前回の雑感では、題詠の気恥ずかしさみたいなことをちょっと書いたけれど、短歌(歌会というべきか)というのは、わりとハイコンテクストな場で成立する文芸なので、ベタ(NGワード)かどうか、とか、ヒネり過ぎてないかどうか、とか、あまり普段の作歌では考えない思考が働いてしまって、違う脳の筋肉を使っている感じがあります。
「筋肉」
武道家が隠れてみがく筋肉の天賦の才のような怪力
たしかこの歌はどんまい(ハート、音符なし)なんだけど、そしてまぁさもありなんな感じもあるのだけど、そういう歌こそ作者が愛さないでどうする(笑)というような気持ちもあったり、なかったり。
今回の自選はこのあたりかしら。
「折」
主人(マスター)の心が折れてないかぎり駱駝はあるく、砂漠ゆく舟
「℃」
5000°Cの熱を包んで冷えている海王星の愛すさまじき
「父」
4分の3を与えて無口なる建物のことを父とは思う
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