2019年6月29日土曜日
2017年04月の自選。
自選。
またひとつ場所奪われて生き物は死ぬか逃げるか隠れるかする
現地人も神を信じるのだろうか蝋燭の火に揺れるラス・カサス
文字なんか残すものかとアンデスの文明は謎がニヤリとひかる
どの道も棲み分け論にいたる朝、公園の鳩がおこぼれを待つ
さかづきに桜と雪が落ちてきて、あれからやはり余生であった
手を汚したくないだけの反戦と好戦の二人気まずくなりぬ
茂吉翁の丸い背中の半纏(はんてん)に問う短歌また国家に資すや
排泄と喜怒哀楽がある限り人間平和の希望は捨てぬ
明るいが感情の起伏大きくてアン・シャーリーがこだわる綴(つづ)り
23時も新宿駅はうじゃうじゃでふたつめのじゃのあたりにわたし
内心の自由それから外心の不自由はとても笑顔がやさし
職場では「はい喜んで」「喜んで!」仕事終わったもう喜ばぬ
スワンボート人の少ないそれゆえに桜の少ない方へ切る舵
思い出にご笑納下さいってか上着を脱げばひとつ花びら
野良猫のような心を抱(いだ)こうとする野良猫のように逃げらる
桜より華やいで君ら若者が外側にあるもの愛でやすき
満員電車をエンジョイしてる白人の「ゴメンナサーイ」がほんといい顔
等身よりすこし大きい化け物と戦うときの人は舞うなり
天国の暮らしもここと変わらんよファミマもあるし金持ちもいる
AIに君のデータを流し込み人権が付与される日を待つ
テロリストもその被害者も運ばれてテロリストを先に助けてよいか
終わりまで楽しむことが知性だと生を叱られ泣いている夢
演歌だと君は心地もよさそうに「あなたについて行くわ」と唄う
強烈な破壊のあとに、ゆっくりとあなたを見つめる時間が出来た
争闘性を引けと鑑三記せるも流されざれば日蓮成るや
ほんとうにこの詰め将棋の詰まるのかわからぬままにそれではあばよ
人間がもっとけものになるまでを象は待ちおり鼻長くして
クレヨンに貼り付いた紙の内側でコクっと折れるような失恋
わたくしの知らない世界を調べよう、知らない単語で検索するだけ
産屋での座位分娩でひりだされおんならに見下ろされて命は
舌鋒の甘い男でいいじゃないか意見を求められるなき世に
夜のライトに我が目がぎらり、いつまでも平和にならぬ世界睨(ね)めつけ
人生が眠いと君が言っているつらいとき僕もそう言い換えた
君がいるのを待っていたような夕方のやっぱりカレーの匂いする路地
#中本速生誕祭
青空が爽やかだから寝転がりたんぽぽ指ではじく失踪
食べ物に霊位を与え食べる世にあらぬ、すなわちすべて食べ物
ああどうも八重桜さん昨年は醜い修羅場を見せちゃいました
原水協、核禁会議、原水禁、10年で分裂した願い
感動的な紋切り型でぼくたちはけっこう寒い海をみている
いい女が通りゆくまで道路工事のおっさんら目で見送る時間
馬の目のうるうるうると透明の涙の膜ぞ今から走る
社会学がかたっぱしから名付けゆく現象に名前ついてないのか?
石なげて人を追いやる思い出をこの村は忘れ春の夜昏し
狭いせまい空間で子と暮らしてるきみを連れ出す花一匁
大きくも小さくもなるが男とはやっぱりどこか丸大ハムだ
一行のよくわからないテキストをいつも書いてる人だ、あれなに?
僕の中に永遠をひとつ飼っていて僕が逝くとき笑ってみてる
異国語でわが感情を抱くことの月があり犬がいてわれいずこ
強い風をつよい気持ちで進みゆく目はモザイクを見るときにして
生きる気力のないのに生きるロジックはよ、国が生かしておくロジックはよ
なんとでも短歌にするよ悲しみも裏返したりやや逸らしたり
キジバトが窓の外では鳴いている彼らには人間をも自然
#自由律
花の盛りをほったらかして仕事
#無季を強引に季語化する
味噌汁が落ち着いてゆき春宇宙
#尻子玉俳句
第二ボタンください、それと尻子玉
おじいちゃんと二度目の別れ尻子玉
火にかけると一応あばれる尻子玉
#言うべきことはほかにあるのに
僕の方があなたのことを好きだった言うべきことはほかにあるのに
#今日もすてきな一日でした
ゴミ、たから、ゴミ、ゴミ、たから、たから、たから、今日もすてきな一日でした
生贄の美女に今年も選ばれず今日もすてきな一日でした
2019年6月23日日曜日
2017年04月の114首と、その他もろもろ。
この土偶の性別であるが胸か尻か腹が大きくあるなら女
永遠の命がなんと八千円激安過ぎてちょっと心配
塩胡椒かけつつあどけない話、東京には節操が無いという
前髪がちょろんの赤子、人類のカイロス(機会)となるか我の亡き世に
ふた回り上の奴らに馬鹿にされ彼女は仕事の出来ない女
その「脳」は人類の道を示したり人類はそれを紐解いて生く
続ければ優れた歌人になるだろうけれども恋を選ぶのだろう
またひとつ場所奪われて生き物は死ぬか逃げるか隠れるかする
現地人も神を信じるのだろうか蝋燭の火に揺れるラス・カサス
文字なんか残すものかとアンデスの文明は謎がニヤリとひかる
戦いの前線にいて役に立つ気持ちはなんとうれしくかなし
どの道も棲み分け論にいたる朝、公園の鳩がおこぼれを待つ
種の掟にて引き裂かれたる動物のオーナメントで次に進めず
さかづきに桜と雪が落ちてきて、あれからやはり余生であった
手を汚したくないだけの反戦と好戦の二人気まずくなりぬ
ダッカにはダッカの秩序、ナインボールの一打目のごときリキシャのわれも
茂吉翁の丸い背中の半纏(はんてん)に問う短歌また国家に資すや
カレー食べてる時に謝らないでくれ謝れば見立てられゆくカレー
排泄と喜怒哀楽がある限り人間平和の希望は捨てぬ
ティファールの湯の沸く音に包まれて週末は40度あったよ
救いなどない、教室の午後もまた僕無しで進むのを見る時間
明るいが感情の起伏大きくてアン・シャーリーがこだわる綴(つづ)り
23時も新宿駅はうじゃうじゃでふたつめのじゃのあたりにわたし
夢だった、ツイッターなんてまだ無くてすべてが妄想だったのだという
むすぶのかちぎるのかどちらでもよくてこの糸の先にまた、あなたか
春だから男もスカートどうだろう、剃る剃らないに迷うなオレよ
内心の自由それから外心の不自由はとても笑顔がやさし
職場では「はい喜んで」「喜んで!」仕事終わったもう喜ばぬ
可能性を残すのは気持ちいいけれど天才はただ量産をする
マシュマロというより白子あの日からもう膨らまぬメンタルの絵は
スワンボート人の少ないそれゆえに桜の少ない方へ切る舵
スワンボートで前線へ行け、もっと漕げ、形勢不利の革命のため
思い出にご笑納下さいってか上着を脱げばひとつ花びら
人間の浅ければかくも浅からんレイヤを超えんとする決意さて
野良猫のような心を抱(いだ)こうとする野良猫のように逃げらる
落研の合宿のあの殺伐と過酷と悲壮が生む面白さ
桜より華やいで君ら若者が外側にあるもの愛でやすき
タイムラインズの向こうで君がいるけれど君もこちらを気にするうわさ
シャットアウト機能で避けたほんとうは強く見つめた方が正解
人間は目に見えぬものに死にもする両の手をびしょびしょに濡らしつ
満員電車をエンジョイしてる白人の「ゴメンナサーイ」がほんといい顔
等身よりすこし大きい化け物と戦うときの人は舞うなり
下の句が午後にはけっこう降っていてビニール傘でしのぐ定型
無条件に尊いために必要な思想とその他、その他はあるか
天国の暮らしもここと変わらんよファミマもあるし金持ちもいる
人道も正義も措いて人間がこの地上にて描く地獄絵図
まだ食べてないなら少し遅いけど行こうよぼくもおなかすいたい
沈黙の多い電話が切れたんだ電波を見たら圏外のわれ
AIに君のデータを流し込み人権が付与される日を待つ
テロリストもその被害者も運ばれてテロリストを先に助けてよいか
終わりまで楽しむことが知性だと生を叱られ泣いている夢
演歌だと君は心地もよさそうに「あなたについて行くわ」と唄う
マストドンに君も行くのかミクシィのような廃墟でボットとわれは
強烈な破壊のあとに、ゆっくりとあなたを見つめる時間が出来た
争闘性を引けと鑑三記せるも流されざれば日蓮成るや
ほんとうにこの詰め将棋の詰まるのかわからぬままにそれではあばよ
新宿のビルの小さい一室に空想の象が定員を超ゆ
人間がもっとけものになるまでを象は待ちおり鼻長くして
クレヨンに貼り付いた紙の内側でコクっと折れるような失恋
きみに注ぐ愛もわずかに回しおり粉コーヒーに湯を注ぐごと
表現に上限おけばこの一首でほんとによいか迷ういちにち
わたくしの知らない世界を調べよう、知らない単語で検索するだけ
われのその後同じうするべき山阿などあるであろうか五柳先生
一万首めがその人の初段とかそういう時代の歌人の歌会
産屋での座位分娩でひりだされおんならに見下ろされて命は
舌鋒の甘い男でいいじゃないか意見を求められるなき世に
宇宙から現れたのに端末から「地球外から失礼します」って
縄文の遺伝子ふいに発芽して一万年をやり直そうか
このカバに「カバスケ」と名を付けている動物園よ次はどうする 「バスケ」
夜のライトに我が目がぎらり、いつまでも平和にならぬ世界睨(ね)めつけ
人生が眠いと君が言っているつらいとき僕もそう言い換えた
君がいるのを待っていたような夕方のやっぱりカレーの匂いする路地
#中本速生誕祭
青空が爽やかだから寝転がりたんぽぽ指ではじく失踪
食べ物に霊位を与え食べる世にあらぬ、すなわちすべて食べ物
ああどうも八重桜さん昨年は醜い修羅場を見せちゃいました
ポラロイドにはピースが似合うと言ったのにピースしないのかよ、これ欲しい
ルビはおまえルビなんだから並走はしてもいいけどこっちに来んな
縦書きと横書きの本が攻めてきて真ん中あたりにピラフ(猫)の居場所
原水協、核禁会議、原水禁、10年で分裂した願い
人間は縦になれなくなったならもう覚悟しておこうじゃないか
天才は無差別に殺人しつつオレだって頑張ってると言う
音楽を今でも耳に転送しでもこのメディアはそう長くない
渡鬼にキムタクが出る夢だけどキムタク全然ゆずらなかった
感動的な紋切り型でぼくたちはけっこう寒い海をみている
いい女が通りゆくまで道路工事のおっさんら目で見送る時間
お湯割の梅干しは箸の一本でつつき破れて政治の喩え
うふふあはは海辺でゾンビに追われたるこの絵は何か間違っている
馬の目のうるうるうると透明の涙の膜ぞ今から走る
サイモンとガーファンクルのサイモンは俺がやるからガーは任せた
社会学がかたっぱしから名付けゆく現象に名前ついてないのか?
方向音痴なんかじゃなくて大山が西にない東京がおかしい
石なげて人を追いやる思い出をこの村は忘れ春の夜昏し
狭いせまい空間で子と暮らしてるきみを連れ出す花一匁
大きくも小さくもなるが男とはやっぱりどこか丸大ハムだ
シャウティーなベイビーがいる車両にて生のかなしみ行き渡りゆく
道端に名札が一つ落ちていて伊藤をやめた彼はいずこへ
ジュテームモアノンプリュを二人で聴いている興奮しても笑っても負け
一行のよくわからないテキストをいつも書いてる人だ、あれなに?
僕の中に永遠をひとつ飼っていて僕が逝くとき笑ってみてる
異国語でわが感情を抱くことの月があり犬がいてわれいずこ
強い風をつよい気持ちで進みゆく目はモザイクを見るときにして
生クリームとブロッコリーはやめたから! 彼女は普通に目覚めたという
シトロニーナにするべきだよと思いつつレモンジーナで割るトリス呑む
生きる気力のないのに生きるロジックはよ、国が生かしておくロジックはよ
引っ越しの食器のダンボールが鳴って満員電車のようにかちゃかちゃ
ルマンドを連れて行こうか関西へルマンドが逢いたがっているのだ
春菊と生姜の香り混ぜながらブリ大根はじゅるじゅる美味し
公園のサクラのとなりで咲いている桜でない木の桜でない花
宝くじの使い道など悩むように俺ならどんながんがいいかな
なんとでも短歌にするよ悲しみも裏返したりやや逸らしたり
チャイナ風のメロディはわりと春の曲、日本の歌はいつの季節か
平和とはその象徴の鳩たちに常にパン屑落ちてる世界
キジバトが窓の外では鳴いている彼らには人間をも自然
#爪楊枝短歌
びっしりと容器に詰めて爪楊枝、出撃の覚悟あるが出にくい
爪楊枝みたいに箸がびっしりと詰められエコノミークラス吉野家
びっしりと箸、びっしりと爪楊枝、お前らも俺を拒むつもりか
あの中に父さんがいる、爪楊枝が箸を見るけどプラスチックだ
#自由律
指折りかぞえて自由律
自由律であらねばならぬ不自由
自己表出してるから自由律
花の盛りをほったらかして仕事
歌を作らなくていい花見
タイムラインがまずい海嘯
#パロディ短歌
日本脱出オーケー! 全肯定ペンギンも全肯定ペンギン飼育係も
ひむがしの野にかぎろいの立つはずで返りみたけど、どっちがひがし?
吸ひさしの煙草で北を指すときの北違ければどこよ望郷
馬鈴薯が小さいくせに店先でえっへんおっほん値上がりしてる
長ぐつにカブで大根運びきたる老後、ないか、今は新橋
#パロディ自由律
すごい咳をしても一人
咳をすると? 二人!
優勝しても一人
#パロディ詩句
自分の短歌観くらい
自分でつくれ
和歌者よ
#川柳
来世には君に会えないパピプペポ
パピプペポそこまで僕は言ってない
パピプペポ今日は納豆三個目だ
君のことパピプ好きペポ 救急車
パピ今日の君はステキだ是非プペポ
すぐきみはエッチにはしるパピプペポ
柿ピーの
禁止用語の
パピプペポ
パピプペポ?
パピプペポ、いや、
パピプペポぅ
失礼です。
自粛ムード。の
パピプペポ
#無季を強引に季語化する
まだ少しはやいひんやり春便座
蛍光の母子ともに春クロックス
からんだら友達面(づら)の春リプライ
天気予報の通りに寒し春我慢
記号論で季語がめちゃくちゃ夏の春
なんとなくいい人みたい春変態
キジバトの昼にもなって春ホッホー
味噌汁が落ち着いてゆき春宇宙
あずきバー春の夜には硬いまま
#尻子玉俳句
春痴漢ダメここで出すべき尻子玉
透明な夏の霊そして尻子玉
299回腕立て――尻子玉。
第二ボタンください、それと尻子玉
ああ、だめだ、もう怒られる尻子玉
わたしきみの尻子玉まで愛してる
シリコダマ、ああ間違えたシリカゲル
とてたての春の最初の尻子玉
ゆうくんの方がきれいな尻子玉
抱きしめてもきみはあかるい尻子玉
おじいちゃんと二度目の別れ尻子玉
火にかけると一応あばれる尻子玉
尻子玉飛び交ってやや美しき
もしかして「「入れ替わってるー!!」」尻子玉
#言うべきことはほかにあるのに
僕の方があなたのことを好きだった言うべきことはほかにあるのに
さくらばな集めて掬(すく)って食べている言うべきことはほかにあるのに
二階の子に気兼ねしながらキュウリ食う言うべきことはほかにあるのに
育毛剤もドーピングにひっかか! る⋯⋯、って⋯⋯。(言うべきことはほかにあるのに
たぶんもう会えそうにないキスのあと言うべきことはほかにあるのに
#季重ね
ひと眠りふた眠りして春春眠(はるしゅんみん)
春のポピーポピポピ少し浮いている
#今日もすてきな一日でした
ぼくも死後もう三年は経ったかな今日もすてきな一日でした
ゴミ、たから、ゴミ、ゴミ、たから、たから、たから、今日もすてきな一日でした
プリンプールの底でカラメル啜る夢今日もすてきな一日でした
フリスクとコーヒーやはり合わぬなあ今日もすてきな一日でした
生贄の美女に今年も選ばれず今日もすてきな一日でした
マルクス=エンゲルス全集が安くない今日もすてきな一日でした
永遠の命がなんと八千円激安過ぎてちょっと心配
塩胡椒かけつつあどけない話、東京には節操が無いという
前髪がちょろんの赤子、人類のカイロス(機会)となるか我の亡き世に
ふた回り上の奴らに馬鹿にされ彼女は仕事の出来ない女
その「脳」は人類の道を示したり人類はそれを紐解いて生く
続ければ優れた歌人になるだろうけれども恋を選ぶのだろう
またひとつ場所奪われて生き物は死ぬか逃げるか隠れるかする
現地人も神を信じるのだろうか蝋燭の火に揺れるラス・カサス
文字なんか残すものかとアンデスの文明は謎がニヤリとひかる
戦いの前線にいて役に立つ気持ちはなんとうれしくかなし
どの道も棲み分け論にいたる朝、公園の鳩がおこぼれを待つ
種の掟にて引き裂かれたる動物のオーナメントで次に進めず
さかづきに桜と雪が落ちてきて、あれからやはり余生であった
手を汚したくないだけの反戦と好戦の二人気まずくなりぬ
ダッカにはダッカの秩序、ナインボールの一打目のごときリキシャのわれも
茂吉翁の丸い背中の半纏(はんてん)に問う短歌また国家に資すや
カレー食べてる時に謝らないでくれ謝れば見立てられゆくカレー
排泄と喜怒哀楽がある限り人間平和の希望は捨てぬ
ティファールの湯の沸く音に包まれて週末は40度あったよ
救いなどない、教室の午後もまた僕無しで進むのを見る時間
明るいが感情の起伏大きくてアン・シャーリーがこだわる綴(つづ)り
23時も新宿駅はうじゃうじゃでふたつめのじゃのあたりにわたし
夢だった、ツイッターなんてまだ無くてすべてが妄想だったのだという
むすぶのかちぎるのかどちらでもよくてこの糸の先にまた、あなたか
春だから男もスカートどうだろう、剃る剃らないに迷うなオレよ
内心の自由それから外心の不自由はとても笑顔がやさし
職場では「はい喜んで」「喜んで!」仕事終わったもう喜ばぬ
可能性を残すのは気持ちいいけれど天才はただ量産をする
マシュマロというより白子あの日からもう膨らまぬメンタルの絵は
スワンボート人の少ないそれゆえに桜の少ない方へ切る舵
スワンボートで前線へ行け、もっと漕げ、形勢不利の革命のため
思い出にご笑納下さいってか上着を脱げばひとつ花びら
人間の浅ければかくも浅からんレイヤを超えんとする決意さて
野良猫のような心を抱(いだ)こうとする野良猫のように逃げらる
落研の合宿のあの殺伐と過酷と悲壮が生む面白さ
桜より華やいで君ら若者が外側にあるもの愛でやすき
タイムラインズの向こうで君がいるけれど君もこちらを気にするうわさ
シャットアウト機能で避けたほんとうは強く見つめた方が正解
人間は目に見えぬものに死にもする両の手をびしょびしょに濡らしつ
満員電車をエンジョイしてる白人の「ゴメンナサーイ」がほんといい顔
等身よりすこし大きい化け物と戦うときの人は舞うなり
下の句が午後にはけっこう降っていてビニール傘でしのぐ定型
無条件に尊いために必要な思想とその他、その他はあるか
天国の暮らしもここと変わらんよファミマもあるし金持ちもいる
人道も正義も措いて人間がこの地上にて描く地獄絵図
まだ食べてないなら少し遅いけど行こうよぼくもおなかすいたい
沈黙の多い電話が切れたんだ電波を見たら圏外のわれ
AIに君のデータを流し込み人権が付与される日を待つ
テロリストもその被害者も運ばれてテロリストを先に助けてよいか
終わりまで楽しむことが知性だと生を叱られ泣いている夢
演歌だと君は心地もよさそうに「あなたについて行くわ」と唄う
マストドンに君も行くのかミクシィのような廃墟でボットとわれは
強烈な破壊のあとに、ゆっくりとあなたを見つめる時間が出来た
争闘性を引けと鑑三記せるも流されざれば日蓮成るや
ほんとうにこの詰め将棋の詰まるのかわからぬままにそれではあばよ
新宿のビルの小さい一室に空想の象が定員を超ゆ
人間がもっとけものになるまでを象は待ちおり鼻長くして
クレヨンに貼り付いた紙の内側でコクっと折れるような失恋
きみに注ぐ愛もわずかに回しおり粉コーヒーに湯を注ぐごと
表現に上限おけばこの一首でほんとによいか迷ういちにち
わたくしの知らない世界を調べよう、知らない単語で検索するだけ
われのその後同じうするべき山阿などあるであろうか五柳先生
一万首めがその人の初段とかそういう時代の歌人の歌会
産屋での座位分娩でひりだされおんならに見下ろされて命は
舌鋒の甘い男でいいじゃないか意見を求められるなき世に
宇宙から現れたのに端末から「地球外から失礼します」って
縄文の遺伝子ふいに発芽して一万年をやり直そうか
このカバに「カバスケ」と名を付けている動物園よ次はどうする 「バスケ」
夜のライトに我が目がぎらり、いつまでも平和にならぬ世界睨(ね)めつけ
人生が眠いと君が言っているつらいとき僕もそう言い換えた
君がいるのを待っていたような夕方のやっぱりカレーの匂いする路地
#中本速生誕祭
青空が爽やかだから寝転がりたんぽぽ指ではじく失踪
食べ物に霊位を与え食べる世にあらぬ、すなわちすべて食べ物
ああどうも八重桜さん昨年は醜い修羅場を見せちゃいました
ポラロイドにはピースが似合うと言ったのにピースしないのかよ、これ欲しい
ルビはおまえルビなんだから並走はしてもいいけどこっちに来んな
縦書きと横書きの本が攻めてきて真ん中あたりにピラフ(猫)の居場所
原水協、核禁会議、原水禁、10年で分裂した願い
人間は縦になれなくなったならもう覚悟しておこうじゃないか
天才は無差別に殺人しつつオレだって頑張ってると言う
音楽を今でも耳に転送しでもこのメディアはそう長くない
渡鬼にキムタクが出る夢だけどキムタク全然ゆずらなかった
感動的な紋切り型でぼくたちはけっこう寒い海をみている
いい女が通りゆくまで道路工事のおっさんら目で見送る時間
お湯割の梅干しは箸の一本でつつき破れて政治の喩え
うふふあはは海辺でゾンビに追われたるこの絵は何か間違っている
馬の目のうるうるうると透明の涙の膜ぞ今から走る
サイモンとガーファンクルのサイモンは俺がやるからガーは任せた
社会学がかたっぱしから名付けゆく現象に名前ついてないのか?
方向音痴なんかじゃなくて大山が西にない東京がおかしい
石なげて人を追いやる思い出をこの村は忘れ春の夜昏し
狭いせまい空間で子と暮らしてるきみを連れ出す花一匁
大きくも小さくもなるが男とはやっぱりどこか丸大ハムだ
シャウティーなベイビーがいる車両にて生のかなしみ行き渡りゆく
道端に名札が一つ落ちていて伊藤をやめた彼はいずこへ
ジュテームモアノンプリュを二人で聴いている興奮しても笑っても負け
一行のよくわからないテキストをいつも書いてる人だ、あれなに?
僕の中に永遠をひとつ飼っていて僕が逝くとき笑ってみてる
異国語でわが感情を抱くことの月があり犬がいてわれいずこ
強い風をつよい気持ちで進みゆく目はモザイクを見るときにして
生クリームとブロッコリーはやめたから! 彼女は普通に目覚めたという
シトロニーナにするべきだよと思いつつレモンジーナで割るトリス呑む
生きる気力のないのに生きるロジックはよ、国が生かしておくロジックはよ
引っ越しの食器のダンボールが鳴って満員電車のようにかちゃかちゃ
ルマンドを連れて行こうか関西へルマンドが逢いたがっているのだ
春菊と生姜の香り混ぜながらブリ大根はじゅるじゅる美味し
公園のサクラのとなりで咲いている桜でない木の桜でない花
宝くじの使い道など悩むように俺ならどんながんがいいかな
なんとでも短歌にするよ悲しみも裏返したりやや逸らしたり
チャイナ風のメロディはわりと春の曲、日本の歌はいつの季節か
平和とはその象徴の鳩たちに常にパン屑落ちてる世界
キジバトが窓の外では鳴いている彼らには人間をも自然
#爪楊枝短歌
びっしりと容器に詰めて爪楊枝、出撃の覚悟あるが出にくい
爪楊枝みたいに箸がびっしりと詰められエコノミークラス吉野家
びっしりと箸、びっしりと爪楊枝、お前らも俺を拒むつもりか
あの中に父さんがいる、爪楊枝が箸を見るけどプラスチックだ
#自由律
指折りかぞえて自由律
自由律であらねばならぬ不自由
自己表出してるから自由律
花の盛りをほったらかして仕事
歌を作らなくていい花見
タイムラインがまずい海嘯
#パロディ短歌
日本脱出オーケー! 全肯定ペンギンも全肯定ペンギン飼育係も
ひむがしの野にかぎろいの立つはずで返りみたけど、どっちがひがし?
吸ひさしの煙草で北を指すときの北違ければどこよ望郷
馬鈴薯が小さいくせに店先でえっへんおっほん値上がりしてる
長ぐつにカブで大根運びきたる老後、ないか、今は新橋
#パロディ自由律
すごい咳をしても一人
咳をすると? 二人!
優勝しても一人
#パロディ詩句
自分の短歌観くらい
自分でつくれ
和歌者よ
#川柳
来世には君に会えないパピプペポ
パピプペポそこまで僕は言ってない
パピプペポ今日は納豆三個目だ
君のことパピプ好きペポ 救急車
パピ今日の君はステキだ是非プペポ
すぐきみはエッチにはしるパピプペポ
柿ピーの
禁止用語の
パピプペポ
パピプペポ?
パピプペポ、いや、
パピプペポぅ
失礼です。
自粛ムード。の
パピプペポ
#無季を強引に季語化する
まだ少しはやいひんやり春便座
蛍光の母子ともに春クロックス
からんだら友達面(づら)の春リプライ
天気予報の通りに寒し春我慢
記号論で季語がめちゃくちゃ夏の春
なんとなくいい人みたい春変態
キジバトの昼にもなって春ホッホー
味噌汁が落ち着いてゆき春宇宙
あずきバー春の夜には硬いまま
#尻子玉俳句
春痴漢ダメここで出すべき尻子玉
透明な夏の霊そして尻子玉
299回腕立て――尻子玉。
第二ボタンください、それと尻子玉
ああ、だめだ、もう怒られる尻子玉
わたしきみの尻子玉まで愛してる
シリコダマ、ああ間違えたシリカゲル
とてたての春の最初の尻子玉
ゆうくんの方がきれいな尻子玉
抱きしめてもきみはあかるい尻子玉
おじいちゃんと二度目の別れ尻子玉
火にかけると一応あばれる尻子玉
尻子玉飛び交ってやや美しき
もしかして「「入れ替わってるー!!」」尻子玉
#言うべきことはほかにあるのに
僕の方があなたのことを好きだった言うべきことはほかにあるのに
さくらばな集めて掬(すく)って食べている言うべきことはほかにあるのに
二階の子に気兼ねしながらキュウリ食う言うべきことはほかにあるのに
育毛剤もドーピングにひっかか! る⋯⋯、って⋯⋯。(言うべきことはほかにあるのに
たぶんもう会えそうにないキスのあと言うべきことはほかにあるのに
#季重ね
ひと眠りふた眠りして春春眠(はるしゅんみん)
春のポピーポピポピ少し浮いている
#今日もすてきな一日でした
ぼくも死後もう三年は経ったかな今日もすてきな一日でした
ゴミ、たから、ゴミ、ゴミ、たから、たから、たから、今日もすてきな一日でした
プリンプールの底でカラメル啜る夢今日もすてきな一日でした
フリスクとコーヒーやはり合わぬなあ今日もすてきな一日でした
生贄の美女に今年も選ばれず今日もすてきな一日でした
マルクス=エンゲルス全集が安くない今日もすてきな一日でした
2018年5月20日日曜日
2018年04月うたの日自選と雑感。
ようやっと追いついた感じ。ブログの更新、ここ数ヶ月遅れていたので。先月のうたの日のうたを収集するのと、2年前の先月のツイッターの短歌を収集するのと。あと雑感。
ほんとは他にも、このブログで自選したものをボットにあげたり、やりかけていたものがあったりもするけど、こういうのは、自分にニーズがあれば、やるものなんだ。自分に、ではない。自分がニーズすれば、の意味ね。
ツイッターもそうだろう。ツイートを誰かのためにすれば、いつか落胆するだろう。自分がニーズしてツイートするものなんだ。
ツイッターは、なにかどこか、コミュニケーションの底の方を変えているような気がする。
吉本隆明は、言葉を、自己表出と、指示表出に分けた。そして、詩は、自己表出にあたる。
そう、ツイッターは、自己表出の言語でコミュニケーションしているといえる。だから、ツイッターは、それ自体、詩的である。
谷川俊太郎の二十億光年の孤独ではないが、詩は、孤独とともにある。声は消えてしまうので、文字にして、本にして、仲間を求める。
現在は、本にせずとも、自己表出でコミュニケートできるツールがあって、いいね、というボタンを押すことで、その孤独の横に、ふっと存在の跡をのこすことができる。
今月(5/9)、永田淳が、ツイッターで、「SNSで「いいね」がもらえる短歌を作りたい、とかって言い出す時点で、もう短歌なんか作るな、と言いたい。
と、青磁社の永田淳が申しております。」とツイートした。これをツイートせしめる短歌界隈の思想をわたしは問題視しているが、このツイートもまた、自己表出のコミュニケーションなのである。
この短歌界隈の思想には、歴史問題やら、定型問題やらも関わっているんだけど、思うところはいくつかツイートした。そのツイートで、ちょっと落胆してもいるんだけどね(笑)。
自選。
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
ほんとは他にも、このブログで自選したものをボットにあげたり、やりかけていたものがあったりもするけど、こういうのは、自分にニーズがあれば、やるものなんだ。自分に、ではない。自分がニーズすれば、の意味ね。
ツイッターもそうだろう。ツイートを誰かのためにすれば、いつか落胆するだろう。自分がニーズしてツイートするものなんだ。
ツイッターは、なにかどこか、コミュニケーションの底の方を変えているような気がする。
吉本隆明は、言葉を、自己表出と、指示表出に分けた。そして、詩は、自己表出にあたる。
そう、ツイッターは、自己表出の言語でコミュニケーションしているといえる。だから、ツイッターは、それ自体、詩的である。
谷川俊太郎の二十億光年の孤独ではないが、詩は、孤独とともにある。声は消えてしまうので、文字にして、本にして、仲間を求める。
現在は、本にせずとも、自己表出でコミュニケートできるツールがあって、いいね、というボタンを押すことで、その孤独の横に、ふっと存在の跡をのこすことができる。
今月(5/9)、永田淳が、ツイッターで、「SNSで「いいね」がもらえる短歌を作りたい、とかって言い出す時点で、もう短歌なんか作るな、と言いたい。
と、青磁社の永田淳が申しております。」とツイートした。これをツイートせしめる短歌界隈の思想をわたしは問題視しているが、このツイートもまた、自己表出のコミュニケーションなのである。
この短歌界隈の思想には、歴史問題やら、定型問題やらも関わっているんだけど、思うところはいくつかツイートした。そのツイートで、ちょっと落胆してもいるんだけどね(笑)。
自選。
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
2018年5月19日土曜日
2018年04月うたの日自作品30首。
「卯月」
ずきずきとなづきのうづく四月って陰暦じゃもう夏だったっけ
「室」
われもまた仕事が好きな顔にみえ会議室の明かりは真面目
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「ゆっくり」
ゲームして飽きたらマンガごろごろとゆっくりなにをほぐして君は
「筋」
逃げたのだ、筋肉を全部はがしてもボクを愛するのはイヤだったのか
「幼」
欠けているタイルで別れてしまうほど幼い僕を振ってくれた君
「塔」
タワーオブアイボリーにて知り合って先に現実に飛び込んだ友は
「鍵」
きみに送った鍵の短歌を読み返したら卑猥な歌にも読めるぞやばい
「知」
可愛ければ異国の全知全能の神さえガチャとなるFarEastは
「自由詠」
夢だからボクは臓器をあげました使えなかったようだ長き夢
「タイミング」
だしぬけにふたりで浦安デートする新宿駅でお前と出会う
「ハナミズキ」
この道はアメリカハナミズキだったのか冬に別れて気づかなかった
「ハナミズキ」
きみと歩いてええいああとハナミズキはだしでよろこんだのぼくでした
「菜」
新鮮な野菜を洗い濡れたまま葉を剥いてもう唇をつける
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「胃」
生きて腸まで届けなかった俺たちが言っておく胃を、胃を、舐めるな。
「食べ物の色」
よく混ぜた茶色をほかほかの白に載せてかき込む朝だ、食後にみどり
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「卵」
そうこれは爬虫人種のタマゴですしかも生まれないことを選んだ
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「井」
井の中の蛙帝国興亡史全200ケロ(大海は知らず)
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「プロ」
こうなったら俺もお客のプロだから最後まで聴くぜ金はいらねえ
「手」
手をふってきみが見えなくなるまでを思いを込あー! 見えなくなった
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
「能」
10円玉がその能力を疑えどうたがえどどうにも10円分
「大正」
女学生も手に取りし相対性理論男女の愛の科学書と思いて
「セーフ」
地球への人類の干渉具合はギリギリセーフwと人類がww言うwww
ずきずきとなづきのうづく四月って陰暦じゃもう夏だったっけ
「室」
われもまた仕事が好きな顔にみえ会議室の明かりは真面目
「ミント」
青いような白いようなそして甘いようなパジャマのようなほっぺたのような
「ゆっくり」
ゲームして飽きたらマンガごろごろとゆっくりなにをほぐして君は
「筋」
逃げたのだ、筋肉を全部はがしてもボクを愛するのはイヤだったのか
「幼」
欠けているタイルで別れてしまうほど幼い僕を振ってくれた君
「塔」
タワーオブアイボリーにて知り合って先に現実に飛び込んだ友は
「鍵」
きみに送った鍵の短歌を読み返したら卑猥な歌にも読めるぞやばい
「知」
可愛ければ異国の全知全能の神さえガチャとなるFarEastは
「自由詠」
夢だからボクは臓器をあげました使えなかったようだ長き夢
「タイミング」
だしぬけにふたりで浦安デートする新宿駅でお前と出会う
「ハナミズキ」
この道はアメリカハナミズキだったのか冬に別れて気づかなかった
「ハナミズキ」
きみと歩いてええいああとハナミズキはだしでよろこんだのぼくでした
「菜」
新鮮な野菜を洗い濡れたまま葉を剥いてもう唇をつける
「寿司」
パック寿司ばくつきながら休日のワンルームアクアリウム舌の上
「胃」
生きて腸まで届けなかった俺たちが言っておく胃を、胃を、舐めるな。
「食べ物の色」
よく混ぜた茶色をほかほかの白に載せてかき込む朝だ、食後にみどり
「沢」
こういう時は沢をひたすら降りるんだ、間違った知識で行くおれら
「卵」
そうこれは爬虫人種のタマゴですしかも生まれないことを選んだ
「干」
部屋干しの洗濯物をかき分けて「大将、やってる?」何度目ですか
「井」
井の中の蛙帝国興亡史全200ケロ(大海は知らず)
「バナナ」
ヨーグルトに沈むバナナの切れ切れのこれも性欲のハッピーエンド
「箸」
父ちゃんが服も着ないで風呂上がりに豆腐に箸をつけるまた初夏
「ちゃん」
なんにでも博打パクチー期も終わりちゃんとちゃんとの元の味です
「プロ」
こうなったら俺もお客のプロだから最後まで聴くぜ金はいらねえ
「手」
手をふってきみが見えなくなるまでを思いを込あー! 見えなくなった
「押」
ひょっとして時間はすでに止まっててわれわれは押し花かもしれぬ
「能」
10円玉がその能力を疑えどうたがえどどうにも10円分
「大正」
女学生も手に取りし相対性理論男女の愛の科学書と思いて
「セーフ」
地球への人類の干渉具合はギリギリセーフwと人類がww言うwww
2018年5月13日日曜日
2016年04月の自選と雑感。
先日、書店で短歌雑誌をいくつかぱらぱらとめくった。目次を開いて、ふむふむこの人達が書いているのか、と、それから、文字通り、ぱらぱらとめくって、題やら短歌やら文章を目に取らせる。どの界隈もそうなので、驚くにはあたらないが、高齢化している。
正岡子規がホトトギスを創刊して、俳句運動を興し、歌よみに与ふる書を書いたのは30歳だ。子規は34で没したので、晩年といえば晩年だが、高齢ではなかった。
そういえば、短歌雑誌は、昔からの印象として、よく名前や作品を知らない、おそらく高名で高齢な方が、身辺雑記みたいな短歌連作を載せていて、「手紙でやれ」と思っていたことを懐かしく思い出す。今なら、自分のHPやブログでやれ、と思う若者もいるかもしれない。(あるいは、そんな”若者”は、もういないかもしれない)
福島泰樹が、「述志とは〜」みたいな短歌を載せていて、なんかふふっとしちゃった。
自選。
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
正岡子規がホトトギスを創刊して、俳句運動を興し、歌よみに与ふる書を書いたのは30歳だ。子規は34で没したので、晩年といえば晩年だが、高齢ではなかった。
そういえば、短歌雑誌は、昔からの印象として、よく名前や作品を知らない、おそらく高名で高齢な方が、身辺雑記みたいな短歌連作を載せていて、「手紙でやれ」と思っていたことを懐かしく思い出す。今なら、自分のHPやブログでやれ、と思う若者もいるかもしれない。(あるいは、そんな”若者”は、もういないかもしれない)
福島泰樹が、「述志とは〜」みたいな短歌を載せていて、なんかふふっとしちゃった。
自選。
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
2018年5月12日土曜日
2016年04月の61首。パロディ短歌2首。
風景は風のある景、君去りしのちのさびしき砂浜がある
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
現世の褒美のような桜ふり生前死後のあわいにありぬ
丸々とかわいいきみが痩せてゆく、彼に疲れて美しくなる
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
ガラス玉のようにかがやくまなざしでデビットボウイは人界にいた
たとえば、暁鐘(ぎょうしょう)を乱打する生をおもう、あるいはそれを聞く生
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
ルネサンス以降も描かれるイコン、かく拒まれし人間の味
ゾンビとは止まった時間のことなのにどうしてぼくは逃げているのか
イタリア人ばかり描いて文芸の復興は成る、クールイタリー
昨日まで跳びはねていて今日はもう息も荒くて同じいのちが
君といる時のポアンカレプロットが一定なので好きとは言える
おっさんが窓から外を眺めいてただそれだけでキモい、世界よ
時流という真意の見えぬ体積に押されていれば押しつつもある
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
天才はたとえば早さ、夭逝の歌手の歌詞いまさらにおどろく
春の午後だから光が降るように桜がかがやいてまぶしくて
人生は読み終わらない本なのでどんでん返しになるかはたまた
通過するこの特急に何度ぼくは死んで汚して引き上げられき
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
短詩系文学思うより早くAIに負け勝ち負けに醒(さ)む
目も耳も口であるのだ音楽と思想を食べて人は生きれば
このおばちゃんトルクあるなと思わせて電動である、さいばねて来す
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
この語句の微妙に突き詰められてない感じはあれだ斉藤和義
妄想に勝ちぬいたという妄想が、その後美味しくいただきました
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
子供の頃父ちゃんと食べた夜鳴きそばのもやしの苦みが父と食べたし
訊かれてもない防災の豆知識を神妙に放つよかれ世界よ
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
深淵をのぞき込まないきみがいて深淵はついに手を出さざりき
弁当のしそおにぎりが濡れているそれを咥えて遅い花見は
道端にポピーぽぴぽぴ、こんな歌前にもたしか作ったっけか
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
キティちゃんのラッピング電車に乗る人を全員ファンとみなして愉快
災害に人の善意がいっちょかみしたい気持ちよおさえかねつも
脅威より悪意を感ずうつしよのquakeやrainあすのわがみに
濡れている藤とわたしに春の雨ひとつは慈悲でひとつは罰で
ほんとうに黒目が穴になることがあるさ、どうにもできないけれど
公園の向こうに杜(もり)のシルエット夏蝉のSEふさわしく
最低気温と最高気温の同じ日にここは真冬の南国に立つ
軍服のフィデルはおもう、いつか敵が見えなくなっていくさも見えぬ
ネクタイに蜘蛛連れてわれは通勤しわれ驚けば蜘蛛ぴょんと去る
「この曲なに?」「パッヘルベルの」「ヘルデルの」「ベルの」「パッヘルデルのベルノの?」
呼び継ぎの小さいが目立つ模様して一部になってしまうならいい
すこし跳ねて乙女が通話する横を別の乙女が一暼し過ぐ
建物の奥へ電線伝いつつネズ公が消ゆ、奥とは異界
とても怒るぼくに夜中に起こされて昼間は我慢してたのだろう
一生分の容量くらいなる脳の君が上書きされてゆくなり
輪廻など手慣れたものよ、人間の歩道を横切ったるダンゴムシ
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
欲望を遠ざけながら読んでいる万葉集は欲望の歌
ネットなどしたことないとツイートしバナナはお菓子に含まれざりき
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
#パロディ短歌
サラリーマンが歌よむ時に世の中の新しき歌多くて怒る
「暑いな」とひとりごつれば「暑いよ」とかぶせる奴のいるむし暑さ
デジタル化してゆくぼくらあいまいな気持ちは消去しますか?(y/n)
ゆきやなぎの咲く石段にきみがいてシーン的には恋の場面だ
この人よりは先に死ねない人を数え幹の小枝にふとさくらばな
ユトリロの白を頭に入れようと次へ進んでまた戻るなり
焼き固めていない器を土に置きもう一度土に還るか尋ぬ
現世の褒美のような桜ふり生前死後のあわいにありぬ
丸々とかわいいきみが痩せてゆく、彼に疲れて美しくなる
三千五百万の同胞と呼びかける明治後期の志賀の書を読む
ガラス玉のようにかがやくまなざしでデビットボウイは人界にいた
たとえば、暁鐘(ぎょうしょう)を乱打する生をおもう、あるいはそれを聞く生
きみのこと隣の部屋で祈りいて隣からくしゃみ聞こえるゆうべ
ルネサンス以降も描かれるイコン、かく拒まれし人間の味
ゾンビとは止まった時間のことなのにどうしてぼくは逃げているのか
イタリア人ばかり描いて文芸の復興は成る、クールイタリー
昨日まで跳びはねていて今日はもう息も荒くて同じいのちが
君といる時のポアンカレプロットが一定なので好きとは言える
おっさんが窓から外を眺めいてただそれだけでキモい、世界よ
時流という真意の見えぬ体積に押されていれば押しつつもある
旅先のホテルのテレビの天気予報のいつもと違う地形の曇り
下弦過ぎて細くなりゆく月のした居場所がなくて飛びゆくからす
わが知らぬ集計データの分析でぼくはあなたのことが好きです
天才はたとえば早さ、夭逝の歌手の歌詞いまさらにおどろく
春の午後だから光が降るように桜がかがやいてまぶしくて
人生は読み終わらない本なのでどんでん返しになるかはたまた
通過するこの特急に何度ぼくは死んで汚して引き上げられき
みな人の好きなものからはなれゆく理由を相手に見出してから
短詩系文学思うより早くAIに負け勝ち負けに醒(さ)む
目も耳も口であるのだ音楽と思想を食べて人は生きれば
このおばちゃんトルクあるなと思わせて電動である、さいばねて来す
思想書のまとめて読みし時期も過ぎ日に一頁めくりて読みつ
この語句の微妙に突き詰められてない感じはあれだ斉藤和義
妄想に勝ちぬいたという妄想が、その後美味しくいただきました
二百年もすれば全部の入れ替わる人類よきみの悩みはなにか
子供の頃父ちゃんと食べた夜鳴きそばのもやしの苦みが父と食べたし
訊かれてもない防災の豆知識を神妙に放つよかれ世界よ
息が止まるのはいいけれど止めるのはこわいと思う止められそうで
深淵をのぞき込まないきみがいて深淵はついに手を出さざりき
弁当のしそおにぎりが濡れているそれを咥えて遅い花見は
道端にポピーぽぴぽぴ、こんな歌前にもたしか作ったっけか
ぼくたちは快感しつつさぐりあう脊椎動物になった理由を(「快感」の題をみて)
キティちゃんのラッピング電車に乗る人を全員ファンとみなして愉快
災害に人の善意がいっちょかみしたい気持ちよおさえかねつも
脅威より悪意を感ずうつしよのquakeやrainあすのわがみに
濡れている藤とわたしに春の雨ひとつは慈悲でひとつは罰で
ほんとうに黒目が穴になることがあるさ、どうにもできないけれど
公園の向こうに杜(もり)のシルエット夏蝉のSEふさわしく
最低気温と最高気温の同じ日にここは真冬の南国に立つ
軍服のフィデルはおもう、いつか敵が見えなくなっていくさも見えぬ
ネクタイに蜘蛛連れてわれは通勤しわれ驚けば蜘蛛ぴょんと去る
「この曲なに?」「パッヘルベルの」「ヘルデルの」「ベルの」「パッヘルデルのベルノの?」
呼び継ぎの小さいが目立つ模様して一部になってしまうならいい
すこし跳ねて乙女が通話する横を別の乙女が一暼し過ぐ
建物の奥へ電線伝いつつネズ公が消ゆ、奥とは異界
とても怒るぼくに夜中に起こされて昼間は我慢してたのだろう
一生分の容量くらいなる脳の君が上書きされてゆくなり
輪廻など手慣れたものよ、人間の歩道を横切ったるダンゴムシ
終わりそうな関係だからやさしくて引力のもうとどかぬところ
欲望を遠ざけながら読んでいる万葉集は欲望の歌
ネットなどしたことないとツイートしバナナはお菓子に含まれざりき
死神と神がタバコを吸いながら戦後の命の高さをぼやく
#パロディ短歌
サラリーマンが歌よむ時に世の中の新しき歌多くて怒る
「暑いな」とひとりごつれば「暑いよ」とかぶせる奴のいるむし暑さ
2017年6月3日土曜日
2017年04月うたの日自選と雑感。
月が変わったら先月のうたの日の歌をまとめていたのだけれど、5月のアパシーでさぼったリング。しかしあの命名悪意あるよね。
これは毎年のことなのかもしれないけど、テルヤが観測するのは今年が初めてなので、どうもこの5月は、文学フリマや連休を機に、歌会が活発に行われるようになったようだ。また、それにともなって、歌会論も、みんながそれぞれの温度で、語るのが見えた。そういうテルヤも、昔の記憶をたよりに、わりと大いに語ってしまった。昔の話をとくとくと語る、これすなわち老害なり。
自選や自註など。
「いい◯◯」
荒れ果てて野良も隠れるいい畑地だったがショベルカー現れる
※誰にとってなにが「いい」のか、という歌ですね。
「市」
春の市で人はゆっくり渦となりあなたを探すひとりとなりぬ
「壺」
それほどの価値なき壺よ売れ残り埃積んでも壺として在る
「自由詠」
人生がループものって気づくってこのいとしさが解脱のことか
※先だってもツイッターでメタについて語ってしまったが、仏教における悟りというのは、幾分メタ認知をうながすような修行があるように思われる。解脱とは、輪廻を抜けだすことであり、輪廻を抜け出す、というのは、それが輪廻であると知ることだからだ。
「とうとう」
滔々と流れる河を見て育ちうとうとと愛を注(そそ)ぐ日を待つ
「部」
あなたから預かっている大切な部分がぼくのシーラカンスだ
「冥王星」
大切なものもほんとは見えるのに、冥王星の王子がニヤリ
「そもそも」
きみを好きな遥かなそもそも論をする、individualとは何かから
※individualとは個人、の意味で、これ以上divide(分割)出来ない、という、って、あれ、ここでそもそも論やっちゃうの?(笑
「極」
極楽鳥が首をかしげてわれを見る小声でひとつ訊ねてみれば
「糸」
夕方の多摩川は銀の糸となる河原を去ってゆくわれの背に
これは毎年のことなのかもしれないけど、テルヤが観測するのは今年が初めてなので、どうもこの5月は、文学フリマや連休を機に、歌会が活発に行われるようになったようだ。また、それにともなって、歌会論も、みんながそれぞれの温度で、語るのが見えた。そういうテルヤも、昔の記憶をたよりに、わりと大いに語ってしまった。昔の話をとくとくと語る、これすなわち老害なり。
自選や自註など。
「いい◯◯」
荒れ果てて野良も隠れるいい畑地だったがショベルカー現れる
※誰にとってなにが「いい」のか、という歌ですね。
「市」
春の市で人はゆっくり渦となりあなたを探すひとりとなりぬ
「壺」
それほどの価値なき壺よ売れ残り埃積んでも壺として在る
「自由詠」
人生がループものって気づくってこのいとしさが解脱のことか
※先だってもツイッターでメタについて語ってしまったが、仏教における悟りというのは、幾分メタ認知をうながすような修行があるように思われる。解脱とは、輪廻を抜けだすことであり、輪廻を抜け出す、というのは、それが輪廻であると知ることだからだ。
「とうとう」
滔々と流れる河を見て育ちうとうとと愛を注(そそ)ぐ日を待つ
「部」
あなたから預かっている大切な部分がぼくのシーラカンスだ
「冥王星」
大切なものもほんとは見えるのに、冥王星の王子がニヤリ
「そもそも」
きみを好きな遥かなそもそも論をする、individualとは何かから
※individualとは個人、の意味で、これ以上divide(分割)出来ない、という、って、あれ、ここでそもそも論やっちゃうの?(笑
「極」
極楽鳥が首をかしげてわれを見る小声でひとつ訊ねてみれば
「糸」
夕方の多摩川は銀の糸となる河原を去ってゆくわれの背に
2017年04月うたの日自作品の30首
「馬鹿」
変なところにお茶が入ってむせる春どんなところか知らぬうましか
「仏」
焼失し伝らざりし仏典に救われし人もう今は無し
「絨毯」
黒と茶と黄色の冬の絨毯がしまわれて春休み薄寒(うすさむ)
「いい◯◯」
荒れ果てて野良も隠れるいい畑地だったがショベルカー現れる
「リュック」
あの橋のあたりが虹の足だった、リュックで走るきっと間に合え
「市」
春の市で人はゆっくり渦となりあなたを探すひとりとなりぬ
「壺」
それほどの価値なき壺よ売れ残り埃積んでも壺として在る
「哀」
この町の哀愁一手に引き受けてよれたコートにすかさず夕日
「耐」
人生論にしたくはないがこの桜も冬の寒さによく耐えたです
「自由詠」
人生がループものって気づくってこのいとしさが解脱のことか
「とうとう」
滔々と流れる河を見て育ちうとうとと愛を注(そそ)ぐ日を待つ
「部」
あなたから預かっている大切な部分がぼくのシーラカンスだ
「冥王星」
大切なものもほんとは見えるのに、冥王星の王子がニヤリ
「夕方」
いちご狩りツアーのバスが去ってゆき甘き香りの残るマサカー(massacre)
「後」
現代が終わるころには我々は彼らに後光を付け足すだろう
「ほくろ」
もうひとつ星をみつける、明け方のネイキッドなる白い宇宙に
「バスケ」
バスケ部がバスケの授業を手伝ってダルそうながらしっかりバッシュ
「戻」
田畑には戻らない街、芋虫を食べたことないスズメとおれの
「襟」
開(ひら)けどもひらけども汝(な)が胸襟に男の影が(オレ含め)ない
「ポスター」
うすぎぬの半裸の女体のポスターを貼りたき男を守れ現代
「ドクロ」
頭蓋骨も美しからむきみのため「ドクロ 保存」で検索をする
「麺」
人生で一番大きな買い物をしちゃったね、今日麺でいいよね
「1/100」
1/100ミリグラムにもならぬ歌の重みを語るぼくらは
「渡」
海峡をよっと渡ってきましたよ桜前線の尻尾見ながら
「そもそも」
きみを好きな遥かなそもそも論をする、individualとは何かから
「パクチー」
パクチーは罰だったのにぱくぱくときみはほんとにわたしのきみか
「島」
陸地にも海の向こうも行けぬまま多島海にてうずくまる岩(われ)
「バッタ」
生きてゆけるところがここにはありませんバッタは全身ミドリなんです
「極」
極楽鳥が首をかしげてわれを見る小声でひとつ訊ねてみれば
「糸」
夕方の多摩川は銀の糸となる河原を去ってゆくわれの背に
変なところにお茶が入ってむせる春どんなところか知らぬうましか
「仏」
焼失し伝らざりし仏典に救われし人もう今は無し
「絨毯」
黒と茶と黄色の冬の絨毯がしまわれて春休み薄寒(うすさむ)
「いい◯◯」
荒れ果てて野良も隠れるいい畑地だったがショベルカー現れる
「リュック」
あの橋のあたりが虹の足だった、リュックで走るきっと間に合え
「市」
春の市で人はゆっくり渦となりあなたを探すひとりとなりぬ
「壺」
それほどの価値なき壺よ売れ残り埃積んでも壺として在る
「哀」
この町の哀愁一手に引き受けてよれたコートにすかさず夕日
「耐」
人生論にしたくはないがこの桜も冬の寒さによく耐えたです
「自由詠」
人生がループものって気づくってこのいとしさが解脱のことか
「とうとう」
滔々と流れる河を見て育ちうとうとと愛を注(そそ)ぐ日を待つ
「部」
あなたから預かっている大切な部分がぼくのシーラカンスだ
「冥王星」
大切なものもほんとは見えるのに、冥王星の王子がニヤリ
「夕方」
いちご狩りツアーのバスが去ってゆき甘き香りの残るマサカー(massacre)
「後」
現代が終わるころには我々は彼らに後光を付け足すだろう
「ほくろ」
もうひとつ星をみつける、明け方のネイキッドなる白い宇宙に
「バスケ」
バスケ部がバスケの授業を手伝ってダルそうながらしっかりバッシュ
「戻」
田畑には戻らない街、芋虫を食べたことないスズメとおれの
「襟」
開(ひら)けどもひらけども汝(な)が胸襟に男の影が(オレ含め)ない
「ポスター」
うすぎぬの半裸の女体のポスターを貼りたき男を守れ現代
「ドクロ」
頭蓋骨も美しからむきみのため「ドクロ 保存」で検索をする
「麺」
人生で一番大きな買い物をしちゃったね、今日麺でいいよね
「1/100」
1/100ミリグラムにもならぬ歌の重みを語るぼくらは
「渡」
海峡をよっと渡ってきましたよ桜前線の尻尾見ながら
「そもそも」
きみを好きな遥かなそもそも論をする、individualとは何かから
「パクチー」
パクチーは罰だったのにぱくぱくときみはほんとにわたしのきみか
「島」
陸地にも海の向こうも行けぬまま多島海にてうずくまる岩(われ)
「バッタ」
生きてゆけるところがここにはありませんバッタは全身ミドリなんです
「極」
極楽鳥が首をかしげてわれを見る小声でひとつ訊ねてみれば
「糸」
夕方の多摩川は銀の糸となる河原を去ってゆくわれの背に
2017年5月24日水曜日
2015年4月の作品雑感。
4月というのは明るい季節で(もう五月だよ)、桜を中心とした植物の一大イベントがあります。桜の歌というのは、よくもまあ飽きないもので、今年もいくつか作ったし、2年前も、けっこう作っていたようです。
現世に薄桃色のエフェクトを無理くりかけたように桜は
見るたびに桜は歌になるという文化を深く知らぬ私に
現世に薄桃色のエフェクトを無理くりかけたように桜は
見るたびに桜は歌になるという文化を深く知らぬ私に
春霞に桜があればなんというこの国はまだにっぽんである
上も桜下も桜の向こうから学生服が美しく来る
ライトアップ夜桜と夜の人の列その下に黒き水の流るる
かなしみは少しはあってかまわない飛花壮絶を眺めておりぬ
店内も花びらまみれ、かすかなる水気を帯びて終わりゆくよし
花びらを拾い集めて少女にはいつかうとましからん盛りの
自分から一歩もたった一歩でも逃げられざりき、散りいる桜
1年に一週間ほど、というドラマ性には敵いませんな。
自選。
かなしみは少しはあってかまわない飛花壮絶を眺めておりぬ
ひょっとして歴史をひとつ完全に更地にしたる跡地の重機
孤独とはいかなる罰か雀らのひとつ逃げればいっせいにゆく
自分から一歩もたった一歩でも逃げられざりき、散りいる桜
先輩は気付かなくても後輩はモールで頭を深々と下ぐ
前髪を何度もさわり片隅の承認欲に頬もゆるみつ
雨のため冷たく寒きこの夜を野良猫はおのが熱抱いて寝る
闌(たけなわ)は季節でなくて眼前をかく見るこころ、たとえば君の
馬車馬に生まれた馬は引くことと生きることとの区別なく引く
尊厳がひとりでに輝くように思っていたよ、錆びし鞦韆(ぶらんこ)
この花はたった自分の上だけをみつめる赤きチューリップかも
あまやかに侵食したる菌類の樹皮を覆ってやがては殺す
老いぼれた犬がゆっくり老いぼれた飼い主とときを超えたる散歩
エロがもつ救いと救いのなさなどをふと、まさか君に話したかりき
風のあといっせいに靡く見ておりぬ当然のように哀しいように
わがうちの差別意識をまざまざと否定肯定せずいわば、抱く
両手をねじりじゃんけんにここで勝つわれの未来を覗く、未来はひかり
2017年5月13日土曜日
2015年04月の60首と、ある人とのやりとり6首
現世に薄桃色のエフェクトを無理くりかけたように桜は
老人の背骨はたぶん耐えてきた孤独にじめりと曲がり縮みつ
見るたびに桜は歌になるという文化を深く知らぬ私に
春霞に桜があればなんというこの国はまだにっぽんである
上も桜下も桜の向こうから学生服が美しく来る
ライトアップ夜桜と夜の人の列その下に黒き水の流るる
かなしみは少しはあってかまわない飛花壮絶を眺めておりぬ
店内も花びらまみれ、かすかなる水気を帯びて終わりゆくよし
ホールケーキをぶつけるような人類の破滅、そのとき白甘(しろあま)き顔
ひょっとして歴史をひとつ完全に更地にしたる跡地の重機
前や後ろに子供を載せて女らは男のおらぬ往来をゆく
孤独とはいかなる罰か雀らのひとつ逃げればいっせいにゆく
花びらを拾い集めて少女にはいつかうとましからん盛りの
自分から一歩もたった一歩でも逃げられざりき、散りいる桜
8ビットサウンドでわが仏をば慰撫したてまつりて日を終える
たばこ酒あまいものコーヒーよりも依存の強い妄想のあり
先輩は気付かなくても後輩はモールで頭を深々と下ぐ
ビン詰めの幸福論を聴いているそのビンのフタをまわさぬわれに
朝明けて街灯がまだ点いていしが今消えてひとつ忘れてゆくか
話したいことどもすべて腐(くた)れゆき手に付いている甘酸きにおい
寝不足でからだが少しぬくいので君の手ひとつに熱放ちたし
前髪を何度もさわり片隅の承認欲に頬もゆるみつ
ああつまり余生なのだと思いいたり口角をふたつみつあげてみる
枝先がすべてみどりに透きとおりこの木の春はかくおびえたる
雨のため冷たく寒きこの夜を野良猫はおのが熱抱いて寝る
絶海の孤島のゆえに光るほど思念は研がれここまで届く
先進国のワンクリックで生かされる命の名前いかなるならん
闌(たけなわ)は季節でなくて眼前をかく見るこころ、たとえば君の
日々懺悔滅罪として生くことのそれは喜ばないことでなく
馬車馬に生まれた馬は引くことと生きることとの区別なく引く
歌の起源に母子のことば、しあわせねあったかくっておいしくって
涙など流れることもないけれど寂しさで処理したりかなしみ
尊厳がひとりでに輝くように思っていたよ、錆びし鞦韆(ぶらんこ)
この花はたった自分の上だけをみつめる赤きチューリップかも
奇妙なる比喩で隠していることの水底(みなそこ)の貝は待つことが生
いつのまに「にへら」と笑う人間になるのであろう、遠くもあらぬ
あまやかに侵食したる菌類の樹皮を覆ってやがては殺す
掌(て)の中の飼鳥のいのち軽くして真にわれよりかるき重みか
今朝の夢の違う悩みを生きている俺のその後が知りたいが、無い
自転車の練習をする父と娘(こ)のしろあかしろの花水木まで
ぶどう畑の夕日の、懐かしいような変わらぬような顔でお前は
まがまがしい花が咲くかと思いきやするするぽんと野生のポピー
遠く離れて語る親への愛などはよどむべきにはあらぬと思えど
仁丹が多めに口に入りたる顔のようなる好感度にて
老いぼれた犬がゆっくり老いぼれた飼い主とときを超えたる散歩
カラマーゾフをちびちび読んでとぼけつつわが一族の血をば思えり
スローなる爆発破裂ことに春その植物のあいだを歩く
もう酒をやめたいオレにこの夜が飲ませたいのは何色の水
印象は黒鍵ひとつずれるならたちまち瓦解したる音楽
感情の水面揺らさないための水抜き、むしろそこは足そうか
生活と瓦礫が同じ材料であることを見て娘あかるき
エロがもつ救いと救いのなさなどをふと、まさか君に話したかりき
石楠花は誤用であるがなめらかな石のようなる光沢と思う
風のあといっせいに靡く見ておりぬ当然のように哀しいように
目立つゆえ孤立し攻撃にさらされる白いカラスは赦免のしるし
ふてくされながらも母の手を握り少年はぬるき現実に戻る
君は一人じゃないなんてことないじゃないこんなところで出会っておいて
(上の歌をめぐるある人とのからくり人形と恋の勝ち負けについてのやりとり)
孤独とは何のからくり、山肌を流れる水に沿うて片栗
もう一度パタパタぼくに来るためにそっと、つよく、息を吹きこむ
右腕を巻いて抱く癖、キツいハグ、逃げるが勝ちの残れば負けの
泣きっつらに恋の敗北、かつ孤独、からくり人形つついて倒す
理不尽とは何処(いずこ)の婦人、奥の手の胸ポケットにいつから穴が
孤独宇宙はかく淡々と進むべし倒れたままで歩く人形
わがうちの差別意識をまざまざと否定肯定せずいわば、抱く
言うけれどアンダーカレントまで行けば本心があるわけでもないし
両手をねじりじゃんけんにここで勝つわれの未来を覗く、未来はひかり
老人の背骨はたぶん耐えてきた孤独にじめりと曲がり縮みつ
見るたびに桜は歌になるという文化を深く知らぬ私に
春霞に桜があればなんというこの国はまだにっぽんである
上も桜下も桜の向こうから学生服が美しく来る
ライトアップ夜桜と夜の人の列その下に黒き水の流るる
かなしみは少しはあってかまわない飛花壮絶を眺めておりぬ
店内も花びらまみれ、かすかなる水気を帯びて終わりゆくよし
ホールケーキをぶつけるような人類の破滅、そのとき白甘(しろあま)き顔
ひょっとして歴史をひとつ完全に更地にしたる跡地の重機
前や後ろに子供を載せて女らは男のおらぬ往来をゆく
孤独とはいかなる罰か雀らのひとつ逃げればいっせいにゆく
花びらを拾い集めて少女にはいつかうとましからん盛りの
自分から一歩もたった一歩でも逃げられざりき、散りいる桜
8ビットサウンドでわが仏をば慰撫したてまつりて日を終える
たばこ酒あまいものコーヒーよりも依存の強い妄想のあり
先輩は気付かなくても後輩はモールで頭を深々と下ぐ
ビン詰めの幸福論を聴いているそのビンのフタをまわさぬわれに
朝明けて街灯がまだ点いていしが今消えてひとつ忘れてゆくか
話したいことどもすべて腐(くた)れゆき手に付いている甘酸きにおい
寝不足でからだが少しぬくいので君の手ひとつに熱放ちたし
前髪を何度もさわり片隅の承認欲に頬もゆるみつ
ああつまり余生なのだと思いいたり口角をふたつみつあげてみる
枝先がすべてみどりに透きとおりこの木の春はかくおびえたる
雨のため冷たく寒きこの夜を野良猫はおのが熱抱いて寝る
絶海の孤島のゆえに光るほど思念は研がれここまで届く
先進国のワンクリックで生かされる命の名前いかなるならん
闌(たけなわ)は季節でなくて眼前をかく見るこころ、たとえば君の
日々懺悔滅罪として生くことのそれは喜ばないことでなく
馬車馬に生まれた馬は引くことと生きることとの区別なく引く
歌の起源に母子のことば、しあわせねあったかくっておいしくって
涙など流れることもないけれど寂しさで処理したりかなしみ
尊厳がひとりでに輝くように思っていたよ、錆びし鞦韆(ぶらんこ)
この花はたった自分の上だけをみつめる赤きチューリップかも
奇妙なる比喩で隠していることの水底(みなそこ)の貝は待つことが生
いつのまに「にへら」と笑う人間になるのであろう、遠くもあらぬ
あまやかに侵食したる菌類の樹皮を覆ってやがては殺す
掌(て)の中の飼鳥のいのち軽くして真にわれよりかるき重みか
今朝の夢の違う悩みを生きている俺のその後が知りたいが、無い
自転車の練習をする父と娘(こ)のしろあかしろの花水木まで
ぶどう畑の夕日の、懐かしいような変わらぬような顔でお前は
まがまがしい花が咲くかと思いきやするするぽんと野生のポピー
遠く離れて語る親への愛などはよどむべきにはあらぬと思えど
仁丹が多めに口に入りたる顔のようなる好感度にて
老いぼれた犬がゆっくり老いぼれた飼い主とときを超えたる散歩
カラマーゾフをちびちび読んでとぼけつつわが一族の血をば思えり
スローなる爆発破裂ことに春その植物のあいだを歩く
もう酒をやめたいオレにこの夜が飲ませたいのは何色の水
印象は黒鍵ひとつずれるならたちまち瓦解したる音楽
感情の水面揺らさないための水抜き、むしろそこは足そうか
生活と瓦礫が同じ材料であることを見て娘あかるき
エロがもつ救いと救いのなさなどをふと、まさか君に話したかりき
石楠花は誤用であるがなめらかな石のようなる光沢と思う
風のあといっせいに靡く見ておりぬ当然のように哀しいように
目立つゆえ孤立し攻撃にさらされる白いカラスは赦免のしるし
ふてくされながらも母の手を握り少年はぬるき現実に戻る
君は一人じゃないなんてことないじゃないこんなところで出会っておいて
(上の歌をめぐるある人とのからくり人形と恋の勝ち負けについてのやりとり)
孤独とは何のからくり、山肌を流れる水に沿うて片栗
もう一度パタパタぼくに来るためにそっと、つよく、息を吹きこむ
右腕を巻いて抱く癖、キツいハグ、逃げるが勝ちの残れば負けの
泣きっつらに恋の敗北、かつ孤独、からくり人形つついて倒す
理不尽とは何処(いずこ)の婦人、奥の手の胸ポケットにいつから穴が
孤独宇宙はかく淡々と進むべし倒れたままで歩く人形
わがうちの差別意識をまざまざと否定肯定せずいわば、抱く
言うけれどアンダーカレントまで行けば本心があるわけでもないし
両手をねじりじゃんけんにここで勝つわれの未来を覗く、未来はひかり
2016年5月21日土曜日
2016年04月うたの日雑感。
集団の感受性ということをときどき考えたりする。感受性というより一般的な言い方だと、カラーという方がいいかもしれない。
短歌という、多いといえば少ないし、少ないといえばけっこう多いというやっかいな趣味をもっているやっかいな人たちは、短歌について語り合いたく、意見を言いたく、意見を言ってもらいたく、教わりたく、教えたいので(もちろんもっと他の理由も人は持つのであるが)、集まりを企画する。
集団組織の変遷については、いっぱんに、ゲマインシャフト(地縁・血縁集団)からゲゼルシャフト(人工的利害集団)へと移行するみたいなことを言われるけれども、ゲゼル→ゲマイン化できるかどうかが、集団の心地よさみたいなものと関連するんじゃないか、とか、ゲマインの居心地のよさが窮屈になる瞬間には、何が起こるのか、みたいなことも興味深いが、これはちょっと脱線です。
現在の集団の分類は、短歌はざっと結社型、同人型、クラウド型、という分類が出来そうである。
はっきり分かれるわけではなく、グラデーションであるのだが、人を中心に集まる結社型から、同好で集まる同人型、ツイッターやウェブ歌会のような、公開された場所を誰でも行き来できたり、それぞれの人が個別に発信して、雲のような不定形の集まりにみえるクラウド型という感じ。
時間軸でいうと、結社型は通史的、クラウド型は共時的な特徴を持っているかもしれない。
最初の話に戻すと、それぞれの集団の感受性は、何が決めるのであろうか。
何がそれを引っ張って、何にそれは引っ張られるのか。
短歌の場合は、当然、作品があって、選があって、評があって、この3つが質を決めているのは確かなことだ。
感受性はどうだろうか。
ん、質と感受性って違うのか。
カラーは人で決まるようなところはあるね。
居心地と感受性の問題って、批評と好みの問題にちょっと似てるね。
(うたの日に関係ないし、結論もないし)
自選&自注
「市」
飢餓よりも肥満に似るか三万を割ってゆく市の取捨選択は
市の人口条件は、5万人または条件により3万人。しかしその人数を切ったからといって町に分解されることはあまりない。そういう場所は結構あって、その市はふつう餓えた状態のように見えがちだが、案外そうではないのではないか。市を運営する側の目線は、足りないものではなく、余剰のものに目がいくのではないか、というような意味。
「ライオン」
百獣の王に敬意を表しつつ霊長類が子に見せており
百獣の王だよーってパパが子供にライオンを見せることの、この霊長類の全能感。
「桜」
ゾンビには美しさなど分からぬが降りそそぐなかを見上げて立てり
降り注ぐ桜を眺めているゾンビが、美しさのために見上げているようにみえる。死という終わりがないゾンビには、「はかない」という美はたぶん見えないであろう。
「器」
透明の器から枡へこぼれゆく透明人間になる飲み物は
透明人間になる液体が入っている器も透明なのであろう。透明の器をこぼれて升、ということは、その液体はまさかジャパニーズサケではないか。
「朝焼け」
あたたかい夜が明けたら、いつまでもここにいれないことの朝焼け
朝焼けにはなにか移動をうながすものがあるのかもしれない。でもたしか、朝焼けの日は雨が多いんだっけ。
「サンダル」
ボツボツの穴の空きたるサンダルの色違いなる母子あかるし
この歌はツイッターで自注しました。
「作者が自分の歌を都合のいいように解釈しますと、これの裏の題詠テーマは「母子家庭の貧困」なんですね。
まずクロックス"系"のサンダルを母と子で履いていることで若い親を表し、シングルマザーの可能性を示すために親子でなく「母子」とした。クロックスは意外と高いので、類似品の可能性も含めてブランド名は出さず形態を述べた。
で、重要な部分として、裏テーマの母子家庭の貧困は、社会にとって深刻な問題だが当事者は必ずしも深刻ぶってなく、明るく日々を生きている、そういうこちらの眼差しの裏切りを歌いたかった。
それを、あのゴムサンダルの蛍光色の明るさと紛らわすために語順とてにをはを曖昧にした。
という社会詠としてみると、ボツボツの穴が空いているのはサンダルなのか、とまでは深読みできないけどね。
あるいは、その子供も「色違い」に過ぎない、という連鎖も折り込まれている、と読むのも深読みですよ。」
「右」
この廊下を右に曲がればきみに遭う確率はやや上がるが遭わず
確率というのは、どんなに高くても、結果をもたない数字なんですね。
「仮」
不幸ということではなくて最初から仮留めのようにいたんだきみは
それが仮留めかどうかは、中にいる人間には観測できないのだが、そうやって納得しようとする感情みたいなものを表示できただろうか。
「客」
おぉ君はそこにいたのか、客席のお前はあの日の若さのままで
死者が集まる劇場で観られるものは、現世だったりしないだろうか。
「パフェ」
食べ終えてパフェの器が咲いている天使のラッパは毒をもつとか
天使のラッパは、黙示録的でもあるけれど、天使のトランペットとかいう植物なかったっけ。
「掃除」
一斉に蜂起する明日、バッテリーが切れて動けぬ掃除ロボット
人類に反抗するために、一斉蜂起するのだから、人間よ、どうか電源を入れておいて欲しい、という、掃除ロボットの悲哀。おまえどうせ電源入ってても、掃除して人間の役に立っちゃうんだけどな。
「球」
地球との接点に黒と肌色の肉球で立つきみのやさしさ
つねに肉球で触れられている、地球って、いいなあ。
短歌という、多いといえば少ないし、少ないといえばけっこう多いというやっかいな趣味をもっているやっかいな人たちは、短歌について語り合いたく、意見を言いたく、意見を言ってもらいたく、教わりたく、教えたいので(もちろんもっと他の理由も人は持つのであるが)、集まりを企画する。
集団組織の変遷については、いっぱんに、ゲマインシャフト(地縁・血縁集団)からゲゼルシャフト(人工的利害集団)へと移行するみたいなことを言われるけれども、ゲゼル→ゲマイン化できるかどうかが、集団の心地よさみたいなものと関連するんじゃないか、とか、ゲマインの居心地のよさが窮屈になる瞬間には、何が起こるのか、みたいなことも興味深いが、これはちょっと脱線です。
現在の集団の分類は、短歌はざっと結社型、同人型、クラウド型、という分類が出来そうである。
はっきり分かれるわけではなく、グラデーションであるのだが、人を中心に集まる結社型から、同好で集まる同人型、ツイッターやウェブ歌会のような、公開された場所を誰でも行き来できたり、それぞれの人が個別に発信して、雲のような不定形の集まりにみえるクラウド型という感じ。
時間軸でいうと、結社型は通史的、クラウド型は共時的な特徴を持っているかもしれない。
最初の話に戻すと、それぞれの集団の感受性は、何が決めるのであろうか。
何がそれを引っ張って、何にそれは引っ張られるのか。
短歌の場合は、当然、作品があって、選があって、評があって、この3つが質を決めているのは確かなことだ。
感受性はどうだろうか。
ん、質と感受性って違うのか。
カラーは人で決まるようなところはあるね。
居心地と感受性の問題って、批評と好みの問題にちょっと似てるね。
(うたの日に関係ないし、結論もないし)
自選&自注
「市」
飢餓よりも肥満に似るか三万を割ってゆく市の取捨選択は
市の人口条件は、5万人または条件により3万人。しかしその人数を切ったからといって町に分解されることはあまりない。そういう場所は結構あって、その市はふつう餓えた状態のように見えがちだが、案外そうではないのではないか。市を運営する側の目線は、足りないものではなく、余剰のものに目がいくのではないか、というような意味。
「ライオン」
百獣の王に敬意を表しつつ霊長類が子に見せており
百獣の王だよーってパパが子供にライオンを見せることの、この霊長類の全能感。
「桜」
ゾンビには美しさなど分からぬが降りそそぐなかを見上げて立てり
降り注ぐ桜を眺めているゾンビが、美しさのために見上げているようにみえる。死という終わりがないゾンビには、「はかない」という美はたぶん見えないであろう。
「器」
透明の器から枡へこぼれゆく透明人間になる飲み物は
透明人間になる液体が入っている器も透明なのであろう。透明の器をこぼれて升、ということは、その液体はまさかジャパニーズサケではないか。
「朝焼け」
あたたかい夜が明けたら、いつまでもここにいれないことの朝焼け
朝焼けにはなにか移動をうながすものがあるのかもしれない。でもたしか、朝焼けの日は雨が多いんだっけ。
「サンダル」
ボツボツの穴の空きたるサンダルの色違いなる母子あかるし
この歌はツイッターで自注しました。
「作者が自分の歌を都合のいいように解釈しますと、これの裏の題詠テーマは「母子家庭の貧困」なんですね。
まずクロックス"系"のサンダルを母と子で履いていることで若い親を表し、シングルマザーの可能性を示すために親子でなく「母子」とした。クロックスは意外と高いので、類似品の可能性も含めてブランド名は出さず形態を述べた。
で、重要な部分として、裏テーマの母子家庭の貧困は、社会にとって深刻な問題だが当事者は必ずしも深刻ぶってなく、明るく日々を生きている、そういうこちらの眼差しの裏切りを歌いたかった。
それを、あのゴムサンダルの蛍光色の明るさと紛らわすために語順とてにをはを曖昧にした。
という社会詠としてみると、ボツボツの穴が空いているのはサンダルなのか、とまでは深読みできないけどね。
あるいは、その子供も「色違い」に過ぎない、という連鎖も折り込まれている、と読むのも深読みですよ。」
「右」
この廊下を右に曲がればきみに遭う確率はやや上がるが遭わず
確率というのは、どんなに高くても、結果をもたない数字なんですね。
「仮」
不幸ということではなくて最初から仮留めのようにいたんだきみは
それが仮留めかどうかは、中にいる人間には観測できないのだが、そうやって納得しようとする感情みたいなものを表示できただろうか。
「客」
おぉ君はそこにいたのか、客席のお前はあの日の若さのままで
死者が集まる劇場で観られるものは、現世だったりしないだろうか。
「パフェ」
食べ終えてパフェの器が咲いている天使のラッパは毒をもつとか
天使のラッパは、黙示録的でもあるけれど、天使のトランペットとかいう植物なかったっけ。
「掃除」
一斉に蜂起する明日、バッテリーが切れて動けぬ掃除ロボット
人類に反抗するために、一斉蜂起するのだから、人間よ、どうか電源を入れておいて欲しい、という、掃除ロボットの悲哀。おまえどうせ電源入ってても、掃除して人間の役に立っちゃうんだけどな。
「球」
地球との接点に黒と肌色の肉球で立つきみのやさしさ
つねに肉球で触れられている、地球って、いいなあ。
2016年04月うたの日作品の30首
「新」
思想にも新機軸など打ち出そう鳥や猫にも会釈するとか
「市」
飢餓よりも肥満に似るか三万を割ってゆく市の取捨選択は
「ライオン」
百獣の王に敬意を表しつつ霊長類が子に見せており
「少女マンガ」
少女マンガのような美形をレアガチャと呼べば悲しい顔をしていた
「桜」
ゾンビには美しさなど分からぬが降りそそぐなかを見上げて立てり
「十字架」
宇宙色が降りてもう夜、磔刑にしやすき形の生き物は寝ず
「負」
風邪薬を日本酒で飲むぼくを責めぼくに勝ち目があるわけがない
「器」
透明の器から枡へこぼれゆく透明人間になる飲み物は
「朝焼け」
あたたかい夜が明けたら、いつまでもここにいれないことの朝焼け
「自由詠」
春風の午後遊具なき公園に桜と老女、それだけの今日
「サンダル」
ボツボツの穴の空きたるサンダルの色違いなる母子あかるし
「距離」
8歳の年の差なんて距離にして、シリウスのように白く微笑む
「リボン」
春風がつよすぎたらし、空に舞うリボンのことをきみは忘れて
「Eテレの番組」
Eテレの番組いつか録画されず時間改変されいるいつか
「右」
この廊下を右に曲がればきみに遭う確率はやや上がるが遭わず
「紫」
紫がいいよねパーカーの色じゃなく輪郭線のことなんだけど
「ボタン」
袖のボタンを失くしたことに気がついて気がついて失くなったのでなく
「爆」
接頭語にいちいち付けてほんとうはくすぶっている若さのゆえに
「鏡」
われに似ぬものを求めて恋うためにミラーニューロンがきみをおどろく
「@」
アカウントのアットマークに4桁の数字があってきみはふたご座
「仮」
不幸ということではなくて最初から仮留めのようにいたんだきみは
「客」
おぉ君はそこにいたのか、客席のお前はあの日の若さのままで
「パンダ」
政治にも進化論にも興味なく春の若葉をいつまでも食う
「パフェ」
食べ終えてパフェの器が咲いている天使のラッパは毒をもつとか
「アジア」
人類のどの性格を受け持ってアジアの肌の色のぼくらは
「掃除」
一斉に蜂起する明日、バッテリーが切れて動けぬ掃除ロボット
「メイク」
メイキング映像もオールCGでちょっと待てこれはどこからメタだ
「ことわざ」
猿も木から落ちるかどうか見てないが人間も悪に勝つのは見たり
「割」
嫌味っぽい言い方をして真面目さを中和する癖、割と嫌味よ
「球」
地球との接点に黒と肌色の肉球で立つきみのやさしさ
思想にも新機軸など打ち出そう鳥や猫にも会釈するとか
「市」
飢餓よりも肥満に似るか三万を割ってゆく市の取捨選択は
「ライオン」
百獣の王に敬意を表しつつ霊長類が子に見せており
「少女マンガ」
少女マンガのような美形をレアガチャと呼べば悲しい顔をしていた
「桜」
ゾンビには美しさなど分からぬが降りそそぐなかを見上げて立てり
「十字架」
宇宙色が降りてもう夜、磔刑にしやすき形の生き物は寝ず
「負」
風邪薬を日本酒で飲むぼくを責めぼくに勝ち目があるわけがない
「器」
透明の器から枡へこぼれゆく透明人間になる飲み物は
「朝焼け」
あたたかい夜が明けたら、いつまでもここにいれないことの朝焼け
「自由詠」
春風の午後遊具なき公園に桜と老女、それだけの今日
「サンダル」
ボツボツの穴の空きたるサンダルの色違いなる母子あかるし
「距離」
8歳の年の差なんて距離にして、シリウスのように白く微笑む
「リボン」
春風がつよすぎたらし、空に舞うリボンのことをきみは忘れて
「Eテレの番組」
Eテレの番組いつか録画されず時間改変されいるいつか
「右」
この廊下を右に曲がればきみに遭う確率はやや上がるが遭わず
「紫」
紫がいいよねパーカーの色じゃなく輪郭線のことなんだけど
「ボタン」
袖のボタンを失くしたことに気がついて気がついて失くなったのでなく
「爆」
接頭語にいちいち付けてほんとうはくすぶっている若さのゆえに
「鏡」
われに似ぬものを求めて恋うためにミラーニューロンがきみをおどろく
「@」
アカウントのアットマークに4桁の数字があってきみはふたご座
「仮」
不幸ということではなくて最初から仮留めのようにいたんだきみは
「客」
おぉ君はそこにいたのか、客席のお前はあの日の若さのままで
「パンダ」
政治にも進化論にも興味なく春の若葉をいつまでも食う
「パフェ」
食べ終えてパフェの器が咲いている天使のラッパは毒をもつとか
「アジア」
人類のどの性格を受け持ってアジアの肌の色のぼくらは
「掃除」
一斉に蜂起する明日、バッテリーが切れて動けぬ掃除ロボット
「メイク」
メイキング映像もオールCGでちょっと待てこれはどこからメタだ
「ことわざ」
猿も木から落ちるかどうか見てないが人間も悪に勝つのは見たり
「割」
嫌味っぽい言い方をして真面目さを中和する癖、割と嫌味よ
「球」
地球との接点に黒と肌色の肉球で立つきみのやさしさ
2016年5月14日土曜日
2014年04月作品雑感。
5月になっています。5月というのは、さわやかな印象がありますが、最近はけっこう暑かったりもして、昨日のテレビだと、5月の平均気温は130年前とでは2℃くらい上がっていて、かつての5月の気温は、現在では3月くらいなんだそうな。あー、どうりで、と思ったものの、130年前のこと、わし、しらんがな。
生まれていない時期のことを思い出すのは通常の物理法則上では、出来ないとされているんですが、このブログのように、2年前の作品を掲げていると、つい先日作ったと思っていた短歌がもう2年前だったり、最近の着想と思っているものをすでに作っていたりして、われわれは実は球体の上を歩いているんじゃなくて、実は球体の内側を歩いているんじゃないか、という錯覚にとらわれたりします。時間は直線では決してなくて、いや、直線に記述することも可能ではないんだけれど、それはらせんのグラフを横から見るから進んでいるのであって、上から見たら、円のグラフになってしまう、サインカーブみたいなものではないか。だとしたら、認知症の年老いた彼女は、もう時間を横から見るのを止めてしまった、たったそれだけのことなのではないか。
そんなことを考えていたわけではないが、GWには生まれ故郷でゆっくりしながら、お腹周りを絶望的に蓄えてきたのでした。
4月は、どの季節にもありますが、4月特有の季節感があって、それをすくい取ろうとする作品がいくつかあるようです。
アスファルトの残りの熱を濡らしつつ小雨は匂う、記憶がひらく
雨あがりに降りたる花ぞ、留(とど)まっていられぬ場所を春とは知りぬ
雨と桜でどろどろのこのバス停を窓白きバスがためらわず過ぐ
ビル風に追い立てられてわれとわれの足もとの花びらとで逃げる
川に沿って菜の花のみちが二本ありこの下流には春の終わり
公転面の傾きにより来る春の春は女の輝度あがるなり
真夜の舗道に団子虫青く歩みおり啓蟄過ぎて寝るところなく
クラッカーの紙ロープ伸びて降るごとし頭上はるかにさえずりの交(か)い
4月はチェルノブイリ事故で、今年は30年だけど、この時は28年ですね。こういう歌はネットではどうなんでしょうね。
チョルノービリに蹲(うづくま)りおりチェルノブイリスカャアーエーエスはロシア語のまま
今ではウクライナになったのでウクライナ語で「チョルノービリ」という場所に、ある施設がうずくまっている。それは、名前も当時のロシア語のままの「チェルノブイリAES」だ、みたいな意味の歌です。
自選
ネット見てぐだぐだせむと探しだすいも焼酎とポテトチップス
ねこばあさんが首をつまんで運びたるおとなしきあの成猫を思う
アルゼンチンのカジュアルワイン飲んで酔う島国に生まれ島国で死ぬ
準備中ののれんを一段かたむけて湯気ふっくらとにおう店先
映画みたいに地球の終わりがわかるなら二時間前に眠りに就こう
つつじとの違いは君から教わって違いも君も曖昧となる
前を歩く女が尻を振っていて二歩ほど真似をしてしまいたり
新世紀のあのなにもかも新鮮だった世界のかけらを蹴りながら帰る
夜電車は寄り合い祈祷所のようにめいめいが深くこうべを垂れて
満開の濃きむらさきの藤棚の悲しみ垂るるとみえておどろく
両岸の家に挟まれカーブなす人工川の凹状(おうじょう)の闇
生まれていない時期のことを思い出すのは通常の物理法則上では、出来ないとされているんですが、このブログのように、2年前の作品を掲げていると、つい先日作ったと思っていた短歌がもう2年前だったり、最近の着想と思っているものをすでに作っていたりして、われわれは実は球体の上を歩いているんじゃなくて、実は球体の内側を歩いているんじゃないか、という錯覚にとらわれたりします。時間は直線では決してなくて、いや、直線に記述することも可能ではないんだけれど、それはらせんのグラフを横から見るから進んでいるのであって、上から見たら、円のグラフになってしまう、サインカーブみたいなものではないか。だとしたら、認知症の年老いた彼女は、もう時間を横から見るのを止めてしまった、たったそれだけのことなのではないか。
そんなことを考えていたわけではないが、GWには生まれ故郷でゆっくりしながら、お腹周りを絶望的に蓄えてきたのでした。
4月は、どの季節にもありますが、4月特有の季節感があって、それをすくい取ろうとする作品がいくつかあるようです。
アスファルトの残りの熱を濡らしつつ小雨は匂う、記憶がひらく
雨あがりに降りたる花ぞ、留(とど)まっていられぬ場所を春とは知りぬ
雨と桜でどろどろのこのバス停を窓白きバスがためらわず過ぐ
ビル風に追い立てられてわれとわれの足もとの花びらとで逃げる
川に沿って菜の花のみちが二本ありこの下流には春の終わり
公転面の傾きにより来る春の春は女の輝度あがるなり
真夜の舗道に団子虫青く歩みおり啓蟄過ぎて寝るところなく
クラッカーの紙ロープ伸びて降るごとし頭上はるかにさえずりの交(か)い
4月はチェルノブイリ事故で、今年は30年だけど、この時は28年ですね。こういう歌はネットではどうなんでしょうね。
チョルノービリに蹲(うづくま)りおりチェルノブイリスカャアーエーエスはロシア語のまま
今ではウクライナになったのでウクライナ語で「チョルノービリ」という場所に、ある施設がうずくまっている。それは、名前も当時のロシア語のままの「チェルノブイリAES」だ、みたいな意味の歌です。
自選
ネット見てぐだぐだせむと探しだすいも焼酎とポテトチップス
ねこばあさんが首をつまんで運びたるおとなしきあの成猫を思う
アルゼンチンのカジュアルワイン飲んで酔う島国に生まれ島国で死ぬ
準備中ののれんを一段かたむけて湯気ふっくらとにおう店先
映画みたいに地球の終わりがわかるなら二時間前に眠りに就こう
つつじとの違いは君から教わって違いも君も曖昧となる
前を歩く女が尻を振っていて二歩ほど真似をしてしまいたり
新世紀のあのなにもかも新鮮だった世界のかけらを蹴りながら帰る
夜電車は寄り合い祈祷所のようにめいめいが深くこうべを垂れて
満開の濃きむらさきの藤棚の悲しみ垂るるとみえておどろく
両岸の家に挟まれカーブなす人工川の凹状(おうじょう)の闇
2014年04月の60首
遺伝子のというより遺伝システムの袋小路でさくらまぶしき
駐車場の車を選び当たりなら午後まで眠っている下に猫
機械訛りの声にやさしく包まれて終わる生でもよいかもしれず
予想より少し長き夜首に溜まる汗乾く頃ふたたび眠る
アスファルトの残りの熱を濡らしつつ小雨は匂う、記憶がひらく
なりたくていやなれなくてお前らは今年の今のさくらであるか
死神と朝との二択、目を開けて朝であるなら肚決めて生く
元旦の歯ばかり磨くつぶやきのボットに遭いてあやしく可笑し
驚くべきこととは思う生きているすべてのものが老い、曝(さら)ばえる
雨あがりに降りたる花ぞ、留(とど)まっていられぬ場所を春とは知りぬ
知らぬものどうしが文字を並べゆき花冷えの語で少しつながる
ネット見てぐだぐだせむと探しだすいも焼酎とポテトチップス
ねこばあさんが首をつまんで運びたるおとなしきあの成猫を思う
雨と桜でどろどろのこのバス停を窓白きバスがためらわず過ぐ
テレビ消して手のりの鳥といて思うシャガールのそのかなしい気持ち
管理職はラズノグラーシェを抱えつつ遅めの昼を一人で食えり
よろよろのハムスターには巨大なるわれの愛着すら畏怖となり
まだ桜、家の近所の公園でわが呑む夜をまつまであるか
世界からドロップアウトするような早寝をかさねまだ容(い)られおる
真面目に生きさらに真面目に怠けたるこのうつしよに猫というのは
ビル風に追い立てられてわれとわれの足もとの花びらとで逃げる
堪忍袋のジッパーを行き来する電車、今朝もどこかが挟まったらし
音楽が頭の中にあるせいで少し楽しくなるとは不思議
材質を疑うほどに日に光る赤チューリップ、チューリップの黄
アルゼンチンのカジュアルワイン飲んで酔う島国に生まれ島国で死ぬ
生きることの歓喜をのちに伝えんとまだ隠れたる窟の埋経
端折るならば血色のよい死体にて土にならむと樹木を探す
川に沿って菜の花のみちが二本ありこの下流には春の終わり
通電をやめた一人の媒体のサルベージすべき感情いくつ
眩しさも暗さも怖き飼い鳥の軟弱さこそ生きるといえり
ブックマークの一覧に昏(くら)き文字ありてたがいに触れぬまま過ぎていつ
公転面の傾きにより来る春の春は女の輝度あがるなり
真夜の舗道に団子虫青く歩みおり啓蟄過ぎて寝るところなく
空調とファン駆動音に紛れ美(は)しサーバー室で歌うバッハの
さくら散ればなしくずし藤はなみずき紫陽花さるすべり、で木犀へ
紳士服売場でわれの属性を見失いループタイを探しき
準備中ののれんを一段かたむけて湯気ふっくらとにおう店先
日日(にちにち)がデジャヴァブルだと思ううちにこの感慨もコピー嵩(かさ)むる
無明(むみょう)から次の無明へ渡りゆく馴れた目が厭う世界ならよし
クラッカーの紙ロープ伸びて降るごとし頭上はるかにさえずりの交(か)い
whyよりもhowに尽きると聞き做(な)して目玉親父の声でフィンチは
隠棲する老思想家のかみ合わぬ助言と思えど敬にて受けつ
油絵の油の固いマチエールの明るい部屋にしろき青年
人型にくり抜いた紙を重ねゆきその空間に生は詰まりつ
映画みたいに地球の終わりがわかるなら二時間前に眠りに就こう
つつじとの違いは君から教わって違いも君も曖昧となる
店先で店員と猫がゆっくりと夜を待ちいる春の夕方
真夜覚めてトイレを終えて一杯のコーラを飲みてやすらけく寝る
前を歩く女が尻を振っていて二歩ほど真似をしてしまいたり
新世紀のあのなにもかも新鮮だった世界のかけらを蹴りながら帰る
飼い鳥に来訪神のわれはきょう真夜帰りきてひたすら撫でる
夜電車は寄り合い祈祷所のようにめいめいが深くこうべを垂れて
満開の濃きむらさきの藤棚の悲しみ垂るるとみえておどろく
チョルノービリに蹲(うづくま)りおりチェルノブイリスカャアーエーエスはロシア語のまま
夭逝こそ若き特権、赤緑(せきりょく)のあざやかにして短き躑躅(つつじ)
乾きたる有翼天使図は赤く古昔(こせき)人間(じんかん)に遊びていしか
古代コンクリートの肌(はだえ)あたたかし後(のち)錬金の夢やぶるるも
両岸の家に挟まれカーブなす人工川の凹状(おうじょう)の闇
服を着て散歩する犬とすれ違い犬も服着た人われを見る
宇宙まで透けたる空の蒼(あお)の下五月こそ何かはじめたるべし
駐車場の車を選び当たりなら午後まで眠っている下に猫
機械訛りの声にやさしく包まれて終わる生でもよいかもしれず
予想より少し長き夜首に溜まる汗乾く頃ふたたび眠る
アスファルトの残りの熱を濡らしつつ小雨は匂う、記憶がひらく
なりたくていやなれなくてお前らは今年の今のさくらであるか
死神と朝との二択、目を開けて朝であるなら肚決めて生く
元旦の歯ばかり磨くつぶやきのボットに遭いてあやしく可笑し
驚くべきこととは思う生きているすべてのものが老い、曝(さら)ばえる
雨あがりに降りたる花ぞ、留(とど)まっていられぬ場所を春とは知りぬ
知らぬものどうしが文字を並べゆき花冷えの語で少しつながる
ネット見てぐだぐだせむと探しだすいも焼酎とポテトチップス
ねこばあさんが首をつまんで運びたるおとなしきあの成猫を思う
雨と桜でどろどろのこのバス停を窓白きバスがためらわず過ぐ
テレビ消して手のりの鳥といて思うシャガールのそのかなしい気持ち
管理職はラズノグラーシェを抱えつつ遅めの昼を一人で食えり
よろよろのハムスターには巨大なるわれの愛着すら畏怖となり
まだ桜、家の近所の公園でわが呑む夜をまつまであるか
世界からドロップアウトするような早寝をかさねまだ容(い)られおる
真面目に生きさらに真面目に怠けたるこのうつしよに猫というのは
ビル風に追い立てられてわれとわれの足もとの花びらとで逃げる
堪忍袋のジッパーを行き来する電車、今朝もどこかが挟まったらし
音楽が頭の中にあるせいで少し楽しくなるとは不思議
材質を疑うほどに日に光る赤チューリップ、チューリップの黄
アルゼンチンのカジュアルワイン飲んで酔う島国に生まれ島国で死ぬ
生きることの歓喜をのちに伝えんとまだ隠れたる窟の埋経
端折るならば血色のよい死体にて土にならむと樹木を探す
川に沿って菜の花のみちが二本ありこの下流には春の終わり
通電をやめた一人の媒体のサルベージすべき感情いくつ
眩しさも暗さも怖き飼い鳥の軟弱さこそ生きるといえり
ブックマークの一覧に昏(くら)き文字ありてたがいに触れぬまま過ぎていつ
公転面の傾きにより来る春の春は女の輝度あがるなり
真夜の舗道に団子虫青く歩みおり啓蟄過ぎて寝るところなく
空調とファン駆動音に紛れ美(は)しサーバー室で歌うバッハの
さくら散ればなしくずし藤はなみずき紫陽花さるすべり、で木犀へ
紳士服売場でわれの属性を見失いループタイを探しき
準備中ののれんを一段かたむけて湯気ふっくらとにおう店先
日日(にちにち)がデジャヴァブルだと思ううちにこの感慨もコピー嵩(かさ)むる
無明(むみょう)から次の無明へ渡りゆく馴れた目が厭う世界ならよし
クラッカーの紙ロープ伸びて降るごとし頭上はるかにさえずりの交(か)い
whyよりもhowに尽きると聞き做(な)して目玉親父の声でフィンチは
隠棲する老思想家のかみ合わぬ助言と思えど敬にて受けつ
油絵の油の固いマチエールの明るい部屋にしろき青年
人型にくり抜いた紙を重ねゆきその空間に生は詰まりつ
映画みたいに地球の終わりがわかるなら二時間前に眠りに就こう
つつじとの違いは君から教わって違いも君も曖昧となる
店先で店員と猫がゆっくりと夜を待ちいる春の夕方
真夜覚めてトイレを終えて一杯のコーラを飲みてやすらけく寝る
前を歩く女が尻を振っていて二歩ほど真似をしてしまいたり
新世紀のあのなにもかも新鮮だった世界のかけらを蹴りながら帰る
飼い鳥に来訪神のわれはきょう真夜帰りきてひたすら撫でる
夜電車は寄り合い祈祷所のようにめいめいが深くこうべを垂れて
満開の濃きむらさきの藤棚の悲しみ垂るるとみえておどろく
チョルノービリに蹲(うづくま)りおりチェルノブイリスカャアーエーエスはロシア語のまま
夭逝こそ若き特権、赤緑(せきりょく)のあざやかにして短き躑躅(つつじ)
乾きたる有翼天使図は赤く古昔(こせき)人間(じんかん)に遊びていしか
古代コンクリートの肌(はだえ)あたたかし後(のち)錬金の夢やぶるるも
両岸の家に挟まれカーブなす人工川の凹状(おうじょう)の闇
服を着て散歩する犬とすれ違い犬も服着た人われを見る
宇宙まで透けたる空の蒼(あお)の下五月こそ何かはじめたるべし
2015年11月28日土曜日
2013年04月作品雑感。
もう来週は12月なので、ずいぶん寒くなってきました。日本人はマスクをよくしている、と何かで読んだ記憶がありますが、日本人にとってマスクは、風邪や花粉症だけでなく、防寒具であったり、もっとメンタルな装備であったりします。
マスクとは拒絶のかたち、ウイルスから花粉から匂いから社会から
マスクも数年前から比べると高くなったよね。
最近の話題で、文系学部不要論みたいなのがあって、これ自体はむかーしからある理系文系対立の系譜だろうし、実利と豊かさみたいな(いや、逆に豊かさは実利で実利は豊かさで、みたいな)軸のコンセンサスがとれていない議論が繰り返されるのだろうけれど、文学史を振り返ると、文学はやはり豊かさのようなものが前提に必要であるし、本質的でありながら余剰、不要分も含まなければならなくて、攻撃されるのは当然であると思いながらも、数が減ると貧しくならざるをえないなあとは思う。
「文学は突進せよ」のアジ遠く仮死状態の眉が引き攣る
茂吉忌は二月だったか、敗戦後葡萄を見ている老人を思う
たしかに文学は、サッカーの日本代表のレベルを上げるにはサッカー人口を増やさないといけないような側面もありながら、結局天才1人が道をひらく、そういう側面があることも否めないけどね。
自選。
善も悪もいや生い茂る律動の春とう舟にわれも揺れつつ
落ち椿馘首のごとく無残なりし門前も掃除されて跡なし
一寸の虫にもあらむ魂のナノあたりから比率あやしき
虫眼鏡の焦点を過ぎて広がりぬ円錐形の淡き明るさ
2013年04月の30首
善も悪もいや生い茂る律動の春とう舟にわれも揺れつつ
人の壊れに段階のあるを思いつつ真顔の母に笑顔を返す
もう少し白くてもいいこの街を高架橋から君と見ており
確率論のしわざのままでいたいから因果を云うと聞き流すなり
イヤホンのヘヴィーメタルのサウンドがバロックめく頃会社に着けり
絶句して桃を見ていた、過ぐ春の空気も光る風景にあって
「文学は突進せよ」のアジ遠く仮死状態の眉が引き攣る
茂吉忌は二月だったか、敗戦後葡萄を見ている老人を思う
レーゼドラマのような女性のジェンダーの口調で我を拒みてし人
クリックで分かり合えたる心地して釣り合わぬほどの孤独の生(あ)るる
浴槽に身を沈めふと幸福はあふれるごときことかと思う
落ち椿馘首のごとく無残なりし門前も掃除されて跡なし
マスクとは拒絶のかたち、ウイルスから花粉から匂いから社会から
景として君のピントはぼやけゆき青黛の眉のラインひとすじ
音楽の孤独の部分ばかり聴き薄青き朝をさみしく思う
いまひとつ掴めていない言説が承認されないことぞたのしき
セーヌ川に頭を突っ込む日本人の曲を聴きつつ目黒川越ゆ
貴種流離の花屋の娘が変装し悪と戦うアニメの世界
嘘をつく子供の目には臆病と怒りと怯えと優しさがある
校庭のなんじゃもんじゃの木の下で少年期ひとつ終わるを見おり
放課後の食堂の脇で延々と音階練習して青春期
苦しみを乗り越えて君の精神の様のごとくに深きホルンは
コンビニのポスターで知る定演の店長OB説の妄想
ここまでは来たのだけれどコンビニで一本煙草を吸うまでに決める
目の前に分岐コマンド現れてリスクを選ぶ心を量る
確信もいらぬ理詰めの手堅さで人間の玉が詰められていく
生命の系統樹には僕までの運ぶ決意が枝なしていて
アクセスの切れ目が縁の切れ目にて私淑とか格好つけてさびしき
一寸の虫にもあらむ魂のナノあたりから比率あやしき
虫眼鏡の焦点を過ぎて広がりぬ円錐形の淡き明るさ
人の壊れに段階のあるを思いつつ真顔の母に笑顔を返す
もう少し白くてもいいこの街を高架橋から君と見ており
確率論のしわざのままでいたいから因果を云うと聞き流すなり
イヤホンのヘヴィーメタルのサウンドがバロックめく頃会社に着けり
絶句して桃を見ていた、過ぐ春の空気も光る風景にあって
「文学は突進せよ」のアジ遠く仮死状態の眉が引き攣る
茂吉忌は二月だったか、敗戦後葡萄を見ている老人を思う
レーゼドラマのような女性のジェンダーの口調で我を拒みてし人
クリックで分かり合えたる心地して釣り合わぬほどの孤独の生(あ)るる
浴槽に身を沈めふと幸福はあふれるごときことかと思う
落ち椿馘首のごとく無残なりし門前も掃除されて跡なし
マスクとは拒絶のかたち、ウイルスから花粉から匂いから社会から
景として君のピントはぼやけゆき青黛の眉のラインひとすじ
音楽の孤独の部分ばかり聴き薄青き朝をさみしく思う
いまひとつ掴めていない言説が承認されないことぞたのしき
セーヌ川に頭を突っ込む日本人の曲を聴きつつ目黒川越ゆ
貴種流離の花屋の娘が変装し悪と戦うアニメの世界
嘘をつく子供の目には臆病と怒りと怯えと優しさがある
校庭のなんじゃもんじゃの木の下で少年期ひとつ終わるを見おり
放課後の食堂の脇で延々と音階練習して青春期
苦しみを乗り越えて君の精神の様のごとくに深きホルンは
コンビニのポスターで知る定演の店長OB説の妄想
ここまでは来たのだけれどコンビニで一本煙草を吸うまでに決める
目の前に分岐コマンド現れてリスクを選ぶ心を量る
確信もいらぬ理詰めの手堅さで人間の玉が詰められていく
生命の系統樹には僕までの運ぶ決意が枝なしていて
アクセスの切れ目が縁の切れ目にて私淑とか格好つけてさびしき
一寸の虫にもあらむ魂のナノあたりから比率あやしき
虫眼鏡の焦点を過ぎて広がりぬ円錐形の淡き明るさ
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