠いのに南向きの部屋
「凸」
男嫌いのきみのなかではぼくもただの凸なんだろう、遠すぎだ春
「ドレス」
華やかで嫌いなドレス着せられて幸せそうな笑顔じゃないの
「大学」
大学で汚れたんです幸せをシャーペンでカリカリガリガリと
「渦」
愛憎は渦なして減る、浴槽の湯が抜けたあとふやけた汚れ
「蔓」
鏡から蔓草伸びてくるほどにミュシャ的美人でふやけたニート
2017年12月3日日曜日
2015年11月の自選と雑感。
現在のこのブログは、2年前の作品と、先月のうたの日の作品をまとめながら、適当に雑感を述べているのですが、それをはじめたのが、この2015年11月からのようです。
そして、このブログで自選しているものを、ボットに流しているのですが、電子書籍にしやすいフォーマットとかがあったら、編集してもよいのかなーと、ぼんやり思ったり。
こないだ、短歌連作はどのくらいの量なら一気に読めるのか、と考えると、最大で20首くらいじゃないか、という結論が一旦出た。一首に3分咀嚼をかけると、10首で30分だ。20首で、一時間だ。20首を一時間かけて読むというのは、けっこうヘロヘロだ。
だから、連作を作る時は、まず、その作品を何分かけて読んで欲しいかを決めて、それから密度と歌数を決めるのも手なんじゃないか。
そのように考えると、一冊の歌集って、もっと歌の数が少なくてもよいのかもしれない。
あ、それから、2年前のこの月に、東京文フリに出かけたようだ。しかし、文フリのつぶやきは2ツイートのみ。そりゃそうだ。誰も知り合いがいなかったのだから。
自選。
本棚の上に積まれているだろうカラフルなあのAKIRAは今も
文学青年そのまま文学中年になることもあり忌むものとして
死ぬときの準備のような歌ばかりであったといつも後で知るのだ
法則によって落ちたる葉を見つつ感傷的になるのも物理
人の死ぬニュースにざらり、つまりもうその人のいない世界のはなし
「ますように」を使ってぼくも敬虔な人と思ってくれますように
USBに入った君の魂を水没させて狂う夢みき
われと君とひとつの画面にいることの上には瑞雲たなびいていよ
発揮せぬ才能いくつ手放してこの飼い主としあわせに生く
シンギュラリティもう川岸に、最期まで手をつなぐことを静かに誓う
父ちゃんが遊んでくれてしあわせが我慢できずに笑う子を見つ
人生の予想は尽きて押しつぶした薄いレモンを唐揚げと食(た)ぶ
変わりゆく画家の筆致よ、どうしてもいつまでもここにいてはならぬか
金魚鉢の中にいるゆえ水換えはぼくに可能なことにはあらず
いいねボタンといいねえボタンのいずれかを押さねばならず悩む夢かよ
何だっけ砂糖油あげみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
そして、このブログで自選しているものを、ボットに流しているのですが、電子書籍にしやすいフォーマットとかがあったら、編集してもよいのかなーと、ぼんやり思ったり。
こないだ、短歌連作はどのくらいの量なら一気に読めるのか、と考えると、最大で20首くらいじゃないか、という結論が一旦出た。一首に3分咀嚼をかけると、10首で30分だ。20首で、一時間だ。20首を一時間かけて読むというのは、けっこうヘロヘロだ。
だから、連作を作る時は、まず、その作品を何分かけて読んで欲しいかを決めて、それから密度と歌数を決めるのも手なんじゃないか。
そのように考えると、一冊の歌集って、もっと歌の数が少なくてもよいのかもしれない。
あ、それから、2年前のこの月に、東京文フリに出かけたようだ。しかし、文フリのつぶやきは2ツイートのみ。そりゃそうだ。誰も知り合いがいなかったのだから。
自選。
本棚の上に積まれているだろうカラフルなあのAKIRAは今も
文学青年そのまま文学中年になることもあり忌むものとして
死ぬときの準備のような歌ばかりであったといつも後で知るのだ
法則によって落ちたる葉を見つつ感傷的になるのも物理
人の死ぬニュースにざらり、つまりもうその人のいない世界のはなし
「ますように」を使ってぼくも敬虔な人と思ってくれますように
USBに入った君の魂を水没させて狂う夢みき
われと君とひとつの画面にいることの上には瑞雲たなびいていよ
発揮せぬ才能いくつ手放してこの飼い主としあわせに生く
シンギュラリティもう川岸に、最期まで手をつなぐことを静かに誓う
父ちゃんが遊んでくれてしあわせが我慢できずに笑う子を見つ
人生の予想は尽きて押しつぶした薄いレモンを唐揚げと食(た)ぶ
変わりゆく画家の筆致よ、どうしてもいつまでもここにいてはならぬか
金魚鉢の中にいるゆえ水換えはぼくに可能なことにはあらず
いいねボタンといいねえボタンのいずれかを押さねばならず悩む夢かよ
何だっけ砂糖油あげみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
2015年11月の60首とパロディ短歌1首。
科学にてせばまっていく世界へのモザイク、男は見たき生き物
本棚の上に積まれているだろうカラフルなあのAKIRAは今も
若くしての才能の訃を聴きながら若からぬわれの意味までにじむ
文学青年そのまま文学中年になることもあり忌むものとして
内海のこの砂浜はゆっくりと平らなる波の洗浄を待つ
静寂の音をしじまと呼ぶのって耳がいいよね、柿まだ食べる?
才能はあろうなかろうカローラに乗りし男を選んだきみは
選びしは自分だからかこの場所をのこのこ歩く因果のように
死ぬときの準備のような歌ばかりであったといつも後で知るのだ
法則によって落ちたる葉を見つつ感傷的になるのも物理
足元に着かず降り立つすずめらの、めらめ、めめらめ、独善(どくぜん)の寂(じゃく)
コンピュータゲームが盛り上がるころに干渉したりペリュトン=レンジ
人の死ぬニュースにざらり、つまりもうその人のいない世界のはなし
水星にぼくは棲むんだ、緑色の太陽と黒い空の真下で
もしかしてこの人生はところてんの材料までの満員電車
薄暗い公園のベンチみておれば人がいてちょっと驚きすぎた
てんぷらの黄色い匂いする路地をその家の子のようによろこぶ
毛玉とか猫を呼びつつ猫も猫で父のあぐらに乗りて丸まる
現実を誤魔化すために現実を歌うのもあり、われ歌われて
萌え絵など坊主が屏風に描くだろう狂気が病気になりし時代に
「ますように」を使ってぼくも敬虔な人と思ってくれますように
気がつけば世界はしじまに満ちていて音楽よりもうるさきほどに
きつね冷やしたぬきも冷やし河童(かわらわ)は巻く、親の身は子どもで閉じる
USBに入った君の魂を水没させて狂う夢みき
現代の危機嬉々として語りたる喫茶店にも伏兵潜む
いい人と思うからこそ騙されてつまり詐欺師はいい人である
ラーメンを待つ間(ま)クリックされざりし命をおもう、そしてラーメン
排便の感触を記録する男今日のはニュルンベルクとか云うな
7の字のかたちの老夫、横になれば1を倒したかたちとなるか
われと君とひとつの画面にいることの上には瑞雲たなびいていよ
発揮せぬ才能いくつ手放してこの飼い主としあわせに生く
赤白黒の三色(みいろ)に女をこしらえてその残りたる色で男は
シンギュラリティもう川岸に、最期まで手をつなぐことを静かに誓う
作品は完成したることもあり作者の生が不要なほどの
雑居ビルに生のほとんどいたりける男死すれば雑居居士と書かれき
男数人女一人で飯に行く景色よくあるものとして見つ
かまぼこのような若さの味がしてひらくとは少し死んでいくこと
昭和期に活躍したる先生のその無茶苦茶な修行慕(した)わし
職場にてモランの孤独をあしばやに語っておりぬ、わりと重めの
月かげにましろき猫がたたずんであわれむように人を見るなり
前世紀熱線照射実験でハラキリ虫はのたうちまわる
つけっぱなしの電気の文句言うために階段をのぼる、上乗せしつつ
下北の下は南でないのかと口にせずただ突風ひとつ
ビーバーの絵に似てるのはつぶらなる目もだが青きひげの剃りあと
天才に許されている放埒のほうのあたりで時間みていき
父ちゃんが遊んでくれてしあわせが我慢できずに笑う子を見つ
ワインにて前後の不覚あやしくて恋であったということにして
ポロネーゼ食いつつショパンのポロネーズ聴くベタにして夕(ゆう)べ、祝日
人生の予想は尽きて押しつぶした薄いレモンを唐揚げと食(た)ぶ
変わりゆく画家の筆致よ、どうしてもいつまでもここにいてはならぬか
金魚鉢の中にいるゆえ水換えはぼくに可能なことにはあらず
お笑いの小ネタのように埋立地のビル群は地震でおんなじ揺れる
雨のビームがぼくのからだに降りそそぎ穴だらけなるままに帰りき
いいねボタンといいねえボタンのいずれかを押さねばならず悩む夢かよ
武器を持って戦う権利奪い終え君の燃えたる目を味わえり
ええいもう忘れてしまえ脳内から耳かきでかゆく出してしまいたき
何だっけ相当あったけーみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
何だっけ砂糖油あげみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
ブラックホールを絵図で説明するときのグラフの深いくぼみ見おろす
清流が心のなかにありますと云われてそれが雫となりぬ
パロディ短歌
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし吸い殻捨つる灰皿ありや
本棚の上に積まれているだろうカラフルなあのAKIRAは今も
若くしての才能の訃を聴きながら若からぬわれの意味までにじむ
文学青年そのまま文学中年になることもあり忌むものとして
内海のこの砂浜はゆっくりと平らなる波の洗浄を待つ
静寂の音をしじまと呼ぶのって耳がいいよね、柿まだ食べる?
才能はあろうなかろうカローラに乗りし男を選んだきみは
選びしは自分だからかこの場所をのこのこ歩く因果のように
死ぬときの準備のような歌ばかりであったといつも後で知るのだ
法則によって落ちたる葉を見つつ感傷的になるのも物理
足元に着かず降り立つすずめらの、めらめ、めめらめ、独善(どくぜん)の寂(じゃく)
コンピュータゲームが盛り上がるころに干渉したりペリュトン=レンジ
人の死ぬニュースにざらり、つまりもうその人のいない世界のはなし
水星にぼくは棲むんだ、緑色の太陽と黒い空の真下で
もしかしてこの人生はところてんの材料までの満員電車
薄暗い公園のベンチみておれば人がいてちょっと驚きすぎた
てんぷらの黄色い匂いする路地をその家の子のようによろこぶ
毛玉とか猫を呼びつつ猫も猫で父のあぐらに乗りて丸まる
現実を誤魔化すために現実を歌うのもあり、われ歌われて
萌え絵など坊主が屏風に描くだろう狂気が病気になりし時代に
「ますように」を使ってぼくも敬虔な人と思ってくれますように
気がつけば世界はしじまに満ちていて音楽よりもうるさきほどに
きつね冷やしたぬきも冷やし河童(かわらわ)は巻く、親の身は子どもで閉じる
USBに入った君の魂を水没させて狂う夢みき
現代の危機嬉々として語りたる喫茶店にも伏兵潜む
いい人と思うからこそ騙されてつまり詐欺師はいい人である
ラーメンを待つ間(ま)クリックされざりし命をおもう、そしてラーメン
排便の感触を記録する男今日のはニュルンベルクとか云うな
7の字のかたちの老夫、横になれば1を倒したかたちとなるか
われと君とひとつの画面にいることの上には瑞雲たなびいていよ
発揮せぬ才能いくつ手放してこの飼い主としあわせに生く
赤白黒の三色(みいろ)に女をこしらえてその残りたる色で男は
シンギュラリティもう川岸に、最期まで手をつなぐことを静かに誓う
作品は完成したることもあり作者の生が不要なほどの
雑居ビルに生のほとんどいたりける男死すれば雑居居士と書かれき
男数人女一人で飯に行く景色よくあるものとして見つ
かまぼこのような若さの味がしてひらくとは少し死んでいくこと
昭和期に活躍したる先生のその無茶苦茶な修行慕(した)わし
職場にてモランの孤独をあしばやに語っておりぬ、わりと重めの
月かげにましろき猫がたたずんであわれむように人を見るなり
前世紀熱線照射実験でハラキリ虫はのたうちまわる
つけっぱなしの電気の文句言うために階段をのぼる、上乗せしつつ
下北の下は南でないのかと口にせずただ突風ひとつ
ビーバーの絵に似てるのはつぶらなる目もだが青きひげの剃りあと
天才に許されている放埒のほうのあたりで時間みていき
父ちゃんが遊んでくれてしあわせが我慢できずに笑う子を見つ
ワインにて前後の不覚あやしくて恋であったということにして
ポロネーゼ食いつつショパンのポロネーズ聴くベタにして夕(ゆう)べ、祝日
人生の予想は尽きて押しつぶした薄いレモンを唐揚げと食(た)ぶ
変わりゆく画家の筆致よ、どうしてもいつまでもここにいてはならぬか
金魚鉢の中にいるゆえ水換えはぼくに可能なことにはあらず
お笑いの小ネタのように埋立地のビル群は地震でおんなじ揺れる
雨のビームがぼくのからだに降りそそぎ穴だらけなるままに帰りき
いいねボタンといいねえボタンのいずれかを押さねばならず悩む夢かよ
武器を持って戦う権利奪い終え君の燃えたる目を味わえり
ええいもう忘れてしまえ脳内から耳かきでかゆく出してしまいたき
何だっけ相当あったけーみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
何だっけ砂糖油あげみたいなあの沖縄のドーナツみたいの
ブラックホールを絵図で説明するときのグラフの深いくぼみ見おろす
清流が心のなかにありますと云われてそれが雫となりぬ
パロディ短歌
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし吸い殻捨つる灰皿ありや
2016年12月11日日曜日
2016年11月うたの日自作品と雑感。
「うたの日」のサイトが今月の25日で、1000日を迎えるということで、おめでとうございます。すごいことだし、運営の方の見えない苦労が偲ばれます。
テルヤは去年から参加させていただき、447日参加しているとのことなので、だいたい半分くらい、お目汚ししているわけです。追い出されないだけでも、ありがたいことなのです。
短歌投稿のウェブサイトは、他にも「うたよみん」や「うたのわ」というのもあり、それぞれ、特色があったりして、その違いがシステムによるのか、他の要因があるのかわからないけれど、結社と、同人、新聞・雑誌投稿とはまた違った地歩を固めつつあって、面白いことだと思う。
短歌のそれぞれを見るときに、無意識の位階序列があるのかもしれない。それは「短歌は文学だ」意識みたいなもので、その強度順に、システムが決定されてゆくようである。
いわく、
①選歌→②批評→③投票→④自由、の順に、文学性が高まっていく(と信じられている)。
「うたの日」は、ちょうど③の投票を軸に、②の批評、コメントに少し足をかけているシステムと言える。とはいえ、④の参加フリーの形態もあるので、ネガティブな批評を受け止める関係を、参加者が作れないところがある。
だいたい、しっかりした関係が築けていないのに、上からお説教したり、お節介な添削などはしてはいけないものなのである。(お前が言うな)
ただ、短歌のうまさ面白さは、文学であるかどうかが関係ないところもあって、まったくの娯楽のひまつぶしでめっぽう上手い人や面白い人も多い。そういう「歌壇」では見つけられないひとをウェブサイトが抱える、ということが可能なのは、もっと注目してもいいかもしれない。
自選など。
「速」
倍速で観るドキュメンタリーで泣くリプレイすればリプレイで泣く
※ドキュメンタリーは、そういう形式の編集されたものだし、それをしかも早回しで観ることで得た感動に、真実性がどのくらいあるだろうか。
「北」
東にはいきおいが西はやすらぎが南はたのしさが、北は寒い
※北の人ごめんなさい。
「包」
うすぎぬのそれよりうすき物理的にみえないものが包むのが愛
※「愛」にはいくつも動詞があてらるが、そのうちの平凡な一つかも。
「自由詠」
山賊焼きにかぶりつきつつ大国の七十歳の野心羨(とも)しき
※アメリカ大統領選挙ですね。アメリカの地図と山賊焼きの形を少しかぶらせつつ。
「悪」
腹が減っては悪事もできぬとキッチンで袋麺さがす、正しく作る
※まあ、悪人がすべてにおいて悪かというと、正しいところもあるわいな。
「象」
絶滅したらもう俺たちは捏造だこの長い鼻の骨なんてない
※骨からは象が復元できないという事実は、知というものの限界を考えさせてくれる。
「枯れる」
霧吹きでもうやめようよびしょびしょの枯れる兆しのパンダガジュマル
※枯れはじめたものをよみがえらせるのは、むずかしい。
「正義」
大募集:正義の味方,条件は悪を討つとき躊躇せぬこと
※この歌について太田宣子さんが「条件は悪を討つとき涙すること」と別案を示されて、こちらの方がすっきりして上手いと思いました(そうだお礼を書いてない)。しかしこの歌は、この募集のグロテスクさ、不気味さ、一見の正しさ、みたいなところをかもしたい歌だったので、たぶんそこらへんが下手さなのかもしれません。
(ただ、逆に読むと、太田さんの募集で入ろうと思う人の方が、グロいとは言えるかもしれません)
「癒」
ティーバッグをきみは三杯目も好きで白湯に近づくあたりが癒し
※じゃあ最初から白湯のめよ、とはならないんすよね。
「税」
大型のパロットだから分かるんだ税込価格がまた安くなる
※大型の鳥は、誰でも飼えるものじゃないですからね。
テルヤは去年から参加させていただき、447日参加しているとのことなので、だいたい半分くらい、お目汚ししているわけです。追い出されないだけでも、ありがたいことなのです。
短歌投稿のウェブサイトは、他にも「うたよみん」や「うたのわ」というのもあり、それぞれ、特色があったりして、その違いがシステムによるのか、他の要因があるのかわからないけれど、結社と、同人、新聞・雑誌投稿とはまた違った地歩を固めつつあって、面白いことだと思う。
短歌のそれぞれを見るときに、無意識の位階序列があるのかもしれない。それは「短歌は文学だ」意識みたいなもので、その強度順に、システムが決定されてゆくようである。
いわく、
①選歌→②批評→③投票→④自由、の順に、文学性が高まっていく(と信じられている)。
「うたの日」は、ちょうど③の投票を軸に、②の批評、コメントに少し足をかけているシステムと言える。とはいえ、④の参加フリーの形態もあるので、ネガティブな批評を受け止める関係を、参加者が作れないところがある。
だいたい、しっかりした関係が築けていないのに、上からお説教したり、お節介な添削などはしてはいけないものなのである。(お前が言うな)
ただ、短歌のうまさ面白さは、文学であるかどうかが関係ないところもあって、まったくの娯楽のひまつぶしでめっぽう上手い人や面白い人も多い。そういう「歌壇」では見つけられないひとをウェブサイトが抱える、ということが可能なのは、もっと注目してもいいかもしれない。
自選など。
「速」
倍速で観るドキュメンタリーで泣くリプレイすればリプレイで泣く
※ドキュメンタリーは、そういう形式の編集されたものだし、それをしかも早回しで観ることで得た感動に、真実性がどのくらいあるだろうか。
「北」
東にはいきおいが西はやすらぎが南はたのしさが、北は寒い
※北の人ごめんなさい。
「包」
うすぎぬのそれよりうすき物理的にみえないものが包むのが愛
※「愛」にはいくつも動詞があてらるが、そのうちの平凡な一つかも。
「自由詠」
山賊焼きにかぶりつきつつ大国の七十歳の野心羨(とも)しき
※アメリカ大統領選挙ですね。アメリカの地図と山賊焼きの形を少しかぶらせつつ。
「悪」
腹が減っては悪事もできぬとキッチンで袋麺さがす、正しく作る
※まあ、悪人がすべてにおいて悪かというと、正しいところもあるわいな。
「象」
絶滅したらもう俺たちは捏造だこの長い鼻の骨なんてない
※骨からは象が復元できないという事実は、知というものの限界を考えさせてくれる。
「枯れる」
霧吹きでもうやめようよびしょびしょの枯れる兆しのパンダガジュマル
※枯れはじめたものをよみがえらせるのは、むずかしい。
「正義」
大募集:正義の味方,条件は悪を討つとき躊躇せぬこと
※この歌について太田宣子さんが「条件は悪を討つとき涙すること」と別案を示されて、こちらの方がすっきりして上手いと思いました(そうだお礼を書いてない)。しかしこの歌は、この募集のグロテスクさ、不気味さ、一見の正しさ、みたいなところをかもしたい歌だったので、たぶんそこらへんが下手さなのかもしれません。
(ただ、逆に読むと、太田さんの募集で入ろうと思う人の方が、グロいとは言えるかもしれません)
「癒」
ティーバッグをきみは三杯目も好きで白湯に近づくあたりが癒し
※じゃあ最初から白湯のめよ、とはならないんすよね。
「税」
大型のパロットだから分かるんだ税込価格がまた安くなる
※大型の鳥は、誰でも飼えるものじゃないですからね。
2016年12月10日土曜日
2016年11月うたの日自作品の30首
「速」
倍速で観るドキュメンタリーで泣くリプレイすればリプレイで泣く
「回」
憎しみがいつから首の綱になり回ってしまう離れきらずに
「北」
東にはいきおいが西はやすらぎが南はたのしさが、北は寒い
「集」
ゾウ好きな彼女が出来てゾウグッズを集めるお前、前はペンギン
「音」
山芋の千切りポン酢シャキシャキとモクシャキモクと、海苔は消音
「カード」
入館のカードのカバンを間違えて我もカバンも偽物である
「包」
うすぎぬのそれよりうすき物理的にみえないものが包むのが愛
「連絡」
まだたぶん地上にいると思うけど連絡電波を日に2度飛ばす
「棘」
出し入れの自由な棘を持っていてだいたいきみの距離まで伸ばす
「自由詠」
山賊焼きにかぶりつきつつ大国の七十歳の野心羨(とも)しき
「トランプ」
合宿の一日目だけトランプは盛り上がりたり残りはスマホ
「親」
親に向かって折りたたみ椅子を投げつけた痛みが親亡きあとに激痛
「?」
ジェンダーの話だろうか、なんとなく疑問で男、こたえはおんな
「私」
植物の枯れゆくようにどこからというでもなくて毀(こぼ)ちてわたし
「悪」
腹が減っては悪事もできぬとキッチンで袋麺さがす、正しく作る
「白菜」
情勢の意見にズレのある兄と浅漬けの白菜を突(つつ)きつ
「アスファルト」
ここからはアスファルト舗装されてないみみみちですすきだだききみがが
「象」
絶滅したらもう俺たちは捏造だこの長い鼻の骨なんてない
「枯れる」
霧吹きでもうやめようよびしょびしょの枯れる兆しのパンダガジュマル
「正義」
大募集:正義の味方,条件は悪を討つとき躊躇せぬこと
「飼」
三年で死んじゃったんだ、飼っていた想いはいつか弱りはじめて
「夫婦」
先進的過ぎない音を聴きながら夫婦の夜のゆるいドライブ
「ばね」
君の家けっこうでかいけっこうでかい二匹のばねのこれは歓迎?
「平仮名だけの歌」
もつもつともっともっとともつなべのいいたいことをいつまでもかむ
「じゃん」
サザン流れてかならず横浜民謡と言う店長の生まれ座間じゃん
「女子高生」
制服を着て女子高生になることの耐えられない日やすらかなる日
「魚偏」
生きることの双六でかなり間違えて魚偏まで戻されてゆく
「癒」
ティーバッグをきみは三杯目も好きで白湯に近づくあたりが癒し
「山手線」
吸って吐いて吸って吸って吐いて吸って山手線一時過ぎには全部吐ききる
「税」
大型のパロットだから分かるんだ税込価格がまた安くなる
倍速で観るドキュメンタリーで泣くリプレイすればリプレイで泣く
「回」
憎しみがいつから首の綱になり回ってしまう離れきらずに
「北」
東にはいきおいが西はやすらぎが南はたのしさが、北は寒い
「集」
ゾウ好きな彼女が出来てゾウグッズを集めるお前、前はペンギン
「音」
山芋の千切りポン酢シャキシャキとモクシャキモクと、海苔は消音
「カード」
入館のカードのカバンを間違えて我もカバンも偽物である
「包」
うすぎぬのそれよりうすき物理的にみえないものが包むのが愛
「連絡」
まだたぶん地上にいると思うけど連絡電波を日に2度飛ばす
「棘」
出し入れの自由な棘を持っていてだいたいきみの距離まで伸ばす
「自由詠」
山賊焼きにかぶりつきつつ大国の七十歳の野心羨(とも)しき
「トランプ」
合宿の一日目だけトランプは盛り上がりたり残りはスマホ
「親」
親に向かって折りたたみ椅子を投げつけた痛みが親亡きあとに激痛
「?」
ジェンダーの話だろうか、なんとなく疑問で男、こたえはおんな
「私」
植物の枯れゆくようにどこからというでもなくて毀(こぼ)ちてわたし
「悪」
腹が減っては悪事もできぬとキッチンで袋麺さがす、正しく作る
「白菜」
情勢の意見にズレのある兄と浅漬けの白菜を突(つつ)きつ
「アスファルト」
ここからはアスファルト舗装されてないみみみちですすきだだききみがが
「象」
絶滅したらもう俺たちは捏造だこの長い鼻の骨なんてない
「枯れる」
霧吹きでもうやめようよびしょびしょの枯れる兆しのパンダガジュマル
「正義」
大募集:正義の味方,条件は悪を討つとき躊躇せぬこと
「飼」
三年で死んじゃったんだ、飼っていた想いはいつか弱りはじめて
「夫婦」
先進的過ぎない音を聴きながら夫婦の夜のゆるいドライブ
「ばね」
君の家けっこうでかいけっこうでかい二匹のばねのこれは歓迎?
「平仮名だけの歌」
もつもつともっともっとともつなべのいいたいことをいつまでもかむ
「じゃん」
サザン流れてかならず横浜民謡と言う店長の生まれ座間じゃん
「女子高生」
制服を着て女子高生になることの耐えられない日やすらかなる日
「魚偏」
生きることの双六でかなり間違えて魚偏まで戻されてゆく
「癒」
ティーバッグをきみは三杯目も好きで白湯に近づくあたりが癒し
「山手線」
吸って吐いて吸って吸って吐いて吸って山手線一時過ぎには全部吐ききる
「税」
大型のパロットだから分かるんだ税込価格がまた安くなる
2016年12月4日日曜日
2014年11月作品雑感。
小説とは、文字通り「小さな説」である、つまり、文学とか、たいそうな話なんかではなくて、ちょっとした言葉のつくりものなんだよ、みたいな言葉だったのが、明治時代に、西洋のnovelの訳にすることで、立派な文学になってしまったんだが、長編小説って、長いのか小さいのか、よく分からないよね。
短歌というのは、これまた、明治の文学運動の中で、和歌ではなく、短歌という文学になってしまった言葉で、「短い歌」なんだけど、長歌に対しての短歌というより、使用文字の「短い」という意味になっている。(長歌に対してはもともと反歌であるし)
和歌って言葉は、「この国の歌」という意味であり、あきらかに、「漢詩」を意識して生まれた言葉であるので、短歌にも、明治の、対外的な意識のなかで、「短さ」を逆手にとったプライドがある言葉なのかもしれない。
所詮短い歌だなあ、という気持ちこそが、短歌的なのかもしれない。
自選など。
口をぱくぱくさせては歩く老人の霊薄(うす)らえば機構あたらし
消えていい写真を撮ってライフログは究極のわがひつまぶし食う
オフィーリアも日本語ならばどんぶらこどんぶらことて流れ揺蕩(たゆた)う
やくたいもないこっちゃなどと言い捨てて店出るように秋をはや去る
足首の太き女を走らせてピカソが描く古代の偽造
連鎖する事物の不思議に子は酔いてしりとりはりんごゴリラはラッパ
民主主義は素人がそれを選ぶこと、紫陽花は雨に濡れて色増す
本人は知らずわざわざ言うこともないが若さは光るってこと
通勤のときどき見しが今は見ぬ薄倖そうな一重の美人
草莽(そうもう)のいや莽蒼(もうそう)の郊外のエノコロの生えた国道さびし
夕日差すテーブルに林檎褪(あ)せまるで塚本邦雄的ひややかさ
米塩(べいえん)のひとつぶもなき貧困はあらねどコンビニ明るく遠き
新しい長靴買って雨を待つ少女のごとし、ストーブポチり
※この「ポチる」(ネットで注文をする)は、あと何年使える動詞だろうか。
夢にても古書店でこの本を選(えら)み購(か)う直前に棚に戻せり
モンキチョウがしばらくわれに並走し異なる論理でそのまま去れり
露悪にも露善にも飽き、ネットにもサイト枯れゆく秋の来るなり
言い切っては美しい日本語でないかもとかもしれないといえるともせず
サザンでいうとアルバムの中に時々の桑田が歌ってない曲の感じ
短歌というのは、これまた、明治の文学運動の中で、和歌ではなく、短歌という文学になってしまった言葉で、「短い歌」なんだけど、長歌に対しての短歌というより、使用文字の「短い」という意味になっている。(長歌に対してはもともと反歌であるし)
和歌って言葉は、「この国の歌」という意味であり、あきらかに、「漢詩」を意識して生まれた言葉であるので、短歌にも、明治の、対外的な意識のなかで、「短さ」を逆手にとったプライドがある言葉なのかもしれない。
所詮短い歌だなあ、という気持ちこそが、短歌的なのかもしれない。
自選など。
口をぱくぱくさせては歩く老人の霊薄(うす)らえば機構あたらし
消えていい写真を撮ってライフログは究極のわがひつまぶし食う
オフィーリアも日本語ならばどんぶらこどんぶらことて流れ揺蕩(たゆた)う
やくたいもないこっちゃなどと言い捨てて店出るように秋をはや去る
足首の太き女を走らせてピカソが描く古代の偽造
連鎖する事物の不思議に子は酔いてしりとりはりんごゴリラはラッパ
民主主義は素人がそれを選ぶこと、紫陽花は雨に濡れて色増す
本人は知らずわざわざ言うこともないが若さは光るってこと
通勤のときどき見しが今は見ぬ薄倖そうな一重の美人
草莽(そうもう)のいや莽蒼(もうそう)の郊外のエノコロの生えた国道さびし
夕日差すテーブルに林檎褪(あ)せまるで塚本邦雄的ひややかさ
米塩(べいえん)のひとつぶもなき貧困はあらねどコンビニ明るく遠き
新しい長靴買って雨を待つ少女のごとし、ストーブポチり
※この「ポチる」(ネットで注文をする)は、あと何年使える動詞だろうか。
夢にても古書店でこの本を選(えら)み購(か)う直前に棚に戻せり
モンキチョウがしばらくわれに並走し異なる論理でそのまま去れり
露悪にも露善にも飽き、ネットにもサイト枯れゆく秋の来るなり
言い切っては美しい日本語でないかもとかもしれないといえるともせず
サザンでいうとアルバムの中に時々の桑田が歌ってない曲の感じ
2016年12月3日土曜日
2014年11月の60首
精神の痛みも痛み、耐えながら噛むくちびるは白き表示の
人工と自然のじつに猥褻で率直な景をみたき霜月
野良猫の小さい方は飛び跳ねて喜んでいるかゆい世界に
口をぱくぱくさせては歩く老人の霊薄(うす)らえば機構あたらし
球に住む生き物なので地揺るるを理解はするがもういやである
責任感を半分にして傾(かし)ぐほど世界はお前のせいじゃないから
消えていい写真を撮ってライフログは究極のわがひつまぶし食う
落ちているアイス棒にも蟻の来ぬ世界はさむし、あい嘗(な)めなくば
人間のさとりはたかが知れていて生を愛せよ死を愛すまで
オフィーリアも日本語ならばどんぶらこどんぶらことて流れ揺蕩(たゆた)う
食欲の否体重の危急なる秋(とき)ならぬ秋(あき)、空腹に耐う
真白なる心の皮で隠しいる、餃子の餡を包む感じで
人生に向きあうごとき丼のもう少しちゃんと噛まねばならぬ
世界にひとつだけかもしれぬ花枯れて緑も減ればセピヤへ至る
やくたいもないこっちゃなどと言い捨てて店出るように秋をはや去る
足首の太き女を走らせてピカソが描く古代の偽造
理屈ばかりが時を得顔の時代ゆえ感情薄きヒロインぞ美(は)し
進むのが壊すのに似てこれ以上行きたくないと口には出さず
先ほどの見過ごされたる赤色のゴリラばかりの毎日を生く
真実の言葉を君は待っていて、われの番かはふりみふらずみ
連鎖する事物の不思議に子は酔いてしりとりはりんごゴリラはラッパ
民主主義は素人がそれを選ぶこと、紫陽花は雨に濡れて色増す
ポエティックが耐えられないと言うに言えず詩人は文字を書いては消して
本人は知らずわざわざ言うこともないが若さは光るってこと
世界から取り残りゆくめじるしのトリコロールのマフラーぬくし
生きることの土性骨弱きわれわれの承認自殺の呼び名いろいろ
恥部のごときあかき葉落とし植物はわれわれにない秋の姿す
年波に、削られてゆく白砂の松並木歩くわれは肥えゆく
通勤のときどき見しが今は見ぬ薄倖そうな一重の美人
草莽(そうもう)のいや莽蒼(もうそう)の郊外のエノコロの生えた国道さびし
夕日差すテーブルに林檎褪(あ)せまるで塚本邦雄的ひややかさ
当然のように実際とうぜんに肩に載る鳥ちゅんという顔
米塩(べいえん)のひとつぶもなき貧困はあらねどコンビニ明るく遠き
舌の上で海苔を破(わ)りつつ萌(きざ)しくる思いを酒で泳がせてみる
新しい長靴買って雨を待つ少女のごとし、ストーブポチり
灘のごと押し寄せくれど飲み込まずかくして保(たも)ちいたるかたちは
CM上の演出ですと右下に書いてあるがに葉の降る秋ぞ
一ダースでも君を飲み干すと歌うのを彼女の細い声を朝聴く
渋滞がうれしいと歌うポップスがあった気がする、渋滞ながし
知はここで食材となり大食いのファイトのような議論を眺む
夢にても古書店でこの本を選(えら)み購(か)う直前に棚に戻せり
モンキチョウがしばらくわれに並走し異なる論理でそのまま去れり
われわれは時流なればか未来には原発増やせの声たかまらん
ブルースに合わぬ酒にも酔いなずむかなしみが青になるということ
ポリューリョンの意味ぼんやりのだらだらの半身浴は冷えつつ温(ぬく)し
こぎとえるごすむこともなく端末を指でなぞっている子の現世
ピリピリと電気に覆われたる星の表面に生(あ)れ表面に消ゆ
何年もさみしさに身を曝されてさみしがり屋はさみしく酔えり
世界でいうと濁(にご)りらへんにいるわれがまだ死なないと決意しちゃうか
髪洗う女の絵だが、悲しみに似た愛のことが伝わってくる
モノレールのまなざしは鳥、表情のちょうど見えない距離で見る人
夢でみた彼女は誰だ、恋までの会話を氷水飲みながら
雨の日のマックにしのぎたる人の疲れも少し湿れる時間
露悪にも露善にも飽き、ネットにもサイト枯れゆく秋の来るなり
郷に入れば郷に従う上海の姉ちゃんといてグローバルなのか
言い切っては美しい日本語でないかもとかもしれないといえるともせず
サザンでいうとアルバムの中に時々の桑田が歌ってない曲の感じ
新しい曲が賛美歌っぽくなり賛美したきものわがうちにありや
鳥よわが肩にて満員電車から職場までちょんと遊びにくるか
植物に光呼吸のあるを知り闇呼吸とか調べるお前
人工と自然のじつに猥褻で率直な景をみたき霜月
野良猫の小さい方は飛び跳ねて喜んでいるかゆい世界に
口をぱくぱくさせては歩く老人の霊薄(うす)らえば機構あたらし
球に住む生き物なので地揺るるを理解はするがもういやである
責任感を半分にして傾(かし)ぐほど世界はお前のせいじゃないから
消えていい写真を撮ってライフログは究極のわがひつまぶし食う
落ちているアイス棒にも蟻の来ぬ世界はさむし、あい嘗(な)めなくば
人間のさとりはたかが知れていて生を愛せよ死を愛すまで
オフィーリアも日本語ならばどんぶらこどんぶらことて流れ揺蕩(たゆた)う
食欲の否体重の危急なる秋(とき)ならぬ秋(あき)、空腹に耐う
真白なる心の皮で隠しいる、餃子の餡を包む感じで
人生に向きあうごとき丼のもう少しちゃんと噛まねばならぬ
世界にひとつだけかもしれぬ花枯れて緑も減ればセピヤへ至る
やくたいもないこっちゃなどと言い捨てて店出るように秋をはや去る
足首の太き女を走らせてピカソが描く古代の偽造
理屈ばかりが時を得顔の時代ゆえ感情薄きヒロインぞ美(は)し
進むのが壊すのに似てこれ以上行きたくないと口には出さず
先ほどの見過ごされたる赤色のゴリラばかりの毎日を生く
真実の言葉を君は待っていて、われの番かはふりみふらずみ
連鎖する事物の不思議に子は酔いてしりとりはりんごゴリラはラッパ
民主主義は素人がそれを選ぶこと、紫陽花は雨に濡れて色増す
ポエティックが耐えられないと言うに言えず詩人は文字を書いては消して
本人は知らずわざわざ言うこともないが若さは光るってこと
世界から取り残りゆくめじるしのトリコロールのマフラーぬくし
生きることの土性骨弱きわれわれの承認自殺の呼び名いろいろ
恥部のごときあかき葉落とし植物はわれわれにない秋の姿す
年波に、削られてゆく白砂の松並木歩くわれは肥えゆく
通勤のときどき見しが今は見ぬ薄倖そうな一重の美人
草莽(そうもう)のいや莽蒼(もうそう)の郊外のエノコロの生えた国道さびし
夕日差すテーブルに林檎褪(あ)せまるで塚本邦雄的ひややかさ
当然のように実際とうぜんに肩に載る鳥ちゅんという顔
米塩(べいえん)のひとつぶもなき貧困はあらねどコンビニ明るく遠き
舌の上で海苔を破(わ)りつつ萌(きざ)しくる思いを酒で泳がせてみる
新しい長靴買って雨を待つ少女のごとし、ストーブポチり
灘のごと押し寄せくれど飲み込まずかくして保(たも)ちいたるかたちは
CM上の演出ですと右下に書いてあるがに葉の降る秋ぞ
一ダースでも君を飲み干すと歌うのを彼女の細い声を朝聴く
渋滞がうれしいと歌うポップスがあった気がする、渋滞ながし
知はここで食材となり大食いのファイトのような議論を眺む
夢にても古書店でこの本を選(えら)み購(か)う直前に棚に戻せり
モンキチョウがしばらくわれに並走し異なる論理でそのまま去れり
われわれは時流なればか未来には原発増やせの声たかまらん
ブルースに合わぬ酒にも酔いなずむかなしみが青になるということ
ポリューリョンの意味ぼんやりのだらだらの半身浴は冷えつつ温(ぬく)し
こぎとえるごすむこともなく端末を指でなぞっている子の現世
ピリピリと電気に覆われたる星の表面に生(あ)れ表面に消ゆ
何年もさみしさに身を曝されてさみしがり屋はさみしく酔えり
世界でいうと濁(にご)りらへんにいるわれがまだ死なないと決意しちゃうか
髪洗う女の絵だが、悲しみに似た愛のことが伝わってくる
モノレールのまなざしは鳥、表情のちょうど見えない距離で見る人
夢でみた彼女は誰だ、恋までの会話を氷水飲みながら
雨の日のマックにしのぎたる人の疲れも少し湿れる時間
露悪にも露善にも飽き、ネットにもサイト枯れゆく秋の来るなり
郷に入れば郷に従う上海の姉ちゃんといてグローバルなのか
言い切っては美しい日本語でないかもとかもしれないといえるともせず
サザンでいうとアルバムの中に時々の桑田が歌ってない曲の感じ
新しい曲が賛美歌っぽくなり賛美したきものわがうちにありや
鳥よわが肩にて満員電車から職場までちょんと遊びにくるか
植物に光呼吸のあるを知り闇呼吸とか調べるお前
2015年12月27日日曜日
2013年11月作品雑感。
この月の作品は、百人一首ならぬ都道府県一首みたいなテーマで、1県で1首を作るような意図であった。でもまだ全県できていなくて、継続中とはいえる。
しかし当然、ご当地ソングでもなければクイズでもないので、その県を示すような単語を入れたりするつもりは基本的にはなく、その県「を」詠う、というよりは、その県「で」詠ったような体裁になっていると思う。
とはいえ、多くの場所は観光として行くことになるので、やはり観光とか旅行詠っぽいといえばいえる。
翻って、短歌と土地の匂いとの関係について考える。
短歌とはかつて都、京都、つまり貴族社会への通行手形であった、という説があるが、鎌倉武士が和歌を学ぶとき、そこになにか、みやこっぽい、優雅だけどもねちねちしていやらしい、いまの関西人が東京の標準語を「きっしょー」と思うようなものを感じたのだろうし、ぎゃくに、身を焦がすほど憧れた人もいただろう。
現在でも、ひょっとしたら、土地と作風を合わせたデータを集計したら、わりあいしっかりとした相関関係が出てくるかもしれない。(個人の作風を超えて)
自選。
温泉街の売店の古きガラス戸に先代の作が飾られてあり
おそらくは天気と海の話ならむ訛りを聞けり、海は群青
東京についに来たれば車窓から街の緑とノザキの書体
工場のすえた匂いの下宿にてガチャリとテープはB面に行く
東京に憧れながらこの土地でそれなりにくすぶって彼女は
連峰の景色を愛しおそらくはここで死ぬことなけむふるさと
支払いは姉が済ませて血の赤き肉を食いおり、姉弟(きょうだい)は濃し
シュルレアリスム展を観たがる子を乗せて県越えて父は車を飛ばす
明るくてさびしい駅に会いにゆき蓋取れやすきCDを返す
しかし当然、ご当地ソングでもなければクイズでもないので、その県を示すような単語を入れたりするつもりは基本的にはなく、その県「を」詠う、というよりは、その県「で」詠ったような体裁になっていると思う。
とはいえ、多くの場所は観光として行くことになるので、やはり観光とか旅行詠っぽいといえばいえる。
翻って、短歌と土地の匂いとの関係について考える。
短歌とはかつて都、京都、つまり貴族社会への通行手形であった、という説があるが、鎌倉武士が和歌を学ぶとき、そこになにか、みやこっぽい、優雅だけどもねちねちしていやらしい、いまの関西人が東京の標準語を「きっしょー」と思うようなものを感じたのだろうし、ぎゃくに、身を焦がすほど憧れた人もいただろう。
現在でも、ひょっとしたら、土地と作風を合わせたデータを集計したら、わりあいしっかりとした相関関係が出てくるかもしれない。(個人の作風を超えて)
自選。
温泉街の売店の古きガラス戸に先代の作が飾られてあり
おそらくは天気と海の話ならむ訛りを聞けり、海は群青
東京についに来たれば車窓から街の緑とノザキの書体
工場のすえた匂いの下宿にてガチャリとテープはB面に行く
東京に憧れながらこの土地でそれなりにくすぶって彼女は
連峰の景色を愛しおそらくはここで死ぬことなけむふるさと
支払いは姉が済ませて血の赤き肉を食いおり、姉弟(きょうだい)は濃し
シュルレアリスム展を観たがる子を乗せて県越えて父は車を飛ばす
明るくてさびしい駅に会いにゆき蓋取れやすきCDを返す
2013年11月の30首
トリカブトの白き花咲く散歩道観光化して民族は生く
霊場はあまたの過去をうちしずめみずうみの水澄みて風ゆく
急上昇する夜鷹ひとつ刻まれてこのまま時よ、止まれ/進め
温泉街の売店の古きガラス戸に先代の作が飾られてあり
おそらくは天気と海の話ならむ訛りを聞けり、海は群青
砂浜に車を止めて海見つつコップ酒のみ昼寝せし町
ロードサイドにさっきも見たるラーメン屋の次見れば入ると決めてから見ず
ミニチュアの建築物に降り積もる雪、故宮にもスフィンクスにも
アリーナの横のあたりでヒーローは戦っており、迷いを捨てて
バス停の裏の溝渠を飛び越えて女は家に男を連れて来
東京についに来たれば車窓から街の緑とノザキの書体
傘のしたに野良猫が足にすり寄ってズボンも猫も濡れているなり
平日の駅へと続く商店街の開店直前のままの日常
廃村が世界遺産になるまでの昼でも昏(くら)き板敷を踏む
若き父と二人でウドン啜りいしドライブインに遠きバイパス
誰もいぬ温水プールに飛び込んで本当に疲れるまでひた泳ぐ
坂の途中に老夫婦ひとつ生きており女の方が少し元気に
工場のすえた匂いの下宿にてガチャリとテープはB面に行く
コンビニをテレビの世界と思う頃ぼんやり見おりポール看板
東京に憧れながらこの土地でそれなりにくすぶって彼女は
支払いは姉が済ませて血の赤き肉を食いおり、姉弟(きょうだい)は濃し
シュルレアリスム展を観たがる子を乗せて県越えて父は車を飛ばす
連峰の景色を愛しおそらくはここで死ぬことなけむふるさと
寮生が近道にする農道の彼らばかりが見し彼岸花
友人は見舞いの頃には饒舌ではやくカレーが食いたいと云いき
柿のない季節に来たり、古本のガイドブックで巡る寺刹の
山腹にみかんの色がかがやいてそのかみ友誼をやすく受けいし
人口の減りゆく国のおのずから夜の明かりのあたたかく見ゆ
みずうみは黄色に光り幸福の顔は見ずとも疑わずなり
明るくてさびしい駅に会いにゆき蓋取れやすきCDを返す
霊場はあまたの過去をうちしずめみずうみの水澄みて風ゆく
急上昇する夜鷹ひとつ刻まれてこのまま時よ、止まれ/進め
温泉街の売店の古きガラス戸に先代の作が飾られてあり
おそらくは天気と海の話ならむ訛りを聞けり、海は群青
砂浜に車を止めて海見つつコップ酒のみ昼寝せし町
ロードサイドにさっきも見たるラーメン屋の次見れば入ると決めてから見ず
ミニチュアの建築物に降り積もる雪、故宮にもスフィンクスにも
アリーナの横のあたりでヒーローは戦っており、迷いを捨てて
バス停の裏の溝渠を飛び越えて女は家に男を連れて来
東京についに来たれば車窓から街の緑とノザキの書体
傘のしたに野良猫が足にすり寄ってズボンも猫も濡れているなり
平日の駅へと続く商店街の開店直前のままの日常
廃村が世界遺産になるまでの昼でも昏(くら)き板敷を踏む
若き父と二人でウドン啜りいしドライブインに遠きバイパス
誰もいぬ温水プールに飛び込んで本当に疲れるまでひた泳ぐ
坂の途中に老夫婦ひとつ生きており女の方が少し元気に
工場のすえた匂いの下宿にてガチャリとテープはB面に行く
コンビニをテレビの世界と思う頃ぼんやり見おりポール看板
東京に憧れながらこの土地でそれなりにくすぶって彼女は
支払いは姉が済ませて血の赤き肉を食いおり、姉弟(きょうだい)は濃し
シュルレアリスム展を観たがる子を乗せて県越えて父は車を飛ばす
連峰の景色を愛しおそらくはここで死ぬことなけむふるさと
寮生が近道にする農道の彼らばかりが見し彼岸花
友人は見舞いの頃には饒舌ではやくカレーが食いたいと云いき
柿のない季節に来たり、古本のガイドブックで巡る寺刹の
山腹にみかんの色がかがやいてそのかみ友誼をやすく受けいし
人口の減りゆく国のおのずから夜の明かりのあたたかく見ゆ
みずうみは黄色に光り幸福の顔は見ずとも疑わずなり
明るくてさびしい駅に会いにゆき蓋取れやすきCDを返す
2015年12月5日土曜日
2015年11月うたの日作品雑感。
題詠の、むずかしいというか、気をつけなきゃなーと思うことは、その題がなかったとしても短歌としてちゃんと面白いか、というところで、そうでないなら、それはやはり題に負けてしまっているのかな、とふと考えた。
じっさいその視点で作ってないので、まあ自分を棚にあげた話です。
じっさいその視点で作ってないので、まあ自分を棚にあげた話です。
「百」
百台のサーバにひとつ生まれたる自我、瞬殺し安定稼動
百という言葉は、思考停止の数だ、という指摘がある。つまり、たくさん、程度の意味で使われることが多く、99とか101とかでない100であることを指すことはあまりない。
その意味で、百とは、たとえば自我を殺す数字ではないか、また、コンピュータは人類に反逆する恐怖で描かれるけれど、実はコンピュータこそみずからの自我をもっとも抑制するシステムなのではないか、みたいな内容を込めてみた。
(作品の解説をおもむろに始めるのは初めてだ)
「国」
現在も196に分かれいて200になりたがらぬ世界か
ネットジャーゴン、というかスラングに「出羽守でわのかみ」というのがあって、これは「世界では〜、それに対して日本では〜」のような論調を張る人のことを指すが、この場合の世界の観測範囲はいつも気になるところである。一般に世界は196ヶ国・地域くらいあるらしく、世界を語る時にはそこから何ヶ国を、どのような基準で選択して観測したかを明示するだけで、ネットの議論はもっと明るくなるのではないだろうか、と思うのである。
「一緒」
大事故に慮(おも)っては消す、命日の一緒となるはいかなる絆
ここの「絆」については以前の別の雑感で書いたが、やはりその「きづな」の言葉には、犬が杭につながれているような、馬が人間に引かれるような、自由を奪い逃げられないイメージがあるので、縁という言葉には換えられなかった、と思うのです。
「レンガ」
レンガ模様のシートを壁に貼るだけで洋風である、パリジャンである
この頃、フランスで同時多発テロが発生した。日本は今年のはじめごろ、ISという国に宣戦布告され、邦人が殺害されているので、もうすでに日本は戦時中だという認識でいるのだが、まだ日本は戦争状態でないと思っている人も多く、SNSのアイコンをフランス国旗にすることについて、いろんな意見があった。善意の文脈であれば、テロに屈しない、連帯の意味を示すことになるが、同時にそれは、戦闘状態にある一方の旗を支持する、つまりかの戦争への加担の意味も持つ。でも、そんな強い意味を、アイコンに込めてない、と多くの人は思っているわけで、その都合のよさ、でもその当然な気持ちを、この短歌には込めた。
やっぱり自注は量が多くなる。
自選。
「大学」
大学に来るたび匂いが変わるのと言いて真顔の犬的のきみ
「たまご焼き」
あたたかい長方形のしあわせぞ、布団でいうと頭から食う
「イチョウ」
ゆっくりと燃えるイチョウの大木に鳥飛びこんで再生ごっこ
「計算」
ぼくもまた水と電気の計算機と思えば君に素直に会える
2015年11月うたの日作品の30首
「サッカー」
よちよちとサッカーボール突(つつ)きたるロボット、今は拙(つたな)さが花
「エレベーター」
エレベーターで二人は斜め上を見るポスターの若人(わこうど)ならざれど
「大学」
大学に来るたび匂いが変わるのと言いて真顔の犬的のきみ
「県」
県を分ける川を渡りて振り向けばああこのようにきみ来(こ)ぬ未来
「たまご焼き」
あたたかい長方形のしあわせぞ、布団でいうと頭から食う
「百」
百台のサーバにひとつ生まれたる自我、瞬殺し安定稼動
「並」
並ばない自転車の前を行くときも後ろのときも愛であるのだ
「雑」
どの道を選んでもきっと混雑をするが口笛ふいて行くべし
「国」
現在も196に分かれいて200になりたがらぬ世界か
「いい人」
いい人になってしまった帰り道ふたりでホッとしたのもたしか
「一緒」
大事故に慮(おも)っては消す、命日の一緒となるはいかなる絆
「マラソン」
ひとりだけコースをはずれ降りたのに右上あたりのタイムが消えず
「ナルシスト」
何億人の同じ星座の運勢を神妙に読む、このうぬぼれや
「本のタイトル」
亞書もまた史料となりし未来にて予言書として読む群れあらん
「雲」
にんげんの心から白が離れゆきもう届かねば雲とは呼べり
「ピンク」
ブルーフィルムをピンク映画と訳したる先人のリアリズム明るし
「放課後」
放課後の待ち伏せを逃げ遠くとおく君と歩いていたけもの道
「飛行機」
飛行機がいちまいの町を越えてゆく彼がジェイルと呼ぶ、爪ほどの
「虫」
人間がすぐに滅びてしまわぬよう虫のデザインせし世界かも
「レンガ」
レンガ模様のシートを壁に貼るだけで洋風である、パリジャンである
「全校生徒600名の前で一首」
いつか戻り君は言うのだ「変わったなー」「変わってねえなー」自分のことを
「ラブレター」
ハートマークを書かざるべきか書くべきか重くはいかん、軽くてもダメ
「イチョウ」
ゆっくりと燃えるイチョウの大木に鳥飛びこんで再生ごっこ
「貝」
そんなにも世界から身を守りつつ生きていくのだ、食べてもうまい
「病院」
黒光りする板廊下を大きめの茶色いスリッパでじゃあ、またね
「好きだった教科」
月曜の一限だから好きだったけれど落とした「イタリア事情」
「凛」
いままさに誰かやられているだろうその上空に凛々しくも夜
「消」
町の灯(ひ)がだんだん消えてほんとうに夜になれたら朝が選べる
「イケメン」
傘のない駅までの道はつめたくて水もしたたるイケメン、の横
「計算」
ぼくもまた水と電気の計算機と思えば君に素直に会える
2015年11月14日土曜日
2012年11月作品雑感。
短歌っていうのが、もともとはハレの日のものなのに、現代ではケの日のものになっている、みたいな話を前月の雑感でしたけれど、さりとて日記のように、あったことを書くのが短歌かというと、そういうことでもない。
あったことを書くでもない、思ったことを書いてるでもない、そもそもリアルタイムな感情でもない、じゃあなんだ、これは、というものを、毎日、1行、書いている。
絆とはみえるすべてを断ち切って未開の地にて惜しむまぼろし
先日、別の短歌で絆という言葉を使ってそれに違和の批評をいただいたのだが、絆がいい意味で使われるようになったのはここ数十年のことらしくて、たしかに6,70年代の書物で、断ち切るべきしがらみのような文脈で使われていたのを覚えている。
これはひらがな表記の問題(きずな、きづな)もあるのだが、やはり原義の「引き綱」説のように、照屋はあまりいい意味を付与していない。
こういった少しずつ変わっていくニュアンスのようなものは、もうどうしようもないので、気がついた時には、自分が過去になってしまっている、ということだ。
同じものをみているという気持ちさえ分かてぬほどには人とは孤独
我もまた過去に属していくことをマーラーに先に言われて思う
一挙または時間をかけて世の中がこおるところへ転がってゆく
この月は、なんだか同じことばかり歌っているような気がするな。自選は以下。
お前だけ大福吹雪の模様して寂しくないか遊具に雀
治るということとは違い、川べりを幼くなりし母と歩けり
一切の過去をたくわえ火曜日の脳は夕べに少し横たう
楠緒子のひたいの白さ思いつつ空想の菊を投げし漱石
美しい弟子こそ道を開くべしいばらに面(おもて)傷つけられて
あったことを書くでもない、思ったことを書いてるでもない、そもそもリアルタイムな感情でもない、じゃあなんだ、これは、というものを、毎日、1行、書いている。
絆とはみえるすべてを断ち切って未開の地にて惜しむまぼろし
先日、別の短歌で絆という言葉を使ってそれに違和の批評をいただいたのだが、絆がいい意味で使われるようになったのはここ数十年のことらしくて、たしかに6,70年代の書物で、断ち切るべきしがらみのような文脈で使われていたのを覚えている。
これはひらがな表記の問題(きずな、きづな)もあるのだが、やはり原義の「引き綱」説のように、照屋はあまりいい意味を付与していない。
こういった少しずつ変わっていくニュアンスのようなものは、もうどうしようもないので、気がついた時には、自分が過去になってしまっている、ということだ。
同じものをみているという気持ちさえ分かてぬほどには人とは孤独
我もまた過去に属していくことをマーラーに先に言われて思う
一挙または時間をかけて世の中がこおるところへ転がってゆく
この月は、なんだか同じことばかり歌っているような気がするな。自選は以下。
お前だけ大福吹雪の模様して寂しくないか遊具に雀
治るということとは違い、川べりを幼くなりし母と歩けり
一切の過去をたくわえ火曜日の脳は夕べに少し横たう
楠緒子のひたいの白さ思いつつ空想の菊を投げし漱石
美しい弟子こそ道を開くべしいばらに面(おもて)傷つけられて
2012年11月の33首
キュレーターというフィルターが賢しらの言葉を語る、すぐ読み流す
死してなお成分のこす魂よほのおとなってなお饐(す)えており
夜行性動物の夜は明るくて視覚を剥いだ君うつくしき
印象派の印象という軽蔑の言葉を弟子に投げたかも師は
魂の懶惰懈怠をシンプルと呼んですずしく現代を生く
同じものをみているという気持ちさえ分かてぬほどには人とは孤独
絆とはみえるすべてを断ち切って未開の地にて惜しむまぼろし
しげしげといのちのかたち瞶(み)るほどにいびつでまいるが最後まで生く
僕は君の一介のコンテンツだが君を欲しがるコンテンツである
立冬を過ぎてじりじり陽光の燃える平日ランドスケープ
粉末状の魂をふんと吹き飛ばし自分のそれに水を与える
秋晴れの空青くしてわれひとりにあらずと思えど苦しかりけり
我もまた過去に属していくことをマーラーに先に言われて思う
理想という冷たき雨に濡れぬよう傘に隠れて首をすぼめて
一挙または時間をかけて世の中がこおるところへ転がってゆく
太陽の分からぬ曇り、憧れを失くしたようにきょろきょろとして
ママゴトの虚しさに似て公園のここのベンチに初めて座る
お前だけ大福吹雪の模様して寂しくないか遊具に雀
ちちははの衰えの為立冬の快晴の今日に謝意を渡せり
治るということとは違い、川べりを幼くなりし母と歩けり
同じ会話を繰り返す母の老年を笑って寄り添う父も老年
ぶつかって淀んでしまう戻り水のような住処で生きると云うか
急速に若さが白く落ちてゆく心地して頭掻く癖やめる
平穏を未来ものぞむ男らの怒りも笑いもあらぬ職場の
おそらくはまだ晩年にあらざれどさびしくなりにけりとは思う
スロープのあそこにいたのは僕だった、もうあの場所ごとないと思うが
冬眠は寝るばかりだし春先は痩せてもクマはクマなのであり
中年の危機はあやうく救いがたし便座で慟哭もないもんだ
茫漠の僕らの中で君の眉の輪郭だけは確かであった
一切の過去をたくわえ火曜日の脳は夕べに少し横たう
両親の夢は悲しも、真夜覚めてtumblr100枚見てまた眠る
楠緒子のひたいの白さ思いつつ空想の菊を投げし漱石
美しい弟子こそ道を開くべしいばらに面(おもて)傷つけられて
死してなお成分のこす魂よほのおとなってなお饐(す)えており
夜行性動物の夜は明るくて視覚を剥いだ君うつくしき
印象派の印象という軽蔑の言葉を弟子に投げたかも師は
魂の懶惰懈怠をシンプルと呼んですずしく現代を生く
同じものをみているという気持ちさえ分かてぬほどには人とは孤独
絆とはみえるすべてを断ち切って未開の地にて惜しむまぼろし
しげしげといのちのかたち瞶(み)るほどにいびつでまいるが最後まで生く
僕は君の一介のコンテンツだが君を欲しがるコンテンツである
立冬を過ぎてじりじり陽光の燃える平日ランドスケープ
粉末状の魂をふんと吹き飛ばし自分のそれに水を与える
秋晴れの空青くしてわれひとりにあらずと思えど苦しかりけり
我もまた過去に属していくことをマーラーに先に言われて思う
理想という冷たき雨に濡れぬよう傘に隠れて首をすぼめて
一挙または時間をかけて世の中がこおるところへ転がってゆく
太陽の分からぬ曇り、憧れを失くしたようにきょろきょろとして
ママゴトの虚しさに似て公園のここのベンチに初めて座る
お前だけ大福吹雪の模様して寂しくないか遊具に雀
ちちははの衰えの為立冬の快晴の今日に謝意を渡せり
治るということとは違い、川べりを幼くなりし母と歩けり
同じ会話を繰り返す母の老年を笑って寄り添う父も老年
ぶつかって淀んでしまう戻り水のような住処で生きると云うか
急速に若さが白く落ちてゆく心地して頭掻く癖やめる
平穏を未来ものぞむ男らの怒りも笑いもあらぬ職場の
おそらくはまだ晩年にあらざれどさびしくなりにけりとは思う
スロープのあそこにいたのは僕だった、もうあの場所ごとないと思うが
冬眠は寝るばかりだし春先は痩せてもクマはクマなのであり
中年の危機はあやうく救いがたし便座で慟哭もないもんだ
茫漠の僕らの中で君の眉の輪郭だけは確かであった
一切の過去をたくわえ火曜日の脳は夕べに少し横たう
両親の夢は悲しも、真夜覚めてtumblr100枚見てまた眠る
楠緒子のひたいの白さ思いつつ空想の菊を投げし漱石
美しい弟子こそ道を開くべしいばらに面(おもて)傷つけられて
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